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人材育成を成功させるポイントとは?目標設定と計画立案について解説

※画像はイメージです

人材育成は、企業戦略においてもっとも重要な経営課題だといえます。労働人口減少が加速して人材確保が困難になり、社員一人ひとりの生産性が企業の競争力・成長力に直結する時代が訪れたからです。そして働き方が多様化し、価値観がめまぐるしく変化するなかで人材育成の概念も変わりつつあります。

人材育成を成功させるには何をすべきか?
育成目標はどのように立案すればよいのか?
なぜ新入社員がすぐに辞めてしまうのか?

社員教育に関する上記のような悩みを抱えている方に向け、本記事では人材育成を成功に導くためのポイントについて詳しく解説します。育成の目的や効果的な目標設定、最適な育成手段の選択など、意識すべき重要なポイントと併せて解説しますので、ぜひ御社の人材育成計画の参考にしてください。

人材育成とは?

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人材育成とは、企業の生産力の源である人的資源の可能性を最大化するための試みであり、新入社員を企業の求める人材へ成長させる戦略的な施作のことです。

厚生労働省の発表する「一般職業紹介状況」によると、有効求人倍率はリーマンショックのあった2009年から毎年上昇を続けており、2019年2月には1.63倍を記録しています。これはバブル期のピークを上回る倍率であり、空前の売り手市場であることが読み取れます。

優秀な人材の確保が困難な時代において自社の競争力を保つためには、獲得した人材の育成が鍵を握ります。新入社員を優秀な社員に育てることは、生産性を向上させるだけでなく社員の定着を促し、やがて新たな人材確保にもつながって行きます 。

では、人材育成を成功させるためにはどうすればよいのでしょう?
まずは、育成の目的を明確にしておくことが大切なポイントとなります。

人材育成の目的

人材育成の目的は3つに分類できます。

1.新人の即戦力化による生産性向上

企業が人材育成を考えるうえでひとつのゴールとなるのは、新入社員の即戦力化でしょう。戦力とは、他の社員と同等のスキルや知識を有し、企業全体の生産力を底上げしてくれる存在です。人材育成計画はそこに至るまでの過程をより迅速に、簡潔に実現するためのロードマップの役割を担うものでなければなりません。

企業全体の生産性向上をもたらして初めて、人材育成が成功したといえるのです。

2.離職の防止

企業にとってもっとも大きな損失は、育てた社員が辞めてしまうことです。社員の離職は人的リソースが減少するというだけでなく、それまで育成にかけてきた費用や時間も無駄になってしまうことを意味します 。

さらに、離職率が高まれば新規採用にも悪影響を及ぼします。人手の確保が難しい時代だからこそ、貴重な人材が辞めてしまう事態は避けなければなりません。平成29年の雇用状況調査によれば、転職入職者のうち男性の12.4%・女性の14.7%が、前職を辞めた理由として「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」と答えています。定年や契約満了を除くと男女ともに離職理由のトップが労働時間の問題なのです 。
出典:平成 29 年雇用動向調査結果の概況 – 厚生労働省)

適切な育成によって生産性を身に付けることは労働時間短縮につながります。将来の社員満足度につながる要因を見据えることも、人材育成の大切な目的です。また、将来のキャリアアップや労働条件が向上する仕組みをオープンにするなど、社員の不安を取り除いて長く働きたいと思える風土をつくり、訴求することもひとつの人材育成といえるでしょう。

3.経営ビジョンの共有

人材育成は、仕事で生じるさまざまな課題に対して、何をどのように考えて行動に落とし込むかという具体的な指針を与えることでもあります。現代は誰もが膨大な情報に自由にアクセスできるので、新入社員たちが業界や会社の先行きに不安を感じる記事を見聞きするかもしれません 。
だからこそ、経営陣には企業の描くビジョンを共有して浸透させることが求められます。明確な経営戦略に沿った合理的な指針は、社員を安心させ、モチベーションアップをもたらすのです 。

将来任せたいポストを定め、到達点から逆算した育成計画を提示し、現在地がどこなのかを可視化することで、育成する側、される側の双方が主体性を持って仕事に励むことができます。社員が自社の経営を「自分ごと」として捉えられるよう、配属先部署の将来の人員数、業務範囲、いずれ就いてほしい役職と必要な業務知識といった経営ビジョンは、できるだけ具体的に落とし込むと効果的です 。

このように、入社後早い段階から新入社員に経営ビジョンを共有し、未来に向けて種を蒔くことも人材育成の目的といえます 。

人事育成計画で重要な3つのポイント

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人材育成は「現状把握」「目標設定」「育成手段の選定」の3つのフローから成ります。ですから育成計画をつくるときには、これら3つのフローを意識することが大切です。

ポイント1:現在の課題を把握する

社内の現状と課題を把握することは、計画策定の第一歩です。 社員へのヒアリングなどによって業務上の問題点をあぶりだし、解決するために何をすべきかを考えます。取るべき行動をリストアップすれば、新入社員に期待することがおのずと見えてくるはずです 。
なお、この現状把握に有用なヒアリングは、管理職だけでなくさまざまな職種・年代・事業所の社員に行う方がよいでしょう。その結果として挙がってきた課題は、育成の方向性を決定づける根拠として活用できます 。

ポイント2:具体的な目標設定

現状と課題を把握したところで、次に具体的な目標設定の段階に入ります。 人材育成は経営戦略の一環ですので、ゴールとなる数値目標を設けることが必要です。そして数値目標は、大きな目的へと帰結するものでなくてはなりません。ここでは目標を設定する際に必要な事項を8つ、解説します。

1.新入社員のモチベーションを保つ

社員のモチベーションはもっとも重要な経営資源のひとつです。したがって目標を設定するにあたっては、新入社員のモチベーションアップを促し、高いレベルで維持させることを常に意識すべきです。以下に続くポイントは、いずれもモチベーションの維持・向上につなぐことができます。

2.具体的な数値と言葉に置き換える

会社が新入社員に期待する人物像を、できるだけ具体的かつ簡潔な数字と言葉に置き換えます。たとえば以下のようなものです。

例1)入社3年目に新規開拓による年間売上2,000万円を達成する
例2)入社1年以内にRubyOnRailsを使用してウェブアプリケーションを作成する
例3)入社6か月以内に20社の受発注業務を担当できるようになる
例4)入社1年で全メニューを調理可能なキッチンスタッフになる

3.新入社員、育成者の双方にKGI、KPIを設定する

数値化、文言化された目標をKGI(重要目標達成指標:プロジェクトの具体的なゴール)に掲げ、KGIを達成するために必要な行動をKPI(重要業績評価指標:プロジェクト達成のための行動目標)として定めて行きます。

このとき、KPIは新入社員と育成担当者の双方に設定することが重要です。 たとえば以下のようなKPIを設定します 。

例1)KGI:入社後3年で新規開拓による年間売上2,000万円を達成する
【新入社員KPI】新規顧客訪問に月間10回同行する
【育成担当者KPI】新規顧客訪問に新人を同行させ、重点ポイントをリストアップして共有。毎月テスト形式のワークショップを行い、理解度を把握する

例2)KGI:入社1年でRubyOnRailsを使用してウェブアプリケーションを作成する
【新入社員KPI】会社の定めたRubyOnRailsチュートリアルを週に10時間以上受講する
【育成担当者KPI】育成担当者が進捗をチェックする

例3)KGI:入社6ヶ月以内に20社の受発注業務を担当できるようになる
【新入社員KPI】受発注業務のフローチャートに沿って月に5件ずつ業務を担当する
【育成担当者KPI】フローチャートを作成。割り振った5件に関して至らない部分をフォローし、不足している知識、ノウハウを補う。

例4)KGI:入社1年で全メニューの調理が可能になる
【新入社員KPI】毎週1回、調理に関する実習を受講する
【育成担当者KPI】実習を実施。月に10ずつ新しいメニューを調理できるレベルに育てる

4.KPIに具体的な期間を設ける

「いつまで」という明確な期限がない場合、何となくの進捗になって社員の緊張感やモチベーションが低下しがちです。それを防ぐために、KGI、KPIには期間目標を設けるべきでしょう。
「入社後6ヶ月以内」「月に10件」「週に5時間」「毎日9:00〜9:30の30分間」のように期間を具体的に定めることで、「掲げるだけ」の目標設定ではない、ビジョンに根ざした行動指針となるのです。

5.進捗の可視化

育成の進捗を可視化することは大きな意味を持ちます。この進捗管理は、フローチャートや表を用いて具体的に行いましょう。現時点までに何をどれだけ積み重ねてきたのかを把握することは、新入社員と育成担当者双方のモチベーション維持につながります。また、進捗が具体的であればあるほどマネージメントしやすく、合理的な人事評価も可能です。

さらに急な担当者交代など、不測の事態にも迅速に対応できるでしょう。専用のアプリ、ツールも多くありますので、これらを活用してみるのもよいかもしれません。

6.外的動機付けから内的動機に移行できるような人事評価システムを構築

新入社員の自主性を促す評価制度も重要です。成長意欲は急に高まるものではなく、長期的な学びを通して身について行くものだからです。はじめは外的な動機、たとえば昇給や賞与のために取り組んでいたとしても、育成がうまく行くと、社員はやがて成長そのものを楽しむようになります。
内的に動機付けされることで、業務への積極的な関与も期待できます。新入社員が自ら学ぶ姿勢を持つことは、企業の生産性向上にとって好ましい状況です。

ですから会社の人事評価には、KPI達成による昇給やボーナスを設定するだけでなく、自発的な試みを評価する仕組みやメンターとコミュニケーションできるチャットシステムなどを盛り込み、外的動機から内的動機への移行を促しましょう。

7.従業員満足度にも目標数値を設定する

若年層の社会人のなかには、労働の対価に給与や待遇面だけでなく、やりがいなどの目に見えないものを重視する人も増えています。企業には、より直感的な悦びの創出が求められているのです。したがって、新入社員がどれだけ現状に満足しているかを測る、たとえば「従業員満足度調査」のような指標は、従来以上に意味を持つようになります。
調査結果にも数値目標を設定することで、より従業員満足度の高い企業へのアップデートが期待できます。人材育成プランを考えるときに、ぜひ考慮したいポイントです。

8.費用対効果にも目標数値を定める

人材育成は経営戦略のひとつですから、当然採算性も重要になります。じっくり大切に育てても、コストがかかりすぎては元も子もありません。生産性を上げるために育成するのだという視点を度外視せず、現状に対して最良のプランを練るべきです。

そのためにも、プラン策定時の費用対効果への目標数値設定は有用でしょう。人材教育に対する費用対効果はROIという指標によって計測します。ROIとはReturn on Investmentの略であり、利益を投下資本で割ることで算出されます。たとえば以下のように決めて行きます。

費用◯万円で「◯◯研修」の実施
→半年以内に新規顧客◯件の獲得
→売上高◯%アップ
→ROI ◯%

ポイント3:育成方法を決める

目標設定が済んだら、いよいよ育成方法を決める段階です。
育成方法は大別すると、「OJT(On-The-Job Training)」「Off-JT(Off-The-Job Training)」の2つに分類できます。OJTは業務を実践しながら学ぶ方法であり、Off-JTは座学に近い研修です。指導者がマンツーマンで教えるものから集団で行うものまで、参加人数や形態は多岐に渡ります。では育成方法を決めるうえで、どんなことを意識すべきなのでしょうか。

1.自社にとって最適な育成方法

人材育成を進めるときには、トレンドを取り入れることに重きを置くのではなく、自社にとってどのような方法が最適なのかを問うことが大切です。最先端のIT企業が導入している育成方法がすべての企業に当てはまるとは限りません。そして、ゴールが異なれば通るべき道筋も変わります。
育成の目的・方向性をしっかり定め、会社の規模や業種に応じた最適な方法を選択することが重要です。

2.将来を見据えた育成方法

社会情勢や働き方をめぐる労働者の意識、制度はめまぐるしく変化しています。社員教育も未来の社会を見据えて組む必要があるでしょう。業界や社内の今後の動向を念頭に置きつつ最適な育成方法が選択できるよう、プラン立案者は社内外に広くアンテナを張っておかなくてはなりません。

たとえば、将来外国人従業員の増加が見込まれるのであれば、言語の壁にとらわれない育成方法が望まれるでしょう。また、今後は画像や動画を用いたマニュアルやレギュレーション資料の果たす役割が増して行くと予想するのであれば、資料作成のツール使用やデザイン力強化を目指す方法が望まれることでしょう。

3.汎用性の高い育成方法

今後多様な働き方が増加して行くなかで、人材育成は汎用性の高いものが求められます。年代、性別、国籍、職歴、勤務形態を問わず、幅広い対象者に対応可能な育成システムを構築しなくてはなりません。そのためには誰がどこで学んでも均一の効果を期待できる育成ツールが必要です。

直感的なマニュアルやスマホ・タブレットを活用した進捗管理などが、この課題を解決してくれることでしょう。そして個別の進捗に応じたケアとして、メンターによる綿密なコミュニケーションもますます重要になります。また、定期的に最良の育成プランへとアップデートすることで、次世代の育成にも役立ちます。

まとめ

労働人口減少の時代において生産性確保のために不可欠な人材育成。これからの企業には、魅力的な労働環境を整備するだけでなく、優れた人材教育を施す手腕も求められます。人材育成を成功に導くためには、「生産性向上」「離職の防止」「経営ビジョンの共有」という3つの目的を明確にすることが肝要です。
そのうえで現状の課題を把握し、新入社員と育成担当者、費用対効果に具体的な数値目標を設定すること、目標達成までの道のりを最短距離で歩む教育方法を選択することがポイントになります。この機会に、自社にマッチした育成計画や目標設定について見直してみてはいかがでしょうか。

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