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ナレッジマネジメントとは? 役立つツールもご紹介

※画像はイメージです

目に見えない「知識(ナレッジ)」を資産としてとらえて経営に反映する「ナレッジマネジメント」は、1990年代に登場して以降、国内外の多くの企業に広まりました。

本記事ではナレッジマネジメントの概要や、なぜ組織運営にナレッジマネジメントが重要なのか、推進する上での注意点などについて解説し、主なナレッジマネジメントツールをご紹介します。

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは、個人や組織が仕事を通して得た技術・ノウハウ・気づきなどの「知識」をひとつの「資産」であるととらえ、企業が計画的に知識資産を管理して共有し、経営戦略に反映していく手法のことです。日本語では「知識管理」「知識戦略」とも訳されます。 
1996年に‎野中郁次郎氏が著書の『知識創造企業』で提唱し、アメリカの『エコノミスト』など世界の経済誌から賞賛されたことで広く知られるようになりました。ナレッジマネジメントの目的は、企業経営において得た知識の価値を最大限に高め、無形資産として蓄積し、組織の創造力の源にすることです。

知識を経営資産としてとらえる

ひと昔前まで、一般的に企業の価値は会計上表すことができる資産によってのみ計られていました。売上高、株式総額、保有不動産など、バランスシートに数値として記載する流動資産や固定資産が企業価値だったのです。ナレッジマネジメントは、有形資産だけでは企業価値を表すことができないという考えから生まれました。ではナレッジマネジメントにおいて「知識」とは何を指すのでしょうか。

ナレッジマネジメントにおける知識とは

『知識創造企業』では、知識は「形式知」と「暗黙知」の2つに分類されています。

形式知とは

形式知とは、明確に言語化・数値化できる、客観的で誰が見ても一目瞭然な知識のことです。たとえば業務マニュアルは、この形式知を具体化した典型的なものだといえるでしょう。

 形式知の例

・従業員の能力
・自社製品の効果的な製法 ・従業員の能力
・製品、サービスに関する特許や各種ライセンス ・従業員の能力
・製品、サービスに関わる法的な知識
・教育プログラム、研修システム
・メール、チャットで交わされたメッセージ
・メールやチャットなどコミュニケーションツールの運用ノウハウ
・社内データベースに蓄積された各種情報
・顧客情報
・公式SNSアカウントのフォロワー

暗黙知とは

形式知に対して暗黙知とは、個人や組織それぞれが持っている特有のノウハウや経験のこと。営業マンのセールススキルや人脈、職人の技術、そして「想い」や「ビジョン」などといった目に見えないものもこれにあたります。

 暗黙知の例

・企業の持つブランドイメージ
・製品のデザイン ・企業の持つブランドイメージ
・サービスのコンセプト ・企業の持つブランドイメージ
・従業員個人が持っている「情熱」や「信念」
・社内ではまだ共有されていないアイデアやひらめき

ナレッジマネジメントは2種類の知識を相互作用させる行為

ナレッジマネジメントは、形式知と暗黙知を相互作用させることで価値を産むための手法といえます。要約すればナレッジマネジメントとは、きわめて個人的なアイデアや想いなどの暗黙知を組織内の誰が見ても分かりやすい「形式知」に変換、全社で共有して製品やサービスに反映し、蓄積した知識資産がまた新しい暗黙知を生み出す、という好循環を戦略的に生み出す試みなのです。

SECIモデル

『知識創造企業』のなかで野中氏は「SECIモデル」を用いてこのプロセスを説明しています。
SECIモデルとは知識の創造、共有過程を表したもので、ナレッジマネジメントに重要な「共同化:Socialization」「表出化:Externalization」「連結化:Combination」「内面化:Internalization」という4つのフェーズの頭文字をつないだ言葉です。

画像引用元:日本ナレッジ・マネジメント学会東海部会季報 Oct.2007, Jan.2008
※上記論文も『知識創造企業』内の画像を引用しているものと思われます。

共同化:Socialization

共同化は、個人的な暗黙知を組織で共有することです。

表出化:Externalization

表出化は、共同化された暗黙知を形式知に変換して汎用性を高める局面です。

連結化:Combination

連結化は、これまでの形式知と新たに加わった形式知と組み合わせて、新規に形式知の体系を作り直す、もしくは創造する過程です。

内面化:Internalization

内面化は、連結化によって作られた新しい形式知が、また新たな暗黙知を産み出す状態です。

以上の4つの局面がうまく作用することで、組織が有する知識資産の価値は最大化されます。今日では多くの企業で経営に取り入れられている概念です。

なぜナレッジマネジメントが重要?

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GoogleやNTTといった国内外の大企業において成果を挙げているナレッジマネジメントですが、なぜそこまで重視されるのでしょうか。

理由のひとつは時代の変化です。大量生産・大量消費時代が終焉を迎え、自律的で付加価値を産み出す人材の価値が相対的に上がったことと、終身雇用や年功序列制度が崩壊したことにより、人の出入りが激しくなりました。それと共に情報やノウハウの流動性が高まり、知識が組織内に蓄積されづらくなってしまいました。このことから、企業のなかで「知識」という財産を適切に整理する必要性が生じたのです。
GoogleやNTTといった国内外の大企業において成果を挙げているナレッジマネジメントですが、なぜそこまで重視されるのでしょうか。

人材育成のスピードアップ

もうひとつは人材育成のスピード化を図るためです。情報革命以後の企業は、工業化時代のようにマニュアル対してだけ効率的な組織体系では競争力を保てなくなりました。海外のテクノロジー企業が先導する、いわば「アイデアとコンセプトの時代」にあっては、個人から産まれるアイデアをイノベーションにつなげなければ生き残れません。組織が積み重ねた知識を誰もがアクセス可能な学習資源として活用し、なおかつ若い感性と化学反応を起こすことでイノベーションを創出することが求められているのです。

ドラッガーは知識労働によって付加価値を産み出す人材を「ナレッジワーカー」と呼び、その重要性を説いています。ナレッジマネジメントは、若手社員のポテンシャルを早期に引き出してナレッジワーカーに育成する手法となるのです。

ナレッジマネジメントを進める際の注意点

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単にイントラネットや社内情報共有システムを構築しただけではナレッジマネジメントとはいえません。活発な知識提供と提供された知識を活用して行動に移す人材がいてこそ、その効果を発揮します。

気軽に知識提供できる雰囲気が必要

たとえば社内で知識を共有するシステムを作ったとして、そこに情報が集積されなければ意味がありません。
「せっかく得たノウハウは自分のものだから共有なんてしたくない」
「データベースに登録するなんて面倒」
「自分の気づいたことなんて誰かの役に立つわけがない」
このような個人的解釈が知識の集積を阻害します。まずは誰もが気軽に、自発的に知識を提供する意識が必要です。そのためには全社的にナレッジマネジメントの意義と効用が啓発されていなくてはなりません。

若手社員が何に悩んでいるのか、耳を傾ける

課題から逆算した知識共有は効果的です。
「◯◯業界に対する企画提案のノウハウを知りたい」
「東南アジアにおける原材料調達に関し、現地商社との交渉経験のある人に話を聞きたい」
「採算性の高いマーケティングセミナーを開催したい」
「肉料理の旨味を引き出す焼き加減を自分の目で確認したい」
「寒冷地での集合住宅建築の坪単価を把握したい」
上記のような具体的な悩みに対して、該当する知識を持っている人材がノウハウを提供できれば業務の質が上がります。また、悩みが生じて解決されるまでのプロセスが記録されていれば、次世代の知識としても活用可能です。

現場の従業員がどんな悩みや想いを抱えているのか可視化することは、知識の循環を促進します。

ナレッジマネジメントで活用できるツール

オンラインストレージサービス

オンライン上でファイルを共有するサービスです。クラウド上に保存した資料や画像をどこからでも確認することが可能になります。共有範囲や作業権限もファイルごとに設定可能です。
「Dropbox」「Google Drive」「iCloud」「OneDrive」「box」「firestorage」など多種多様なサービスがあり、料金や機能も多岐にわたります。

スケジュール管理・コミュニケーションツール

個々のスケジュール管理、共有や、プロジェクトメンバー間でのチャットもナレッジマネジメントツールといえます。社内SNSを利用する企業も増えてきており、スケジュール管理とコミュニケーションツールを包括的に利用できるグループウェアも登場しています。

「サイボウズ」「kintone」「desknet’s NEO」「TimeTree」などが有名です。

プロジェクト管理ツール

プロジェクトをフェーズごとに分け、ガントチャートによって確認したり、ワークフローの現在地を視覚的に確認するためのツールがこれにあたります。クラウド型やスマホアプリ対応のツールも増えており、組織の特性に合わせた運用が可能です。

「Trello」「Redmine」「Backlog」「Stock」「Brabio!」など多様なツールが存在します。

イントラネット・エクストラネット

社内における情報共有システムをイントラネット、取引先や外部の組織まで共有範囲を広げたものをエクストラネットといいます。オンラインストレージと異なり、組織にフィットしたシステムの構築が可能です。

動画によるナレッジマネジメント

新しい手法として注目されているのが動画によるナレッジマネジメントです。業務の勘所を動画に落とし込んで研修や育成に活用します。直感的で即効性が高く、人材育成の効率化、知識財産の共有を促進します。

「shouin」を利用すると、組織ごとの課題解決にフィットした動画マニュアルを作成することが可能です。スキル評価やトレーニング進捗分析などの機能も豊富で、組織の知識共有を円滑にします。ミュゼプラチナムやきちりHDでも導入されるなど、ナレッジマネジメントの新しい手法として注目されているプラットフォームです。

まとめ

ナレッジマネジメントとは、知識を資産ととらえる概念から生まれた経営戦略のひとつです。 知識には形式知と暗黙知の2種類があり、個人のアイデアや気づきが共有され、新しい知識を創出する過程は「SECIモデル」で表すことができます。ナレッジマネジメントを推進することで優秀な人材が育つ土壌が育まれますが、そのためには知識の提供と活用を促す働きかけが必要です。

近年はさまざまな種類のナレッジマネジメントツールがリリースされ、動画による画期的なプラットフォームも登場しました。この機会に御社でも、人材育成にナレッジマネジメントツールを導入してみてはいかがでしょうか。

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