少子高齢化で労働人口が減少するなか、生産性を上げるには従業員一人ひとりの能力向上が求められています。しかし、人材育成には費用がかかるため、コスト面で大きな負担となり、思うように進められていない企業も少なくありません。そこで利用したいのが、厚生労働省が設けている助成金制度「人材開発支援助成金」です。助成金を利用することで、限られた予算であっても効果的な人材育成が可能になります。
今回は、人材育成の効率化を目指して策定された人材開発支援助成金についてメリットや受給条件、助成額、申請の流れを解説します。
人材開発支援助成金とは、従業員が専門的な知識やスキルを習得し、キャリア形成を図るための職業訓練に対して、企業が受けられる助成制度です。
企業がこの制度を活用することで、従業員のリスキリング(学び直し)を進める際に、国から経費や賃金の一部の補助を受けることができます。
具体的には、職業訓練にかかった費用や、訓練中の賃金の一部が、各都道府県の労働局から助成されます。
助成金の対象となるのは、以下のような事業主です。
助成金を受給するには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります
助成金の対象となる職業訓練の受講者は、雇用保険法第4条に規定する被保険者のうち、契約社員や派遣社員・短時間労働者などを除いた正規雇用の従業員となります。
現在、多くの企業で人材不足が深刻な課題となっています。新たな組織やプロジェクトを立ち上げる際、外部から人材を採用するには時間とコストがかかります。
そこで注目されているのが、既存の従業員を再教育し、必要なスキルを身につけてもらう=リスキリングの取り組みです。
人材開発支援助成金を活用すれば、研修費用や訓練中の賃金の負担を軽減しながら、社内人材のスキルアップを図ることが可能です。
研修を行うことで助成金が支給される人材開発支援助成金ですが、人材開発支援助助成金を利用して訓練を実施することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
人材開発支援助成金を活用する最大のメリットのひとつは、従業員の知識やスキルが向上し、生産性の高い働き方が実現できる点です。
従業員一人ひとりの能力が高まることで、業務の効率化や品質の向上が期待でき、結果として企業全体の生産性向上につながります。
特に、これまで「予算の都合で人材育成を見送っていた」企業にとっては、この助成金を利用することで、コストを抑えながら効果的な研修を実施できるようになります。
人材開発支援助成金では、目的に応じたさまざまな訓練コースが用意されています。中でも注目したいのが、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やITスキルの習得を支援するコースです。
社内でのデジタル化や業務の自動化を推進できれば、以下のような効果が見込めます。
こうした取り組みを支援する研修に対して助成金が活用できるため、費用面での負担を抑えつつ、時代に求められるスキルを社内に根付かせることが可能です。
人材開発支援助成金を活用することで、企業が研修や訓練を実施する際のコスト負担を大幅に軽減することができます。
従業員数が多い企業ほど、人材育成にかかる費用は大きくなります。特に外部講師を招いたり、専門的な研修を実施したりする場合、経費や研修期間中の人件費が企業にとって大きな負担となることも少なくありません。
こうした費用に対して、人材開発支援助成金では研修実施時の経費や訓練中の従業員の賃金の一部が助成されます。
条件を満たせば、最大で費用の75%が助成されるコースも用意されており、非常に高いコストパフォーマンスで人材育成に取り組むことができます。
企業が人材育成に積極的に取り組むことは、従業員のやる気やモチベーションの向上につながります。研修や訓練を受けることで、自身のスキルが高まっていると実感できると、仕事への前向きな姿勢も育まれます。
特に社内研修では、日々の業務に直結したスキルや知識を学ぶことができるため、学んだ内容をすぐに実務に活かしやすいのが特徴です。
また、外部研修の場合は、社外の専門家からの刺激を受けることで、視野が広がり、自己成長への意欲も高まる効果が期待できます。
従業員のモチベーションが高まれば、業務の質やスピードが向上し、生産性アップにもつながります。さらに、自らキャリアアップを目指す意識が芽生えれば、組織全体にも良い影響を与えるでしょう。
加えて、人材開発支援助成金を活用して専門性の高い研修を受講すれば、社内で優秀な人材を育成・確保できるようになります。
これにより、新たな人材を外部から採用する必要がなくなり、採用コストの削減にもつながるというメリットもあります。
人材開発支援助成金を活用して、従業員に必要な研修を実施することは、企業全体の成長につながる重要な取り組みです。
まず、従業員のスキルを把握したうえで、業務に必要な知識や技術を計画的に身につけてもらうことで、モチベーションの向上や生産性の改善が期待できます。
スキルアップによって仕事への意識が変わり、結果として企業全体のパフォーマンスも向上していきます。
さらに、研修で得たスキルを実践で活かす機会を設けることで、従業員の成長意欲はさらに高まり、主体的に仕事へ取り組む姿勢が育ちます。
近年、企業にとって大きな課題のひとつが「人材の定着」です。人手不足が続く中で、社員が長く働ける職場環境づくりは欠かせません。
助成金を活用して研修を導入することは、中長期的なキャリア開発の促進にもつながり、従業員が将来像を描きやすくなることで離職防止や定着率の向上にも貢献します。
このように、人材開発支援助成金は従業員と企業の双方にメリットがある制度です。研修をきっかけに、組織としての成長基盤を強化していくことができるでしょう。
人材開発支援助成金は、**融資ではなく「返済不要のお金」**です。いずれ返済しなければならない借入金とは異なり、条件を満たして支給が確定すれば、原則として返済の必要はありません。
さらに、この助成金は雑収入として会計処理が可能で、「本業以外の収益」として扱われます。資金繰りにゆとりを持たせながら、教育・研修に必要な投資ができる点も大きな魅力です。
企業にとって人材育成は重要な取り組みである一方、コスト面の負担がネックになることもあります。
しかし、こうした返済不要の公的支援制度を活用することで、リスクを抑えながらリスキリングを推進することが可能になります。
「人材育成を強化したいが、費用面が不安…」という企業にとって、人材開発支援助成金は非常に心強い制度と言えるでしょう。
開発支援助成金には7つのコースがあり、支給対象や支給金額が異なります。ここではそれぞれのコースについて、対象者・対象訓練含む概要を説明してください。
被保険者に対して職務関連の知識や技能を習得させるための訓練や、非正規雇用労働者に正社員化を目指す訓練などを実施した場合、訓練経費や期間中の賃金の一部が助成されます。
幅広い範囲をカバーしているコースであるため、人材開発支援助成金を利用したい場合に支給対象となる企業も多いでしょう。人材育成支援コースは、以下の3つに分かれています。
職務に関連するOff-JTを10時間以上行った場合に支給
中核人材を育成するためのOJT訓練に対して支給
正社員化を目的として、OJTとOff-JTを組み合わせた訓練に対して支給
業務に関する幅広い訓練が対象です。業務に直接関連しない内容を学ぶ研修は、助成対象となりませんので注意が必要です。
▪️参照:
令和7年度版 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内| 厚生労働省
有給教育訓練休暇などの制度を導入して実際に同休暇を社員が取得し、訓練を受けた場合に助成されます。以下、3つの制度があります。
3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主に助成
1年間に120日以上の取得が可能な長期訓練休暇制度を導入し実際に適用した事業主に対して助成
教育訓練を受けるために、所定外労働時間の免除が可能な制度を導入し、実際に1回以上適用した事業主に助成
それぞれの制度について、就業規則や適用期間、教育訓練の実施主体などに細かな制限が設けられています。また、OJTや業務命令によって受講させる訓練、研究会や視察旅行などは支給対象とならないため注意が必要です。
▪️参照:
令和7年度版 人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内(詳細版)| 厚生労働省
「人への投資促進コース」は、デジタル人材や高度専門人材の育成をはじめ、労働者の自発的なスキル習得を支援するための助成制度です。訓練経費や、訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
このコースの特徴は、企業主導の研修だけでなく、従業員が自ら学ぶ自律的な学習も対象となる点です。eラーニングのような定額制訓練も助成の対象になります。
以下のような取り組みが助成対象となります。
これにより、企業が従業員のリスキリングやキャリア開発を促進しやすくなるだけでなく、社員一人ひとりの主体的な学びを後押しする環境づくりにもつながります。
なお、「人への投資促進コース」は、令和4年度~令和8年度までの期間限定の助成制度です。活用を検討している場合は、早めの情報収集と準備が重要です。
▪️参照:
令和7年度版 人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内(詳細版)| 厚生労働省
新規事業の立ち上げといった事業展開やDX・GXにともない、新たな分野で必要な知識や技能を習得させるための訓練を実施した場合、訓練経費や期間中の賃金の一部が助成されます。
助成を受けるには、以下の要件があります。
新たな商品・サービスを製造する場合や、新たな分野へ進出する場合には事業展開とみなされるため、事業展開等リスキリング支援コースが利用しやすいです。また、デジタル化やDX化、グリーン化を進めるためにも役立てられます。
他コースと同様に賃金助成と経費助成がありますが、助成の対象となるのは通学制・同時双方向型の通信訓練に限り、eラーニングの場合は賃金助成の対象外となります。
▪️参照:
令和7年版 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)| 厚生労働省
上記4つのコース以外に、建設労働者認定訓練コース、建設労働者技能実習コース、障害者職業能力開発コースがあります。
認定職業訓練や指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合の訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合に、訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
このコースには普通課程や短期過程、高度職業訓練、指導員訓練など、幅広い種類があります。
対象となる訓練内容は幅広く、例えば普通課程であれば金属加工や木材加工、機械整備や建築外装など多彩です。普通課程の場合の訓練期間はいずれも1年間です。また、短期課程であれば原則として6ヶ月以下の訓練を行います。
雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合、訓練経費や期間中の賃金の一部が助成されます。
建設労働者認定訓練コースは基本的に認定訓練のみが対象であるのに対して、建設労働者技能実習コースは中小企業が自ら実施する教育訓練も助成の対象となります。
具体的な支給対象としては、例えば以下のようなものが考えられます。
障害者の職業に必要な能力を開発、向上させるために一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置費用や運営費が一部助成されます。
身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害のある者、難治性疾患を有する者が対象となります。
このコースで助成金を受け取るためには、障害者の能力開発に対する知見を有し、教育訓練に関する事業の運営経験をおおむね5年以上有している必要があります。教育訓練の期間は6ヶ月以上2年以内で、規定されている訓練時間の標準は1日5〜6時間です。
▪️参照:
「建設事業主等に対する助成金| 厚生労働省
人材開発支援助成金を受給するためには条件があります。助成金を受給するには人材開発支援の各助成金の項目に記載されている要件をクリアするほか、共通する以下3つの要件をすべて満たしていなければなりません。
助成金を申請し受給する企業は、支給申請日および支給決定日の時点で、雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主でなければなりません。
審査には、主に次の3つの協力が必要です。
人材開発支援助成金は、コースごとに受給条件が非常に細かく設定されています。例えば人材育成支援コースにおけるOJTは厚生労働大臣の認定が必要で、事業所の規模によっては一部のコースを受給できない場合もあります。また、事業に直接関連するスキル以外は支給対象とならないことが多いです。
人材開発支援助成金を受け取るための書類提出には、それぞれ期限があり、期間内に助成金受給を申請しなければなりません。期限を過ぎてから申請をしても受給できません。
その他の要件として、訓練の期間中も、賃金を適正に支払っていること、助成金の支給または不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備して5年間保存していることなどがあります。
人材開発支援助成金が適用された場合、どれほどの額を受給できるのでしょうか。ここでは各コースにおける最大の受給額など金額面について説明します。
人材育成支援コースの助成金は1事業主・1事業年度につき最大1000万円(※図1)を受給できる可能性があります。
人材育成支援コースでの助成は次の3種に分かれています。
人材育成訓練では、経費に対する助成と賃金に対する助成があり(※図2)、賃金に対する助成は令和7年4月から改正されて支給額がアップしています。
人材育成支援コースの3つの訓練のうち、有期実習型訓練は有期契約労働者等(非正規労働者)のみを対象としています。この有期実習型訓練は非正規労働者が正社員に転換するための訓練です。
対象訓練は、10時間以上のOFF-JTによる訓練やOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練となります。今回の改正のひとつである有期実習型訓練について解説します。
今回の見直しでは、有期契約労働者等の訓練機会の確保及び正規雇用労働者への転換等を促進するため、人材育成支援コースにおける有期契約労働者等に対する助成メニューを整理・重点化し、経費助成率を見直しました。
経費助成率は、これまで60%、正社員へ転換を行った場合は70%でしたが、改正後は正社員化を行った労働者を対象に75%に引き上げられました。
図2:人材育成支援コース助成額助成率
▪️参照:
概要リーフレット「令和7年度版 人材育成支援コースのご案内(令和7年4月1日版)| 厚生労働省
教育訓練休暇制度には、2種類あります。
数日間以上の教育訓練休暇制度を導入する場合に活用できるコースで、有給の教育訓練休暇を付与する制度であることが必要となります。制度設計の経費助成として、30万円が受給できます。
数か月以上の長期教育訓練休暇制度を導入する場合に活用できるコースです。最低でも30日以上の休暇を付与する制度であることが必要となります。経費助成として20万円のほか、1人1時間ごとの賃金助成が受けられます。
図1:教育訓練休暇助成額
▪️参照:
人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)| 厚生労働省
企業における労働者の人材育成を強力に支援するため、国民の皆さまからのご提案をもとに、令和4〜8年度の期間限定で「人への投資促進コース」による助成を行っています。
「人への投資促進コース」には、以下の5つのメニューがあります。
サブスクリプション型の研修サービスによる訓練の実施に対して支給されます。
定額制訓練では、経費の助成のみが受けられます。
経費助成率は中小企業で60%、賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の助成率は75%、大企業で45%、要件を満たせば60%です。
対象となる経費は、基本料金のほか初期設定費用やアカウント料など、訓練に直接必要となる費用です。タブレットやルーターのレンタル料など、訓練に直結しないものは対象となりません。
高度デジタル人材等の育成のための訓練の実施に対して支給されます。
高度デジタル人材訓練では、訓練期間中に支払った賃金と、訓練にかかった経費への助成が受けられます。助成率・助成額は企業規模により次のように異なります。
【中小企業】 経費助成率75%、賃金助成額は一時間当たり960円
【大企業】 経費助成率60%、賃金助成額は一時間当たり480円 |
IT分野未経験者の即戦力化のための訓練の実施に対して支給されます。
情報技術分野認定実習併用職業訓練の助成内容は下表のとおりです。
【中小企業】 経費助成率が60%、要件を満たせば75%、賃金助成額は一時間当たり760円、要件を満たせば960円、OJT実施助成額は20万円です。
【大企業】 経費助成率が45%、要件を満たせば60%、賃金助成額は一時間当たり380円、要件を満たせば480円、OJT実施助成額は11万円です。 |
労働者が自発的に受講した訓練費用を負担します。
自発的職業能力開発訓練では、経費のみ助成が受けられます。経費助成率は45%で、要件を満たせば60%です。
働きながら訓練を受講するための休暇制度等を導入し、従業員の自発的な職業能力開発を促した事業主を助成します。
【中小企業】 経費助成率は20万円、要件を満たせば24万円で、賃金助成は一時間当たり960円です。
【大企業】 経費助成率は中業企業と同額で、賃金助成は一時間当たり760円です。 |
図:人への投資促進コース助成率
▪️参照:
人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)
のご案内(詳細版)| 厚生労働省
事業展開等リスキリング支援コース)は、令和4年〜8年度の期間限定の助成金として創設されました。
助成額・助成率は中小企業で、経費助成率は75%、賃金助成は一時間当たり960円、大企業では経費助成率60%、賃金助成は一時間当たり480円です。
図:事業展開等リスキリング支援コース助成金
▪️参照:
事業展開等リスキリング支援コース| 厚生労働省
人材開発支援助成金を申請する流れは各コースによって申請フローが異なります。人材開発支援助成金を申請し、実際に支給されるまでの基本的な手続きの流れを紹介します。
まず、訓練計画書を作成し、これを訓練実施の1ヶ月前までに労働局へ提出します。
企業内で人材育成を推進する「職業能力開発推進者」を選任し、この推進者を中心に事業内職業能力開発訓練計画を策定します。
事業内職業能力開発計画とは、社員のスキルアップを効率的に行うために定める計画のことです。計画書には企業概要のほか、具体的な職業訓練の内容や職業能力を評価するための指標などを記載します。
事業内職業能力開発訓練計画を策定できたら、それを社内の従業員に周知させます。
提出した訓練計画書の内容に沿って、実際に訓練を実施します。
助成金を受給するためには、原則として訓練対象者が訓練時間の8割以上の時間を受講する必要があります。受講時間がこれに達しなかった場合には、助成金を受け取れないことがあるため注意が必要です。
訓練終了の2ヶ月後までに、助成金支給の申請書を労働局へ提出します。
訓練を開始する1ヶ月前までに、訓練に関する書類一式を事業所の所在地を管轄する労働局に提出する必要があります。
提出書類は、訓練実施計画届や年間職業能力開発計画、訓練別対象者一覧などです。
これらの書類は、厚生労働省のホームページからダウンロード可能です。
※人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースは、雇用関係助成金ポータルから電子申請をすることも可能です。
審査に通過すれば、助成金が支給されます。
訓練終了後は、2ヶ月以内に支給申請書と共に、訓練にかかった経費や賃金の支払いを証明する書類を提出します。
これには、支給要件確認申立書や支払い方法・受取人住所届などが含まれます。
助成金の申請書類一式は、こちらも厚生労働省のホームページから入手可能です。提出した書類が審査を通過すると、事業所に支給決定通知書が送られ、助成金が振り込まれます。
支給申請から助成金が振り込まれるまでの期間は、おおよそ2週間〜6ヶ月です。振込までに時間がかかることを念頭に置いておくと良いでしょう。
▪️参照:
人材開発支援助成金| 厚生労働省
今回は人材開発支援助成金について、それぞれのコースの内容や助成金額などについて解説しました。
少子高齢化で労働人口の減少が進んでいる日本では、人材不足が喫緊の課題であり、このため従業員一人ひとりの生産性を向上させることが重要です。しかし生産性の向上には人材育成を実施する必要があります。
人的開発支援助成金を申請すれば、育成にかかる経費や研修中に従業員に支払う一部賃金を国が助成してくれます。人材育成にかかる費用を助成金で補填できるため、これまで育成費用のねん出に踏み切れなかった企業の従業員も、キャリアアップの機会が得られます。
人材開発助成金は対象とする範囲が幅広いため、多くの企業が受給対象となる可能性が高い助成金です。職務内容に関連する教育全般はもちろん、DX化やデジタル化を進めるためのスキルアップにも大いに活用できます。
人的開発支援助成金をうまく活用して、従業員の生産性の向上を実現させましょう。