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新人教育に欠かせないOJTマニュアルとは?基本項目や作成方法を解説

作成者: 『shouin+ブログ』マーケティング担当|Nov 2, 2023 8:56:20 AM

新人教育の一環として行われる「OJT」。

流通小売業や飲食業を中心とする多くの企業が取り組むなか、「教える時間の余裕がない」「学習者が、教えたことを忘れてしまう」「内容が複雑な知識・スキルは、なかなか習得してもらえない」


などのような問題がよく浮上します。そんなときに役立つのが「OJTマニュアル」です。


本記事では、OJTマニュアルについて詳しく解説しています。基本的な知識はもちろん、作成方法、項目の記載例など、マニュアル作成に役立つ情報を記載していますので、OJT運用にお悩みの方はぜひお役立てください。

 

OJTとは

OJTは「On The Job Training」の略。業務に取り組みながら、知識・スキルを習得する教育訓練を指します。

通常業務から離れて教育訓練を行う「Off-JT(Off The Job Training)」とは対照的です。実際に業務に取り組まないと得られない、実用的な技術の習得を目的として行われます。


指導者と学習者の1対1で実施するOJTは、1人1人のペースに合わせた教育が可能。大人数をいっぺんに教える集合研修とは違って、わからないことをすぐにその場で質問、解決できるのもメリットです。


また、Off-JTで理解した「つもり」になっている知識を発見できるのも、OJTの利点。そのため多くの企業では、Off-JT後にOJTを実施する流れで人材育成が行われています。

 


OJTにおける2つのマニュアル

OJTに用いるマニュアルには、主に「指導者用」と「学習者用」の2種類があります。それぞれの目的、内容について詳しく見ていきましょう。

指導者用マニュアル

指導者用のOJTマニュアルは、OJTで「何を教えれば良いのか」「どのように教えると良いのか」などを示すもの。具体的には、以下のような内容が記載されます。

  • OJTの計画の立て方
  • 実施するOJTの方針
  • 育成のゴール、合格ラインの目安
  • 企業がOJT指導者に求めること  など

OJT指導の経験がない人は、何から指導し始めれば良いのか、どのようにプランを立てれば良いのかなどがわかりません。そこでマニュアルを設置することで、悩みや不安を軽減します。


また、OJTマニュアルは、指導のバラツキを防ぐためのものでもあります。1対1で教育するOJTは、指導者によって教え方や教育の質に差が出やすいため、基準とルールを示す必要があるのです。


指導者の迷いや悩みを減らし、効率の良いOJTを実現するためのもの。それが指導者用のOJTマニュアルです。


学習者用マニュアル

学習用マニュアルは、OJTで学ぶ業務について知っておくべきことを可視化し、学習者に説明するもの。例として、以下のような内容を記載します。

  • 実施するOJTのゴールや目的
  • 業務の取り組み方・手順
  • 業務に関する注意点
  • 覚えておくべき重要なポイント  など

学習用マニュアルを設置することで、学習者は「OJTで何をするのか」「何を目指せば良いのか」などを把握した状態でOJTに挑めます。口頭のみでは解説しにくい内容も、可視化することで正しく伝えられます。


また実施中も、マニュアルを見ていつでも復習でき、理解度を高めることができます。知識の習得と実践を繰り返す「サイクル」を実現できるのが、学習者用マニュアルを導入する強みです。


尚、本記事では、学習用マニュアルを作成することを想定して解説していきます。

 


OJTにおけるマニュアルの重要性

OJTは、マニュアルなしで実施することも可能です。それでも導入すべきと言われるのは、なぜなのでしょうか。OJTにおけるマニュアルの重要性について見ていきましょう。

社員の不安を解消するため

OJTを行う新入社員は、業務に関する知識がほとんどなく、右も左もわからない状態です。

そんな新入社員の不安を解消するには、会社からのサポートが必要不可欠。OJTを含む人材教育が必須なのはもちろんですが、それだけでは不十分な場合もあります。


引用:「新入社員の意識調査2023」リクルートマネジメントソリューションズ


リクルートマネジメントソリューションズ」が行った調査によると、2022年時点で49.0%、2023年時点で48.5%の新入社員が、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」を最も大切にしたいと答えています。

このことから、知識・スキルの習得は、新人のモチベーション向上に大きな影響を与えると推測できます。


引用:「新入社員の意識調査2023」リクルートマネジメントソリューションズ


その一方で、同調査では「苦手意識のあるスタンス」として「試行(失敗や否定を恐れず、思い切ってやってみようとする)」と「自発(受け身にならず、自分から動こうとする)」が上位に入りました。失敗することを恐れて、挑戦を躊躇する新入社員も多いようです。


これらの調査結果から、「知識・スキルを身につけたいけれど、自分から行動するのは苦手」と考える新入社員が多いと考えられます。


自ら行動するのを恐れる社員は、わからないことを質問するのも躊躇してしまうもの。そこで役に立つのがOJTマニュアルです。


上の図のように、マニュアルを確認すれば悩みを解決できる仕組みを作ることで、質問するのが苦手な社員も、着実に知識・スキルを習得できます。そして、知識・スキルが身につけば自信につながり、モチベーション向上が期待できます。


反対に、質問できず、わからないことが増えていくと、仕事に対する不安が大きくなります。自信喪失につながる恐れがあるため、マニュアルを設置して不安を軽減することが大切なのです。


指導者の負担を軽減するため

OJTは、教育担当者の負担が大きい指導方法。通常業務を行いながら、新人1人ひとりを1対1で教えるため、肉体的にも精神的にも負荷がかかります。

引用:「新人・若手社員のOJTに関するアンケート」株式会社日本能率協会マネジメントセンター


株式会社日本能率協会マネジメントセンター」の調査結果を見てみると、OJTの課題として「指導者に余裕(時間)がない」という回答が最も多く挙げられています。


そこで役立つのが、OJTマニュアルです

マニュアルで理解できる内容はマニュアルに記載することにより、口頭で教える部分を減らすことができます。また、マニュアルがあれば復習もできるので、OJTで覚えきれなかったこと、理解しきれなかったことを指導者が再度教える必要がなくなります。


OJTマニュアルは、学習者と指導者の双方にメリットをもたらすツールなので、作成すべきと言えるでしょう。


OJTマニュアルに含める基本的な項目

OJTマニュアルに含める項目に決まりはありません。企業や職場で行われるOJTに合わせて設定します。

今回は、流通小売り店や飲食店などで使うマニュアルを想定し、基本的な項目をご紹介します。ぜひ記載例と併せて参考にしてみてください。

 

項目1:接客

衣料品店、飲食料品店、化粧品店などで行われる接客は、OJTでの教育が必要な業務。OJTマニュアルにも含めると良い項目です。

具体的な内容としては、「接客の流れ」「お客さまへの受け答え」「接客のコツ・ポイント」などが挙げられます。新入社員は、接客に対し大きな不安を抱えていることが多いため、業務の全体像やコツが把握できる内容にするのがポイントです。


また、状況判断が必要な業務は、判断する際の基準・ルールを記載しておくと学習者が迷わずに済みます。


記載例:小売店(アパレル)の場合

  行動内容 ポイント
①入店

笑顔で明るい声で「いらっしゃいませ」

と挨拶する

・挨拶時、声掛け時、会話時ではアイコンタクトを取る

 

・「〇〇はお持ちですが?」「良く着るお洋服は?」等

予め質問を決めておくと

スムーズにニーズチェック

できる

②声掛け

商品が気になっている様子、

店員を探す様子が確認できたら声をかける

③ニーズチェック 悩み、不安、求めているモノ・コトを聞き出す
④試着

試着を促す

・サイズや色を確認する

・不安、悩みを解消するためのアドバイス

をする

⑤会計

お客さまが購入の決断を下したら、

レジへ案内する

レジ会計へ

 

記載例:飲食店の場合

①入店:笑顔で明るい声で「いらっしゃいませ」と挨拶する

②予約確認:ご予約があるか質問する

ありの場合:◆へ なしの場合:◇へ

◆③ご予約のお名前を伺う ◇③お客さまの人数を伺う
◆④ご予約席の場所を確認する ◇④ご案内可能の席を確認する
◆⑤席へ案内する

◇⑤空きがある場合は、

席へ案内する

◇⑤空きがない場合は、

ウェイティングリストに

記入し、待合室へ案内する

ポイント

・席に案内する際、〇〇名以下のお客さまは△△席へ、〇〇名以上のお客さまは▲▲席へ

 優先的にご案内する

・8割以上席が空いている場合は、△△席から優先的に案内する

 

項目2:清掃業務

実店舗のほとんどで行われる清掃業務も、OJTで教育する内容のひとつ。「どこを」「どのように」掃除すれば良いのかを、実践しながら教えます。

OJTマニュアルでは、清掃の流れを解説するほか、使用道具の解説や掃除の合格ライン・目安などをリスト化して記載するとわかりやすくなります。また、画像やイラストを添えるのも、理解度を高めるポイントです。

 

記載例:小売店の場合

  行動内容 注意点
STEP1

「はたき」を使って、上から順にすべての棚のホコリを払う

 
STEP2 「ゾーン1からゾーン4」の順に掃除機をかける 壁際にホコリやチリが溜まりやすいため注意
STEP3 「雑巾A」とアルコールスプレーを使用し、すべての棚上をふきとる

清掃の合格ライン

合格:<画像A>

不合格:<画像B>

STEP4 商品を整頓する

正しい商品の並べ方

<画像C>

 

記載例:飲食店の場合(厨房清掃の場所と使用道具)

場所 使用道具 詳細
作業台

・アルコール除菌剤

・ふきん

アルコール除菌剤:<画像A>

・ブラシ

・モップ

・殺虫剤

 
シンク

・台所用洗剤

・酸素系漂白剤

・クレンザー

・パイプクリーナー

・酸素漂白剤:<画像B>

・クレンザー:<画像C>

・パイプクリーナー:<画像D>

フライヤー

・廃油処理剤

・たわし

・廃油処理剤:<画像E>

 

 

項目3:商品提供

注文された商品を席に運んだり、商品を梱包して渡したりする「商品提供」業務。一通り学んだつもりでも、いざ実践すると躓いてしまうことが多いため、業務の流れをマニュアルに記載しておく必要があります。

また、細かい判断ルールや、商品提供時に意識すべきことなどの詳細も、マニュアルに含めると便利。口頭では教え切れないボリュームの内容、複雑な内容を記載し、指導者の負担を減らしましょう。

 

記載例:小売店の場合

  行動内容 詳細・注意点
STEP1 【商品登録】レジに商品を登録する 「レジ会計マニュアル」参照
STEP2 【梱包-1】商品を資材で梱包する

使用する資材の種類

・商品点数〇点以下→資材Aを使用

・商品数〇点から〇点→資材Bを使用

・商品数〇点以上→資材Cを使用

【梱包-2】ギフト用の場合、ギフト用資材で梱包する

・リボン、のしの有無を確認し、リボンをご希望の場合はリボン①~⑤から選んでいただく

STEP2 【保冷剤の有無】保冷剤が必要か、いくつ必要か確認する

保冷剤の個数の目安

・〇時間以下→〇個

・〇時間以上→〇個

・〇時間以上→〇個

STEP4 【お渡し】会計終了後、商品をお渡しする

・笑顔で、アイコンタクトを取りながら渡す

・明るくハッキリとした声のトーンを意識する

・必ず「両手」で渡す

 

記載例:飲食店の場合

行動内容 詳細 補足
①厨房カウンターにて商品を確認 商品を、注文票に記載されている「商品名」「席番号」を照らし合わせる  
②トレーに乗せて配膳    
③テーブルへ提供

【提供時】

「お待たせいたしました。」

「〇〇(商品名)でございます。」

ゆっくりとした動作で商品をテーブルに置く

 
④厨房へ戻る

・他の席に空き皿がないか確認し、

発見した際は回収する

・メインディッシュを8割程度食べ終えている

席番号を記憶する

デザート調理を開始するタイミングを伝えるため
⑤デザート調理の開始を伝える オーダータブレッドを操作し、該当する席のデザート開始ボタンを押す 「オーダータブレッド操作マニュアル」を参照
⑥回収した皿を洗い場へ届ける    

 

項目4:レジ会計

レジ会計は複雑な動作が多く、新入社員が戸惑いやすい業務。一度のOJTでは覚えきれず、詳細を忘れてしまいやすいため、マニュアルに記載しておくのがおすすめです。

また電子レジを導入している店舗は、レジシステムのアップデートに伴い、OJTマニュアルの改変も必要です。古いままだと、レジの操作ミスにつながるため注意しましょう。

 

記載例:

内容

補足
①商品を受け取る 両手で商品・かごを受け取る

スキャナーでバーコードをスキャン

【バーコードがない場合】レジ画面内の商品ボタンを押す

【バーコードが読みとれない場合】「登録」ボタン

→バーコード下の番号を入力する

レジの商品名、価格、商品点数を確認する
③お客様に「合計点数」と「合計金額」を伝える  
④お客様に「支払方法」を確認する  
現金 クレジットカード バーコード決済

「レジ会計業務の注意点ページ」を必ず確認する

預かり金をレジに入力する クレジットカードをカードリーダーに差し込んでもらう 提示されたバーコードをスキャナーで読み込む
表示された「釣銭金額」を確認し、釣銭を渡す 暗証番号の入力を案内する  
 

ビーブ音が鳴ったら、カードの抜き取りを案内する

⑤レシートを渡す  

⑥商品を渡す

両手で渡し、礼をする

 

項目5:クレーム対応

クレーム対応は、臨機応変な行動が求められる業務。それぞれのケースに適した対応が必要ですが、すべてのパターンを覚えるのは至難の業です。

そのため、クレーム対応のOJTマニュアルを作成する際は、可能な限り多くのパターンを記載することが大切。そして、クレーム対応で躓きやすいポイント、判断に迷いやすいポイントが明確になるよう解説しましょう。

「行動の流れ」に関する記載は、フローチャートを活用するとわかりやすくなるのでおすすめです。

 

記載例:

 

OJTマニュアルの作り方

作成方法は、企業で扱う一般的なマニュアルとほとんど変わりありません。ただし、Off-JTの内容との擦り合わせなど、OJTマニュアルならではの作業工程も存在します。

OJTマニュアルの基本的な作り方は以上の通りです。詳しく見ていきましょう。

 

作り方1:企画・計画

OJTマニュアルを作成する際は、まず計画を立てることから始めます。実用的なマニュアルを効率よく作るため、主に以下の内容を決めます。

  • 目的とゴール
  • マニュアル作成の流れと期間
  • マニュアル作成におけるルールの設定

はじめに「マニュアルをどう活用したいのか」「マニュアルを使ってどのようなOJTを実現したいのか」など、目的とゴールを定めます。作成すること自体がゴールにならないよう、マニュアルの位置づけをハッキリとさせましょう。

次に、マニュアル作成の流れと期間を決めます。「どのような順番で」「いつまでに」作成するのかを定めないと、OJTの実施に間に合わなくなる恐れがあるからです。

そして、OJTマニュアルを複数作成する場合は、作成ルールの設定も必要です。表記のブレや、フォーマットのバラつきを防ぐため、基準を定めておきましょう。

また、複数人でマニュアル作成を担当する際は、これらすべてを共有することも大切です。誰が作成しても同じ質になるよう、情報共有を徹底しましょう。

 

作り方2:調査・分析

OJTマニュアルに記載する内容を決めるため、Off-JTの内容と現場の「調査・分析」を行います。

Off-JTで教えていることとOJTの内容がズレていると、学習者は混乱します。そのため、Off-JTの内容を調査し、把握しておく必要があるのです。

また、実際に業務を行っている現場では「OJT時に教え切れないこと」「学習者が躓きやすいポイント」などを調査します。OJTの指導担当者に聞くことで、マニュアルに記載すべき内容を見極められるでしょう。

 

作り方3:業務の洗い出し

マニュアルに含める内容の詳細を決めるため、OJTで教える業務の「洗い出し」を行います。

洗い出す際は、実際に業務を行っている現場の従業員から聞き出すのがベストです。詳しい業務内容のほか、マニュアルにて解説する予定の専門用語や、業務の注意点などもここでヒアリングするのが良いでしょう。

「学習者が、OJTの事前知識として覚えておくと良いこと」を意識し、リストアップするのがポイントです。

 

作り方4:内容の整理

わかりやすく、活用しやすいマニュアルを作成するためには、情報過多を避けなければなりません。よって、内容を厳選する必要があります。

  1. 目的:業務の目的
  2. 達成基準:何を基準に合格とするか
  3. 手順:業務の手順
  4. 重要ポイント:業務を行うコツ、覚えておくと良いこと

OJTマニュアルを通して、学習者に最も伝えたいのは、上記の4項目です。それらを際立たせるため、不要な情報は省略します。

また、マニュアルに使用する画像・図表なども、このタイミングで厳選しておきます。画像や図表がわかりやすいからといって、盛り込みすぎないよう注意しましょう。

 

作り方5:制作

整理した内容をもとに、いよいよマニュアルを作成します。作成する際は、以下のポイントを意識します。

  • 「何についてのマニュアルか」を明確にする
  • 初心者にわかるように書く
  • 注意点は理由を添えて記載する

なかでも意識したいのが、理由を添えて注意点を記載することです。「なぜ、そうしてはならないのか」を明確にすることで、注意点の重要性が伝わりやすくなります。

学習者の目線に立ち、わかりやすく実用的なマニュアル作成を意識しましょう。

 

作り方6:チェック・改善

作成後は、内容をチェックするのを忘れずに。表記ミスがあると、間違ったことを教えることになるため注意しましょう。

またチェックする際は、複数人に見てもらうのがおすすめです。第三者の意見を聞くことで、自分では見つけられなかった改善点を発見できます。

わかりやすさを確認したい場合は、業務経験の浅い人にチェックしてもらうことで、学習者目線の意見を聞くことができるでしょう。

 

OJTマニュアルの効果的な運用

OJTマニュアルは、作成することがゴールではありません。OJTに活用してこそ意味があります。

では、効果的に活用するにはどうすれば良いのでしょうか。以下の3つの運用ポイントについて解説していきます。

 

学習者と積極的にコミュニケーションをとる

マニュアル導入には、教える負担が減るメリットがある一方で、学習者とのコミュニケーションが減るリスクがあります。「マニュアルを見れば理解できるから」と頼りきりになってしまいがちなのです。

引用:「新入社員の意識調査2023」リクルートマネジメントソリューションズ

 

上記の調査によると、多くの新入社員が上司に期待することとして「相手の意見や考え方に耳を傾けること」を挙げています。

また、同調査の「働くうえで大切にしたいことは何か」というアンケートに対し、43.2%の回答者が「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」と応えていることから、学習者は指導者とのコミュニケーションを求めていると推測できます。

そのため、マニュアルを導入したからといって、会話を怠らないよう配慮する必要があります。「わからないことはないか」「業務に不安点はないか」など、指導者側から質問してコミュニケーションを取りましょう。

 

適切な媒体を選ぶ

わかりやすいOJTマニュアルを作成するには、適切な媒体を選ぶことも大切。なかでも動画を使ったマニュアルは、実践のイメージがつきやすく、OJTと相性が良いです。

また動画マニュアルは、接客時の表情や立ち振る舞いなど、文章や画像だけでは説明しにくいことも伝えられるのがメリット。作業の全体の流れを掴んでもらうのにも有効です。

shouin+」のように、動画マニュアルをカテゴリー別に分類できる機能があると、復習したいときに便利。学習者にとってわかりやすく、活用しやすいマニュアルタイプを選びましょう。

 

学習者の意見をマニュアル改善に役立てる

学習者用マニュアルは、学習者の目線に立って作ることが大切です。しかし、マニュアル作成は業務経験の豊富な従業員や、現場にいない人事部が担当することがほとんど。

よって、学習者の意見を拾うため、OJT完了時にアンケートを実施するのがおすすめです。学習者にとって「わかりにくい」「説明が不十分」「活用しにくい」点を的確に発見できます。アンケートで得た意見を、OJTマニュアルの改善に役立てましょう。

加えて、学習者へのヒアリングはコミュニケーションをとる機会にもなるので、ぜひ積極的に行いましょう。

 

まとめ

OJTマニュアルの作成には、時間も手間もかかります。しかし、うまく活用できれば、効果的かつ効率の良いOJTを実現でき、結果的に指導者および企業の負担軽減につながります。

また、人材教育に対する新人の満足度も高まるので、作成する価値は大いにあると言えるでしょう。作り方や、記載する項目に迷った際は、ぜひ本記事をお役立てください。