組織の繁栄を図り「仕事のパフォーマンスを上げよう」と考える経営者、中間管理職、チームリーダーは少なくありません。しかし、具体的にどうすれば改善できるのかわからず、戸惑うこともあるはず。そもそも何が原因なのかさえ不明…とお悩みの方も多いでしょう。
そこで今回は、仕事のパフォーマンスを上げる方法について解説します。
パフォーマンスが低下する原因や、組織力を高めるステップ、理想のリーダー像など幅広く解説していきますので、企業やチームの成長にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
「パフォーマンス」は使うシーンや内容によって意味が変わる言葉。どのようなときに、どのような意味で使われるのでしょうか。まずは、基本的な言葉の意味を確認しておきましょう。
「パフォーマンス」という言葉について辞書を引いてみると、以下のように記載されています。
1.演劇・音楽・舞踊などを上演すること。また、その芸・演技。
2.身体を媒介とした芸術表現。演劇などのほか、特に現代美術での表現をさしていう。
3.人目をひくためにする行為。
4.性能。昨日。また、効率。
(引用元:「デジタル大辞泉」小学館)
英語で「performance」と表記するパフォーマンスは、「演劇」「芸術表現」などアート関連で使われることの多い言葉。また「性能」「機能」などの意味もあり、ビジネスシーンでは主にこちらの意味で使われます。
このようにさまざまな意味を持つ「パフォーマンス」ですが、具体的にどのように使われるのでしょうか。例文と併せて使い方を見ていきましょう。
「上演する」「芸術表現」「人の目を引くための行為」などの意味でのパフォーマンスは、「パフォーマンスを行った」「〇〇によるパフォーマンス」というように使われます。
例として、以下のような言い回しができます。
一方、「性能」「機能」などの意味では、「パフォーマンスが高い」「パフォーマンスを上げる」というように使われています。
また単語の一部として使われることもあり、「コストパフォーマンス」が代表的です。「コスパ」と略すこともある「コストパフォーマンス」とは「価格の割に質が高い、量が多い」という意味。ビジネスシーンでも頻繁に使われています。
では、例文をいくつかご紹介しましょう。
仕事におけるパフォーマンスは、主に「能力」という意味で使われており、具体的には「仕事ぶり」「業績」「売上げ」「成績」「価値」を指します。何を指して「パフォーマンス」と言うのかはシチュエーションによって変わるため、状況や話の内容から汲み取る必要があります。
例えば、「パフォーマンスが落ちた」と一口に言っても、「業績が落ちた」という意味の可能性もあれば、「仕事ぶりが悪くなった」の意味である可能性もあります。会社のパフォーマンスが落ちたのか、従業員のパフォーマンスが落ちたのか、そのときによって対象者も変わるのです。
ちなみに「仕事ぶりが良い」とは、仕事が早くて質が良いことや、生産性が高い仕事ができていることを指します。
また本記事では「パフォーマンスが高い」「パフォーマンスを向上させる」というワードが頻出しますが、主に「仕事ぶりが良い」と「業績を向上させる」といった意味で捉えて解説していきます。
組織のパフォーマンスを向上させる対策を行っても、以前と対策後を比較できなければ、本当に改善できたのかどうかわかりません。なぜ向上したのか、なぜ改善できなかったのかといった、分析も難しいでしょう。
比較・分析できるようにするには、パフォーマンスの評価を可能な限り数値化する必要があります。
しかし、業務の中にはパフォーマンスを数値で測れるものと、測れないものがあります。定量的な仕事は数値化しやすいですが、定性的な仕事は数値で表しにくいため、数値化以外の方法で状態を表さなければなりません。
では、どのような仕事が定量的で、どのような仕事が定性的なのでしょうか。例を挙げながら解説していきます。
定量的とは、数値や数量で表すことができる要素のこと。つまり、定量的なパフォーマンス評価をする仕事とは、パフォーマンスの良し悪しを、数値を基に判断する仕事を指します。
定量的な評価をする仕事は、人によって基準が変わらないのがメリット。数値・数量は明瞭な結果であり、誰が見ても同じように結果です。主観に左右されることなく、客観的に状況を把握することができます。
しかし、数値でパフォーマンスの良し悪しが決まる分、使い方によっては従業員のモチベーションを下げてしまう可能性があります。
例えば、「さまざまなスキルを身につけ大きく成長したにも関わらず、目標数値を達成できていない」という場合。この状況を定量的に見ると、パフォーマンスは”不十分”と評価されます。大きく成長したことに注目されないため、「認めてもらえない」と従業員のモチベーションが下がる可能性があります。
よって、定量的なパフォーマンス評価をする仕事は、過程も含めて評価するなど、活用の仕方に注意が必要です。
では例として、定量的なパフォーマンス評価をする仕事を3つ挙げて解説していきます。
営業は、新しい顧客や取引先を開拓したり、自社の利益を向上させるための取引を行ったりする仕事。営業のパフォーマンスは主に、売上げや受注件数、新規顧客獲得件数などを指標として評価されます。
売上げ目標や受注件数などの具体的な数値を使うことで、パフォーマンスアップに向けた目標を立てることができます。また、以前と比べてどれほど売上げが伸びたのか、何件件数が増えたのかを数値化することで、パフォーマンスの状況を的確に把握し、評価することが可能です。
販売は、流通小売業に欠かせない仕事。自社で製造した商品や仕入れた商品を、顧客に販売し、会社の利益につなげる業務です。
販売では売上げのほか、リピート率や販売件数、客単価などを数値化し、仕事を評価します。アパレルショップやコスメショップなどでは、個人の売上げ額を数値化することも。これらの数値を活用することで、販売パフォーマンスの目標を立てたり、評価したりできるでしょう。
企業の存続に欠かせない経営業務は、特に数値化が重要な仕事です。
主に業績や利益率、マーケット内でのシェア率、顧客満足度などを数値化し、何を改善すべきなのか判断します。反対に、数値を使わずパフォーマンスを評価してしまうと、現状を明確に把握できず、分析や改善策が的外れなものになってしまうでしょう。
また、経営パフォーマンスの数値化は、社員に会社の状況を伝える際にも役立ちます。自社がどのような問題を抱えているのか、以前と比べてどの分野のパフォーマンスが上がったのかを正確に伝えることができるのです。部門ごと、部署ごと、プロジェクトチームごとの適切な目標設定に活用できるでしょう。
定性的なパフォーマンス評価をする仕事とは、数値や数量で表すことのできない要素を基に、パフォーマンスを評価する仕事のこと。顧客や従業員からの意見、上司から見た従業員の現状などのような、数字では表せない情報を基に判断します。
評価の基準が数値ではなく”人の価値観”に委ねられるため、結果が人によって変わってしまうのがデメリット。ある人は「パフォーマンスが良い」と評価し、ある人は「パフォーマンスが不十分」といった認識のズレが生じやすいので、注意が必要です。
一方、数値によるプレッシャーを与えずに済むメリットもあります。
先ほどの例で言えば、定量的に評価する場合は「目標達成度」が重視されますが、定性的に評価する場合は、それまでの過程や成長、努力に注目して良し悪しを判断します。目標達成ができていなくとも、会社のビジョンに沿って成長したのであれば、「パフォーマンスが向上した」と評価することができるのです。
数値では見えない成長・努力を評価することで、モチベーションアップが期待できます。よって、従業員の気持ちがパフォーマンスに大きく影響する仕事や、クリエイティブ力が求められる仕事は、定性的なパフォーマンス評価が適していると考えられるでしょう。
それでは例として、3つの業務をご紹介していきます。
商品を販売する際に必要な接客は、売上げで数値化することも可能ですが、接客自体を数値化することはできません。
そのため、「言葉遣いが正しいか」「顧客の要望に沿った提案をしているか」といった、数値以外の基準を設けてパフォーマンスを評価します。また、それらの基準をもとに顧客へアンケートを行うなど、顧客の意見を評価に反映する方法もあります。
チェックリストやアンケートの結果を数値化し、最終的に定量的にパフォーマンス評価することは可能です。しかし、判断基準は結局のところ、企業や店舗、シチュエーションによって変わるため、接客対応は「定性的なパフォーマンス評価を行う仕事」と言えるでしょう。
従業員への教育および管理を行う、人材マネジメント。こちらも、マネジメントの良し悪しは数値化することができず、基準も人によって変わるでしょう。
よって人材マネジメントでは、「心理的安全性が確保されているか」「会社のビジョンが全部門へ浸透しているか」といった、数値以外での方法でパフォーマンスを評価します。そして、人によって評価基準が変わらないよう、組織共通のルールを設定しておくことが重要です。
新しい商品を企画、開発する仕事は、クリエイティブ力が求められるもの。パフォーマンスの高さを数値で表すことが難しいため、定性的な評価をする仕事のひとつと言えます。
企画を提案した件数や、企画した商品の売上げは数値化することが可能です。しかし、提案件数が多ければ良しとされるのではなく、質が高いアイディアを提供してこそ、「パフォーマンスが高い」と評価されるもの。売上げに関しても、企画案が良かったから売れたのか、販売員の接客が良かったから売れたのか判断しにくいため、企画業務の数値化は難しいのです。
よって企画のパフォーマンスは、「マーケティングの分析を徹底した上で企画しているか」「顧客ニーズのリサーチを十分に行っているか」など、行動を判断基準として評価します。加えて、企画した商品の売上げと照らし合わせることで、はじめて的確に評価できていると言えるでしょう。
パフォーマンスを向上させるために努力しても、原因が解消されていなければ、根本的な解決に至りません。そのため、何が原因で低下するのか事前に理解しておくことが大切です。
パフォーマンスが低下する主な原因は以上の3つ。詳しく見ていきましょう。
「寝不足で頭が回らなくて、仕事が全然進まない。」という経験をしたことがある人は多いはず。どんなに能力が高く経験豊富な人でも、健康状態が良くないと、仕事のパフォーマンスは落ちてしまうものです。
「睡眠」「運動」「食事」「メンタル」の4点が不十分、もしくは質が良くないと、パフォーマンスが低下してしまいます。なかでも睡眠は、仕事のパフォーマンスに大きく関わる要素。『世界のベストセラー41冊から僕が導き出した「日本人」が「仕事」でパフォーマンスを発揮する方法』という書籍によると、以下のような研究結果が出ているそうです。
“権威ある医学雑誌『ランセット』に記載された研究では、睡眠不足だと脳の生産性が落ち、作業にかかる時間が14パーセントも長くなったと報告されています。”
(引用元:「サムの本解説ch(2021)『世界のベストセラー41冊から僕が導き出した「日本人」が「仕事」でパフォーマンスを発揮する方法』株式会社KADOKAWA」)
このように、睡眠不足は作業効率を悪くし、パフォーマンスを低下させる原因です。パフォーマンス向上のための対策を行う前に、まずは質の高い睡眠を十分に取ることが重要と言えるでしょう。
また、ネガティブ思考もパフォーマンスを低下させる原因のひとつ。考え方が後ろ向きになるとチャレンジ精神が失われ、積極的に行動することができなくなってしまうのです。
仕事で良い結果を残すことができれば、モチベーションが上がり気持ちもポジティブになるもの。ですが、そもそも気持ちが落ち込み気味では良い成果は出ません。よってパフォーマンスを上げるには、まずメンタルケアを行うことが大切なのです。
従業員の不健康な生活は、個人の私生活だけでなく、職場環境にも原因がある可能性が高いです。
例えば、労働時間が長いと十分な睡眠時間を確保できず、不健康になってしまいます。運動習慣をつけようとしても、多忙すぎると仕事で疲れ果て、プライベートで運動する体力は残っていないでしょう。
また、人間関係が劣悪な職場や、従業員同士が互いに責任を押し付け合うような職場は、ストレスを抱える原因に。
つまり、組織のパフォーマンスを上げるには、従業員のセルフコントロールだけでなく、従業員が健康的に働けるよう組織が環境を整えることも大切なのです。
仕事のパフォーマンスを上げるには、効率よく利益を上げるための論理的な思考回路や、決断力が必要です。しかし、「何が大切なのか」「何を優先させるのか」という判断基準がないと、スムーズに考えることができず、決断もできません。そうして仕事のパフォーマンスが低下してしまうのです。
業務の判断基準は、基本的に組織が設定し提示するもの。とはいえ、業務のひとつひとつ、細部までルールを設定するのは不可能です。また、今までにないプロジェクトを行う際や、過去に例がないトラブルが発生した際は、企業に知識がない分、従業員が自分で考える必要があります。
そのようなとき、自分にとっての軸・価値観がないと、悩み事や心配事ばかり増え、スムーズに仕事を進めることができません。効率の良い方法を考えられず、パフォーマンスが落ちてしまうでしょう。
自分の価値観・軸がない従業員は、自分で物事を考えることに慣れていないことに原因があります。仕事を任せてもらえない、指示されたことだけ行えば良いと教えられている、自主的に動くと否定される…などのような職場環境では、社員の自主性が育たないのです。
そのため、組織のパフォーマンスを向上させるためには、自主性・自律性を持たせるようなマネジメントや教育を行うこと、自分で考えて行動できるような環境を作ることが大切と言えるでしょう。
パフォーマンスが低下する原因として、そもそも業務に必要な知識や能力が不足している可能性も考えられます。どんなに体調が良く、モチベーションが高くとも、ノウハウがなければ生産性を上げることができないのです。
従業員の知識や能力が不足する原因は、教育不足や経験不足が挙げられます。研修が不十分であったり、従業員が業務を経験するチャンスが少なかったりすると、パフォーマンスの向上は厳しいでしょう。
特に、育成業務やマネジメント業務は、知識と経験から得たノウハウの質と量によって、パフォーマンスの良し悪しが決まる仕事です。学びが不十分かつ経験の浅い従業員が、育成・マネジメント業務を行う場合、高い成果は期待できないでしょう。
育成・マネジメント業務のパフォーマンスが低いと、従業員は育たず、組織全体のパフォーマンスも落ちてしまう恐れがあります。そのため、教育担当者やマネージャーは特に、知識と能力を身につけておく必要があるのです。
では、組織のパフォーマンスを向上させるには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
さまざまな改善策が考えられますが、ここでは代表的な5つの方法を解説します。パフォーマンスを低下させる原因を解消するような意識、行動がポイントです。詳しく見ていきましょう。
従業員の健康状態を保つためには、働きやすい職場環境を構築することが大切です。十分に休息が取れていて、ストレスを抱え込むことなく仕事に取り組むことができれば、従業員は最大限の力を発揮できるでしょう。
働きやすい職場づくりには、きめ細やかな雇用管理が欠かせないと言われています。
(引用元:厚生労働省「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」)
厚生労働省のデータによると、雇用管理の取り組み個数が相対的に多い企業は、正社員の仕事に対するモチベーションや、職業生活満足度が5年前と比べて上昇傾向にあるとのこと。反対に、雇用管理の取り組み個数が少ない企業は、5年前と比べて正社員のストレス指数が上がっていることがわかります。
このように雇用管理の徹底は、モチベーションや、仕事に対する満足度を向上させる要素。つまり、働きやすい職場づくりによって、組織のパフォーマンスが高まると期待できるのです。
きめ細やかな雇用管理にはさまざまな手法がありますが、時間や場所を限定して働く社員「限定社員」の採用も有効な手段のひとつ。柔軟な働き方を社員に提供することで、ワークライフバランスが向上され、社員は働きやすいと感じるのです。
(引用元:厚生労働省「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」)
また、高度な専門知識を持った人材の雇用も、組織のパフォーマンスアップに役立つ人材管理方法。上記図の(3)と(4)にあるように、高度専門人材の雇用は、新たな価値観やアイデアが生まれるきっかけになったり、売上や生産性の向上につながったりと、組織にもたらす良い効果が期待できます。
ただし、人材の多様化が進むと、従業員同士の衝突が起きる可能性があります。人間関係の悪化が進むと、組織のパフォーマンス低下につながる恐れがあるので、対策やサポートが必要です。
従業員が各々1人で業務に取り組むよりも、チームで取り組む方が、高いパフォーマンスが期待できます。しかし、「チームの力を最大限発揮する方法がわからない」といったケースが少なくありません。せっかくチームを組んでも、思うような成果が出せないのです。
そのため、効果的なチームを構成するのに必要な要素を、理解することが大切。具体的には、以下のようなことを意識すると良いでしょう。
心理的安全性とは、チームの中で安心して意見を述べたり、行動したりできる状態のこと。
心理的安全性を確保するには、チーム内の誰かの発言に対し、否定するのではなく認めることが大切です。また、質問されたときやヘルプを求められたときも、快く相談に乗ることで、互いに協力し合える環境を構築することができます。
そうすることで、チームメンバーは萎縮することなく、自信を持って発言したり、挑戦したりすることができるようになります。チームワーク力が高まり、そしてパフォーマンス向上へとつながるのです。
特に、チームの責任者はメンバーよりも知識や経験が豊富で、ついダメ出しをしてしまいがち。「自分で考えて」「そんなこともわからないの?」と見下すような発言をしてしまうと、チームメンバーは萎縮してしまいます。よって、リーダーは心理的安全性の重要性をよく理解し、高めることを意識することが大切です。
チームのパフォーマンスを向上させるためには、メンバー同士の信頼関係を構築することも重要。信頼関係があることで、チームワーク力が高まり、効率良く成果が上げられるのです。
上司や先輩は、部下や後輩から信頼されるような行動を意識することがポイント。約束をしたことはきちんと守る、自分の非を認める、ミスをしないよう努めるなど、誠実な言動を意識します。また、相談を受けたら真摯に向き合い、部下・後輩からの意見を否定せずに認めることで、「信頼できる人だ」と思ってもらえるでしょう。
また、部下や後輩を信頼することも大切。仕事を奪うのではなく任せること、提案されたアイディアを認めてサポートすることで、メンバーの成長が見込めます。
なかでも、キャリアが短い従業員は固定概念に囚われず、新しいアイディアを生み出してくれる貴重な存在です。キャリアに関係なく互いに信頼する関係を構築することが重要なのです。
チームメンバーがそれぞれ自分の役割を把握していないと、「自分は何をすべきなのか」がわからず、戸惑ってしまうもの。指示をされないと行動できない、自主性のないチームになってしまいます。
そのため、チームの構造を明確にし、メンバーに共有する必要があります。誰がどの業務を担当するのかを明確にすることで、それぞれが役割を把握することができ、自主的に動くことが可能になります。
また、チーム構造の明確化は、団結力の向上にも役立ちます。業務の担当者を把握できることで、誰と連携をとれば良いのかがわかり、協力して取り組めるようになるからです。そして、チーム全体のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
日々、業務をこなしていると「仕事の意味」を忘れてしまいがち。何のために仕事をするのか、仕事をすることで何を得たいのか、目的を再認識することも、チームメンバーのパフォーマンス向上に欠かせません。
給与を得て家族を養うため、生活していくため、会社に貢献することで存在意義を得るため、仕事を通して自己表現をするためなど、仕事の意味は人それぞれ。
「そんなところまでマネジメントする必要があるのか」と問われることもありますが、意味を改めて認識することは、根本的な仕事のモチベーションを高めるのに必要です。チームメンバーとの定期面談や、目標設定に組み込むなどし、目的の認識を促進しましょう。
チームメンバーの1人1人が、チームにどのように貢献しているか、どれほど貢献しているかを明確にすることで、メンバーのモチベーションが高まります。反対に、チームに与えるインパクトがわからないと、「頑張っても意味がない」とやる気が落ちてしまうものです。手抜きをする従業員が現れる恐れがあります。
「貢献してくれている」と感謝を口頭で伝えることも大切ですが、評価が曖昧では、本当の意味で伝わらないものです。メンバーのモチベーションを効果的にあげるためには、どの行動が、どれくらいチームに良い影響を与えたのかを、具体的に明示する必要があります。可能な限り貢献度を数値化し、具体性を持たせると良いでしょう。
知識不足や能力不足によるパフォーマンス低下を避けるためには、人材育成の強化が欠かせません。そんな人材育成ですが、組織のパフォーマンスアップに必要な、モチベーションの向上にも有効です。
(引用元:厚生労働省「企業パフォーマンスの向上と中核的人材の育成に向けた人材マネジメントの課題」)
上記データにあるように、仕事に対するモチベーションの向上は、労働生産性や利益率の向上につながる要素。組織のパフォーマンスを上げるため、教育担当者やマネージャーは、従業員のやる気をアップさせるような教育を行うことが重要なのです。
(引用元:厚生労働省「企業パフォーマンスの向上と中核的人材の育成に向けた人材マネジメントの課題」)
上の図は、従業員の就労意欲が高い企業が行っている人材育成の中で、どの取り組みが特にモチベーションの向上に貢献しているのかがわかるデータ。就労意欲が低い企業とのポイント差が大きい取り組みが、モチベーションアップへの効果が高いと考えられます。ポイント差の大きい取り組みを抜粋すると、以下の通りです。
計画的かつ系統的なOJTは、個人のペースに合わせて適切に指導できる教育手法。さらに専属の指導係や教育係をつけることで、効率よく能力を伸ばすことができます。従業員自身が成長を実感できれば、モチベーションアップにつながるでしょう。
目標管理も、従業員の意欲向上に必要な育成手法のひとつ。定期面談にて目指すべき姿を認識し、どれほど成長したかを実感することで、さらなるやる気アップが期待できます。
上記図にあるように、社外教育も従業員の育成に効果的ですが、セミナーや勉強会に参加しやすいよう企業がサポートすることが、モチベーションを高めるポイントです。
従業員が社外教育に参加すると、職場の人員が削られてしまいます。ゆえに「周りに迷惑がかかる」「同僚に負担をかけてしまう」と気を使ってしまい、社外研修の参加を控えてしまうのです。また、金銭負担を考えて、参加を諦めてしまう場合もあるでしょう。
そのような事態を避けるため、企業が支援することが大切なのです。業務が滞ることのないよう人員を確保する、仕事の割り振りを考え直すなど、学びの機会を増やすサポートをしましょう。場合によっては、セミナーや勉強会の参加費の援助も検討してみてください。
『現代企業においてパフォーマンス向上に寄与する組織風土要因に関する研究』という論文の中で、著者の吉田佳絵氏(以下吉田氏)、高野研一氏(以下高野氏)は、会社方針の明示がパフォーマンス向上に与える影響について以下のように述べています。
「パフォーマンス」に対しては、研究1,2ともに「会社方針の明示」が強く影響することが示された。
(引用元:「吉田佳絵、高野研一(2018)『現代企業においてパフォーマンス向上に寄与する組織風土要因に関する研究』公益社団法人 日本経営工学会」)
吉田氏、高野氏は以上のように研究結果を述べた上で、企業の経営姿勢や方針、決定事項を従業員に受け入れてもらうには、組織内部の透明性を高める必要があると指摘しています。つまり、従業員からの信頼を得て、パフォーマンスを向上させるためには、企業が何を目指しているのか、どのような状況に置かれているのかを明確に社員へ伝えることが大切なのです。
しかし、会社のビジョンや戦略を掲げることはできても、浸透しにくい問題があります。そこで役に立つのが、目標管理手法の活用です。なかでも「OKR(Objectives and Key Results)」と呼ばれる目標管理手法は、組織のビジョンの浸透と、パフォーマンスの向上に有効と注目されています。
納得した目標を目指すと、人は高い実績を上げられることが研究によりわかっています。そのため、全員が積極的に目標に関わることが重要です。
(引用元:Google「OKRを設定する」)
このように述べている「Google社は、OKRを活用している有名な企業のひとつ。
OKRでは、会社のビジョンと成果指標を目標に設定します。これを活用してコミュニケーションをとることで、組織が向かうべき方向を示すことができるのです。よって、会社方針の明確化と浸透に有効な方法と言えるでしょう。
OKRについては、下記記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
OKRとは?言葉の意味から具体的な導入ステップまで簡単にわかりやすく解説!
健康的な生活を送ることが、パフォーマンスの向上につながることを理解していても、習慣化するのは簡単ではありません。そもそも、どのような行動をとれば良いのかわからないという社員も多いでしょう。
そのため、まずは従業員に知識を身につけてもらうことが大切。向上心の高い社員であれば自主的に学ぶこともありますが、そうでない社員も多いため、研修など学ぶ機会を設けるのも良いでしょう。
また、「睡眠を十分に取りなさい」「健康的に過ごしなさい」と指導したところで、管理者や指導者が実行していなければ、従業員の行動は変わらないものです。
例えば、残業ばかりしている上司や先輩は、部下や後輩から見ても”健康的”とは言えません。「上司、先輩が帰らないから帰れない」と、職場の雰囲気から無駄に労働時間を伸ばしてしまう従業員もいるでしょう。
上司や先輩の行動は、部下や後輩の行動に大きく影響を与えます。そのため、従業員に健康習慣を根付かせるためには、まず上司や先輩が手本となり、模範行動を見せることが大切です。
組織のパフォーマンスを向上させる方法を踏まえた上で、次に改善に向けた手順をご紹介します。
ただし、ご紹介する方法が全ての企業に適しているとは限りません。会社の方針や規模、組織の構造によっては、相性が良くない場合もあります。より効率よくパフォーマンスを向上させるには、自社に適した手段をとる必要があるので、ご紹介する方法を参考にしつつも臨機応変に対応しましょう。
効率よく業務を行い、パフォーマンスを高めるには目標管理が必要不可欠です。しかし、会社のビジョンがわからないと、部門ごと、チームごとの目標を設定することができません。まずは会社方針を明確にすることが重要です。
基本的に、会社方針は経営社を中心とする幹部が決めますが、決定後は必ず、従業員全員に周知させます。従業員がビジョンに納得した上で働いてもらえるよう、研修を行い、会社方針について説明する機会を設けましょう。
次に目標管理を行います。ビジョンに近づくために必要なことを目標にし、社員に周知することで、「会社全体で何に取り組む必要があるのか」という方向性が定まります。
企業の目標設定を行ったら、部門・部署・チーム・店舗など、会社内の小さな組織ごとに目標を設定します。それぞれが目標達成を目指すことで、会社の目標達成が叶うという因果関係を意識して設定することが大切です。
目標管理手法は先ほど解説したOKRのほか、現状の把握や改善に役立つ「KPI」や、人材評価に役立つ「MBO」といった手法もあります。目的とシチュエーションに合わせて適切な方法で目標管理を行いましょう。
部長や課長、店長などの中間管理職は、会社の幹部と現場スタッフをつなぐ、重要な役割を担います。会社のビジョンを従業員に浸透させたり、目標を管理したりする役目があるのですが、教育スキルやマネジメントスキルが不十分だと、それらの業務に問題が発生する恐れがあります。パフォーマンス向上に向けた取り組みを講じても、現場が行動しなければ、改善できないでしょう。
よって、従業員全体の業務の見直しを行う前に、中間管理職の教育を強化する必要があります。教育者としての知識やノウハウを身につけるのはもちろん、従業員の自主性を育てるマネジメント方法も習得することが大切です。
のちに解説する「組織のパフォーマンスを高めるリーダーの10の行動規範」を参考に、中間管理職が目指すべき姿を提示し、リーダーシップ教育を行いましょう。
とはいえ、優秀な中間管理職を育成するのには時間がかかります。その場合は、新しく中途採用を行うのも良いでしょう。ただし、外部から採用した人材が管理職に就くと、既存社員との衝突が起きる場合もあるので、コミュニケーションを円滑に進める環境を整えるなど、対策を行いましょう。
リーダーシップについては、下記の記事の記事でも解説しています。こちらも併せてご覧ください。
リーダーシップとは?マネジメントとの違いから各リーダーシップ論までわかりやすく解説!
組織のパフォーマンスを改善するためには、生産性の高い業務を行うことができる環境、制度を整えることも重要です。目標と現場を比較しながら、問題点や課題点を見つけ出し、改善策を講じましょう。
例えば、パフォーマンス向上に欠かせない十分な睡眠の確保は、適切な労働時間によって成り立つもの。しかし業務に無駄が多いと、終業時間内に終えることができず、残業が増えてしまいます。
また、効率の悪い業務の取り組みは、肉体的にも精神的にも負担がかかります。それでは従業員のパフォーマンスは下がる一方なので、効率よく生産性を上げられる取り組み方へと改善する必要があるでしょう。
業務改善を行う際は、最終決定権は幹部にあっても、実際に現場で管理・指導を行うのは中間管理職です。そのためにも、中間管理職を事前に育てておくことが重要と言えます。
組織のパフォーマンス低下が、従業員のスキル不足、知識不足が原因である場合は、教育の見直しと改善が必要です。適切な手法で教育しているかどうか、より効果的に従業員の能力を伸ばす方法はないか、中間管理職の意見を取り入れつつ考察しましょう。
もしも「スキルアップ研修を行いたいが、本社と現場が遠い」という問題がある場合は、オンライン研修を導入してみるのもおすすめです。現場が忙しく、社外のセミナーや研修に参加できないといった場合でも、オンラインであればわざわざ現場を離れることなく、スキルを身につけることができます。
また、従業員それぞれに適した教育を行うためには、定期面談の実施も欠かせません。問題点について共に話し合い、悩みを解消することで、従業員のストレス軽減にもつながります。教育の一環として積極的に実施しましょう。
従業員が身につけたスキルを発揮し、組織のパフォーマンスを向上させるためには、心理的安全性の確保も必要です。萎縮することなく、意見を述べられるような環境を作りましょう。
社員がのびのびと発言・行動できるような環境を作れば、新しいアイディアが生まれる可能性もあります。今までにない経済環境に置かれたり、トラブルが起きたりしても、社員から新たなアイディアをもらうことで、乗り越えることができるでしょう。
また、心理的安全性が確保されていれば、組織内のチームワーク力も高まります。社員が一丸となって取り組むことで、パフォーマンスの向上が期待できるのです。
心理的安全性を高めることの重要性は、従業員と直接接する機会の多い中間管理職にも伝えておく必要があります。リーダーを教育する際は、心理的安全性についても触れておきましょう。
業務改善や教育を行いパフォーマンスが向上した際は、それぞれの行動がどのように組織へ貢献したのかを明確にすることで、従業員のモチベーションが高まります。評価を可視化し、きちんと褒める、感謝することを意識しましょう。
また、組織への貢献度を明確にすると、従業員は「自分は組織から何を期待されているのか」という役割を再認識することができます。役割を理解できれば、次の目標を立てやすくなりますし、モチベーションもさらに上がるでしょう。
組織のパフォーマンスを改善するには、組織が行う取り組みだけでなく、個人での努力も必要です。健康を保つことの重要性や、自分の価値観・軸を持つ考え方などのセルフコントロールを身につける方法を共有しましょう。
セミナーや書籍を紹介するのも良いですが、プライベートの時間を削ってまで勉強しようと考える従業員が多いとは限りません。社内勉強会を行ったり、社外セミナーに参加する機会を設けたりなど、全員が学べるよう工夫しましょう。
マネージャーの業務評価と年1回の社員アンケートを行い、リーダーの重要性について研究したGoogle社は、以下のように述べています。
このデータによって、マネージャーの重要性がすぐに明らかとなりました。有能なマネージャーがいるチームは、満足度も生産性も他に比べて高いという結果が出ました。
(引用元:Google「優れたマネージャーの要件を特定する」)
このように、組織のパフォーマンス向上に欠かせない、優秀なリーダーの存在。ではどのようなリーダー像が理想とされるのでしょうか。Google社が掲げる10の行動規範をもとに見ていきましょう。
“良いコーチであること”の条件はさまざまですが、「ティーチング」と「コーチング」を適切に使い分けられることが挙げられます。
ティーチングとは、業務を行う上で必要な知識やノウハウを教えること。コーチングとは、教わる側に自分で考えさせることで、能力を伸ばす教育方法です。
知識やノウハウが全くない状態では、業務を行うことができません。しかし、効率よく行うコツや工夫まで手取り足取り教えてしまうと、自分で考える力が身につかないのです。そのため、ティーチングとコーチングをうまく切り替えながら、適切な教育を行うことが”良いリーダー”に求められます。
チームリーダーは、能力も知識も他より優れた人が就くのが一般的。ゆえに、チームメンバーよりも問題点や課題点を把握しやすく、どうしても口出ししてしまったり、任せずに自分がやろうとしてしまったりするものです。
しかし、それではチームメンバーは育ちません。チーム全体のパフォーマンスも向上しないでしょう。
理想的なリーダーは、メンバーに積極的に仕事を任せて見守ります。プロジェクトの計画や準備、実行、振り返りまでをメンバーたちに任せることで、業務ノウハウを身につけさせることができるでしょう。
もちろん任せっきりで放置するのは、リーダーとしての責任放棄であり、トラブル発生の原因になります。チームメンバーからの相談や質問があったときはサポートし、導くことが大切です。また、メンバーが相談しやすい環境を整えることも、リーダーの重要な役割です。
チームで成果を上げたいからといって、メンバーに無理をさせてしまうようでは、良いリーダーとは認められません。結果を求めたところで、健康を害してしまえば、結局パフォーマンスも落ちてしまうからです。
そのため、健康を保ちつつ働けるよう、リーダーは気を配る必要があります。長時間労働や休日出勤、休憩なしで働くメンバーがいる場合は注意し、問題を解決するため、共に考えましょう。
チームメンバーが無理なく働けるよう配慮することは大切ですが、「負担になるから」といって甘やかすのとは違います。健康を保ちつつ、効率よく成果を出してこそ優秀なリーダーです。
よって、業務の生産性を高めるために取り組むべきことは何か、常に意識してマネジメントすることが重要。そしてチームメンバーにも同様に、生産性の向上を意識するよう促しましょう。
効率の良い業務の取り組み方を考える際は、メンバーを巻き込んで業務改善を行うのがポイントです。従業員に当事者意識が生まれ、自主性を育てることにつながります。
チームメンバーが互いに協力し合い、1つの目標に向かって共に取り組むためには、コミュニケーションをとることが大切。そしてリーダーは、チームが円滑にコミュニケーションを取れるよう、環境を整えます。
定期面談は目標や進捗の共有、問題点や改善策などの報告、相談をする機会として最適。ただし、ダラダラと長い形だけのミーティングは、業務に取り組む時間が削られ、パフォーマンスが落ちてしまいます。よってリーダーは、短時間で効果的なコミュニケーションを取れるよう、計画的に面談を行うことが大切です。
また、面談やミーティングではリーダーばかりが話してしまいがちですが、それではメンバーの自主性が育ちません。新しいアイディアも生まれず、チームのモチベーションは下がってしまいます。
よって、リーダーには素晴らしい発言力ではなく、情報を聞き出すスキルが求められます。そして、メンバーが安心して発言しやすい雰囲気を作ることが重要です。
チームメンバー1人1人の職務、スキルを中長期的に計画し、導くこともリーダーの仕事。どのような方法でスキルを習得するのか、どの業務に携わることで学べるのかなどを共に考え、サポートする役割です。
計画的なキャリア開発を行うには、ビジョンを描くことが大切。「何を習得すべきなのか」「どのような業務を通してノウハウを身につけるのか」など、できるだけ具体的にビジョンをイメージすることで、効率よく成長することができます。
しかし、キャリアの浅い従業員は、キャリアの描き方や必須スキルなどの引き出しが少ない場合が多いです。そこでリーダーのサポートが必要になります。定期的な個人面談を実施し、目標と進捗を確認、ビジョンに関する相談・サポートを行いましょう。
明確なビジョンや戦略を持って、チームを導くのが理想的なリーダー像。無計画に行うよりも、チームが向かうべき方向を定めることで、より着実に成果を出すことができます。
しかし、リーダーのみがビジョンや戦略を理解している状態では、チームは機能しません。メンバーは「自分は何をすべきなのか」がわからず、何をするにしてもリーダー頼みになってしまいます。メンバーが自主的に動くことも難しいでしょう。
そのため、定めたチームの方向性をメンバーに共有することが大切です。そうすることでチームの団結力が高まり、メンバーは各々自主的に行動することが可能になります。そして、最大限のパフォーマンスを発揮できるでしょう。
リーダーは、メンバーが道に迷ったときに手を差し伸べ、サポートする役目。ですが、知識がなければアドバイスできず、手助けすることができません。的外れな指導を行い、さらに迷走させてしまう恐れもあります。
つまり、豊富な経験と知識も、リーダーに求められる重要な要素と言えます。特に、業務を行う上で必要な専門知識は必須です。わからないことがあった際、すぐにアドバイスできるよう、事前に知識を身につけておきましょう。
困っているときに助けてくれるリーダーがいると、メンバーは安心するもの。リーダーに対する信頼度も上がります。その結果チームワーク力が高まり、パフォーマンス向上へとつながるでしょう。
企業は、いくつもの部門や部署、チームに分かれて構成されているもの。基本的には、それぞれが別の業務を行いますが、時として、他の部署やチームと協力して取り組むことがあります。
リーダーは、他の組織と連携を取る必要があるのか判断し、間をつなぐ役割も担います。「あの部門とは関わったことがないから」といった固定概念や形式にとらわれず、必要な場面でコラボレーションを行うことで、より高い成果が期待できるでしょう。
コラボレーションを行う際は、リーダーだけでなく、メンバーもコミュニケーションを取れるようはからうことが大切。リーダーに頼らずとも、メンバーが率先して連携を取ることができるのが理想です。
チームの最終決定権はリーダーにあります。メンバーに仕事を任せ、自主性を持たせることも重要ですが、責任者はあくまでリーダーです。そのため、理想的なリーダーには決断力が求められます。
「決断力がある」とは、具体的に以下のようなことを指します。
結果を予想して計画的に行うことは大切ですが、予測がつかないことは考えても無駄になります。決断を鈍らせ、時間だけが奪われてしまうので、考えても無駄なことは省くことが大切です。
そして、「無駄か」「無駄ではないか」を的確に判断するためにも、目的を明確にしておく必要があります。目的を基準とすることで、客観的で素早い判断が可能になるのです。
また、リスクはできるだけ避けたいものですが、失敗ばかり恐れていては、挑戦することができません。失敗から得た知識と経験を活かせば、その後の成功へつなげることができるので、恐れずに挑戦することが大切です。
リーダーが挑戦する姿は、メンバーにも影響を与えます。チャレンジすることへの抵抗感がなくなり、新しいアイディアを生み出し、成長し続けるチームへと強化できるでしょう。
日々変化する経済環境の中、企業が生き残っていくためには、パフォーマンスを向上し続けることが求められます。簡単ではありませんが、少しでも利益を高めよう、生産性を上げようと努力することが、企業の成長につながるはずです。
今回ご紹介した方法は効果的ではあるものの、全ての企業にマッチするとは限りません。自社の状況を把握した上で、適切な改善策を見極めましょう。何から始めれば良いか迷ってしまったときは、ぜひ本記事を参考にしてみてください。