企業の成長、イノベーションには従業員の柔軟な発想力、自主的な行動が必要不可欠。しかし、「社員がなかなか行動を起こさない」「会議でアイディアが発案されない」と、従業員の沈黙に悩む企業が少なくありません。
そこで今、注目されているのが「心理的安全性」の確保です。心理的安全性の向上には、社員の成長や職場の活性化など、さまざまなメリットが期待されています。
今回は、そんなビジネスの発展に欠かせない心理的安全性について、詳しく解説していきます。心理的安全性が低下する原因や高める方法、甘やかすこととの違いなどもご紹介しますので、人材マネジメントにお悩みの方はぜひお役立てください。
「心理的安全性」は、ハーバード・ビジネススクールの教授であるエイミー・C・エドモンドソン氏(以下エドモンドソン氏)が提唱した概念のこと。同氏は、1990年に自身が発表した論文にて、以下のように定義しています。
team psychological safety – a shared belief held by members of a team that the team is safe for interpersonal risk taking
これを訳し、まとめた文が、石井遼介氏の著書『心理的安全性のつくりかた』に記載されています。
「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクを取っても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」
引用元:「石井遼介(2020)『心理的安全性のつくりかた「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える』日本能率協会マネジメントセンター」
チームメンバーの全員が、躊躇することなく、不安に思うことなく意見を述べたり、行動したりできる状態を「心理的安全性が高い」と言います。
反対に、チームメンバー全員もしくは一部が、意見を述べたり行動したりすることに対し消極的、恐怖を感じている状態は「心理的安全性が低い」と表現されます。
企業が成長し続けるには、熱意を持って働く従業員それぞれのパワーと、従業員同士のチームワーク力が必要です。しかし、従業員が互いに関わることに対し恐怖心を抱いている場合、それらを十分に発揮することができません。成長も見込めないでしょう。
よって、メンバーが安心して発言・行動できるよう取り組む、つまり「心理的安全性を向上させる」「心理的安全性を高める」ことが大切なのです。
心理的安全性は、提唱者であるエドモンドソン氏が、病院で発生する医療ミスについて研究していた際、偶然発見したもの。組織がチームとして機能し、人為的ミスをなくすにはどうすれば良いのか調査していたところ、心理的安全性が”キー”になっていることに気づいたのだそうです。
同氏が論文で発表したことにより、世界に知られるようになりましたが、きっかけは他にもあります。それは「Google」が行った調査プロジェクトです。
同社は2012年頃、「効果的なチームを可能とする条件は何か」を探るため研究を実施。調査の結果、チームメンバーが誰なのかよりも、「チームがどのように協力しているか」が重要であること、そして心理的安全性の確保が最も重要な条件であることを突き止めました。
世界的に有名な企業が注目したことで、心理的安全性に関心を寄せる人々がさらに増えていきました。
(引用元:「エイミー・C・エドモンドソン/訳:野津智子(2021)『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』英字出版株式会社」)
エドモンドソン氏の著書に記載されている調査によると、有力メディアが「心理的安全性」について言及した回数は、2017年時点で年間300回を超えています。「Google」が調査を行った2012年頃以降、言及された回数が増え続けていることから、心理的安全性の確保は現代の企業にとっても重要な取り組みであると言えます。
多くの企業が注目する心理的安全性ですが、なぜそれほどまでに重要視されているのでしょうか。高めるべき理由と、得られるメリットについて解説していきます。
心理的安全性が高い状態というのは、社員が安心して、意欲的に働けている状態を指します。社員にとって良い環境を提供する会社には、自然と「貢献したい」という気持ちが湧くもの。すなわち、社員のエンゲージメント向上が期待できます。
従業員のエンゲージメントが高まると、離職者が減ります。会社に尽くしたいと思う社員が増えれば増えるほど、会社を辞めたいと考える社員が減少するのです。実際に、「Google」が行った調査でも、心理的安全性が高いチームは離職率が低いという研究結果が出ています。
つまり心理的安全性の向上には、離職防止効果が期待できるのです。言い換えれば、人手不足を解消したい企業は、心理的安全性の向上も対策として視野に入れるべきでしょう。
従業員の心理的安全性が高まると、チーム内でのコミュニケーションが活発になります。「報告」「意見交換」「懸念・疑問点についての話し合い」に対する躊躇いが無く、皆が気兼ねなく行動を起こすことができるからです。
例えば、社内ルールで決められた報告や話し合いはするのに、それ以上の会話は避ける、というよくあるケース。これは「余計なことは言わないようにしよう」などといった心理が働いているのが原因です。
しかし、ルールの範囲外にもチームメンバー同士が話し合うべきことは多数存在します。「ルールに無いことだから」と報告・相談・提案を止めた場合、思わぬトラブルに発展する可能性があります。チームの成長も期待できません。
よって、チーム内のコミュニケーションを活性化させる必要があり、そのための心理的安全性の確保が必須なのです。
心理的安全性の高い職場では、チームメンバーに「意見を否定されるかもしれない」「異議を唱えることで周りに疎まれるかもしれない」などの不安がありません。反対意見であっても関係なく、気兼ねなく発言することができます。
自分の意見を率直に言うことが日常化すると、メンバーがアイディアを発案する機会が増えます。また、日頃からさまざまな意見が飛び交うことで、他人を受け入れる柔軟性も備わります。そうして、多様性を受け入れるクリエイティブなチームが実現されるのです。
日々変化する経済環境に企業が適応するには、イノベーションが欠かせません。そして、そのイノベーションには従業員の発想力・適応力が必須です。
よって心理的安全性を高め、クリエイティブな組織をつくることが重要であると考えられます。
心理的安全性が低いと、社員は自主的に学習しようとしません。「自主学習をしても無駄だ」「余計なことをするなと思われるかもしれない」などと不安に思い、行動を控えてしまうのです。
反対に、心理的安全性の向上によってエンゲージメントが高まると、社員に向上心が芽生えます。自ら行動することに対する不安もないため、積極的に自主学習に取り組むことができます。
また心理的安全性が確保された状態では、上手くいかなかったことを「失敗」と捉えず、「経験」として捉えます。そのため、挑戦することに対する躊躇いがありません。「挑戦→失敗→改善→挑戦」という良いサイクルを生み出し、自ら経験を糧とする、学習能力の高い社員へと成長できるのです。
従業員が自ら学び、成長し続けることで、企業も成長します。よって、心理的安全性の向上は、企業の発展にも利益をもたらすと言えるでしょう。
心理的安全性の確保には、従業員のパフォーマンス向上が期待できます。このことは、エドモンドソン氏が行った調査で証明されています。
1990年代に、私はあるメーカーで販売、製造、新製品開発、経営など50のチームについて研究を始めた。(中略)うれしいことに、心理的安全性のあるチームはパフォーマンスも高いことが、データによって示された。
引用元:「エイミー・C・エドモンドソン/訳:野津智子(2021)『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』英字出版株式会社」
従業員が高いパフォーマンスを発揮すれば、チームの生産性向上、しいては企業の業績へとつながります。また、先に解説した心理的安全性の確保による社員の成長も、企業の業績アップへとつながる要素です。
心理的安全性は、企業が従業員に提供するもの。しかしその取り組みは、巡り巡って結果的に企業へと還元されるのです。
心理的安全性を高めるにも、チームメンバーが「なぜ不安なのか」「何を恐れているのか」など、原因がわからなければ対応できません。そこで注目すべきなのが、エドモンドソン氏が説く「4つの不安要素」です。詳しく見ていきましょう。
制限される行動 |
不安の原因となる周囲の言動例 |
|
IGNORANT <無知だと思われる不安> |
・発言できない ・質問できない ・相談できない |
・意見を述べたら「見当違いだ」と馬鹿にされた ・質問したら「そんなことも知らないのか」と言われた |
INVOMPETENT <無能だと思われる不安> |
・ミスを素直に報告できない ・支援を要求できない ・自分の過ちを認められない |
・ミスを報告したらひどく罰せられた ・自分だけに責任を負わせられた ・「こんなこともできないのか」と叱られた ・質問をしたら「そのくらい自分で考えろ」と言われた |
INTRUSIVE <邪魔だと思われる不安> |
・反対意見を言えない ・支援を要求できない ・相談できない |
・反対意見を言ったら嫌な顔をされた ・提案したら「でもそれは〇〇だから・・・」と頭ごなしに否定された ・「〇〇のせいで残業になった」と言われた(またぎきした) |
NEGATIVE <ネガティブだと思われる不安> |
・反対意見を言えない ・懸念点・不安点について指摘できない |
・反対意見を言ったら「あの人はいつもネガティブだ」と言われた ・チームメンバー/リーダーが多様性を受け入れない |
「周りから”無知だ”と思われるのではないか」という不安は、メンバーのさまざまな行動を妨げます。
発言や質問、相談をしない従業員には、以上のような考えがあると推測されます。特に、意見を述べたとき馬鹿にされた、質問したら「そんなことも知らないのか」と言われたなどの体験は、無知と思われることへの不安を大きくするでしょう。
心理的安全性の低い職場で働くチームメンバーは、「周囲から”無能だ”と思われるのではないか」という不安を抱えている可能性があります。
以上の例のように「無能と思われることへの不安」は、ミスの報告、支援の要求を妨げる原因になります。
しかし、ミスの報告漏れが発生すると、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。間違いを正すことができず、生産性も下がるでしょう。
またチーム内での相談が減ると、団結力も失われます。よってチームリーダーは、メンバーの「無能だと思われる不安」を排除し、安心感を与えることが大切です。
自分の意見を言えない人、発言することに抵抗のある人は「周囲から”邪魔だ”と思われないか」という不安を抱えています。
意見を述べたときに周りに嫌な顔をされた、「それってうまくいくの?」と疑心を抱かれた、などの経験は「周囲から邪魔だと思われるのではないか」という不安を大きくさせます。また、意見を頭ごなしに否定したり、質問への回答を後回しにしたりすることも、発言することへの不安をつくる原因です。
上司や先輩、リーダーの何気ない言動が、心理的安全性を低下させる原因となり得るため、教育指導の担当者は改めて言動を見直す必要があるでしょう。
心理的安全性の低下には、「周囲から”ネガティブな人だ”と思われるのではないか」という不安が関係している場合もあります。
以上のような考えが、本音を言うことができない、率直に話し合えないといった状況を引き起こします。これは、モチベーションが高いチームでも起きうることです。
例えば、5人中4人が賛成、1人が反対の意見を持っている場合、メンバーがやる気に満ち溢れていると賛成意見に勢力が寄りがちです。心理的安全性が高ければ、それでも躊躇することなく、反対意見を言うことができます。
しかし心理的安全性が低いと、「反対意見を言ったら、周りからネガティブだと思われるかもしれない。」と考えます。反対意見を持つ1人が不安になり、発言できなくなるのです。
モチベーションの高さと心理的安全性の高さは別物であり、比例しないことを理解しておきましょう。
それではいよいよ、心理的安全性を高める方法をご紹介します。エドモンドソン氏が提唱している3つの方法も交えて解説しますので、チームリーダーを任されている方、管理者の方はぜひ参考にしてください。
心理的安全性の向上に取り組む前に、まずは現状を把握する必要があります。社員が今、発言や提案に対しどれほどの不安があるのか、何に対しどれほどの恐怖を抱いているのかなど、状況を知らないことには改善できないからです。
とはいえ、心理的安全性を測るのは簡単ではありません。そこで参考になるのが、エドモンドソン氏が論文で提案している7項目のチェックリストです。
「エイミー・C・エドモンドソン/訳:野津智子(2021)『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』英字出版株式会社」を参考に弊社で作成
同氏が提案するチェックリストの使い方は以下の通りです。
そして、合計点数が高ければ「心理的安全性が高い」、合計点数が低ければ「心理的安全性が低い」と判断します。
心理的安全性を定量化することで、目標を立てやすくなります。また、振り返りや改善にも役立つため、明確な数値で表すことを意識しましょう。
エドモンドソン氏は、以前開催された「TED」と呼ばれる講演会に登壇し、心理的安全性について発表したことでも有名です。そこで、心理的安全性を高める方法を3つ紹介しており、そのうちのひとつとして「仕事を”学習の機会”と捉えること」を挙げています。
学習とは言い換えれば、未知の出来事・知識が先にあるということ。「この先何が起きるかわからない」という状態にある、と言えます。
未経験の出来事を乗り越えるためには、より多くの知恵と協力が必要。そのことをチームに示すことで、「メンバー全員の力が必要だ」と理解してもらうことができます。それがメンバーの発言を促すことにつながるのです。
また、仕事を学習プロセスの一環として捉えることで、失敗に対する恐怖心が薄れます。もし失敗しても、学んで次に活かせば良いと考えることができ、挑戦することへの不安解消になるでしょう。
エドモンドソン氏は、心理的安全性を高める2つ目の方法として「ミスをすることを認める」を挙げています。
ミスが許されない環境は、チームメンバーを委縮させます。しかし、人間が業務を行う以上、ミスはどうしても起きてしまうものです。
そこで、改めて「自分もミスをすることがある」と認識し、互いに認め合います。特に、自分もミスすることがあると、周囲に伝えることがポイントです。自らの過失を認めることで、相手も自分の過失を認めやすくなり、互いに率直にミスを報告しやすくなります。
また、エドモンドソン氏は「TED」の講演にて、「見落としがあるかもしれない」と伝えることが、チームメンバーが安心して発言できる雰囲気をつくると解説しています。ミス発生の可能性を伝え、サポートを要求することで、メンバーの発言を促すのです。
チーム内での発言や提案が少ない場合は特に、このようなミスを認め合う文化を意識すると良いでしょう。
積極的に質問することも、チームの「声」を引き出すうえで必要不可欠と、エドモンドソン氏は言います。
質問する機会を増やせば、おのずと相手が発言する機会が増えるものです。単純に、意見を伝えることへの慣れから、抵抗感を小さくするのが狙いです。
また、1人が積極的に質問する姿は、周囲の手本になります。特に、チーム内で影響力の強い人が行うと、メンバーの行動が変化しやすいでしょう。よって、チームリーダーはメンバーに、積極的に質問するよう意識することが大切です。
失敗やミスをしたとき、人は「責められる恐怖」を抱きます。その恐怖をなくすのは簡単ではありません。
そこで、ミスが起きた際の対処方法を考える必要があります。責められる恐怖をできるだけ小さくするには、「生産性の高い対処方法の選択」が重要です。
例えば犯人捜しをしたり、責任を押し付けたりする行為は、不安を大きくします。チームメンバーの心理的安全性が低下し、かつ原因追求も厳かになる、非生産的な対処方法です。
反対に「なぜミスが起きたのか」「どうすれば改善するのか」といった、原因と改善方法の分析にフォーカスした場合、チームメンバーの”責められる恐怖”は小さくなります。さらに、チームで原因について話し合うことにより、業務改善、チームワーク力向上などの効果が得られます。
このような生産的な対処方法をシステム化し、習慣にすることが大切です。「非合理的な罰を受けない」という体験を何度も繰り返すことにより、不安が薄れ、ミスを素直に報告しやすくなるでしょう。
従業員のパフォーマンスが企業運営に関わっている以上、結果を求めないわけにはいきません。しかし、結果だけを見て評価し続けると、心理的安全性が低下します。「良い成果を残さなければ非難される」という不安から、行動を起こすことさえも恐れるようになってしまうのです。
そのため、結果は別として「挑戦したこと」「発言したこと」に対して感謝、承認、賞賛することが重要です。
「行動したこと」に対して褒められたという経験が、自主的に行動することへの不安を解消します。このような評価方法を繰り返すことで、心理的安全性が確保され、メンバーの挑戦・発言を促すでしょう。
心理的安全性の高い職場をつくるには、チームの行動を変化させ、導くリーダーが必要です。リーダーの行動が周囲に影響を与え、チーム全体の発言や行動を変化させます。また、心理的安全性を高める行動とは何か、メンバーを教育する役割を担うのもリーダーです。
よって企業は、そのようなリーダーを育てる必要があります。
心理的安全性を高めるリーダーとは、どのような姿なのか。『心理的安全性のつくりかた「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える』という書籍の中で、著者の石井遼介氏は、リーダーの心理的柔軟性が鍵になると述べています。
いくつものスタイルがあると、つい私たちは「最良のもの」を探したくなりますが、実は互いに補完関係にあったり、良いリーダーはいくつものリーダーシップ・スタイルを使い分けています。
引用元:「石井遼介(2020)『心理的安全性のつくりかた「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える』日本能率協会マネジメントセンター」
チームのメンバー構成や状況によって、求められるリーダーシップは変わります。ビジョンを掲げて啓発するスタイル、メンバーへのサポートを徹底するスタイル、リーダーが自身の弱みを見せるスタイルなど、さまざまなスタイルから状況に合わせて柔軟に対応できるのが、理想的なリーダー像です。
とはいえ、適切に見極め、スタイルを切り替えることは簡単ではありません。そのため、企業が研修などを行い、リーダーおよびリーダー候補に知識とスキルを身につけてもらうことが大切なのです。
心理的安全性について学ぶ際、よくあるのが「心理的安全性を高める=甘やかす」という誤解。しかし、これは間違いです。
発言することへの恐怖心を抱かせまいと、メンバーの意見をすべて受け入れていては、チームは成長できません。間違った方向へ進んでしまったとき、誰も軌道修正できなくなってしまうからです。
ミスの報告を受けた際も同じです。報告してくれたことに対して感謝はしますが、ミスを見逃すのとは違います。原因の追求と改善を行い、状況に応じて措置を取ります。
ただ根拠もなく処罰したり、意見を否定して押し付けたりすることが、心理的安全性を低下させるのであり、「対処しないこと」ではありません。懸念点があるなら定義し、きちんと話し合えることこそが、心理的安全性の高さを表します。
エドモンドソン氏も、著書の『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』にて以下のように述べています。
ひとことで言えば、感じよく振る舞うことは、心理的安全性と同意ではない。同様に、気楽さや心地よさを指すものでもない。対照的に、心理的安全性とは、さまざまな観点から学ぶために、建設的な対立を厭わず率直に発言することなのだ。
引用元:「エイミー・C・エドモンドソン/訳:野津智子(2021)『恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』英字出版株式会社」
「間違いを指摘しない」「穏便に済まそうと発言しない」など、チームメンバーを甘やかすこととは異なるため注意しましょう。
チームの心理的安全性を高めるには、まずチームを率いるリーダーの心理的安全性を確保する必要があります。それには、企業の働きかけが必要不可欠。各リーダーが気兼ねなく発言・挑戦でき、迷いなく助け合えるよう、対応と環境を見直すことが大切です。
企業文化の根付きは深く、変化には時間がかかります。しかし、心理的安全性の向上が実現した際、従業員から得られるパワーは絶大です。時代に適応し、成長し続ける企業を築くため、まずは各リーダーに心理的安全性について理解してもらうことから始めてみましょう。