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飲食店のQSCとは?売上向上のステップとチェックシート・企業事例

作成者: 『shouin+ブログ』マーケティング担当|Jul 2, 2026 6:00:00 AM

QSCって聞いたけど、具体的に何をどう改善すればいいのかわからない、という方は多いでしょう。本記事では、飲食店の基本指標であるQSCの意味から改善ステップ、チェックシートの使い方、企業事例までをまとめて解説します。


 

QSCとは?

QSCとは「Quality(品質)」「Service(サービス)」「Cleanliness(清潔さ)」の頭文字をとって作れらた言葉です。世界最大のハンバーガー・チェーンであるマクドナルドを育てたレイ・A・クロック氏が、1955年に提唱したことがはじまりと言われています。

QSCは、業務の標準化および品質向上に欠かせない指標です。組織の発展には「顧客満足度の高いサービスの提供が必要」という考えのもと、飲食・小売店を中心に活用されています。

なお、近年は「QSCVValue:付加価値)」や「QSCHHospitality:おもてなし)」など、QSCプラスαの概念も広まりつつあります。

■参考:「食品安全・品質への取り組み」マクドナルド公式

 

Q(Quality):料理の品質

飲食店における「Quality」とは、料理の品質のこと。「顧客目線で質の高い料理を提供できているか」をチェックする項目です。
料理の質は、味や食材の鮮度、調理方法、盛り付け方など、さまざまな要素によって決まります。ただ美味しいだけ、見栄えが良いだけでは良質と認められません。すべてが揃って「質が高い」と言えます。
そして、そのような質の高い料理を「常に」提供することが求められます。日によって味が変わる、担当者で変わるなど、仕上がりにバラツキがあるようでは顧客満足度を維持できません。
よって、QSCを通して明確な基準を示し、多角的に評価する必要があると言えます。

 

S(Service):接客の質

料理が魅力的でも、接客の質が悪いと顧客は離れていくものです。質の高いサービスを提供するには、従業員の対応にも目を配る必要があります。

QSCの「Service」には、接客時の表情、言葉づかい、所作、身だしなみなどが含まれます。電話応対、クレーム対応、トラブル発生時の対応などもチェックの対象となるでしょう。

接客で求められるのは「自然な笑顔」「丁寧な対応」が基本ですが、愛想が良ければいいというものでもありません。状況に合わせて適切に行動できるかが重要です。

とはいえ、適切・不適切の判断基準には個人差があります。どのようなときに、どのように行動することが理想なのか、QSCにて明確な基準を示す必要があるでしょう。

 

C(Cleanliness):清潔な環境

気持ちよく食事を楽しめるようにするには、清潔な環境が欠かせません。Cleanlinessは、飲食店経営における必須条件と言えるでしょう。

床やテーブル、食器をはじめ、トイレや従業員の身だしなみにも清潔さが求められます。顧客の安全を守り、安心を提供するため、調理場の衛生を保つことも重要です。

清潔・不潔の判断基準も人それぞれです。ある人は「十分に衛生的だ」と思っていても、ある人が「不衛生だ」と感じたのなら、それは掃除が不十分であると言えます。

掃除した”つもり”では、顧客満足につながりません。クレームが発生する恐れがあるほか、食中毒発生のリスクもあるため、明確な基準とチェックが必要不可欠です。

スタッフ教育のデジタル化でQSCを標準化

QSCの基準をマニュアルで整備しても、現場への浸透に時間がかかるという課題は多くの店舗で起きています。shouin+(ショウインプラス)は、動画マニュアルとデジタル受講管理でその課題を解消します。 

 

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飲食店経営でQSCが重視される理由

企業間の競争が激しさを増す現代。利用者が店や企業に求めるハードルは、高くなる一方です。少しでも「質が悪い」と判断されれば、あっという間に離れていきます。 
つまり、日々多くの企業がQSCの改善に取り組むのは、「企業の存続に関わる」から。QSCを総合的に高め、顧客の期待に応え続けることが、持続可能な経営の基盤となります。

売上向上とリピーター獲得

QSCは、店や企業のサービス品質向上を目指すもの。質の高いサービスを提供することで、「また利用したい」と思う顧客が増え、売上げ向上・リピーター獲得につながります。

創業当時からQSCを重要視してきた「ワタミ株式会社」のインタビューにて、当社マーケティング部の山原氏は以下のように述べています。

売り上げを向上させるためには、継続的にお客様にリピートしていただく必要があります。QSCの品質維持向上はそこに不可欠であるということなので、これは「日々磨き続ける」物だという認識です。

引用元:【キロクルでQSCチェック業務の改善事例】株式会社WATAMI様

SST株式会社スマート・ソリューション・テクノロジー

また、同社のから揚げ営業部部長、榎本氏の以下の言葉もあります。

QSCチェックのポイント数と売上は完全に比例すると思います。

引用元:【キロクルでQSCチェック業務の改善事例】株式会社WATAMI様

SST株式会社スマート・ソリューション・テクノロジー

質の高いサービスを提供することで、店やブランドのファンが増えれば、売上げが上がります。売上げが上がれば、企業の利益が増えます。飲食業が経営を続けていくうえで、QSC改善は重要な役割を担っているのです。  

 

顧客満足度(CS)の向上

顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)はQSCの三要素それぞれと密接に連動しています。料理の品質が一定水準を超えれば「おいしかった」、接客が丁寧であれば「また来たい」、清潔な環境であれば「安心して食べられた」という評価が生まれます。
CSが上がると口コミや紹介が増え、集客コストを抑えながら売上を伸ばす好循環が生まれます。反対にCSが低下すると、ネガティブな口コミが広まるリスクも高まります。QSCの各要素を継続的に改善することは、CSを通じた経営の安定化に直結します。

QSC向上のための5つのステップ

「QSCを高めたい」と思っていても、何から手をつければよいか迷う方は少なくありません。感覚的な努力では改善に限界があります。QSCを計画的に向上させるには、明確なステップに沿って取り組むことが効果的です。

ステップ1.現状把握と課題の可視化

まず行うべきは、現在の店舗の状態を客観的に把握することです。スタッフ自身の感覚だけでは見落としが生じやすいため、顧客アンケートやレビューサイトのコメントを収集し、顧客視点での課題を拾い上げます。
「待ち時間が長い」「スタッフによって対応が違う」「トイレが気になった」といった声は、QSCのどの要素に問題があるかを特定する手がかりになります。現状を正確に把握せずに改善策を講じると、的外れな施策に時間を費やすことになりかねません。まず現状の可視化から始めることが、改善の第一歩です。

ステップ2.基準作りとマニュアル化

現状の課題が見えたら、次は「あるべき姿」を定義します。料理の仕上がり基準、接客の流れ、清掃の手順と頻度——これらを具体的に言語化し、マニュアルとして整備します。
マニュアル化の目的は、個人の経験や感覚に依存しない標準化です。スタッフが入れ替わっても同じ水準のQSCが維持できる状態を作ることが、多店舗展開や人材育成の観点からも重要です。

多拠点でもQSC基準を統一できるshouin+

マニュアルを整備しても、複数店舗への浸透が難しいという声をよく聞きます。

shouin+なら、動画マニュアルを一元管理し、全店舗のスタッフが同じ基準で学べる環境を構築できます。

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ステップ3.実践とスタッフ教育

マニュアルが完成しても、スタッフが実際に動けなければ意味がありません。OJTやロールプレイングを通じて、各スタッフが基準通りの行動を身につけるための教育を行います。

接客ロールプレイング、調理の実地確認、清掃チェックの同行など、実践的なトレーニングを繰り返すことでスキルが定着します。教育の記録を残しておくと、誰がどの項目を習得済みかを管理しやすくなり、OJTの属人化も防げます。

 

ステップ4.評価とPDCAサイクル

教育を実施したら、チェックシートを使って実施状況と水準を確認します。評価結果はスタッフへのフィードバックに活用し、改善点を共有する振り返りミーティングを定期的に行います。

PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を意識的に回すことで、QSCの改善が継続的な取り組みとして機能します。一度整備したマニュアルも、現場からのフィードバックをもとに定期的に更新していくことが大切です。

 

ステップ5.従業員満足度(ES)の向上

QSC向上の最後のステップは、実はスタッフ自身の満足度(ES:Employee Satisfaction)への投資です。働きやすい環境が整っていない、適切に評価されないという状況では、スタッフがQSCに向き合うモチベーションを持ちにくくなります。
公平な評価制度の整備、スキルアップの機会提供、チームのコミュニケーション環境の改善——こうした施策がESを高め、結果としてQSCの底上げにつながります。QSCとESは切り離せない関係にあります。

QSCのチェックポイントと活用法

「QSCを改善したい」と思っても、どこから手をつければよいかわからないという声があります。チェックシートを使うと、主観や思い込みを排除して客観的に現状を把握しやすくなります。日常の店舗運営にチェックシートを組み込むことで、QSC管理を仕組み化できます。

QSCチェックシートの作成例

以下は、QSCの各要素に沿った基本的なチェック項目の例です。店舗の業態や規模に合わせて項目を追加・調整して使うことを前提にした参考例として参照してください。

カテゴリ
チェック項目
確認方法
Q(Quality)
料理の温度は適切か
提供時に担当者が確認
盛り付けは基準通りか
写真見本と照合
提供時間は許容範囲内か
オーダーからの経過時間を記録
S(Service)
来店時の挨拶・案内は行われているか
フロアリーダーが観察
注文時の復唱確認はできているか
担当スタッフが自己評価
レジ対応の丁寧さは維持されているか
管理者がランダムに観察
C(Cleanliness)
テーブル・椅子の清掃状態
目視・触診確認
トイレの清掃・備品補充
時間別チェックリストで記録
スタッフの身だしなみ(髪・爪・制服)
出勤時に管理者が確認

チェックシートは記録して終わりではなく、結果をスタッフにフィードバックし、改善行動につなげる運用が重要です。月次でデータを集計すると、どの項目が継続的に課題になっているかを把握しやすくなります。

QSCの応用「QSC+α」の概念

基本のQSCを整えた先に、さらに顧客を惹きつける要素があります。それが「QSC+α」という考え方です。QSCはあくまで基礎であり、競合との差別化や顧客ロイヤルティの向上には、基礎を超えた付加価値が求められます。QSCに何を加えるかが、店舗のブランド力を左右します。

QSC+V(Value):付加価値の創造

V(Value)は、顧客が「この店ならでは」と感じる価値を指します。料理の品質・接客・清潔さが同等であれば、顧客は価格や立地で選びます。そこに「価値」を加えることで、他店との差別化が生まれます。
具体的には、季節限定メニューや地域食材を使った特別メニュー、記念日への特別対応、常連客への個別サービスなどが挙げられます。Valueは「驚き」や「嬉しさ」を生み出し、口コミやSNSでの拡散にもつながります。

QSC+H(Hospitality):おもてなしの心

H(Hospitality)は、マニュアルで定義できない「おもてなし」の領域です。Serviceがルールに基づく行動であるのに対し、Hospitalityはスタッフが顧客の状況を察知して自発的に動くことを意味します。
雨の日に傘を乾かす場所を案内する、荷物が多そうな顧客に自然と手を差し伸べる——こうした行動はマニュアルに書けるものではありません。スタッフがHospitalityを発揮できるのは、心理的安全性のある職場環境と、顧客を大切にする文化が根付いているからです。ESの向上が、Hospitalityの底上げにも直結します。

QSC実践の企業事例

実際にQSCをどのように経営に組み込んでいるのか、大手飲食・小売チェーンの事例から学べる点があります。各社の取り組みは規模こそ大きいものの、そのアプローチの考え方は中小規模の店舗にも応用できます。

マクドナルドの徹底したマニュアル化​​

マクドナルドはQSC管理の代表的な事例として頻繁に取り上げられます。調理の工程、清掃の手順、接客フローにいたるまで、詳細なマニュアルを整備し、世界中の店舗で同一水準のサービスを提供することを目指しています。
食品管理においても、食材の温度管理や廃棄タイミングなどをシステムで管理し、品質の均一化を図っています。食品の安全やクルーの健康状態を毎日チェックする「フードセーフティチェックリスト」の活用が例です。
また、店舗責任者に向けて、食の安全・安心について学べるeラーニングも行っています。店舗数が多くてもQSCが保たれる「仕組み」に注目です。

■参考:衛生管理の取り組み」マクドナルド公式

 

ファミリーマートの育成システム

ファミリーマートでは、店舗スタッフの育成においてQSCを重視した体系的な仕組みを構築しています。QSCに関する知識・スキルを持つ「エクセレントトレーナー」制度を整備し、加盟店への支援体制を強化してきました。
優れた取り組みを行う店舗を表彰する制度「QSCアワード」も設けており、現場スタッフのモチベーション向上につながっています。教育と評価・表彰をセットにした育成システムは、ESとQSCを同時に高める取り組みとして参考になります。

■参考:「エクセレントセレントトレーナー」制度を導入〜さらなる活躍の場を!優秀なストアスタッフを本部社員に登用~ 株式会社ファミリーマート

”自慢のお店づくり”編|素顔のHERO!|FamilyMart Stories式会社ファミリーマート

 

すかいらーくの覆面調査と改善

すかいらーくグループでは、顧客満足度を客観的に把握するための覆面調査(ミステリーショッパー)を活用しています。スタッフの自己評価だけでは見えにくい課題を、第三者の目線で明確化する手法です。
当社は、QSCの向上には従業員のモチベーション向上が欠かせないという考えのもと、さまざまな工夫を行っています。
例えば、覆面調査のリポートは「2ストライク1ボール」を意識して作成。マイナスポイント1つに対し、2つのプラスポイントを上げることで、従業員のモチベーションを高めています。
また、調査結果を知らせて終わるのではなく、リポートについて従業員と話し合う時間を設けているのもポイントです。「客観的な評価→情報共有→従業員の自発的な改善活動」というサイクルを生み出すことにより、継続的なQSC向上を実現しています。

■参考:「すかいらーくHD/2700店舗に「顧客満足度覆面調査」導入」流通ニュース

 

まとめ

QSCとは、飲食店が顧客に安定した体験を提供するための基本指標です。品質・サービス・清潔さの三要素を整え、チェックシートとPDCAで継続的に改善することが、リピーター獲得と売上向上につながります。QSC+αの視点を加えることで、競合との差別化も図れます。大手企業の事例も参考にしながら、自店舗に合った取り組みを着実に積み重ねてください。

QSCの仕組み化はshouin+で

 

QSCのマニュアル整備から現場への浸透・習熟度確認まで、shouin+のクラウド型eラーニングが一貫してサポートします。多拠点展開の飲食・小売チェーンで、教育品質の統一に活用されています。

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