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動画を活用した「従業員が自ら学ぶ仕組みづくり」セミナーレポート

※本記事は日本の人事部にて掲載されたものを挙げております。

中村 昌広氏(ピーシーフェーズ株式会社 shouin事業本部 マーケティング&セールス部 部長)

スマートフォンの普及をきっかけに、動画がより身近なメディアになった。動画は人材育成にも取り入れられつつある。動画による人材育成サービスを展開するピーシーフェーズ株式会社は、動画などデジタルデータを活用した教育のメリットとして「わかりやすさ」「分析のしやすさ」「蓄積による展開」を挙げる。動画という新たなツール導入を成功させる工夫について、同社shouin事業本部 マーケティング&セールス部 部長の中村昌広氏が講演した。

プロフィール

中村 昌広氏(ピーシーフェーズ株式会社 shouin事業本部 マーケティング&セールス部 部長)
(なかむら まさひろ)「2010年ピーシーフェーズ株式会社に入社。大手キャリアの子供向け教育アプリ開発や大手飲食チェーンでの従業員育成アプリの業務支援に従事。そこで培ったノウハウを活かして動画教育サービス「shouin」の立ち上げに参画。様々な業態での顧客課題をサービス導入から目的達成に向けて日々邁進している。現在はshouinマーケティングチームを統括。 中村 昌広氏(ピーシーフェーズ株式会社 shouin事業本部 マーケティング&セールス部 部長)

成長の加速に必要な要件は「狙って育てること」

ピーシーフェーズ株式会社はスマートフォン向けアプリケーションの開発、動画プラットフォーム事業などを行っている。その一つが動画による人材育成プラットフォーム「shouin(しょういん)」だ。

中村氏は講演の冒頭で、今の従業員教育の内容や、今後取り組みたいこと、また社員自らが学ぶ仕組みには何が必要か、参加者同士で話し合うよう促した。そのうえで、「自ら学ぶ仕組み」について考えを話した。

「『自ら学ぶ仕組み』は、人が自然と育つ仕組みを整えるだけでは不十分です。狙って育てる仕組みこそ大事です。狙って育てることで、従業員の成長スピードが飛躍的に上がり、即戦力化、定着につながると考えています」

一般的に、新卒・中途採用者、アルバイトなど新たに企業に入る人は、入社6ヵ月目までに「不安期(入社前)」「サポート期(入社初日~1週間)」「助走期(~1ヵ月)」「飛躍期(~6ヵ月)」といった成長過程をたどる。

「不安期には、新しく会社に入る人が職場の雰囲気や仲間のことを知る必要があります。入社1ヵ月もすれば仕事仲間からフォローされることで自信がついてきますので、次は仕事で達成感を得させる。入社6ヵ月目には、会社への貢献度を自覚し、周囲に承認されることが重要です」

では、その過程で成長を加速させるポイントとは何か。中村氏は「エンゲージメント」「オン・ボーディング」「データとテクノロジー(動画、可視化、評価)」の三つを挙げる。

エンゲージメントとは

一つ目の「エンゲージメント」とは、個人と組織が一体となって双方の成長に貢献し合う関係を指す。中村氏は、エンゲージメントを高める五つのポイントを挙げた。「仕事(業務内容、やりがい)」「共感(理念、経営企画)」「人間関係(頼れる上司・同志)」「成長機会(昇進・配属、教育)」「制度(福利厚生、環境)」だ。
「入社した人が成長しない、育つ前に辞めてしまうといった場合には、いずれかが影響しています。最近、日本企業では、「共感」や「成長機会」は改善されつつあり、ある程度は定着率の向上が見られます。ただ、「人間関係」や「制度」といった部分はまだ改善の余地があります」

オン・ボーディング とは

成長を加速させる二つ目のポイントは、オン・ボーディング(on-boarding)だ。この言葉は「船や飛行機に乗っている」状態を表す「on-board」から派生した造語であり、新たに入社または異動した従業員を、できるだけ早く職場環境に適応させ、戦力化することを指す。中村氏は成長過程の各段階で、オン・ボーディング施策として意識すべき点を解説した。
「最初のステップである不安期にすべきことは『環境整備』です。入ってきた人たちに、いつでもどこでも学べる環境を提供し、学習の門戸を開放してあげるのです。サポート期・助走期では『OJT』。このステップで疑問や不満を吸い上げ、フォローアップすることが飛躍的な成長につながります。飛躍期で意識すべきことは『(入社した社員が)成果を出すこと』です。成功事例をできるだけ増やしてあげることが重要です」

入社後の教育では知識・スキル・ノウハウの詰め込みが目立つが、中村氏はオン・ボーディングのプログラムにはピラミッドの視点が必要だという。最初は「理念・価値観・マインド」の教育から入り、次に「正しい仕事の仕方」を覚えさせ、最後に「知識・スキル・ノウハウ」を身に付けさせていく。これらの工程を確実に進めるためのポイントが三つある。
「一つ目は設計と構築。誰に、いつまでに、どのようになってもらうかを定める。二つ目はコンテンツを磨くことです。誰が、どのように、どうやって教えるかを決めて、コンテンツを磨いていく。三つ目は運用と継続。常に教わる側の声を聞き、意見を反映させながら継続していくことが最も大事だと思います」

動画を含むデジタルデータは「取りやすく、活用しやすい」

データとテクノロジー(動画、可視化、評価) とは

成長を加速させる三つ目のポイントは「データとテクノロジー(動画、可視化、評価)」だ。データを使うことで、これまで感覚的に行われていた人事施策を形式知化する。

「データを一元管理し、グラフなどで見える化することで、今まで見えなかった育成との関係性が理解できるようになります」

一元管理すべきデータには、人事データ、業績・評価データ、デジタルデータなどがある。ここでいうデジタルデータとはテキストや動画などのコミュニケーションデータで、個人の行動や傾向を把握できる。これらを組み合せて統合データベースをつくることにより、個人の傾向が見えてくる。
「人事データや業績・評価データはまとめるまでに時間がかかり、比較的難易度は高い。それに比べると、デジタルデータは取りやすいので活用が望めます」

日報のようなテキストメッセージの場合は、1200単語以上の入力があれば、AIによって個人の性格分析ができる。中村氏は分析例として、元プロ野球選手・イチロー氏の引退会見を基にした性格分析を紹介。会見でイチロー氏が話した言葉を「協調性」「誠実性」「外向性」「情緒不安定性」「開放性」の5軸で分析したところ、「情緒不安定性」がほかの4項目と比べて圧倒的に低く、ほぼゼロに近い数値なっていた。この軸の数値が低いとストレス耐性が高いといえる。もちろんイチロー氏のストレス耐性がもともと高いことも一因だが、引退でプレッシャー(ストレス)から解放され、このような結果になったと考えられるという。

「デジタルデータは、わかりやすく結果を表示できます。データを蓄積し、分析することで、『適職判断』『教育方針の決定』『離職傾向の把握』『チーム編成の最適化』といった人事業務での活用も期待できます」

動画教育の導入を失敗させない六つのステップ

次に中村氏は、動画による人材育成の手法について解説した。

「スマートフォンが普及し、SNSの投稿やニュースなどを動画で見る時代となりました。動画の良さは、何よりわかりやすいことです。私たちが提供する『shouin』では動画によるリモートOJTが行えます。例えば、従業員が職場で接客のロールプレイングや業務の様子を撮影して動画を投稿すると、本社側は動画をレビューし、アドバイスなどを書き加えます。従業員は戻ってきた動画を見るだけで、即座に接客を修正できるのです」

動画は、オン・ボーディングでも活用が可能だ。例えば「理念・価値観・マインド」では社長の動画メッセージを流し、「正しい仕事の仕方」では動画マニュアルを活用。「知識・スキル・ノウハウ」では動画によるリモートOJTを行う。
しかし、動画による教育を導入しながら、使われない例もある。どうすれば定着させられるのか。導入前に確認すべき六つのステップがある。

導入前の6ステップ

「第1ステップは『目標と方向性をそろえる』ことです。誰に、いつまでに、どのようになってもらうのかを定めます。
第2ステップは『戦略チームを選抜する』こと。よくある失敗例は、本社側で人事や経営層が現場を置き去りにして勝手に導入を進めてしまうケースです。戦略チームには現場のマネジャーやスタッフを巻き込み、幹部役員も配置して責任感を持たせるのがよいでしょう。
第3ステップは『ワークショップを実施する』。目標と方向性を定めるためにワークショップを行います。
第4ステップは『現場から発信する』。現場発のボトムアップで進めます。
第5ステップは『プロトタイプから広げていく』。試行チームの実践を通じ、全社の協力を促します。
第6ステップは『成功・失敗事例を共有する』。なぜそうなったのかを随時共有します」

さらに、中村氏は成功に向けて2種類の人材を配置することが必要だと話した。

「一つ目はプロダクトマネジャーです。課題の整理、優先順位の重み付け、スケジュール管理などのビジネス・マネジメントを委託できます。
二つ目はソフトウエアエンジニアです。課題を整理した結果、どう実現させるかなど実装レベルでの課題解決が望めます。これらの職種は外部人材でも問題ありません。一時的に雇う形でもよいと思います」

ここで中村氏はピーシーフェーズ株式会社が提供する、動画による人材育成プラットフォーム「shouin」を紹介した。

「shouin」とは

「特長は従業員一人ひとりがいつでもどこでも業務を学べ、本社側も評価、分析、コメントをすぐに返信できることです。また、従業員の評価・スキルなど、自社独自の追加情報も登録できます。管理画面では、従業員ごとにカスタマイズされた属性を登録し、評価やトレーニングの習熟度が確認できます。従業員の画面では自身のプロフィールや評価ステータスが確認でき、従業員同士が自店舗内の状態を把握することでエンゲージメントにつながります。動画学習の後にはクイズが出題されるなど、効果的な学習に向けた工夫も行っています」

最後に

中村氏は、動画による学びを取り入れるうえで重要なポイントを伝えた。

「従業員が知りたい情報を、知りたいときに、いつでも取り出せるようにしておくことが大事です。動画を活用して『学びの環境』を開放できるようにしてください」

たくさんの方にご参加頂きました。誠にありがとうございました!

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