ダイバーシティ(diversity)とは英語で「多様性」という意味を持ちます。
そのため「ダイバーシティ経営を推進する」というと女性管理職の比率を高める、障がい者の雇用を進める、テレワークなどの新しい働き方に対応するなどといった、単なる人材の多様化や働き方の多様化を指すものだという認識につながることも少なくありません。
しかし、本当の「ダイバーシティ経営」の意味は上記に留まらない深い意味での多様化を指します。
今回はダイバーシティ経営の基礎的な知識からメリットや成功のポイント、取り組み事例までをくわしく解説していきます。ダイバーシティ経営の本来の意味と取るべき戦略を知ることで、優秀な人材の獲得や生産性の向上といったさまざまなメリットを享受することができるでしょう。
ダイバーシティ経営とは、「多様な個を活かす経営」です。しかしそれは、「従業員一人一人に配慮をしなければならない=経営層の負担が増える」ということではありません。
目的は、企業をとりまく環境変化が加速化する中で、環境変化に対応しながら持続的な成長につなげていくこと。そのために必要となるのが、従来の慣例や慣習に捉われることのない新たな視点による経営戦略・人材戦略の見つめ直しです。
つまりそこで求められるのが「ダイバーシティ経営」なのです。
ここからはダイバーシティ経営について、下記の内容をくわしくご紹介していきます。
これらを知ることで、ダイバーシティ経営についての誤解を解き、正しいダイバーシティ経営への一歩を踏み出すことができるでしょう。
経済産業省では、ダイバーシティ経営を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義しています。
少し長くてわかりにくいですが、この定義は3つのポイントに分けられます。
多様な人材は想像しやすい方も多いでしょう。これには性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などの多様性はもちろんのこと、キャリアや経験、働き方などの多様性も含みます。
能力には多様な人材それぞれの持つ潜在的な能力や特性などが含まれます。
イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営とは、組織内の個々の人材がその特性を活かし、生き生きと働くことのできる環境を整えることによって、自由な発想が生まれ、生産性を向上し、自社の競争力強化につながる、といった一連の流れを生み出しうる経営のことです。
■参考:経済産業省「ダイバーシティ経営の推進」
経済産業省では、多様な人材の能力を活かし、価値創造につなげている企業を表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」を平成24年度から実施しています。こうしたダイバーシティが注目される背景にはどのような理由があるのでしょうか。簡単に解説します。
まず、ダイバーシティが注目される理由には市場のグローバル化があります。同調性が高く個が突出しにくい従来の日本社会や企業の経営スタイルでは、国際的な競争に対応することが難しくなっているのです。
また、近年は人々の価値観やライフスタイル、消費行動などが多様化したことにより、顧客ニーズを掴むのが非常に難しくなりました。そのような中、多くの人に支持される商品開発を行うためにも多様な視点をもつ人材が必要とされており、これもダイバーシティが注目される背景の一つになっています。
さらには、少子高齢化により人材不足が進んでいることから、女性やシニア、障がいのある人など多様な人々を積極的に受け入れ、人材を確保しようとする動きもダイバーシティが注目される背景の一つとなっています。
上記の理由を背景に、企業には従来の価値観とは異なった新たな価値の創出、つまりイノベーションが求められ、その解決策としてダイバーシティがますます注目されているのです。
ダイバーシティに密接した言葉として「インクルージョン」があります。インクルージョン(inclusion)とは英語で「包括」「一体性」という意味を持ちます。
ダイバーシティで集められた多様性のある人材がいても、個々の人材がその能力を存分に発揮できずにいたら、真に多様性が活かされた状態であるとはいえません。そこで登場するのがインクルージョンの考え方です。
インクルージョンでは多様性を活かし、人材の属性に捉われることなく平等に機会が与えられ、一体感を持って働く環境作りを目指します。つまり多様性が「ある」状態がダイバーシティで、多様性が「活かされている」状態がインクルージョンだといえます。
「ダイバーシティ&インクルージョン」と両輪で語られるケースを耳にしたことがある人も少なくないでしょう。日本では「ダイバーシティ」単体でも実質的に「ダイバーシティ&インクルージョン」を指している場合も少なくなく、経済産業省の定義も「ダイバーシティ&インクルージョン」を意味しています。
ここからはダイバーシティ経営を行うメリットと、得られる効果について解説していきます。
ダイバーシティ経営の一つ目のメリットは、優秀な人材の獲得です。
従来の日本の雇用制度は新卒一括採用で、男性が中心となり定年まで働くというスタイルが一般的でした。
しかしダイバーシティ経営を行うことによって、採用の間口が広がったり、勤務形態が柔軟になったりすると、これまでは条件が合わず働くことのできなかった女性や障がい者、定年後のシニア層や海外の人材などが働けるようになります。
より多くの人材の中から採用ができるようになるということは、それだけ優秀な人材と出会える確率も上がるということです。人材不足が深刻化している現代のビジネス環境下において採用の対象者が増えることは、決して無視できない大きなメリットといえるでしょう。
ダイバーシティ経営の二つ目のメリットは、イノベーションの創出です。
ダイバーシティ経営によって多様な人材が企業に増えるということは、異なる背景や経験、価値観、考え方を持った人材が増えるということです。
そうした多様な人々が活躍することにより、さまざまな価値観が企業の中で育まれていきます。そこから従来にはなかった新しい考え方が生まれ、イノベーションへとつながる可能性を持つのです。
ダイバーシティ経営の三つ目のメリットは、生産性の向上です。
従来の日本の労働観では、長時間労働が美徳とされる傾向がありました。そのため残業時間が増え、仕事の効率が下がっていた側面は否定できないでしょう。
しかしダイバーシティ経営では状況は異なります。
必ずしも長時間労働を当たり前としない環境を整備することで、疲労による非効率性が避けられます。また、短時間で業務を遂行できる社員が育ちやすい環境にもなるため、生産効率がアップします。
また、多様な人材がアイデアを出し合うことで、業務効率の改善につながる意見が出てくる可能性も高まるでしょう。
ダイバーシティ経営の四つ目のメリットは、リスク管理能力の向上です。
多様な価値観や考え方を持つ社員が増えることによって、企業は画一的な価値観に囚われにくくなります。もしも企業が画一的な価値観に囚われてしまうと、グループシンク(集団浅慮)が生じ、時に不合理な判断や行動のもととなってしまうのです。
しかし、多様性を大切にすることでグループシンクが避けられ、それによるリスクが低下します。柔軟な思考を持つことができる企業は、困難な状況に直面しても、適切な対応を取りやすくなる傾向があります。
ダイバーシティ経営の五つ目のメリットは、グローバル化への対応です。
国や地域、人種や民族が異なれば、価値観や考え方、消費ニーズも異なります。企業に日本人しかおらず、画一的な価値観に囚われてしまっていた場合、そうした異なる価値観に対応することは難しくなります。
しかしダイバーシティ経営を推進していた場合、さまざまな価値観を持った人材が集まることで海外のニーズに心を寄せることが可能になるだけではなく、実際に現地から社員を雇っていれば、よりその地域の価値観を理解しやすくなります。
グローバル化への対応をするためには、ダイバーシティ経営が欠かせない解決策なのです。
ダイバーシティ経営の六つ目のメリットは、自社評価の向上です。
現代社会の倫理的価値観では、多様な人々を受け入れることが求められています。企業が多様性を尊重する姿勢を取ることで、社会的責任を果たしているとみなされ、企業の評価が向上します。
また、 企業が多様な人材を公平に扱い、活躍の場や出世の機会を平等に与える姿勢を見せることで、公正で正義感のある組織だという印象も得られるでしょう。
これは顧客やステークホルダーからのイメージ向上だけでなく、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から認定を受ける「くるみん認定」や、LGBTQ+への取組みの評価指標である「PRIDE指標」など外部から形のある評価としてもたらされる場合もあります。
ここまでダイバーシティ経営のメリットについて解説をしましたが、ダイバーシティ経営を推進するには、障害となり得るポイントがいくつかあります。ダイバーシティ経営を失敗させないため、ぜひ参考にご覧ください。
ダイバーシティ経営の一つ目の懸念点は、価値観の違いによるトラブルです。
多様な価値観を持つ人々が集まれば、誰とでも理解し合うということは難しくなるでしょう。全ての価値観を同様に尊重するということは非常に難しいことであり、場合によっては社員同士で軋轢が生まれてしまう恐れがあります。
このような場合、対策方法としては、異なる価値観を受け入れるための「経営理念」や「行動指針」をあらかじめ用意しておくのがよいでしょう。価値観の違いに直面した際に、どのような行動を取るべきか一人ひとりが自分で判断できるようにすることが大切です。
またそのためには、ダイバーシティ経営の意義や多様性を尊重することの大切さを事前に社員に周知しておき、多様性を受け入れる下地を作り上げておくとよいでしょう。
ダイバーシティ経営の二つ目の懸念点は、心理的安全性の低下に伴うチームワークの低下です。
心理的安全性とは「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと」をいいますが、これがダイバーシティ経営によって低下する恐れがあります。
たとえば、似たような文化や背景、価値観を持った人の集団であれば、どのような発言や行動が受け入れられ、どのような行為が批判されるかを予測することができるため、比較的自由に発言することができるでしょう。
しかし、さまざまな属性、価値観、思考、行動特性を持つ人々が集まった場合、誰にとって何がタブーなのかを完璧に理解することは不可能です。そのため心理的安全性が確保できず、結果としてチームワークが低下してしまうのです。
また、こうした状況の解消には、上の立場の人から「何でも話せる空気作り」を心がけると良いでしょう。心理的安全性を高めるために挨拶や感謝などの日常のちょっとしたコミュニケーションを増やしたり、他人の話にきちんと耳を傾けたり、誠実な受け答えをすることなどが有効です。
意識的に社員同士のコミュニケーションの機会を増やし、相互理解の促進を図っていきましょう。
ダイバーシティ経営の三つ目の懸念点は、ミスコミュニケーションによる生産性の低下です。
人材が多様化すると、言語や文化などの違いによってミスコミュニケーションが生じやすくなります。そもそも会話が上手く成立しなかったり、言語は伝わっても前提とする価値観が異なることによって、想定通りの意味では言葉を受け取ってもらえない場面も発生するでしょう。
情報共有が上手くいかないと、業務効率が下がり生産性の低下につながります。
多様性はただあれば良いというものではありません。内閣府の調査によると、多様性を活かす取り組みが行われていない組織では、多様性が増加するほど生産性が低下するというデータがあります。
■参考:内閣府「第2-3-2図 多様な人材と生産性」
ダイバーシティ経営によってかえって生産性を低下させないためには、社員に適切なダイバーシティに関する教育を行うことが大切です。
また、経済産業省では、自社がダイバーシティ経営のどの段階にいるのかの判断の目安となる「ダイバーシティ経営診断シート」を公開しています。このシートを参考に、自社の取り組みについて振り返ってみてはいかがでしょうか。
ダイバーシティ経営はただ多様な人材を集めるだけでは成り立たず、懸念点に対する対策が必要になることを解説してきました。では、ダイバーシティ経営を推進していくにはどのような点に気を付けたらよいのでしょうか?
ダイバーシティ経営を成功させるために必要な上記のポイントについて、それぞれくわしく見ていきましょう。
ダイバーシティ経営推進の一つ目のポイントは、達成目標の明確化による意識統一です。
ダイバーシティ経営を推進することにより、どのような会社へと成長させていきたいのか、企業経営にどのような影響を期待しているのかといった目標をはっきりとさせ、全社一丸となってダイバーシティ経営を推進していける素地を作りましょう。
単に多様な人材を集めるだけなら比較的容易に行えることです。外国人やシニア層の採用は、さほど難しいことではありません。だからこそ、ダイバーシティ推進そのものが目的となってしまうケースも多く、これはダイバーシティ経営の成功とは呼べません。
ダイバーシティ経営は手段であって目的ではないということを間違えないようにしましょう。
ダイバーシティ経営推進の二つ目のポイントは、社員のフィードバックによる改善です。
ダイバーシティに関する取り組みについて、社員から意見を聞く体制を整え、改善を重ねていくことが大切です。
経営層の感覚だけでダイバーシティ経営を進めていってしまうと、現場では多様性に対応しきれず生産性の低下につながってしまう可能性も否定できません。実際に多様な個の中で働く一人ひとりの声を聞き、より多くの従業員が活用できる制度や施策にアップデートしていくことが必要です。
なお、一度定めた制度はそのまま使い続けるのではなく、時代に合わせて常に変化させていきましょう。
ダイバーシティ経営推進の三つ目のポイントは、多様性に配慮した評価制度の構築です。
全従業員に同じ評価制度を適用するのではなく、多様性を理解したうえでの評価制度を設計することが求められます。
なぜなら、異なるバックグラウンドを持つということは、仕事への考え方が異なる社員がいたり、そもそもどういった点が評価につながるのかという認識が違ったりする場合もあるでしょう。また、企業も多様性を活かして、個々の社員に求める成果が異なる場合もあります。
一人ひとりの価値観を大切にし、また、それぞれの持っているスキルを活かすことのできる評価制度を作ることが求められています。
なお、人事評価制度の作り方につきましては、下記の記事でもくわしく解説しておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
人事評価制度を構築する方法とは?不満の原因、納得感の高い制度の特徴についてわかりやすく解説!
ダイバーシティ経営推進の四つ目のポイントは、多様性に配慮した環境作りです。
この環境作りとは、単に「多様性を尊重しましょう」という空気を作るだけには留まらず、実際に制度として整備することまでを含みます。
経営層がダイバーシティ経営を推進しても、実際に対応するのは現場の社員です。そのため、ダイバーシティ経営を成功させるためには、現場の社員の協力が欠かせません。
たとえば海外からの人材を採用する場合には、その国の文化や価値観について理解を深める機会を設けることもよいでしょう。時短勤務など異なる働き方をする社員がいる場合には、特別扱いではなく誰に対しても活用できる制度であることを周知することも大切です。
誰もが公正で均等に扱われていると感じられるよう、配慮した制度の整備が重要です。
ダイバーシティ経営推進の五つ目のポイントは、コミュニケーションを促す仕組み作りです。
ダイバーシティ経営を推進する中で懸念されるのが心理的安全性の低下とミスコミュニケーションの発生でした。そうした失敗をおかさないためにも、積極的なコミュニケーションは必要です。
ミスコミュニケーションを減らし、互いに信頼しあい、働きやすいチームワークを構築するには、コミュニケーションの量と質を高めるしかありません。
新しいメンバーを既存の社員に紹介する機会を設けたり、部署を超えて交流の機会を作ることもよいでしょう。最初は半ば強制的にでもコミュニケーションが発生するような仕組み作りをすることで、互いの理解を深める機会を得ることができます。
ここまで、ダイバーシティ経営のメリットや懸念点、ダイバーシティ経営推進のための重要ポイントなどについてくわしく見てきました。
最後に、実際にダイバーシティ経営に成功している企業の取り組み事例を紹介します。
これらの企業の具体的なダイバーシティ経営の方策を見ることで、実際にどのような取り組みが必要となるのか、そしてどのようなメリットが得られるのかが、より分かりやすくなることでしょう。
セブン‐イレブン・ジャパンでは、サステナビリティの一環として、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいます。
まず注目したいのが、女性の活躍推進に関する取り組みです。目標として「女性管理職比率25%達成」を掲げているだけではなく、実現に向けた施策として女性オペレーションフィールドカウンセラー(経営相談員)の育成や男性の育児参画促進を支援しています。
これらの施策により、セブン‐イレブン・ジャパンでは「くるみん認定」と「えるぼし認定」を取得しています。
また、障がい者の活躍支援も注目したい取り組みです。社内での支援はもちろんのこと、特別支援学校との連携も行い、就職支援も進めています。
くわしい事例は以下のページからご確認いただけます。
■参考:セブン‐イレブン・ジャパン「ダイバーシティ&インクルージョン」
※「くるみん認定」とは:一定の基準を満たした企業が「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から受けられる認定のこと
※「えるぼし認定」とは:一定の基準を満たし女性の活躍促進に関する状況が優良である企業が、厚生労働大臣から受けられる認定のこと
続いてソフトバンクでは、人材戦略の一環としてダイバーシティの推進を掲げています。
真っ先に社長メッセージが掲げられ、「年齢、性別、国籍、障がいの有無などによる障壁をなくすことは必然であり、経営に関わる中核人材における多様性の確保は極めて重要です。」と社長自らの言葉で社員を導いているのは注目に値するでしょう。
女性の活躍推進、男女の賃金格差の是正、女性の健康問題への支援、障がいのない社員と均等な扱いを目指した障がい者採用、LGBTQに関する取り組み、シニア人材の活躍推進と、多様な人材が生き生きと働けるよう積極的な施策に取り組んでいることが伺えます。
くわしい事例は以下のページからご確認いただけます。
■参考:ソフトバンク「ダイバーシティの推進」
資生堂では、人財に関するサステナビリティの一環としてダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
企業理念の実現のために掲げられたスローガン「LOVE THE DIFFERENCES(違いを愛そう)」は、社員にとって多様性の尊重に関する考え方の拠りどころとなるでしょう。
また資生堂のダイバーシティ&インクルージョンの取り組みの中でも注目したいのが、15年以上前から実施されている女性の活躍支援の取り組みです。社員が仕事と育児を両立できるよう、事業所内保育所の設置や保育料の補助などの支援、有給が認められる子どもの看護休暇制度などを整備しています。
女性リーダーの育成にも力を入れており、日本国内の資生堂グループの女性管理職比率は34.7%(2021年1月時点)、取締役会での女性比率は46.2%(2021年3月時点)と高い数字が実現されています。
LGBTに関する取り組み、障がいある社員の活躍、外国籍の社員の活躍、定年後再雇用制度にも力を入れ、多様な人材を尊重するだけでなく、多様な顧客ニーズにも応えている点は多くの企業が見習うべきところでしょう。
くわしい事例は以下のページからご確認いただけます。
■参考:資生堂「ダイバーシティ&インクルージョン」
パナソニックグループは、人的資本経営に関わる取り組みの一環として、ダイバーシティ、エクイティ(公平性)、インクルージョンを推進しています。
多様な個性を持つ一人ひとりが活躍できるよう、ワーク・ライフ・バランス支援をはじめとした多様な働き方の整備に力を入れているのも取り組みの一つです。
年次有給休暇の半日単位・時間単位での取得を可能にすることや、労働時間途中における個人都合による不就業・それに対する休暇の充当についても可能にすることで、より多様で柔軟な働き方を実現しています。
他にも多様な人材が活躍できるよう社内整備を推進したり、障がいのある社員に対応したバリアフリー環境の整備、高年齢者の就業機会の確保、LGBTQに関する理解促進や相談窓口の設置など多くの取り組みが行われています。
くわしい事例は以下のページからご確認いただけます。
■参考:パナソニック「Diversity, Equity & Inclusion」
エーザイでは2012年に「エーザイ・ダイバーシティ宣言」を発信して以来、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みをより強化しています。
現在では「エーザイ ダイバーシティ&インクルージョン2021」として2030年度までを計画期間とする目標およびアクションプランを設定し、取り組み中です。
アクションプランでは女性の社員比率・管理職比率の向上、男性社員の育児休暇取得率の向上、若手社員のマネジメント登用、障がい者雇用の推進と支援の拡充などが盛り込まれています。
これらの取り組みにより、エーザイでは「プラチナくるみん」の認定と、新・ダイバーシティ経営企業100選の表彰を受けました。
くわしい事例は以下のページからご確認いただけます。
■参考:エーザイ「DE&Iの推進」
ビジネス環境の変化が著しい現代において、企業が持続的な成長を続けていくために必要なダイバーシティ経営。今回はダイバーシティ経営について、その定義やメリット、懸念点と対策、成功のポイントや実際の導入事例までをくわしく解説いたしました。
ダイバーシティ経営は、企業に求められる社会的責任の一環として、避けては通れないものです。
多様な個を受け入れ、社員同士が互いを理解・尊重し、さらに多様な働き方に対応することは決して簡単なことではありません。
しかしこの記事を読むことで、どのようにダイバーシティ経営を進めていけばよいのかが見えてきたのではないでしょうか?
ぜひ本記事を参考に、貴社のダイバーシティ経営の推進にお役立てください。