eラーニングを作成しようとしても、何から手をつければいいか分からず、手が止まってしまう方は少なくありません。ツールだけを先に選んでしまい、いざ使い始めてみると機能を使いこなせず、結局は動画を撮っただけで終わってしまうといったケースもよく見られます。
eラーニング作成を成功させるには、正しい順序で準備を進めることが大切です。本記事では、失敗しないための5つのステップと、押さえておきたい制作のポイントを分かりやすく解説します。
eラーニング作成の5ステップ
eラーニング作成では、思いついたままに動画やスライドを作り始めてしまうと、後から「これで本当に伝わるのか」と迷いが生じ、手戻りが発生しやすくなります。目的の設定から公開後の確認まで、順序立てて進めることで、質の高いコンテンツを効率よく完成させられます。順番を設計して守ることが、遠回りに見えて実は一番の近道になります。
ここでは、eラーニングを作成する際に踏むべき5つのステップを、それぞれのポイントとともに紹介します。
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①目的と対象者の決定
eラーニング作成の最初のステップは、目的と対象者を明確にすることです。「とりあえず動画を作り始めたがニーズと合わず、誰にも最後まで見てもらえなかった」「制作を進めるうちに目的が曖昧になり、なんのために作っているのか途中で方向性を見失ってしまった」という失敗は、準備不足が原因で起こります。「誰に・何を・何のため」に教えるのかを最初にはっきりと決めておくことで、後の工程で内容がぶれることを防げます。
たとえば、悪い例として「新入社員に接客の基本を教える」という目的の立て方が挙げられます。これでは範囲が広すぎて、何をどこまで教えれば十分なのか、どこまでできれば合格なのかが判断できません。一方、良い例は「入社3ヶ月以内の新入社員が、独力で標準的な接客対応を完結できるようになる」というように、対象者・期限・到達点を具体的に設定する形です。
目標が明確であればあるほど、コンテンツに盛り込むべき内容の取捨選択や、学習後の評価基準の設定がしやすくなります。逆に目的が定まっていないまま制作を進めてしまうと、後から大幅な作り直しが必要になり、かえって時間もコストもかかってしまいます。まずは対象者の現状のレベルと、学習後にどのような状態になっていてほしいかを、具体的な言葉にすることから始めましょう。
②学習内容の洗い出し
目的と対象者が決まったら、教えるべき知識・スキル・業務手順を洗い出します。既存のテキスト資料・OJTメモ・ベテランのノウハウを棚卸しし、「何を学べば目標に到達できるか」を逆算的に整理します。
すべてを詰め込もうとせず、「必須の学習内容」と「補足情報」を分けることが重要です。受講者の負担を最小限に抑えながら、必要な知識を確実に届ける構成を目指しましょう。
③研修設計書の作成
設計書のない制作は後で必ず混乱を招きます。コンテンツの構成・各章の学習目標・評価方法・製作スケジュールを文書化した設計書が、開発全体の指針になります。
複数人で制作する場合や、後任への引き継ぎを考える場合にも、設計書の存在が一貫したコンテンツ品質を保障します。
④コンテンツの制作
各コンテンツは研修設計書に沿って、実際の教材・テスト・動画などを制作していきます。対象者のスキルレベルに合わせた言葉選びを意識し、専門用語を使う場合は簡単な補足を添えると、誰が見ても理解しやすい内容になります。
制作方法は、目的や手元にある素材に応じて選ぶと効率的です。既存資料を活用する場合は、PowerPointやPDFの資料に音声やアニメーションを加えて動画化する方法があり、ゼロから撮影するよりも短期間で教材を作成できます。すでに実施した研修を活かしたい場合は、ZoomやTeamsで録画した映像から不要な部分をカットしたり、テロップを追加したりして仕上げる方法もあります。理解度を確認するには、マルバツ式や選択式のテストやクイズを組み込み、受講者が飽きずに知識を定着できるよう工夫することも欠かせません。
いずれの方法も、一から作り込むよりゼロベースの制作時間を大幅に短縮できる点がメリットです。制作が完了したら、必ず対象者に近い立場の第三者に内容を確認してもらいましょう。作った本人では気づきにくい説明のわかりにくさや、伝えるべき情報の抜け漏れを事前に発見でき、公開後の手戻りを防ぐことにつながります。
⑤品質と動作の確認
コンテンツを配信する前に、最終的な内容チェックと動作検証を徹底しましょう。
「テキストの誤字脱字」「動画の音声・映像の乱れ」「テスト問題の正誤設定ミス」「スマートフォンでの表示崩れ」などが主な確認ポイントです。
運用開始後は、受講データを定期的に分析し、「受講完了率が低いコンテンツ」「スコアが上がらない設問」などを見つけて改善する評価・改善サイクルを回しましょう。
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コンテンツ制作のポイント
eラーニングを作っても「誰も最後まで見ない」「業務に活かされない」という声は多いです。学習者の定着率を高め、運用を継続するための3つの重要要素を押さえましょう。
1.分かりやすい構成
「一つの動画・一つのテーマ」を原則にし、1コンテンツあたりの時間は3〜10分程度に抑えましょう。長すぎるコンテンツは途中離脱を招きます。
図解・画像・フローチャートを活用することで、テキストだけでは伝わりにくい情報を視覚的に理解してもらいやすくなります。重要なポイントは太字や色で強調し、読み飛ばしを防ぐ工夫も大切です。
2.学習意欲を高める工夫
「ただ視聴するだけ」のコンテンツでは、受け身の学習になりがちです。理解度チェッククイズや章末テストを挿入することで、能動的な学習を促しましょう。
進捗バーや達成バッジなどのゲーミフィケーション要素も、継続率の向上に効果があります。受講者同士がコメントできる機能やQ&Aセクションを設けることで、孤独な学習を避けてコミュニティ感を生み出すことも有効です。
3.運用や更新のしやすさ
「制度が変わったのにコンテンツが古いまま」という状況は、eラーニングコンテンツの信頼性を著しく下げます。素材(動画・テキスト・画像)を独立した部品として管理し、一部だけを差し替えられる構成にしておきましょう。
更新担当者・更新頻度・更新手順を明文化した運用ルールを設けることで、「誰も更新しない」という状態を防げます。
eラーニング作成ツールの種類
「どのツールが自社にマッチしているか」は、作成の目的・予算・社内のITリテラシーによって異なります。大きく「コンテンツ作成サービス」と「LMS(学習管理システム)」の2種類から選ぶのが基本です。
コンテンツ作成サービス
既存のPowerPoint資料や動画素材を活かして、eラーニング教材に変換できる作成特化型ツールです。テンプレートが豊富で、プログラミングの知識がなくても教材を作れる点が強みです。
テンプレートを活用することで作業時間を大幅に短縮できます。まず最低限教材を作ることに集中したい企業に向いています。
eラーニングシステム(LMS)
LMS(Learning Management System)は、コンテンツの作成・配信・受講管理・効果測定を一元的に行えるシステムです。受講履歴の自動集計・進捗管理・テスト採点など、運用にかかる事務負担を大幅に削減できます。
多拠点・大人数への展開や、継続的な育成管理が必要な組織には特に適しています。学習データを蓄積・分析することで、研修の効果改善に役立てられる点も強みです。
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②進捗・成績の管理
学習の進捗率、クイズや検定の正解率、全体の理解度などをリアルタイムで
可視化・データ管理します。
③評価と自動化
コーストレーニング機能により、理解度テストやアンケートの実施、
合格・不合格の判定、次のステップへの案内などを自動化できます。
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まとめ
eラーニング作成は、①目的・対象者の決定→②学習内容の洗い出し→③設計書の作成→④コンテンツ制作→⑤品質確認という5ステップで進めましょう。
制作後は運用・更新のサイクルを回し続けることが、eラーニングの価値を長期的に維持するポイントです。ツール選びは、コンテンツ作成に特化するか、配信・管理まで一元化するかで選択肢が変わります。
自社の目的と規模に合ったツールで、現場に根ざしたeラーニングを構築しましょう。
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