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社内研修動画のメリットや作り方、運用における注意点を解説!

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2023.09.28
花川 珠里

企業の成長にとって人材教育、人材育成は重要です。しかし「指導や教育に時間を割くことができない」「新人教育は現場に任せていて教育レベルがバラバラである」「最低限の接客マナーも徹底できていない」など人材育成、研修の不備について課題を抱えている企業の人事関連の方は多いのではないでしょうか。

新人の教育均一化やそもそもの教育機会を与えるために活用したいのが、「社内研修動画」です。

今回は研修動画とはどのようなものか、受講者にとってのメリットや企業側のメリットとはなにか、また研修動画のつくり方や運用ポイントについて、さらに研修を動画化して活用している企業事例を紹介します。

研修をもっと効率的に行いたい、動画研修の導入を考えているという方の参考になればと思います。



研修動画とは

研修動画とは、社員教育のために行う研修内容を動画にまとめたものです。

従来の研修は、受講者が研修会場に一堂に会して、講師が解説するのを全員で聞くといった「集合研修」が一般的でした。この集合研修では、受講者の席にはテキスト資料が配布されていました。

近年、企業では「集合研修」以外にも動画を活用した研修が多く実施されています。研修動画は様々な使用目的に合わせて作られており、さまざまな種類や形式があります。

研修動画の種類には、企業における研修として必要とされている「社会人としての基本的な行動やマナー」「仕事のルール」などを教える新入社員向けの研修や「業務マニュアル」や「クレーム対応の方法」などを教える従業員向けの研修など、さまざまなものがあります。

 

研修動画の形式

研修動画の形式を大きく分けると「セミナー形式」、「マニュアル形式」、「ドキュメンタリー形式」の3種類があります。研修内容によって、どの形式で作成すればよいかは変わってきます。

セミナー形式

セミナー形式の研修動画とは、集合研修にみられるように講師1人が複数人の受講者に対して講義する様子を動画化したものです。

セミナー形式の動画は、たとえば新入社員への研修やマナー研修などへの活用が適しています。

マニュアル形式

マニュアル形式とは、業務の手順や接客、店舗運営といった業務マニュアルに記載する内容を、実際の様子を動画におさめたものです。実際の業務内容を目で見て覚えることができるため、文字や画像、あるいは口頭で説明するよりも、受講者は研修の内容を正しくイメージしやすくなり、理解を深めることができます。

マニュアル形式の動画は、飲食業や美容・エステ、小売業など接客が主な業務である企業や、工場での簡単な組立て工程などの研修内容や社員教育に効果的です。

ドキュメンタリー形式

ドキュメンタリー形式とは、実際に従業員が働いている様子や従業員のインタビューを撮影して動画にしたものです。

職場の雰囲気や従業員の仕事や企業への思いや意見などを受講者に直接感じてもらえる手法のひとつです。ドキュメンタリー形式の動画は、社風や企業理念などをしっかり伝えたい場合に効果的です。

 

研修動画の種類

研修動画は使用目的に合わせて作られており、以下のように種類がいくつかに分かれています。ここでは研修動画の種類を5つご紹介します

研修動画の種類

自社製品・サービスの紹介動画

研修動画の種類のひとつに、自社の製品やサービスを営業スタッフや店舗スタッフに向けて説明するための動画があります。

新製品や新サービスの情報を販売前に社内で共有したり、使用方法について組み立てから操作方法までを動画で詳しく解説することなどに適しています。

各部署ごとに伝達が行われると、説明する人によって伝わり方が変わってしまいます。動画で情報を共有することで、伝えたい情報を一定の品質を保ちながら営業や全店舗のスタッフまでダイレクトに届けることができます。


トップメッセージ動画

社長はじめ役員などが発信する経営からのメッセージを撮影した動画も研修動画のひとつです。研修用の動画としては、期ごとの業績の振り返りや年頭の抱負、新しい事業への取り組みなどについてのコメントなどが挙げられます。

会社の歴史や訓示、ビジョンなどを社長自らが語る姿を撮影したドキュメンタリー形式の動画は、社長の言葉が直接届きますので、従業員のモチベーションを向上させる手段としても活用されています。ふだんは顔を合わせることのない社長を身近に感じることができ、経営の目指す姿や会社への思いに共感を得ることが期待されます。

また就職活動をする人に向けた企業紹介動画もあります。従業員のインタビューや職場の一日の流れなどを映して自社の雰囲気を伝えるものもあり、実際に働いている従業員の姿や言葉などから、将来の自分の働く姿を想像しやすくなります。

 

マニュアル動画

マニュアル動画は作業手順や動作などをまとめた動画形式のマニュアルを指しています。自社の職場の業務マニュアルをまとめた動画で、研修動画として多くの企業で活用されています。

マニュアル動画には、営業に向けたセールスプロセスをまとめて視覚化した「営業マニュアル」や店舗スタッフに向けた接客の流れ、ポイントなどをまとめた「接客マニュアル」、作業手順や機械の操作方法などを教える「作業マニュアル」など、さまざまな種類があります。

作業手順や動作を伝えるマニュアルは、文字や画像だけでは細かな動きが伝わりにくく説明が困難な業務も少なくありません。マニュアル動画を活用すれば、複雑な内容の業務であっても、実際の動き方を見ることができるため分かりやすく伝えられます。

 

新人研修用動画

新人研修用の動画も研修動画の代表となるひとつです。

新人研修において必須となる一般マナーを教えるために、礼儀作法、電話や来客対応時のマナーに関して解説した研修動画があります。

たとえば名刺交換の作法を教える動画では、実際にやっている映像を見ることができるため、相手と自分の動きの流れや名刺を受け取る、差し出すタイミングなどまで伝えることができ、テキストや口頭で学ぶよりも理解が深く、研修の効果が高まります。

新人研修用の動画は、事前に受講者に対して動画を配信し、研修内容を動画を視聴して業務に関する知識を身につけたうえで、集合研修に参加したり OJTで実践を積むといった使い方もできます。動画と実践を組み合わせて研修を行うことで、集合研修や OJT の場をロールプレイングなど応用の時間に充てることができ、研修をいっそう効果的に行うことが可能です。

 

コンプライアンス研修用動画

従業員全体に向けたコンプライアンス研修用の研修動画もあります。

コンプライアンスとは法令順守を意味していますが、企業に求められるコンプライアンスには大きく「法令遵守」と「社会的責任」という考え方があります。企業は法律をただ守るだけではなく、その活動が倫理観など社会的な規範を守ることが求められています。

コンプライアンス研修とはコンプライアンスを遵守する組織としての体制の構築だけでなく、コンプライアンスをひとりひとりの社員が自分事として捉え、しっかりと遵守できるようにする事を目的とします。

従業員全体に向けたコンプライアンス研修としては情報セキュリティやハラスメント防止に関わる動画などがあります。厚生労働省の『「見たい動画を、サクッと検索!」動画で学ぶハラスメント』では、職場のハラスメントを理解し、予防・解決に役立つ動画がアップされていて視聴することができます。

パワハラについての動画やパワハラを回避するための指導動画、パワハラ相談対応者の対応の仕方をまとめた動画、セクハラの解説動画、マタハラの解説動画があり、これらは社内研修での利用も可能です。

 

研修を受ける受講者(従業員)にとってのメリット

研修動画を活用すると、研修を受ける受講者(従業員)にはどのようなメリットがあるのでしょうか。受講者側のメリットを4つ紹介します。

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時間と場所を選ばずに学べる

これまでの研修は集合研修が主流でした。集合研修は日時、場所が設定されているため、都合がつけられずに参加できない研修対象者が出てしまう場合がありました。

研修場所から遠方にいる受講対象者は職場を離れて研修に参加しなければならず、移動時間も長く取られてしまうため業務効率を下げることにつながります。

研修動画を活用すると、受講者は研修参加のためにスケジュールの調整の必要がなくなります。勤務地と研修場所の距離に影響を受けることなく、受講対象者すべてに均等な研修機会が提供され、受講者は一人ひとりが主体的に教育研修を受けることが可能となります。

動画研修では、受講者が自分の都合に合わせて、好きな場所から研修に参加できるので、研修への参加にかかる移動時間や労力の負担を軽減させることができます。


何度でも繰り返し確認できる

動画教材は何度でも繰り返し視聴が可能です。そのため、苦手分野の克服や資格取得学習などにも適しています。

集合研修では講師が話す内容を複数人が聞くのですが、「聞き逃した」「聞こえにくかった箇所があった」「一度聞いただけでは内容が分かりにくい点があった」など聞き洩らしてしまう場合があります。集合研修では参加機会は一度というケースが多いため、再受講が難しいものです。

研修動画による受講であれば、同じ個所を繰り返し視聴することができるため、聞き取れなかった場合に何度も聞き直すことができます。


自分のペースで習得できる

自分のペースで学べることも研修動画大きなメリットのひとつです。PCやタブレット、スマホをとおして視聴できる動画であれば、通勤電車の中などスキマ時間を利用して学ぶことができます。

受講者は好きな時間に都合の良い場所で研修を進めることができ、自分のペースで習得することができます。動画の再生は速度を調整することができます。すでに習得した箇所は倍速視聴したり、わからない部分は何度も見直すことができるのは動画ならではの習得方法だといえます。

また、集合研修のように他の受講者が傍にいないので、他人を意識せずにリラックスして学べるのも動画研修のメリットといえます。

 

高い学習効果が期待できる

動画は文字情報と比較すると圧倒的に多くの情報を伝えることができます。研修動画は、文字で説明されたマニュアルと比べて一度に多くの情報を伝えられるのが特長です。

Forrester ResearchのJames McQuivey博士の発表によると、1分間の動画は180万文字と同等の情報量の価値があるとしています。180万文字とは400文字の原稿用紙にして4,500枚分です。紙でのテキストに比べて、いかに動画に盛り込まれる情報量の方が大きいかが分かります。

作業工程を説明するマニュアルなどは、動画であれば一連の動作を確認することができます。さらに動画に効果音を入れたり、テロップなどを用いるなど工夫を加えると重要な部分が強調されて記憶に残りやすく、高い学習効果が見込めます。

伝えたい情報が多くても動画を使うことで、短い時間でもしっかりとしたメッセージを届けることが可能です。


教育担当者側のメリット

動画研修を活用すると、企業や教育担当者側にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは5つのメリットを解説します。

教育担当者側のメリット

 

教育レベルの平準化ができる

動画研修によって得られる企業側のメリットのひとつとして、教育のレベルが平準化できる、安定するということが挙げられます。

新人教育にみられるOJT教育は、職場ごとのOJT担当者が指導を担いますが、OJT担当者の指導内容は担当者の資質や知識、技能レベルによってバラつきが生じてしまうことがあります。

研修に動画を活用することによってこのような指導側の教えるスキルが一定になるため、受講する新人が得られる知識や定着のスピードに差がつきにくく教育レベルを一定に保つことができます。教える人によって教育・研修内容が左右されないため、営業力強化やサービスの均一化のほかにも、新人スタッフの即戦力化、売上向上などが期待できます。

教育にかかるリソースを活用できる

従業員が短期間で入れ替わる傾向がある職場においては、指導担当者は同じ研修を何度も行うことになります。

このような場合には研修内容を動画にしておき、受講者が個々に動画で学ぶようにすれば、指導者の研修に取られる時間や手間などの軽減につながります。これによって指導担当者が本来の業務に集中する時間が確保できるようになることから、人的リソースを有効に活用できるようになります。

厚生労働省の「厚生労働省の「人材育成の現状と課題(2014)」」によると、若年層の従業員への人材育成上の課題として「業務が多忙で、育成の 時間的余裕がない」「上長等の育成能力や指導意識が不足している」「人材育成が計画的・体系的に行われていない」が相対的に多くなっているのが見られます。

人材育成に動画学習を活用することで、育成の時間が取れない、あるいは人材育成が計画的に行われていないという課題解決に効果をもたらすことができます。

 

教育状況の可視化

LMS(学習管理システム)を活用すれば、受講者の教育の進捗を可視化することができます。LMSとはLearning Management Systemを略したもので、eラーニングによるオンライン学習を効率的に運用するための根幹となる学習管理システムを指しています。

このLMSを使って動画配信をすれば、受講者の利用状況や動画の視聴状況など受講履歴データを取得することができます。

運営側は、受講者の学習状況を可視化できるので、受講状況にムラがあれば全受講者に対して受講促進のアナウンスをするなど、未受講者への周知徹底を図ることができます。習得レベルの管理も自動集計などで分析を自動化できるため、運営側の作業負担軽減が可能となります。

 

コスト削減につながる

これまでの研修の主流は、受講者が会場に一堂に会し行う集合研修です。集合研修では、会場費や受講者の交通費や宿泊費がかかるほか、移動のための時間が取られることなど、多くのコストがかかります。

動画教材は一度作成することで、内容変更がなければ何度でも繰り返し利用できます。このため研修のたびにかかる会場費や交通費、講師への謝礼などのコストを抑えることができます。

たとえば会社の基本理念や会社の就業規則、ビジネス・接客マナーなど内容の変更や修正点が少ない研修内容であれば、動画にすることで何度も活用することができます。新入社員が入るたびに講師を呼び集合研修を重ねていては、費用が大きくなってしまいますが、動画視聴に切り替えることで教育にかかるコストも抑えることができます。

動画作成には収録や編集作業などに初期経費が発生しますが、長期的にみてみれば会場で行う集合研修にかかる研修運営費用よりもコスト削減が期待できます。


研修のスケジュール調整が不要になる

研修を実施するとなれば、会場と講師、参加者それぞれのスケジュール調整が必要となります。

講師と企業側の都合が折り合わず、希望する日程で調整するのは難しい場合もあるでしょう。

研修内容を動画化し、これを受講者が自分の都合の良い時間に視聴するようにすることで、それぞれのスケジュールを合わせる必要がなくなり、研修実施のハードルを低くすることができます。




社内研修動画の作り方

社内研修動画は、教育担当者側にとっても受講者側にとってもメリットが多いことがわかりました。それでは社内研修動画はどのように作成すればよいのでしょうか。

動画制作にはプロがいるように、撮影や編集にはセンスとテクニックが少なからず求められますので、作成担当者のスキルも重要になるかもしれません。しかし動画の完成度の高さよりも、大切なのは担当者が研修動画の目的を理解して作成しているかどうかです。

動画の作成はやみくもに撮影しても作ることはできません。以下の手順を踏んで、作成していきましょう。

 

作り方1:動画の本数と企画の決定

社内研修動画を作るためにはまず、研修として伝えたい業務内容やポイントを整理します。

どのような動画を作成するかを整理する際には、伝えるべき業務内容を時系列で手順を書き出します。研修で伝えたい内容をできるだけ細かく書き出して、これをグループ分けをして整理していきます。そして動画化が必要なものを絞って選定していくとよいでしょう。

この工程のなかで、どれだけの動画本数が必要となるのかが見えてくるでしょう。

ワンセンテンス・ワンメッセージという言葉がありますが、1本の動画で伝えられるポイントは基本的に1つです。伝えたいポイントの数だけ動画が必要になります。各動画にテーマを決め、最も伝えたい内容を設定します。

 

作り方2:脚本の作成

どのような動画を何本作成するのかが決まったら、動画ごとに脚本を作ります。映画の撮影のようですが、「ストーリーボード」や「絵コンテ」を作ります。伝えたいことをしっかりと動画に取り込むためにはこの脚本つくりは必要です。

脚本は、1つのコンテンツをどのような順番で説明していくのか、動画全体の設計図を指します。撮影シーンごとの場所や撮影の構図の設定、登場人物による説明のコメントがあればその「セリフ」などを設計図に盛り込んでいきます。脚本は、文字テキストだけで構成する場合もありますが、イラストや図を入れたほうが、複数の作成者にも伝わりやすいでしょう。

 

作り方3:素材の準備

次に行うのは動画作成に必要となる素材を集めることです。動画の素材となるのは撮影した映像の他にも挿入したい資料や図、表、BGMなどです。

研修動画のために新たに撮影して映像を作る場合は、研修内容が伝わりやすい、分かりやすい映像にするように、撮影時の騒音や余計な背景が映り込まないように撮影場所を設定する、撮影したいものが見えるように照明を準備する、また講師が説明するのであればマイクの音質などにも留意しましょう。

動画ではカメラを手で持つと手ブレを起こしてしまい、視聴しにくい映像となってしまうので、三脚を利用して固定した状態で撮影するようにしましょう。数台のカメラを使い複数のアングルから撮影しておくと、編集時に使う映像の選択肢が増えて選びやすくなります。

作り方4:編集

素材がすべてそろったら、脚本に沿って動画を撮影します。撮影した動画や資料などの素材を組み合わせて一つの動画にまとめていきます。これが編集作業です。

作業工程を映した映像を流し続けるのではなく、パワーポイントなどで作成した資料や表、画像などを差し込むことで映像を切り替えていく、テロップを使って強調する、重要なポイントではBGMのや効果音を入れるなど工夫をすると、視聴する側の集中力をキープできます。

編集作業においては動画編集ソフトを利用するとよいでしょう。ソフトの種類も多く、特徴や使いやすさは異なるので、自社の作りたい動画作成が実現できるものを選びましょう。

編集した動画は必要に応じて内容を説明するナレーションを挿入して、最終調整をして全体を確認をします。完成した動画は配信に適したサイズに圧縮しておきます。


社内研修動画を上手く運用するためのポイント

社内研修動画は、一度作成し研修に取り入れればそれで終わり、ということではありません。社内研修動画をうまく活用するためにはポイントがあります。

社内研修動画を運用するためのポイント

動画視聴後に習熟度を測る仕組みを設置する

動画研修は受講者が動画を視聴して終わり、とならないように受講者の習熟度を測る仕組みを整えておく必要があります。

動画研修のコンテンツごとにテストやクイズを実地して理解度を確認するなど、チェック機能を取り込む仕組みを設定すれば、動画視聴へ意欲が増します。受講者本人に考えさせる仕組みを組み込むことで、より研修効果を高めることができます。

このため動画作成時には、伝えたい内容を手当たり次第に動画化するのではなく、動画研修による習得度に対して具体的な数値目標を決めて、受講後の到達点を考慮した内容を盛り込んだ動画設計をしておかなければなりません。

自社での運用が難しい場合は、フォロー体制の整った研修フローのプラットフォームを利用することも検討してみると良いと思います。

一方通行の研修にしない仕組みをつくる

動画視聴による研修は、受講者にとって受講のタイミングや場所などの自由度が高いメリットがありますが、その一方では研修が一方通行になる傾向があります。このため講師との双方向の研修になるような工夫が必要です。

不明点を解消できるように質問できる環境を整えることも大切です。

また動画の途中にワークの時間を取り入れて、他の受講者との意見交換の機会を設けることも効果的です。

研修動画の視聴を終えれば研修が完了するのではなく、集合研修や研修後のフォローなどと組み合わせて研修制度の全体を設計し、最大の効果をもたらすように仕組み化することが大切です。

 

1つのコンテンツを短く設定する

社内研修動画は、再生時間が短いものが主流となっている傾向が見られます。これは再生時間が長いと受講者が途中で飽きて集中力が切れてしまい、学習効果が薄れてしまうためです。

研修動画は確実に伝授したいポイントを整理し、長くなる場合は複数に分けるなど工夫しながら制作するようにしましょう。いまの20代などはスマホで短い動画を見ることに慣れていることも、研修動画を短くまとめる理由です。短い空き時間にもスマホで気軽に視聴できるので、受講率が高まることにつながります。


ひとつの動画に多くの内容を詰め込むのではなく、要点を絞った短い動画が有効です。動画の最後に次回の予告を入れると、各動画のつながりができます。受講者に伝えるべき内容を網羅しながらコンテンツを細分化し、一つひとつを短い動画としてまとめ、受講しやすい工夫をするようにしましょう。


社内研修を動画化し、成果をあげた企業事例

社内研修の動画化は、企業のほかに省庁や自治体でも積極的に導入されています。社内研修に動画を取り入れることで成果をあげている自治体や企業も多くあります。ここでは3つの事例を紹介します
     

事例1

職場での外国人従業員と日本人従業員とのミスコミュニケーションを改善するための研修動画が経済産業省から発信されています。

【課題】

生まれ育った環境によって仕事上での認識も変わってきます。たとえば日本では暗黙のルールとなっている5分前行動やチームでの仕事の仕方、長期休暇の取り方などまで仕事に関する文化・習慣の違いから生じるミスコミュニケーションが発生した場合にどう対応すればよいかわからないことがあります。外国籍社員とのコミュニケーションに課題を抱える企業は多く、日本人社員に向けた学びの機会が十分でないという声も聞かれます。

【取り組み】

外国人従業員の視点に立った動画を作成。これを視聴することで、多様な考えがあることに気づき、自分とは違う考え方を尊重することで、職場において円滑なコミュニケーションの実現を目指しました。

【効果】

学習後の意識変化のアンケートでは77%が「非常にそう思う」「そう思う」と回答。中でも「他者の意見を聞くこと」については、90%が自身の学びにつながったと回答しています。

参考:経済産業省「日本人社員も外国籍社員も職場でのミスコミュニケーションを考える~動画教材を使った対話による学びの手引き~



事例2

総務省が令和4年9月に発表した「地域社会のデジタル化に係る参考事例集」には、働きたい女性のためのデジタルマーケティング人材の育成が取り上げられています。

兵庫県豊岡市では働きたい女性にむけた支援のなかで動画を取り入れた研修を実施しました。

【課題】

兵庫県豊岡市では男女の収入格差を解消するために、働きたい女性のキャリアや収入増などに向けた支援策のひとつとして、デジタルマーケティングのスキルを身に付けることによって女性のデジタルエンパワーメントに取り組みたいと考えていました。

【取り組み】

 女性がデジタルによって力をつけることを目的として、デジタルマーケティングのノウハウや技術について基礎から実践までを習得できるセミナー(5カ月)を開催。セミナーは週2~3回(3時間/回)のオンデマンド方式(録画された研修動画を視聴して学ぶ)を基本に、月2回の対面のスクーリング方式の両方で実施(総授業時間約180時間)。

さらに、地域の企業へのインターンシップをはじめ、キャリア支援、就労支援、起業支援等の出口戦略にも取り組みました。

【効果】

令和3年度は6名が受講終了し、就職、起業、販路拡大による売り上げ増加などにつなげることができ、効果が見られています。

 

事例3

株式会社きちりホールディングスはレストラン経営における飲食事業、及び食を中心に生まれるホスピタリティの提案、提供事業を行っています。

【課題】

店舗が増え、従業員が増える中で、2,000名を超える従業員に対して、従業員に一定のクオリティを浸透させることが非常に難しくなっていました。教える側の「人材確保」、「教える内容の統一」、「その内容の変化」に、どのように対応していくかが大きな課題となっていました。

【取り組み】

これまで各店舗でOJT研修で教えていた内容を動画化し、動画による研修に切り替えました。画面操作がしやすい「shouin+」を選定し、動画撮影とそのアップデートの手間を省けるようにしました。

【効果】

今までの店舗ごとの研修では、どうしても人を介した伝言ゲームになるため、間違った認識で理解が進んでしまうこともありました。研修動画を活用して伝えていくことで、教える側ですら知らなかった正解を提示することができるようになりました。これにより研修内容の均一化を図ることができました。OJTにかかる時間が40時間から半分に短縮することができました。

参考:株式会社きちりホールディングスの導入事例

 

まとめ

社内研修に動画を取り入れることで、運営側や教育担当者にとっては研修内容を均一化でき、質の高い研修を実施することができます。受講者にとっては、場所や時間を選ばずに視聴できる受講の利便性の高さや、記憶に残りやすい動画によって高い学習効果を得ることが期待できます。

このように双方にとってメリットが得られる社内研修動画は、一度作成することで長期的に活用することも見込めるので、研修に取り入れていくことを考えてみることもひとつです。

社内研修動画は自社制作することも可能ですが、研修管理ツールやシステムを利用することで初心者でも操作しやすく、また動画研修の運用や管理もしやすいでしょう。研修に動画を導入し、効果を出している企業の例を参考にして、自社の目的に見合う動画教材を作ってみてはいかがでしょうか。

著者
花川 珠里
2021年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。 営業として小売・流通企業のアプリ開発プロジェクトに参加しながら、 セミナーや広告運用などマーケティングを担当。 2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」のマーケティングに携わる。

shouin+は、本社や現場のOJT・研修に関するお悩みを丸ごと解決する人材育成クラウドサービスです。

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