ナレッジマネジメントとは?代表的な手法や進め方について解説
ナレッジマネジメントは、既存のナレッジ(知)を活かして新たな知を創造するプロセス、経営手法として注目されています。ナレッジマネジメントを効果的に実践することで、業務の効率化や人的コストの削減が可能です。さまざまな働き方が求められる組織において、ナレッジマネジメントを経営に活かす企業が増えています。
とはいえ、「言葉は聞いたことがあるものの意味を理解していない」「どんなメリットがあるのかわからない」という人が多いのではないでしょうか。
本記事では、企業におけるナレッジマネジメントの概要やメリット、ナレッジマネジメントを推進するための手法や進め方について解説し、導入企業の事例もご紹介します。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントとは、従業員が業務を進める中で得た知見や知識、技能、ノウハウといったナレッジを組織全体に共有・活用することにより、新たな知識を創造する経営手法のことです。個人の持つナレッジを組織全体で共有し、活用するのがナレッジマネジメントの考え方で、言い換えると「知識管理」「知識経営」などと表わされます。
ナレッジマネジメントの概念は、1990年代に一橋大学大学院の野中郁次郎教授らによって提唱されました。これまでの日本企業には終身雇用制度が一般的で、これを前提にした従業員教育を10年、20年という長いスパンで設計し実施してきました。従業員には数年おきの異動や転勤の機会を与えて様々な環境・業務を経験させることで、幅広い知識や見方を身につけたジェネラリストを育成していました。
しかし、終身雇用制度が崩壊しつつあり、働き方が多様化した今、長期間にわたる人材育成や、自然な知識・ノウハウの継承は難しくなりました。
さらに、ビジネスを取り巻く環境も変化が大きく、これまでのやり方で業務を続けているだけでは勝ち続けていくことはできず、常に新しい情報を取り入れ、進化することが求められています。
このような背景から、意図的に組織でナレッジを共有し、それによって新しい価値のの創出や生産性向上や効率化が期待できるとして、ナレッジマネジメントが注目されています。
そもそもナレッジって?
ナレッジとは、英語「knowledge」を表わした和製英語です。辞書を引くとナレッジは「知識」や「知見」などを指します。ビジネスシーンで用いられる「ナレッジ」は少し意味合いが変わり、「企業にとって価値がある知識や知見」を指します。
過去に実施した施策から積み上げてきた知見や経験、技術などをナレッジとして蓄積し、企業や従業員の成長につなげたり、現場の生産性向上や効率化に役立てたりすることが可能です。
例えば、ある企業に「工場の生産性向上ナレッジ」というナレッジが蓄積されていたとします。この場合のナレッジとは、過去に工場の生産性を高めるために実施した施策で特に効果があったものや、生産性向上のための具体的なスキル・技術などをまとめた資料を指しています。
このように社内に存在する様々なナレッジを蓄積していくことで、日々の業務をより効率的にこなし、コスト削減にもつなげることができます。
2つの知
ナレッジマネジメントの「ナレッジ」は、データ・知識・知恵・技術・ノウハウなどのことで、「暗黙知」「形式知」という2つの「知」にも分けられます。
「暗黙知」とは、主観的・感覚的な知識のことで、「言語化されていない知、言語化するのが難しい知」を指します。仕事においては、長年の経験に基づいた業務上のノウハウや技術が暗黙知に該当します。つまり、感覚的には上手くこなせるけれども、言語化できず他人に継承できないものが暗黙知です。
「形式知」とは、「言語化されている知」のことで、業務マニュアルや作業手順書など社内で言語化されて共有されているものを指します。
ナレッジマネジメントでは、企業に蓄積された暗黙知と形式知を管理、分析して有効活用します。
ナレッジマネジメントのメリット
ナレッジマネジメントを推進することで、次のようなメリットがあります。
メリット1.業務品質・生産性の向上
社内にあるナレッジを有効活用することで、業務品質や生産性の向上が期待できます。
知識が豊富で成果をもたらす優秀な従業員の持っている知識や業務の進め方を組織内で共有すれば、組織全体の業務品質の向上につながります。営業成約率の高い従業員の商談の準備や話し方、話す順番など、クロージングまでの手法を共有できれば、経験の浅い従業員や成約率の低い従業員の成約率向上につながるでしょう。
また、社内で生産性が向上した部署があれば、好事例として全社で共有し各部署が手法を取り入れることで、組織全体の生産性も高まっていくでしょう。
その他、業務をこなすうえで様々な疑問が生じても、共有されたデータを参照し解消することが可能なので、業務の効率化へとつながります。
このように、自社に蓄積されたナレッジをさまざまな形で活用することで、業務品質や生産性の向上につながります。
メリット2.人材育成の効率化
ナレッジマネジメントの推進は、人材育成の効率化にもつながります。
これまで共有できていなかった業務フローやノウハウを言語化して、マニュアルにまとめれば、研修に係る時間の短縮が可能になり、教育担当者にかかる人材育成の負担が軽減されます。
研修時によくある質問をまとめておくのもひとつの手段です。テレワーク環境下など直接指導をする機会がない環境であっても、従業員自らが得たい情報を探し、問題解決に活用する習慣が定着していくことも期待できます。
メリット3.業務属人化の防止
属人化とは、特定の従業員が担当している業務の詳細内容や進め方など、当人以外に把握する人がいない状態を指します。
長年の経験や勘とされる優れた技術など、これまで共有されてこなかった暗黙知を、ナレッジマネジメントによって形式知化されれば、社内で共有することができます。これにより業務のコツやポイントを若手社員にも公開されれば、従業員の成果向上につながるでしょう。
ナレッジを集めて誰でも簡単に引き出せるようにしておくことで、業務の平準化が可能になります。「特定の人しか対応できない業務」を減らせるため、業務担当者の退職や休職、人事異動などによる混乱や業務停滞を防ぐことが期待できます。
メリット4.組織内連携の強化
ナレッジマネジメントの実施によりナレッジ・情報の共有文化が生まれると、社員同士の横の繋がりも生まれ、組織内の連携も強くなります。
製品開発に関するナレッジを蓄積している場合、営業部やカスタマーサポートにも共有することで「営業に使う資料」や「顧客からの問い合わせ対応」に活用することができます。反対に、顧客から受ける声を開発部門にも共有することで、製品の改良や新製品の開発に活用できます。
ナレッジマネジメントは、離れている店舗間や拠点間での連携強化にも有効です。ある店舗、支店でのトラブルを共有すれば、他店でも同じトラブルの予防や対応ができるようになります。
ナレッジマネジメントによりナレッジの共有文化が定着すると、従業員同士の連携が強化され、それにより、従業員が会社に愛着を持ち、社内エンゲージメントが高まることも期待できます。
ナレッジマネジメントのフレームワーク「SECIモデル」
ナレッジマネジメントを実施する上でおさえておきたいフレームワークが「SECIモデル」です。SECIセキモデルは野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)が提唱した、暗黙知を形式知に変換し、組織で共有することで新たな知識を生み出すという知識創造のプロセスです。
- 共同化(Socialization)
- 表出化(Externalization)
- 連結化(Combination)
- 内面化(Internalization)
これらの頭文字をとってSECI(セキ)モデルと名付けられました。
S:共同化プロセス
言葉ではなく何かしらの体験や経験によって、暗黙知を他人に移転させます。ベテラン社員や職人の仕事を見て覚える、一緒にやってみるなどの例が分かりやすいでしょう。
ここではまず暗黙知を暗黙知として伝えられれば問題ありません。相互理解を深めることが重要で、身体や五感を使いながら勘や感覚などを表現して他者に共有します。
E:表出化プロセス
暗黙知から形式知へと変化させる段階です。個人の持つ勘やノウハウなどの暗黙知を、言葉や図解などに表して他人と共有します。
仕事においては、上司や同僚への報告や業務のマニュアル化などがそれにあたります。
C:結合化プロセス
では、先ほどのプロセスで表出された知識を他の知識と組み合わせることで、新たな知を創出します。具体例としては、自分の仕事に他人の知識やノウハウを取り入れることで、新たな方法で業務の効率化を図ったり、新たなアイデアを発見するなどが挙げられます。
なおこのプロセスで生まれた新たな知は、組み合わされたとしても形式知のままの状態となります。
I:内面化プロセス
結合化プロセスによって新たに創出された形式知を、各個人で習得するために反復練習等を行うことでまた自分のものとし、形式知から個人の暗黙知へとまた変化する段階です。例としては、新しく導入したソフトウェアなどの操作を繰り返し行うことで、いちいちマニュアルを見なくても素早く操作でき、さらにその個人なりの工夫(暗黙知)が生まれます。
この4つのプロセスサイクルを何度も繰り返し回すことで、組織全体で知識が普及し、創造され、実践につながる、という考え方です。
ナレッジマネジメントの4つの手法
ナレッジマネジメントは目的や手法によって4つのタイプに分類できます。それぞれのタイプの特徴について見ていきましょう。
①ベストプラクティス共有型
ベストプラクティス共有型とは、優秀な社員の行動や思考パターンを言語化して共有することで、組織全体のスキルの底上げを図る手法です。「企業内の成功事例」や「日々の業務からの気づき」などの集約・分析により、業務改善に役立てることができます。
例えば、成約率の高い営業から「商談の進め方」「顧客へのヒアリング方法」を集めて共有し、経験の浅い従業員や成果に結びついていない従業員の営業活動に役立てたり、「マニュアルにある方法よりも、実際はこのように進める方がスムーズに進む」というような、個人の経験から身につけたノウハウなどがあります。
②専門知識共有型
「専門知識共有型」とは、社内の専門的な知識を必要とする課題の解決スピード向上を目指す手法のことです。
組織の中にある専門知識をデータベース化して一元管理したり、知識を持つ社員との連携を強化したりすることで、課題を解決するための情報をすぐに検索・閲覧し、素早く取得できるようにします。
また、ヘルプデスクや情報システム部門のような組織内外からの問い合わせが多い部署では、顧客から頻繁に寄せられる問い合わせ内容と回答をセットでまとめておけば、問い合わせ業務の軽減や、問い合わせに対応するスピードアップ、顧客応対品質の向上にもつながります。
③知的資本集約型
知的資本集約型(経営資本・戦略策定型)は、個々のメンバーやチームが持つあらゆる知識を集めて多面的に分析し、経営戦略に活かす手法です。専用のシステムを導入して、競合他社や自社の事例を多角的に分析することが多くなります。
社内ナレッジの有効活用によって収益アップを目指すのが、知的資本集約型のナレッジマネジメントです。知的資本集約型では、特許や製造技術、営業ノウハウなどの有用な知的資産を集約し、互いに組み合わせることで、新たな付加価値の創出を目指します。
さらに、他社の強みや成功事例も参考にすることで、自社の業務プロセス見直しや経営戦略の立案につなげられます。
④顧客知識共有型
「顧客知識共有型」は、散らばっている「顧客の個人情報」や「対応履歴」をまとめて管理し、顧客サービスの質を高める手法です。、顧客との知識の共有・提供を継続的に行う手法です。顧客からの意見・クレームや顧客対応の履歴などをデータベース化し、顧客対応プロセスの最適化を図ります。
これによって、部署間で顧客情報を共有することで「営業から言われていたことと、カスタマーサービスへ問い合わせをしたときには違う内容の回答だった」といったちぐはぐな対応の発生を防ぎ、トラブルを防ぎます。
また、部署間でデータベースを共有できれば、別の顧客で同じ問題が発生したときにスムーズな対応が可能になります。「担当者がいなくても対応できる」「担当者の退職時に引き継ぎ業務の負担を減らせる」という効果もあり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
ナレッジマネジメントの進め方
ナレッジマネジメントを推進するには、どのような手順でナレッジマネジメントを進めるべきなのか、進め方、導入の流れをご紹介します。
進め方1.導入する目的を明確化する
はじめに、ナレッジマネジメントを導入する目的を明確にして、組織で共有することが重要です。「社員と組織にどれだけメリットがあるのか」「どのような目標を達成するのか」の2点から、目的を整理しましょう。
目標の例として、売上拡大や生産性の向上、ミスの防止などが挙げられます。その他、また、顧客とのトラブルや品質面のばらつきなど、克服したい課題を導入目的に設定する方法もあるでしょう。
明確化した目的は全従業員で共有します。このことで、従業員はナレッジマネジメントを自分事として捉えられるようになります。
進め方2.共有する情報を決定する
目的が定まったら、次にどのような情報を共有する必要があるかについて検討します。可視化・共有したい情報を策定するために必要な情報として「社員が業務を進める上で困っていること」を事前に収集しましょう。
例えば、生産性のアップが目的の場合は、事前情報として効率的な製造プロセスや機器の使い方などをまとめる必要があります。
また、顧客へのアンケートやヒアリングも活用して社内の従業員が持っていない知識・スキルも含めて、目的を達成できるナレッジをひとつずつ整理しましょう。
従業員にヒアリングして情報収集する際には、できる限り具体的にすることで、従業員が必要としている情報を把握しやすくなります。
ナレッジとして共有すべき情報を決定したら、それを全従業員に伝えることで、従業員は自分が保持している知識やノウハウのなかで何を共有すべきかを判断しやすくなります。
進め方3.情報共有する場を整える
ナレッジマネジメントを実践する際には、情報共有のための「場」の整備も欠かせません。ここで言う「場」とは、新たな知識を創造したり、知識資産を効果的に活用するための基盤となる場所を指します。
一例として、業務プロセスの改善やツールの導入などが挙げられます。他にも、評価制度にナレッジ共有について盛り込むなど、情報共有を促進する文化の醸成も大切です。
企業全体にとって必要な情報を「どこで獲得」「どこで共有」「どこで活用する」のかといった視点を持って、「場」の整備を進めましょう。
進め方4.ナレッジマネジメント施策の見直し
ナレッジマネジメントの仕組みを策定しただけでは、効果を得ることができません。ナレッジマネジメントの運用開始後は、定期的に利用状況や効果測定を実施しましょう。
社員へのアンケート調査などを行い、導入目的であるナレッジの蓄積や共有が進んでいるかを確認します。利用が進まない場合は問題点を解消していきましょう。同時にナレッジマネジメントの重要性を再度従業員へ説明し、ナレッジマネジメントへの意識を定着させるようにしましょう。
ナレッジマネジメント導入の際の注意点
ナレッジマネジメントを推進する際に、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
注意点1.システム導入にコストがかかる
ナレッジマネジメントを始めるに当たり、「どの情報を共有する必要があるか」について職場の視察や従業員からヒアリングを行う必要があります。
さらに、どのような形で情報を蓄積するのかの検討が必要です。ツールを導入するのであれば、どれが最適か検討するなど環境整備なども発生します。このように導入までには労働力や時間がかかります。
新たにシステムやツールを導入する場合は、導入コストやランニングコストを踏まえた費用対効果も考慮する必要があります。
注意点2.情報共有に前向きではない従業員が存在する
ナレッジマネジメントの重要性が社員に浸透しないリスクにも注意を払う必要があります。
浸透しない理由には、優れたナレッジを持っている経験豊富なベテラン従業員にとっては、ナレッジ共有にメリットを感じにくいことが考えられます。また、中には苦労して培ってきた独自のノウハウは独り占めしていたいと考える人や情報の言語化が苦手だという人もいるでしょう。
このようなケースにおける解決策のひとつは、有益なナレッジの言語化と共有を評価制度に組み込むことです。例えばマニュアル作成を評価項目に入れることで、業務スキルや技能・ノウハウの共有が高く評価されることになるため、ナレッジマネジメントに対するネガティブな面が解消されるでしょう。
社員の理解を得るためには、ナレッジマネジメントを始める前にその必要性を丁寧に説明することが重要です。その上で、ナレッジ共有が進むようなインセンティブの設定や評価制度への反映を検討していきましょう。
注意点3.知識がうまく活用されないリスク
せっかく個々が持っている知識や情報が集約されたとしても、これらが上手く活用されない恐れもあります。
その原因には「情報を見つけにくい」「情報を得たくても得る方法が分からない」「情報を見ることができない」「欲しい情報がない」などがあります。
このようなリスクを解決するためには、登録された情報の中から有意義なデータのみを選び、閲覧できるようなツールを導入し、欲しい情報を見つけやすくすることもひとつです。
このように、企業はナレッジを活用したいと望む従業員が良質な知識や情報を簡単に探せるように仕組みを整える必要があります。
ナレッジマネジメントに取り組んでいる企業事例
ナレッジマネジメントを導入した事例をご紹介します。自社のナレッジマネジメント導入のヒントが得られるでしょう。
富士フイルムビジネスイノベーション
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、オフィスプロダクトからソリューション事業を提供する企業です。富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、ナレッジマネジメントの導入率は日本一とも言われています。「全員設計」というコンセプトのナレッジマネジメントを取り入れることによって業務効率改善に成功しました。
課題
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、製品開発のプロセスで設計調整が入り、納期遅れの事態をたびたび起こしていました。これは、製造段階ごとの設計者の意見を取り入れるルールにしていたため、最終設計者は最終段階でしか設計変更を申請することができなかったことが原因でした。
解決策と効果
設計者全員が製品設計の初期段階から打ち合わせに参加し、また、独自の情報共有システムの運用を開始しました。その結果、設計段階ごとの連結化に成功し、課題の克服と業務効率の改善が実現しました。
同社の情報共有システムにはこれまでの設計者や技術者の持つナレッジが蓄積されており、各工程の担当者がナレッジを活用することができます。ナレッジマネジメントによって、「製品開発プロセスの改善」や「各製造過程における業務効率化」を達成することができました。
NTT東日本法人営業本部
NTT東日本法人営業本部は東日本電信電話株式会社の営業本部です。
ナレッジマネジメントの一環として、オフライン・オンラインの両方にナレッジマネジメントを導入、運用し業務改善に成功しました。
オフライン
- 従業員同士のリアルなコミュニケーションを重視し、フリーアドレス導入
- ドリンクコーナーを常備したリフレッシュゾーンの設置
オンライン
- 営業本部に所属する全従業員が個人のホームページを所有
- 日報やプロジェクトの記録などを他の従業員へ共有できるシステムを導入
オンライン・オフラインともに気軽にナレッジを共有できる環境を整備したことで、従業員同士が双方向に関係構築できるようになり、ナレッジ共有の文化が生まれています。
国土交通省
国土交通省では、災害時の対応力強化のためにナレッジマネジメントを導入しました。具体的には、検索しやすく編集も容易なイントラネット用ブログツールの活用を始めています。ブログに共有可能な知識を集約したことで職員ごとに異なっていた防災知識を均一化でき、迅速かつ的確な対応が可能となりました。
ナレッジマネジメントの導入によって、 災害対応の現場で得られた個人の経験やノウハウを組織全体で共有することができ、対応力の向上が実現できました。また、この事例から防災対応のような特殊な業務分野においても、ナレッジマネジメントの手法が効果的であることが分かります。
まとめ
個人の持つ知識やノウハウを組織全体で共有・活用するナレッジマネジメントを進めることで、「業務の効率化」や「人材育成の効率化」などが期待できます。
現代は働き方の多様化が進んでおり、従業員がみなオフィスに出社して顔を合わせて仕事を行うという時代ではなくなってきています。対面で言葉を交わす機会が減ってきて、個人が持つナレッジの共有がなされにくくなっています。このため、今まで以上に「ナレッジマネジメント」を推進する意義は大きいと思います。
社内には様々なナレッジが存在しています。これらを可視化し、組織として共有・活用できるようにすることで、業務や人材育成の効率化など、多くのメリットが得られます。ナレッジの重要性について理解を深め、ぜひ会社全体でナレッジマネジメントの取り組みを進めていきましょう。