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属人化を解消し、標準化を行う方法とは?属人化が起こる原因やデメリット、標準化のための4ステップを紹介

2023.07.21
『shouin+ブログ』マーケティング担当

流通小売業やレジャー、飲食業態における従業員は、年代や雇用形態、勤続年数など、属性がじつに多様化しています。

勤務年数が長く、業務を熟知したベテラン従業員がいることで業務が上手く回っているという職場も多いかもしれません。しかし、特定の従業員しか対応方法を知らない、できないといった業務があるとそれは職場にとって、不都合を引き起こす可能性があります。ベテラン従業員がケガで入院した、あるいは辞めることになったなどその人が不在になってしまうと、業務運営が円滑に回らなくなってしまう恐れがあるからです。

チーム全体の生産性の向上や業務レベルを底上げするためには、特定の人のスキルに頼ってしまうのではリスクが大きいといえます。

今回は属人化とは何か、属人化が起こる原因やデメリットを整理し、属人化の対義語にあたる「標準化」をする方法を解説します。属人化している業務をどのようにして解消し、標準化していけば良いか、悩む管理職の方々のヒントになればと思います。

 

属人化とは

属人化とは、一人の従業員が業務を担当することにより、その従業員だけしか業務の内容や進め方が分かっていない状態のことを指します。

属人化は必ずしも悪、ということではありません。作業を熟知した特定の人が担当することで、他の人に任せるよりも作業効率が上がるということは実際にあると思います。また担当者は任された業務をより高めていこうとすることで専門性の向上につながる可能性もあります。

しかしその頼りにしていた従業員がいなくなったとき、業務の遂行に支障が生じるような状況になる恐れがあります。納品が滞るなど事業運営上の問題に発展することも考えられます。

このように 属人化された業務は短期的には効率性が高まる効果も見られますが、中長期に渡ってその状態が続くと、企業にとっては非効率を招いてしまう可能性が高いと考えられます。

 

属人化の対義語「標準化」

属人化の反対の意味で用いられる対義語には「標準化(マニュアル化)」があります。

石川秀人氏の著書「オフィス業務の生産性改善手法がよ~く分かる本 秀和システム」によると、標準化とは「誰もが同じように成果を挙げられるように業務プロセスを組織的に最適化すること」を指すといいます。

標準化することによって属人化が解消され、特定の人の知見や能力に依存せずに業務を進めることができて、業務品質の安定や生産性の向上が期待できます。

 

属人化が起こる原因

標準化するための方法をご説明する前に、属人化はどのようにして発生するのかについて解説します。以下の3つが属人化を引き起こす原因と考えられます。

属人化が起きる原因

 

原因1:マニュアル作成など情報共有に時間がかかる

担当がだれであっても同じように作業を進めていけるようにするためには、参照するマニュアル、手順書が必要です。

しかしマニュアルの作成には多くの時間がかかるため、日々の業務が忙しく、また納品期日が迫っているという場合にはマニュアル作成は後回しとなってしまう傾向があります。

マニュアルなどの文書作成には手間と時間がかかるため、完成までたどり着かず情報共有がなかなか実現しないことも多く、これが属人化が進んでしまう原因となるケースがあります。

 

原因2:人手不足で担当を増やせない

職場が慢性的な人手不足であるために、いま業務を担っている従業員以外に人材を確保できず、ほかの従業員に情報共有や教育ができないということもあります。人手不足のために該当業務を複数の従業員に割り当てられないということも、業務の属人化が促進される要因になります。

 

原因3:業務の専門性が高い

業務の専門性が高い場合、高度で熟練した技術や知見が必要な業務であれば、たとえマニュアルが作成されたとしてもほかの従業員が同じようなパフォーマンスを発揮できるとは限りません。

習得に時間を要する業務は結果として属人化が続く可能性があります。

 

原因4:自分の地位を守りたい

属人化した業務に携わっている従業員のなかには、その業務を行えるのは自分だけ、という点に価値を見出し、職務上の地位やポジションを守ろうとして、自分が持っているやり方や情報を共有したがらないというケースもあります。

このような従業員の守りの姿勢によって、意図的に属人化が引き起こされることもあるでしょう。

 

 

属人化のデメリットとは

人手不足や業務の専門性によって引き起こされる属人化ですが、業務の属人化によってどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは企業に与える属人化のデメリットを3つ解説します。

属人化のデメリット

 

デメリット1:生産性の低下を招く

石川秀人氏の著書「オフィス業務の生産性改善手法がよ~く分かる本 秀和システム」によると、属人的な仕事の進め方では、人により仕事のやり方・進め方が人によって異なることがある、作業時間や工数に違いが出るなどバラツキが生じるといいます。

このバラツキがある限り、作業時間がかかるひとはいつまでも仕事の生産性が上がりません。

書籍のなかで、石川氏は2:6:2の法則について触れています。「2:6:2の法則」とは、一般的に組織には仕事ができる人2割、普通のひと6割、できない人が2割いるといわれるものです。できる2割がいくら頑張っても残りの8割に人が足を引っ張っていては組織全体の力は伸びません。

しかも、できる人が転勤や退職でいなくなってしまうと、組織の生産性はすぐに下がってしまいます。

石川氏は、できる人のやり方を全体に共有することで、残りの8割を底上げしたほうが組織全体の力が高まると、書籍で述べています。

 

デメリット2:業務が停滞するリスク

属人化のデメリットとして懸念されるのが、業務の停滞です。

属人化した業務において担当者が他の業務に対応していたり、不在の場合、業務はストップしてしまいます。業務が滞ると納期に遅れてしまうなど、大きな損失につながる場合もあるので注意が必要です。

また、顧客対応業務が属人化していると、他の従業員では代理で対応できずに待たせるケースも生じてきます。待たせる時間が長くなればなるほど、顧客は不満に感じるものです。業務の属人化によって顧客満足度の低下を招くことにつながるかもしれません。

属人化した業務に製品製造が委ねられている場合、大きな契約が入って受注量が拡大したとしても、対応できる量には限界があるため、せっかく注文が入ったとしても対応ができない、ということになります。属人化している状況は、企業の発展や業績拡大を止めてしまうことになりかねません。

 

デメリット3:品質が安定しない

属人化が招くデメリットの3つ目は品質が不安定であることです。営業や顧客対応の部署において属人化が起こっていると、サービスの質が担当者のスキルによって差が出てしまいます。

担当者だけが知っている解決方法があるなど、対応する従業員の持つ対応スキルによってサービス内容が変わってしまえば、サービス品質にバラツキを引き起こす要因となります。

またサービス品質が不揃いなことが、お客様、ユーザーにさらに迷惑を掛けることにもなり得ます。同じトラブルに対して「前回と対応が違う」という事態が発生し、クレームにつながってしまいます。

属人化した業務に対しては、社内での評価も難しくなります。属人化している業務の詳細は担当者しか把握できないため、なにに、どれだけ苦労したのかも伝わりにくいですし、業務の質や成果について、上司が正当に判断し評価することは困難となります。問題が発生した場合にも発見が遅れてしまい、企業に損失を与えるリスクもあります。属人化によって起こり得る企業のトラブルを未然に防ぐために、属人化の解消に備えましょう。

 

属人化にメリットといえることはあるか

属人化を解消することが、企業にメリットをもたらすといわれますが、属人化した業務にはメリットはないのでしょうか。ここでは属人化によって企業が受ける恩恵について見ていきます。

 

メリット1:成果評価を期待したモチベーション向上

属人化した業務のメリットのひとつに、成果主義の評価をする企業において、従業員のやる気を刺激することが挙げられます。属人化によって個人の力量に依存することの裏返しとして、実力を評価されたい社員にとってはモチベーションに繋がるでしょう。

 

メリット2:専門性の高い業務を任う人材がいる

標準化するには業務内容によって向き不向きもありますので、必ずしも全ての業務を標準化した方が良いというわけではありません。

小売店での販売をはじめ、接客においては相手の反応を見ながら機転のきいた対応や話術などが求められる場合があります。このようなお客様ごとに対応が必要な接客の方法は、マニュアル化して全員でスキルを統一するのは難しいものです。

基本的な方法は共有できますが、従業員それぞれが持つ力に委ねられる部分もあるといえます。

あの販売員から買いたいと思われるような、高い販売スキルを持つ従業員がいることは、店舗売上達成に寄与していて、チームの成果を生み出し盛り上げてくれます。

 

 

業務が標準化されることのメリット

ここまで業務の属人化について説明してきましたが、属人化の対義語にあたる業務の「標準化」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。企業における業務の標準化による具体的なメリットについて3つ紹介します。

標準化のメリット

 

メリット1:業務効率の向上

属人化された業務は、その従業員が不在になると業務が止まってしまう恐れがあります。標準化することで、ほかの従業員でも代わって対応できるようになり、作業を止めずに進めていけます。

また、同じ業務をそれぞれの担当者が自分のやり方で行っているという場合にも業務の属人化によるデメリットが生じてしまいます。

前述の「2:6:2の法則」で、一般的に組織には仕事ができる人2割、普通のひと6割、できない人が2割いるといわれていますが、石川氏は書籍のなかで、「業務を標準化することで、2割のできる人のやり方を全体に共有していくことで、残りの8割の生産性が底上げされ組織全体の生産性、業務効率が高まる」と述べています。

 

メリット2:品質の安定化

業務が標準化することによって、業務の品質に対して客観的に判断できるようになります。これによって業務が正しいやり方・進め方で行われているかが他者の目から判断できて、作業者によって品質にバラツキが生じることの防止につながります。

担当者が不在であっても、ほかの従業員が標準化されたマニュアルを確認して作業を代行することができるようになり、納期が遅れる、品質が落ちるなどの不安が解消します。

 

メリット3:従業員スキルの底上げされる

業務標準化のメリットには、従業員一人ひとりのスキルが向上することで全体のスキルが底上げされることが挙げられます。

効率の良いやり方や進め方が共有されることで、従業員は知らなかった情報を得ることができ、生産性が高まる、ミスが減るなど良い影響を受けることが考えられます。

石川氏の書籍では、属人化した仕事をなくし、誰が休んでも穴を埋められるように人を育てておくことで組織能力、組織全体のスキルの向上につながっていく効果があると言及しています。



属人化を解消し、標準化を行う方法とは

属人化を解消し、標準化を行うにはメリットが大きいことが分かりました。それではどのようにして業務の標準化を行えばよいのでしょうか。

ここでは標準化を進める方法を4ステップでご紹介します。

標準化を行う方法

 

ステップ1:業務工程を洗い出す

いま行っている作業工程の中には、無駄な作業があるかもしれません。二重になっている工程やシステムなどの導入によって必要のなくなった作業なども含まれてる可能性があります。

石川氏の書籍には、標準化をするには、属人化している業務を洗い出す必要があると書かれています。

具体的にはだれがどのような業務をどれほどの時間をかけて行っているのかを業務棚卸をして明らかにしていきます。業務を大項目、中項目、小項目に分類して業務の担当はだれか、どれだけの工数をかけているのかを一覧表にしていきます。そこから標準化を進める対象とすべき定常業務(ルーティンワーク)を絞っていきます。以下のような業務からはじめに着手すべき業務を選定します。

  • 多くの時間が取られる定常業務
  • 複数の人にまたがっているバラツキの大きな定常業務
  • アルバイトやパートなど人の流動化が激しい定常業務
  • ミスや間違いの多い定常業務
  • 日常困っている定常業務



ステップ2:マニュアルの整備

だれが業務を担当したとしても、一定の品質が保てるようにするためにマニュアル・手順書の整備を進めましょう。

マニュアルに沿って業務を進めると、作業の工程や順番、進め方・やり方が統一されているため、担当する従業員ごとに手順が変わってしまうことはありません。

簡易な製品の製造工場などでマニュアル・手順書を準備しておけば、アルバイトで入ったばかりの従業員でもマニュアル記載された作業内容・工程を踏むことで、品質基準などを担保しながら業務を進めることができます。

標準化は業務の属人化の防止や解消に役立ち、その結果として組織は特定の個人に偏って依存することなくチーム全体で効率的に業務を進めていくことが可能になります。

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石川秀人氏の著書「オフィス業務の生産性改善手法がよ~く分かる本 秀和システム」を参考に弊社で作成

 

ステップ3:ゴールを共有する

業務の標準化は重要だといいつつも、日々の業務に忙殺されるなかでは優先順位が下がってしまうことが懸念されます。

業務の標準化に対して会社が本気で取り組む姿勢を示さなければ、表面的にやっているふりだけになってしまいます。

石川氏の書籍では、業務標準化は必ず社長や経営陣などトップを巻きこんで、企業のあるべき姿とありたい姿を描き、理想を掲げて行わなければ、狙った効果は生まれないし、何かやり方を変えてもすぐに元の状態に戻ってしまう、と言及しています。

書籍では、あるべき姿、ありたい姿から目的や方針、目標を見える化する必要があるといいます。経営が示す企業理念と会社の目的や方針を明確にしておき、それを各部署にブレークダウンし具体的なチームの目的・方針に落とし込みます。これに沿ってチームは改善目標の設定をし、それを目標値として定量的に設定することが大切だとあります。いつまでにどれだけ達成したのかが判断できるように明示することで、改善の基盤を構築できると述べられています。

 

ステップ4:システムやツールの導入

状況に応じて、システムやツールの導入を検討することも有効な方法です。

ワークフローシステムやツールは各種業務手続きを電子化するものです。システムやツールの導入によって、マニュアルのデジタル化が実現すれば、従業員は見たいときにいつでもタブレットやスマホなどのデバイスを通して業務の流れをチェックすることができ、業務に関わる部署や人物、役割分担など必要な情報を確認することができます。

デジタル化されたマニュアルですので、一度アップロードした内容を更新したい場合も、最新の内容をアップロードすることで容易に更新が可能です。

飲食業やエステサロンなどのサービス業、小売店での季節限定や期間限定のキャンペーン情報などもシステムやツールを利用することで、従業員全員に、詳細内容を共有することができます。

質問の例としては、以下のようなものがあります。

  • 労働環境について:労働時間には満足しているか、有給休暇は取りやすいと感じるか
  • 上司との関係性:上司との関係性に満足しているか、同僚との関係性が良好か
  • 報酬や評価について:正当な報酬をもらっていると感じているか
  • やりがいについて:仕事への充実感をもっているか、顧客への貢献を実感しているか
  • 会社の将来について:会社の安定性について不安はないか
  • 会社のビジョンについて: 会社の理念に共感しているか 

 

 

業務の標準化に成功した企業事例

業務の標準化を進めて成功した企業の事例を3つ紹介いたします。

事例1:株式会社サカタ

大規模な業務改革を進め、属人化の脱却を図った事例として株式会社サカタの取り組みを紹介します。株式会社サカタは新潟県で金属製品を製造する企業です。

2014年に、外部の講師による働き方改革に関する講演会に全社員で参加し、「生産性向上による残業ゼロでライフの質を上げること、結婚出産などライフステージの変更による女性の就労離脱を防ぐことが、日本の生産人口の維持につながる。引いては日本の経済を救う」という話を聞き、社長が大変感銘を受けたといいます。この講演を機に社長が残業ゼロを宣言し、働き方改革に取り組みました。

【施策】

(1)業務の棚卸・属人化業務の洗い出し

各部署で業務内容と所要時間を15分毎に記録して洗い出し、グラフ化。時間の割に成果が少ない業務、重複・属人化している業務などを見える化し、無駄な業務の削除、属人化の解消を行いました。

(2)業務の標準化を目指す

事務系の業務はマニュアル作成や引継ぎ、教育・トレーニング等を進め、属人化を解消しました。工場における作業は、年間計画を立てて計画的に多能工化を推進しました。

 

【効果】

(1)業績は維持したまま、残業時間が減少

業務を洗い出し、見える化に取り組んだことで、不要な業務を削減することができました。改革前は月20時間だった残業時間が1.1時間に減少しました。業績は維持したままで残業時間の減少に成功したことから、時間当たりの生産性が向上したといえます。

(2)従業員が休暇を取得しやすくなった

マニュアル活用によって属人化の解消が進み、また多能工化を推進したことで、「この人がいないと業務がストップしてしまう」という状況がなくなり、これによって急な事情での休みが取得しやすくなりました。

 

事例2:大津建設株式会社

効果的なICT施工技術の導入によって、属人化解消を図った事例として大津建設株式会社の取組事例を紹介します。大津建設株式会社は広島県で建築業を中心に事業を展開しています。

建設業界全体の課題となっているのが、人材確保の難しさです。人材不足や人材獲得の競争激化など、環境が厳しさを増す中で、人材確保対策や生産性向上に向けた取組みの必要性が高まりました。

【施策】

(1)年間休日日数を増加した

従業員が働きやすい環境を整えるため、2022年から休日増加への取組みを開始しました。2年かけて年間休日を87日から96日、105日へと段階的に増やし、2023年1月より4週8休に移行しています。

(2)ICT(情報通信技術)を導入

ICT建機を導入したことで、従業員が担っていた作業を機会に任せることで、作業効率を向上させました。

 

【効果】

(1)ワークライフバランスの向上

「4週6休」から「4週8休」を実現したことで、従業員から「家族と過ごす時間が増えた」「身体をしっかり休ませられた」など喜びの声が増えて、ワークライフバランスが向上しました。

(2)業務属人化の解消、標準化

ICT施工技術を導入したことで熟練した従業員でなくとも、ICT施工技術を取り込んだ機械自体で制御できるようになりました。これによって業務の属人化が解消され、だれでも同じように作業ができるため品質が安定し、業務の標準化が実現しました。

 

作業日数の短縮や事故発生リスクの低減、生産性向上などの効果が見られました。ICT建機導入で効率化され作業量が減り、段取りをゆっくり考える時間が増えたという従業員の声が聞かれています。

 

事例3:ベストパートナーズ税理士法人 村上事務所

長時間労働の削減を目指し、業務効率化を図った事例としてベストパートナーズ税理士法人 村上事務所の取組事例を紹介します。ベストパートナーズ税理士法人 村上事務所は富山県で税理士法人を運営しています。

業務の特性上、属人化している業務が多く、進捗管理や従業員間での連携が取りにくい状況で、特定の従業員に時間外労働が偏る、繁忙期になると十分な休息時間が設けられないなどの課題がありました。

「従業員が最大限に能力を発揮できる職場」であるためには、従業員が健康であることが大切だと考え、長時間労働の解消に着手しました。

【施策】

(1)現状の業務を洗い出しを行う

いまの業務を洗い出し、重要度・頻度などを基準に選別を行ったうえで、共通化できる仕組みとしてクラウド業務システムを導入しました。

(2)勤務時間に制限をかけた

従業員の健康維持を最優先に考えて、11時間の勤務間インターバル制度も導入しました。勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻の間に一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する仕組みのことです。

従業員は在社できる時間を決め、その中で業務をやりきるにはどうするべきかという視点で業務に取り組むようになり、長時間労働に対する意識改革のきっかけとなりました。

 

【効果】

(1) 業務の効率化が実現した

従来の15%程度の時間の効率化に成功し、またクラウド業務システムを導入したことで業務の進捗や情報の共有が可能となり、担当者以外でも顧客対応が可能になりました。属人化解消につながっています。

(2)従業員に労働時間への意識が向上した

勤務間インターバル制度の導入で、時間内にどう仕事を終わらせるかを考えるようになりました。

さらに勤怠システムも導入し、本人も上司も時間外労働時間等がリアルタイムで確認できるようになったことで、労働時間への意識が向上しました。



まとめ

今回は業務属人化について、メリット・デメリットや企業へもたらす影響について、さらに属人化の対照とされている「業務標準化」とは何か、標準化を目指すには何をすれば良いかについて解説しました。

属人化によって企業が受けるメリットもありますが、長期的な視点でみれば属人化された業務が存在していることが、事業運営に不都合をもたらすリスクにつながります。

業務属人化の対義語となる「業務標準化」は、だれでもマニュアルなどに沿って作業することで、一定の品質を生み出すことを可能にします。

私たちの生活は変化のスピードが速く、あらゆる場面でAI技術が取り込まれています。職場においてもマニュアルや手順書、あるいは教育コンテンツなどを活用するためにシステムやツールを導入することは、時代に適した業務効率化を進めることに役立つでしょう。

属人化を解消し、標準化を推進するために有益なツールの導入も考えてみてはいかがでしょうか。





著者
『shouin+ブログ』マーケティング担当
人材育成クラウドサービス「shouin+」のマーケティング担当です。人材育成のお役立ち情報やトレンドをはじめ、企業の人事・研修担当の方向けに社内教育や研修のノウハウを発信しています。

shouin+は、本社や現場のOJT・研修に関するお悩みを丸ごと解決する人材育成クラウドサービスです。

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