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【テンプレート付】オペレーションマニュアルを作成して業務効率化!作り方や作成時のポイントを解説

マニュアル ノウハウ ナレッジ
2024.06.21
『shouin+ブログ』マーケティング担当

人手不足問題が深刻化する近年、業務効率化がますます重要になってきています。

そこで必要となるのが「オペレーションマニュアル」です。業務フローを円滑に進める手順やルール、基準などが記載されたマニュアルは、組織の生産性を高く保つための基盤となります。

本記事では、オペレーションマニュアルを作成すべき理由やメリット、作り方、作成のポイントと幅広く解説しています。作成時間の短縮に役立つテンプレートもご用意しましたので、「オペレーションマニュアルを作りたいが、忙しくてなかなか進められない」という方はぜひご活用ください。

 

オペレーションマニュアルとは

そもそもオペレーションマニュアルとはどういうものなのでしょうか? 言葉の意味について見ていきましょう。

「オペレーション」という単語には、以下のような意味があります。

  1. 機械などの操作。運転。
  2. 中央銀行(日本では日本銀行)が手持ちの有価証券を売買して金融を調整する市場操作。オペ。
  3. 作戦。軍事作戦行動。
  4. 外科手術。オペ。

引用:「デジタル大辞泉」小学館


上記のように、オペレーションという言葉には複数の意味があります。ビジネスでは、主に「業務フローを進行するための一連の活動」や「商品・サービスを提供するまでの既定の作業手順」などといった意味合いで使われます。

そして「マニュアル」という単語には以下のような意味があります。

  1. 機械・道具・アプリケーションなどの使用説明書。取扱説明書。手引書。
  2. 作業の手順などを体系的にまとめた冊子の類。
  3. 操作などが、手動式であること。

引用:「デジタル大辞泉」小学館

つまり、オペレーションマニュアルとは「業務を遂行するのに必要な活動と、その手順やルールを示したもの」です。

飲食店を例に挙げると、キッチンオペレーションのマニュアル、ホールオペレーションのマニュアルなどを指します。内容には、調理作業の手順や基準、ホール業務の流れ、作業時の注意点などが含まれます。

小売店の場合は、在庫管理のオペレーション、店舗運営のオペレーションなどのマニュアルがあります。販売計画や発注業務のルール・流れ、接客・会計・清掃業務の手順などが記載される内容の例です。

企業には、臨機応変に対応する業務と、ルーティン化された業務があります。オペレーションマニュアルは、後者を記載するのに適しています。作業の手順、ルール、基準をマニュアルに記し、業務を円滑化するのが狙いです。

 

作業手順書との違い

作業手順書とは「作業の手順や注意点などを記した冊子」のこと。知識・ノウハウの習得や、取り組み方の統一化などを目的として作成するものです。

オペレーションマニュアルと似ていますが、作業手順書は「作業の取り組み方のみを記したもの」というニュアンス。対するオペレーションマニュアルは、オペレーションの全体像、目的、作業同士のつながりなど、幅広い内容が記載されます。

つまり、オペレーションマニュアルの内容には、作業手順書の内容が含まれるということです。ただし、明確な定義はなく、ほぼ同義と捉えられることもあります。

 

なぜオペレーションマニュアルが必要?主な3つの理由

オペレーションマニュアルの作成には、時間も手間もかかります。それでも作成すべきといわれるのは一体なぜなのでしょうか。

主な3つの理由について詳しく見ていきましょう。

属人化を防ぐため

オペレーションマニュアルがない職場では、属人化が発生する恐れがあります。取り組み方やノウハウ、業務の注意点などが共有されず、特定の従業員しかその業務に取り組めない、といった状態になりかねないのです。

属人化が起きると、担当者の不在時にトラブルが発生する可能性があります。退職や異動時には、担当者とともにノウハウも失うこととなります。後任者が育つまでの間、業務の質が下がってしまうでしょう。

また、担当者が不正を隠す恐れもあります。これらのリスクを避けるため、オペレーションマニュアルを作成する必要があるのです。誰でも取り組めるようにすることで、担当者の不在時もカバーし合うことができ、チームワーク力の向上も見込めるでしょう。

 

業務の質を標準化するため

企業には、さまざまな年齢・スキル・経歴を持つ従業員が所属しています。そのため、オペレーションのルールや基準が設けられていないと、業務の質が偏る可能性が高いです。

業務の質のバラツキは、商品・サービスのクオリティのバラツキにつながります。また、従業員の作業量および負担も偏ります。

よって、オペレーションマニュアルを作成し、標準化する必要があるのです。特に、近年は人材の多様化が進んでいるため、業務の標準化に有効なオペレーションマニュアルはもはや必須ともいえるでしょう。

 

業務を効率化するため

オペレーションがマニュアル化されていないと、従業員が業務に取り組む際、迷うことが多くなります。ルール・基準がないために、判断に時間がかかってしまうのです。自己判断した結果、遠回りな選択をしてしまう可能性もあります。

そのような無駄を省くためにも、オペレーションマニュアルが必要です。新人でも最も効率の良い方法で取り組むことができ、業務全体の効率化が見込めるでしょう。

 

オペレーションマニュアルを作成するメリット

業務フローをスムーズに遂行するのに欠かせない、オペレーションマニュアル。作成することで、ほかにもさまざまなメリットが得られます。

主なメリットは以下の3つです。詳しく見ていきましょう。

メリット1.業務の改善点が見つかる

日々、業務に取り組んでいると、オペレーションに問題があることになかなか気づけないものです。

マニュアル作成は、そのような問題点を発見するチャンスになります。業務の洗い出しや分析などの工程を経て、客観的な視点を持つことができます。

改めて業務を見つめ直すことで、普段は気づかないオペレーションの「ムリ・ムダ・ムラ」が見つかります。それらを改善しつつ、マニュアル化することにより、業務効率の向上が期待できるのです。

このようなメリットがあることから、一見問題がないように思えるオペレーションにもマニュアルを導入すべきと考えられるでしょう。

 

メリット2.人材育成を効率化できる

オペレーションマニュアルは、従業員に教育を行う際の教本としても役に立ちます。

教えてもらう側、新人は、マニュアルを見て業務の全体像や作業の手順を把握することができます。既存社員と同じノウハウを、新人のうちに身につけられるのがメリットです。また、研修後もマニュアルを見返していつでも復習できます。

そして、教える側、教育担当者の負担を減らせるのも大きなメリット。作業の注意点や基準などがマニュアルに記載されているため、担当者が教える内容が減り、教育時間を短縮できます

人材不足の職場では、教育時間の確保に悩まされることが多いです。オペレーションマニュアルは、そのような人材育成の問題を解決するツールにもなるのです。

 

メリット3.人材が定着しやすくなる

新入社員の多くは、「きちんと仕事についていけるだろうか」という不安を抱えています。

オペレーションマニュアルは、そのような新人の不安解消につながります。マニュアルを活用して着実かつスムーズな育成を実現することで、社員に「成長」という安心感を与えます。

また、教育体制の整った企業として、社員からの信頼度も上がります。きちんとしたマニュアルがあり、教育が仕組み化されているという環境が、「この会社は社員の育成を重視してくれている」という信頼につながるのです。

企業に対する信頼、仕事への安心感は、人材の定着を促します。効率よく社員を育成でき、そのうえ人材の流出を防ぐのに効果的なオペレーションマニュアルは、人手不足に悩む企業にとって欠かせないツールといえるでしょう。

 

オペレーションマニュアルの作り方

オペレーションマニュアルを導入する際、作り方がわからず悩むことも多いでしょう。そこでここからは、企画から運用までの流れについて解説していきます。

マニュアルの作り方に決まりはないですが、主な手順は以下のとおりです。

オペレーションマニュアルの作り方

 

①企画:目的の明確化

マニュアル作成に取りかかる前に、まずは目的を明確にします。トラブルの解消、新体制への適応、人手不足によって発生したオペレーション不備の改善など、「何のためにマニュアルを導入するのか」を明らかにしましょう。

オペレーションマニュアルの作成は、複数の部署からメンバーを選出して行うことがほとんど。共通の認識がなければ、協力し合うことができません。意見が食い違い、マニュアルの方向性が定まらなくなる可能性もあるため、はじめに目的を定めることが大切です。

また企画段階では、マニュアル作成チームの編成、スケジュールの設定なども行います。日常業務が優先され、先送りになることも珍しくないので、いつからいつまでに作成するのか計画を立てておきましょう。

 

②調査:業務の洗い出し

次に、オペレーションの現状を把握するため、業務の洗い出しを行います。

  • 業務の内容
  • 業務の流れ
  • 作業分担の状況
  • 作業の基準

などを細かく調査し、可視化します。情報共有を円滑にするため、見える化するのがポイントです。

特に「作業の基準」は、マニュアルのない職場では曖昧になりやすい要素。担当者が長年の経験と感覚で行っていることも多く、改めて数値化もしくは具体化する必要があります。

また、業務の洗い出しは、卓上ではなく現場で調査することが重要です。業務に携わっている従業員に直接ヒアリングを行い、正確な情報を探りましょう。

 

③分析:内容の整理

業務の洗い出しが完了したら、次に内容の整理を行います。オペレーションが適切かチェックし、問題があればここで改善することで、マニュアルを最適化できます。業務の流れ、作業の手順・基準など細かく確認し、問題点の原因を見極めましょう。

また、オペレーションマニュアルに記載する内容も、この時点で整理しておきます。記載する順番、範囲などを決めておくと、原稿の作成がスムーズに進みます。

マニュアルを閲覧する人にとって「わかりやすいか」「読みやすいか」「使いやすいか」を基準に構成を考えるのがポイントです。

 

④作成:原稿の作成

内容が定まったら、いよいよ作成です。ここでも、閲覧者にとっての「わかりやすさ・読みやすさ」を意識します。

オペレーションマニュアルは、モレなく詳細まで記載することが大切。かといって、内容が複雑になると、読み手が理解しにくくなってしまいます。

そのようなときは、写真や動画、図を活用するなどの工夫が必要です。専門用語を使う場合は必ず解説を添え、初心者でも理解できるようにしましょう。

 

⑤テスト:試験運用・チェック

原稿作成後は、テスト運用を行います。マニュアル通りにオペレーションを実行してもらい、内容に間違いや問題がないか、新人でも理解できるか、記載漏れがないかなどをチェックします。

チェックする際は、実際に業務を行った従業員に直接聞くのがおすすめです。現場のリアルな意見を拾うことで、再現性の高いマニュアルへと仕上がるでしょう。

 

⑥導入:本運用

問題点を修正したのち、本格的に運用を開始します。試験運用で問題がなくても、本運用でトラブルが発生する可能性があるため、モニタリングを継続することが大切です。

また、マニュアル作成の工程に問題がなかったか、振り返りも必要です。改善点を把握しておくことで、ほかのオペレーションマニュアルを作成するときや、修正するとき、よりスムーズに進められるでしょう。

 

オペレーションマニュアルを作成する手法

最近では、オペレーションマニュアルを作成する手法も多岐に渡ります。内容と使用シーンに合わせて、適切な手法を選びましょう。

ここでは、主な4つの手法とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

オペレーションマニュアルを作成する主な手法とメリット・デメリット

①紙に印刷して作成

定番の手法として挙げられるのは、紙に印刷して冊子にまとめる方法です。パソコンのソフトウェアなどで手軽に作成することができ、コストがおさえられるのがメリットです。

機械に詳しくない人を含め、誰でも閲覧できるのも魅力。マニュアルを頻繁に見返す場合や、緊急時に確認する場合に便利です。

ただし、セキュリティが甘くなりやすいというデメリットもあります。持ち出しを禁止すると閲覧場所が限られ、不便を感じることもあるでしょう。

また、文章や図、写真のみで記載することとなるため、内容がわかりにくくなる可能性もあります。わかりやすいマニュアルを作成するための知識・スキルの習得が必要になるでしょう。

 

②オンラインで作成・配信

最近では、オンラインでの手法も注目を浴びています。専用ツールなどを使って作成し、インターネットを通じてマニュアルを配布する方法です。

従業員が、オンラインでいつでもどこででも閲覧できるのがメリット。印刷・郵送の手間がかからないため、職場が点在している店舗型ビジネスに適しています。

また、修正から共有までがスピーディーなのも利点です。オペレーションマニュアルは修正を繰り返すことが多く、迅速に更新できるオンライン式は非常に便利といえます。

デメリットは、作成や運用にコストがかかる点です。場合によっては、ツールの利用に高いITスキルが求められることもあります。ITに強い人材の採用・育成が必要になる場合もあるでしょう。

 

③動画で作成

オペレーションマニュアルは、動画で作成することも可能です。例えば、業務で使う機械の操作方法や、飲食店での調理のオペレーション、清掃作業の手順などを説明するのに向いています。

動画マニュアルは、文章や図で伝わりにくいことも解説できるのがメリット。作業の注意点など、細かいところまで視覚的にわかりやすく表現することができます。

ただし、撮影・編集のための時間とスキルが必要です。また、マニュアルを見返す際、欲しい情報を探しにくいという面もあります。カテゴリー別に動画を仕分けするなど、工夫する必要があるでしょう。

動画マニュアルはオンラインで共有するものなので、オンラインコンテンツと組み合わせて作成する方法もおすすめです。

 

④外部に作成を委託

オペレーションマニュアルを自社で作成すると、時間も手間もかかります。作成手法によっては、スキルを身につけるための時間も必要です。

そのような余裕がない場合、もしくは作業の負担を少なくすることを優先したい場合は、外部企業のサービスを利用するのもひとつの手です。作成に割く時間を短縮できるうえ、クオリティの高いマニュアルを作ることができます。

ただし、委託には料金がかかります。自社の希望と違うものができあがる可能性もあるため、委託する企業の見極めと、丁寧な打合せが重要です。

 

オペレーションマニュアル作成・活用のポイント

オペレーションマニュアルは生産性向上に役立つ便利なツールですが、ただ単に作成するだけでは、その効果は発揮されません。

最大限の効果を得るには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。以下の5つのポイントについて見ていきましょう。

オペレーションマニュアル作成・活用のポイント

導入後モニタリング・改善を継続する

組織が変われば、最適なオペレーションの形も変わります。それに付随して、最適なマニュアルの形も変わります。

よって、マニュアル作成後もモニタリングを継続し、改善を繰り返すことが大切です。日頃から観察・ヒアリングを行い、意見を反映させることで、より良いマニュアルへと進化させることができます。

オペレーションマニュアルを作成する段階で「いつ」「誰が」「どのように」モニタリングするのか、予めルールを決めておきましょう。

 

オペレーションマニュアルの研修を実施する

オペレーションマニュアルは、従業員が内容を理解できなければ意味がありません。どのように活用すれば良いかわからず、マニュアルから逸れた行動をとってしまう可能性があります。

また、何も説明せずいきなり仕組みを変えると、社員は戸惑うものです。変化を受け入れられず、マニュアルを無視する人も出てくるでしょう。

その対策として、研修の実施が有効です。使い方や閲覧方法、導入の目的などを予め丁寧に説明しておくことで、従業員に納得してもらいやすくなります。

マニュアルは組織の目的を達成するのに必要で、そして従業員にもメリットをもたらすものだと理解してもらうことが大切です。

 

③新人・初心者の視点を持つ

ベテランも新人も、誰が担当しても円滑に業務をまわせる状態が、オペレーションマニュアルのゴール。それを達成するには、業務経験がなく、知識も少ない社員でも理解できる内容であることが条件です。

しかし、マニュアル作成はベテラン社員が担当することがほとんど。経験・知識が豊富な社員が持つノウハウを掲載できる一方で、初心者にとってわかりにくい内容になりやすいです。

そのため、マニュアル作成には新人・初心者にも参加してもらうのがおすすめ。特に、試験運用は業務経験が浅い従業員に実行してもらい、初心者視点での意見を聞きましょう。そうすることで、誰でも理解できるマニュアルを実現できます。

 

④種類別に作成する

業務の流れや作業の注意点など、幅広い内容が記載されるオペレーションマニュアルは、情報が膨大な量になることも珍しくありません。ボリュームが多くなると、欲しい情報を見つけるのが困難になります。

その対策として挙げられるのが、種類別に作成する方法です。オペレーションの種類別、使用シーン別、目的別に分けることで活用しやすくなります。

例えば、1つのオペレーションでも、作業手順のみを記す「作業マニュアル」、業務の概要を理解してもらうための「業務マニュアル」、緊急時のオペレーションを示す「緊急時マニュアル」と役割ごとに分類できます。

活用シーンをシミュレーションし、「使いやすいオペレーションマニュアル」を目指しましょう。

 

⑤テンプレートを活用する

オペレーションマニュアルの作成にはさまざまな手法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。企業としては、コストを抑えつつ、ハイクオリティなものを完成させるのが理想です。

そこで活躍するのが「テンプレート」です。枠組みがすでに用意されているため、作業時間が短縮され、費用も抑えられます。構成に悩むことなく、わかりやすく読みやすいマニュアルを作成することができます。

「オペレーションマニュアルを作成したいが、予算にも時間にも余裕がない」とお困りの方は、ぜひ下記のテンプレートをご活用ください。

パワポで作成 マニュアルテンプレート

 

まとめ

オペレーションマニュアルは、業務を円滑に遂行するうえで欠かせないツール。日々の忙しさから先延ばしにしてしまいがちですが、作成して業務が効率化されれば、結果的に従業員の負担を減らせます。人手不足に悩む職場こそ必要なツールなのです。

また、企業改革など、より重要なミッションに集中するためにも、ぜひオペレーションマニュアルの導入を検討してみましょう。時間と労力の節約には、ご紹介したテンプレートをご活用ください。

著者
『shouin+ブログ』マーケティング担当
人材育成クラウドサービス「shouin+」のマーケティング担当です。人材育成のお役立ち情報やトレンドをはじめ、企業の人事・研修担当の方向けに社内教育や研修のノウハウを発信しています。

shouin+は、本社や現場のOJT・研修に関するお悩みを丸ごと解決する人材育成クラウドサービスです。

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