人材開発と組織開発の違いとは?人事がいま取り組むべき組織開発について詳しく解説
人材開発という言葉を聞き慣れていても、組織開発という言葉を初めて聞くという人事の方はまだまだ多いのではないでしょうか。
少子高齢化が進み労働人口の減少が想定されるなかで、日本企業は人手不足に悩まされています。これに加えて、企業の人事には、管理職の強化や管理職候補者の選抜や新人の育成・早期戦力化、人的資本経営の実現など、これまでにはなかったような難しい人事課題を抱えています。
組織開発は、組織のパフォーマンス向上に取り組む人事の悩みを解決へと導いてくれるアプローチ法のひとつであるといえます。
今回は、組織開発とは何か、組織開発と人材開発のそれぞれの意味や目的、手法、フレームワークについても解説します。また、組織開発に取り組んだ企業の成功事例についてもご紹介します。
組織開発とは?人材開発との違い
人材開発の定義、目的
人材開発とは、従業員一人ひとりに焦点を当て、それぞれの能力・スキルを向上させ、成長を促す、あるいはキャリア目標を達成するための取り組みを指します。具体的には、経験や階層に応じた研修・セミナーやOJT、キャリア開発といったアプローチが取られます。
慢性的な人材不足や終身雇用制度の崩壊など、働く環境が変化していること、また人的資本経営が重要視されていることから、従業員のエンゲージメントを高めたり、早期戦力化につなげたりするために、企業にとって人材開発は必要不可欠であるといえます。
組織開発の定義、目的
書籍『いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方』によると、組織開発とは現場にいる人たちが自ら、人と人との関係性を通して組織内の違和感のあるプロセスを見直し、より良い組織をつくる活動のこととあります。
組織開発は1958年頃にアメリカで生まれ、欧米を中心に長年に渡って取り組まれてきました。英語で「Organization Development」でODと略されています。
具体的には、組織内に存在する課題を表面化させたうえで、従業員一人ひとりが当事者として自分たちのために解決策を考え、実行していきます。その活動を通して関係性も豊かになり、組織の健全性も高まることが期待できます。
組織の解決すべき課題は組織ごとに異なるので、その解決手法はさまざまです。
人材開発と組織開発の違い
組織開発とは、組織に内在するエネルギーや主体性を引き出す機能であり、人と人の「関係性」の変化や「相互作用」が、組織を変化させていくという考え方であるといえます。
組織開発と人材開発は「対象」「目的」「アプローチ」において違いがあります。
通常の人事管理の「対象」が人であるのに対し、組織開発の対象は人と人の関係性や相互作用です。「目的」においては、人材開発では自己実現やキャリア達成であるのに対して、組織開発では組織のパフォーマンス向上であり、「アプローチ法」では、人材開発が従業員一人ひとりの能力・スキルを伸ばすための施策を実施するのに対して、組織開発では、組織における関係性を強化・改善するための施策を実施します。
例えば、企業にとっての課題が若手社員の離職率の高さであった場合、人材開発の面からのアプローチは、離職を希望する従業員が自信を持って業務を行えるように能力やスキル向上のための施策を実施します。あるいは配置換えなどを検討することも考えられます。
一方、組織開発の面からのアプローチでは、人との関係性に離職の原因があると仮定して、組織内のコミュニケーションが円滑になるように働きかけ、風通しのよい労働環境を整えるような施策を実施します。
組織開発が注目されている背景
なぜ今組織開発が注目されているのでしょうか。その背景には、時代の流れに伴う様々な変化があります。
前述の書籍によると、ビジネスにおいてニーズの変化が激しくなっており、これまでのようにやっていけば良いという勝ち筋が見えにくくなっており、機動的な事業運営が求められるようになっているといいます。
また働き方に多様性が生まれ、正社員に限らず多様な立場の人が時間や場所を問わずに働くようになり、関わるようになりました。さらにダイバーシティが進み、国籍や年齢、性別を問わず様々な人が働いており、組織自体に変化が求められています。
さらに、テクノロジーの進化によって、これまではコミュニケーション方法も対話が主であったのに対して、現在はチャットやWEB会議などを活用している職場も増えています。
このような変化の中で、人と人のつながり、上司と部下の縦のつながりや部署内の同僚、あるいは部署と部署などの横のつながりが希薄になりつつあります。働く人に様々な価値観が加わったことで、これまで以上に良い組織であり続けることが難しくなっています。価値観の異なる人と人が良い関係性を構築できるよう、組織としての働きかけ、組織開発が注目されています。
人事が組織開発に取り組むメリット
人事が組織開発に取り組むことで、企業が得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットについて解説します。
メリット1.組織全体の生産性を向上が期待できる
組織開発に取り組む大きなメリットには、組織の生産効率向上があります。
近年の日本企業は、働き方改革の影響もあり、業務の分担が進み効率化が進んでいますが、この動きによって横のつながりが希薄化しているといわれています。横のつながりが弱くなると、コミュニケーションが少なくなり、個人主義になる傾向がみられたり、組織に属しているという帰属意識が低下する可能性があります。また、横の関係性が弱くなることで情報共有が遅れてしまい、認識の違いによって大きなミスが生じる恐れもあります。
組織開発の目的は、チーム間の関係性を強化し、企業のイノベーションを成功させることです。
組織開発の実施によって、人と人、部門と部門といった横のつながりを強化することができると、情報共有がしやすくなります。このため、組織内の従業員のパフォーマンスが上がり、生産性の向上につながります。
メリット2.従業員エンゲージメントの向上が期待できる
組織開発を推進することで、良好な人間関係や職場環境を築くことができ、働きやすい組織を作りやすくなります。人との関係性が良好で整っている組織では、自分の意見を言いやすく、これによって課題に対して自分事として捉えるようになります。
また、良好な職場環境においては、助け合いの精神や文化が醸成されているため、組織に対する愛着心や帰属意識が高まっていきます。このため、従業員エンゲージメントが高まり、仕事へのモチベーションの向上や定着率の上昇が期待できます。
メリット3.環境変化に柔軟に対応できる組織を構築できる
組織開発を推進することによって、環境の変化に柔軟に対応できる組織を作ることができるようになります。これは企業にとって大きなメリットの一つであると言えます。
現代の企業を取り巻く環境は、経済状況や社会情勢によって変化のスピードが速くなっています。技術の進歩によって、あるいはニーズの変化によって、これまで正解とされていたやり方が通用しなくなる可能性があるのです。
取り巻く環境が変化することに合わせて、組織もフレキシブルに対応できるよう、変化しなければいけません。組織開発を導入することで、急速な変化にも柔軟性をもって対応できるようになり、新しいシステムや技術を導入したり、新しい戦略に舵を切ったり、組織や体制を変更しやすくなります。これによって市場競争に対応しやすい組織を作り出すことが可能になります。
組織開発の具体例な進め方
組織開発では人材に注目するのではなく、焦点を組織に当てて組織の問題点を吸い上げ、解決させていきます。これを実践するには正しい手順、ステップを踏む必要があります。ここでは組織開発を実践する場合の手順や進め方について説明します。
①目的を明確にする
組織開発の第一段階として、まず組織開発の先に目指す理想の状態を明確にしましょう。組織の長期的な目標とする方向性を定め、現状との違いやギャップを把握する必要があります。目的が明確化されていないままに組織開発を進めていくと、期待するような効果は得られない恐れがあります。組織開発を推進するためには、はじめに自社のビジョンやミッションを明確にして、自社が目指すべき目的を具体的に設定することが大切です。
自社の目指すべき目的を設定できたら、各部署やチームごとに目標を細分化して設計していくと良いでしょう。
②現状を把握する
組織開発を推進するために次に行うのが組織の現状を正確に把握することです。
現状の把握には、ヒアリングや組織サーベイ等の方法を用いて、できるだけ定量的でかつ客観的なデータから事実に基づいた社内の問題点を洗い出します。
自社全体の課題が把握できたら、それを掘り下げて、各部署やチームに細分化して課題を洗い出します。
組織全体の力の底上げを図るのが組織開発ですが、主体は組織に属する個人です。一人ひとりが当事者意識を持てるよう、チームリーダーから組織目標やチームの役割・重要性をよく周知しておく必要があります。
③課題を設定する
現状を把握し、目標に対して現在の組織に不足しているものを洗い出したら、挙げられた課題に対する解決方法を検討します。
挙げられた課題の中から、チームメンバー同士や上司と部下といった人と人の関係性に着目し、組織開発により解決できる課題を設定することが大切です。進め方2で正確に把握した情報をもとに、組織開発の対象である従業員同士の関係性や組織構造のうち、どこに対しての働きかけが必要かを検討し、見極め、対象を定めていきます。
課題の設定は、「何を行えば、現状から目的とする状態に変えられるだろう」という観点から検討を進めます。また、課題に対して、具体的に「何を」「いつまでに」「どのような状態にするか」を設定することで、施策の策定や実施がしやすくなります。
④トライアルアプローチをする
組織開発により解決を目指す課題が設定できたら、具体的に施策を策定・実施します。ここで大切なことは、部門・チーム単位から運用をはじめる、ということです。小規模で行うことで、早期の効果検証が可能となるため実施と改善を繰り返し行いやすく、またリスクを最小限にできるというメリットがあります。
組織開発は、中長期的に取り組むものです。そのため、短期的な目標を設定し、小規模なプロジェクトやチームでの取り組みから始め、小規模な試行を通じて解決策を試みるスモールスタートのアプローチが有効的です。設定した解決のための施策をテストし、その結果を評価して進めていきます。効果が見られた方法を、全社に展開していくと良いでしょう。
⑤効果検証・フィードバックを実践する
トライアルアプローチでの試験運用で得られた効果を検証します。
小規模で短期的な取り組みであれば結果をまとめやすく、スピードを持って検証が行えます。従業員や関係者からのフィードバックを収集することで、効果検証の精度を高めることができます。
効果検証の結果は、組織開発の取り組みを経営層をはじめとした全従業員に理解してもらうのに有効です。積極的に情報発信を行いましょう。組織としての課題を多くの人が把握することによって、次第に会社全体の取り組みへと発展していくきっかけをつかめるでしょう。
⑥成功事例を共有・展開する
効果検証の結果をふまえて、成功した取り組みは全社に共有し、他部署やチームへ展開します。また、成功事例を紹介するだけでなく、課題を解決するためのプロセスや得られた成果などを細かく分析したうえで、ポイントを伝えることが大事です。
成功体験をシェアすることで、従業員のモチベーションも向上します。また、成功事例として施策の実行に根拠を持たせたことで、チームや部署として何を取り組めばよいかが明らかになります。ここで最も重要なのは、組織を構成する社員一人ひとりが当事者意識をもち、組織開発に関わっていくということです。
組織開発の推進が全社展開となった後も、継続的に効果測定を行い、施策のブラッシュアップを図っていきます。立案、実施、検証、改善とPDCAサイクルを回しながら中長期的な取り組みとして推し進めていくことで、組織全体の雰囲気や慣習、風土を変え、従業員エンゲージメントを高めていくことが期待できます。
組織開発に使えるフレームワーク5選
組織開発に適したフレームワークを選定し、活用することで、組織開発をスムーズに進めることができます。ここでは、組織開発について考え方や進め方に活用できるフレームワークを5つご紹介します。
1.コーチング
コーチングとは、目標を達成するために気づきを与えて主体的な行動を促す育成手法のことです。個々の悩みや課題に対して正解を与えるのではなく、従業員一人ひとりの中に解決策があるというスタンスでヒアリングを繰り返し、答えを引き出していきます。
コーチングを通して、育成者と育成対象者が相互理解を深めながら、目標達成に向けて取り組むことで、信頼関係を強固なものにすることができます。これにより、コミュニケーションが活性化し、課題解決のスピードを早めることが可能です。
2.AI(Appreciative Inquiry)
アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI:Appreciative Inquiry)は組織を活性化させたいときにおすすめのフレームワークです。
Appreciativeは「価値がある、肯定的に評価する」、Inquiryは「探究」という意味で、組織や人の強みに注目したもので、肯定的な問いかけにより、個人や組織の強みを見出し、課題解決をおこなうフレームワークです。
AIを用いた議論では、どちらが正しいかを話し合うのではなく、お互いの強みを肯定し合います。違いを認め合いながら、ともに望む未来の実現に向けて、どうあるべきかを話し合う点に特徴があります。
AIにより、従業員同士で長所を見つけ合い、どのようにそれを伸ばすかを考えることで、変革や挑戦をポジティブに考える社内文化を醸成することができます。これにより、社内の相互協力体制を強化し、より地盤の強い組織作りにつなげていくことができます。
3.ワールドカフェ
ワールドカフェは、さまざまな意見を引き出す際に効果的な対話手法です。一般的な会議の場では雰囲気が堅苦しい、あるいは上長がいる前で発言しにくいという面があります。ワールドカフェとは、カフェのようなくつろいだ雰囲気の中で、少人数にグループ分けをして自由に会話しながら、意見を発信したり、気づきを得たりする組織開発フレームワークです。リラックスした雰囲気で行うため、より自由で創造的な意見を引き出しやすくなります。
また、参加者の人と人のつながりを深める機会にもなるため、組織開発に適した手法の一つといえます。時間を区切ってメンバーをシャッフルすることで、多くのメンバーから意見を聞き取ったり伝えたりできるので、組織をより良くするための気付きやアイデアをキャッチしやすくなります。
4. OKR(目標管理)
OKRは、全従業員が目標に向かって取り組むための目標管理フレームワークを指します。
OKR「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」とは、達成目標(Objectives)と、その達成度を測定する主要な成果(Key Results)を設定し、全社の目標と主要な結果を可視化します。さらにこれらを部署やチーム、個人に細分化して落とし込み、組織と個人の目標をリンクさせて、可視化します。目標と結果の可視化によって、全従業員の方向性とタスクを明確にします。
OKRは目標管理手法の一つで、高い目標を達成するために用いられる手法です。OKRを設定することで、組織が目指す方向が明確になり、何に取り組むべきかが可視化されます。これにより、組織と個人の目標を紐づけて管理できるようになり、従業員のモチベーションを高め、組織づくりをより強いものに進化させていくことが可能です。
OKRはGoogleやFacebookなどの大企業にも導入されていて、大きな成果を出しています。
5.フューチャーサーチ
フューチャーサーチとは、企業の過去・現在・未来のあり方について時系列を意識しながらミーティングを行い、参加者に共通する価値観を見出すための手法です。参加者は従業員だけでなく、取引先や顧客、地域住民など多くの利害関係者を集めて議論することで、幅広い視点を取り入れていくことが大切だといえます。
テーマについてグループで話し合ったり、全体で議論をしたりしながら進行していきます。数日にわたってスケジュールを組み、さまざまな立場の意見を聞くことで新しい考えが生まれたり気づきを得ることができます。組織を活性化させる方法を見つけることが期待できます。
組織開発の成功事例
組織開発に取り組んだ企業の成功事例を紹介します。
事例1.パナソニックグループ
グローバルに23万人もの従業員を擁する大企業のパナソニックグループでは、2015年から組織開発の取り組みを行っています。
<課題>
同社の課題は、「優秀な人材が揃っているのに、事業成果に十分につながっていない」というものでした。
これに対してパナソニックは組織開発の定義をとことん考え、「従業員の自己実現と事業成果の両立を目指すこと」としました。そしてこの定義にむけて、以下の3つに注力して活動を進めました。
<解決策>
- 事業部や部署を直接支援
組織開発は対話によって各メンバーが納得し、それが行動変容を生み、組織の変化につながるのですが、これが実現するには時間がかかります。そこで、パナソニックグループではまずやる気のある部門に働きかけ、実践から学び続ける人材を輩出し、これを会社全体に拡大していきました。
- 自走支援活動
組織が良い変容をとげたあと、これを維持していくことはとても難しいものです。そこで、パナソニックグループではODプラクティショナー(実践者)とODデザイナーの育成を始めました。実践者の育成とブラッシュアップによって組織内の「自走と継続」が実現します。
- 啓蒙活動
組織開発に共感するメンバーを集め、勉強会を行い組織開発は重要だという価値観を定着させていくことに成功しています。
このような組織開発の取り組みによって、パナソニックでは多くの部署やチームが持てる力を発揮するための基盤が整い始めたといいます。
事例2.東芝テック株式会社
東芝テック株式会社は東芝グループの中でリテール&ブリンティングソリューションを担う会社で、歴史もある大企業です。
東芝テック株式会社は2016年から組織開発の取り組みを進めています。
<課題>
取り組み以前は、大企業病の風土が社内に蔓延していることが課題でした。部門間の連携が悪く、また部署内においても縦の関係性も横の関係性も薄く、チームとしてのまとまりのない状態で、新たな業務がきても誰かがやるだろうと仕事の押し付け合いがあったといいます。
これに問題意識を持った支社長が、昔ながらの組織風土を変えようとアクションを起こします。東京支社の約400名の全従業員で対話を進めることを決めました。
<解決策>
職場から離れた環境で対話するオフサイトミーディングを行うためにファシリテーター役となるオフサイトコーディネーターの養成を始めました。これは対話活動が自走できる体制にするためです。これによって、従業員同士の関係性の質を高めることができています。
また、オフサイトミーティングを通して自分がこうしたいという思いを語り合うことで、会社の課題を自分事として考えるようになったといいます。この取り組みによって対話の習慣が全社に広がっていて、まだゴールしていないが、一定の効果がみられているといいます。
事例3.ヤフー株式会社
ヤフー株式会社の組織開発は、2012年の経営改革から始まりました。
<課題>
同社の課題は、業界のとりまく環境の変化が大きく、5年先10年先にも対応できるよう、組織が自ら走り続けることができる、自走力を強化しなければならないということでした。
<解決策>
- 1on1ミーティングの実施
。「1on1ミーティング」とは、人材育成を目的とした施策の1つで、月1回や週1回などの短いスパンで上司と部下が 1対1で行う面談のことです。この「1on1ミーティング」の実施による成果で、上司と部下、つまり縦の人と人との関係性が強くなっていきました。組織開発の面からも人と人との関係性が良化することで組織の健全性は高まります。
- 組織開発の専門チームの発足
組織開発をすすめるために専門チームを発足させて、各部門への課題解決の介入、支援を行い、最終的に全社に展開するというように段階を経て、組織開発に取り組んでいます。具体的な専門チームの取り組みには、理念浸透、人財開発、そして「組織の自走力」を強化するための支援など、多々あります。
同社はスローガンに「10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功」を掲げています。組織開発の取り組みにおいては、成功事例に限らず失敗事例についても社内イントラ上に掲げて、全社で共有しました。失敗をあえて可視化することで、挑戦し、その経験から学び取る組織文化を根付かせることに成功しているといいます。
まとめ
組織開発は、戦略や組織構造に向けたプロセスを改善するだけでなく、社風や人間関係などに向けたアプローチをする施策でもあります。
組織全体をより強く、柔軟で、持続可能なものにするには、従業員一人ひとりが組織のビジョンや目標を理解して、全社で同じ方向を向き業務を遂行していく必要があります。
現代では働き方や働く人材の多様化が進み、いっそう人と人の対話や尊重、協力が重要になっています。
組織開発のプロセスにおいて、従業員を積極的に関与させることで、従業員がぞれぞれ当事者者意識を持つようになります。この取り組みは、従業員エンゲージメントを高め、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することが期待できます。
これらの実現には、組織開発とともに人材開発も重要になります。組織開発と人材開発の目的や相互作用を把握して、企業価値創造に向けて効果的な組織開発を進めていきましょう。