サクセッションプラン(後継者育成計画)とは?目的や作り方、成功事例を徹底解説!
ビジネスを長期的・戦略的に思考するビジネスマンのなかで、いまサクセッションプランの重要性が注目されています。
安定した経営を継続するためには、経営に関わる幹部候補者をはじめとする後継者の育成が不可欠です。そこで重要視されているのがサクセッションプランです。
この記事では、サクセッションプランとはなにか、目的や注目される背景を解説しサクセッションプランの作り方や成功事例もまとめました。
自社にサクセッションプランを取り込も検討をしている小売流通業や飲食、レジャーの意思決定者や経営層の方や、人材育成のためのサクセッションプランについて基本的な理解をしておきたいと考えているトレーニング部門担当の方々のお役に立てればと思います。
サクセッションプランとは
サクセッションプランとは、事業の後継者を育成する施策を指します。
サクセッションプラン(succession plan)のサクセッションは継承、相続と和訳されます。企業経営におけるサクセッションプランとは、CEOから幹部候補までの経営に関わる重要ポジションにかかわる後継者育成を意味します。
サクセッションプランの意味
eサクセッションプラン(後継者計画)は単に社長や幹部の後継者を決めるだけの施策ではないといいます。
ナレッジマネジメントアドバイザーとして活躍するクリスティー・アドウッド氏の書籍『サクセッションプランの基本』によると、サクセッションプランとは「適切な人々を適切な場所へ、適切なタイミングで配置すること」と定義できるとあります。具体的には、継続的に組織の中の将来のリーダーを特定し、リーダーの役割を果たすことができるよう育成するプロセスです。
つまり組織内のあらゆる階層の人々を対象とした広範なプログラムだといえ、異動や評価、アセスメント、研修など人事や人材育成、人材開発の多くの機能と横断的な関わりを持ちます。
書籍では、サクセッションプランは日本においてはまだなじみのないものではありますが、タレントマネジメントの重要な要素として、今後一層取り組みのべき施策として注目されていくとあります。
人材育成との違い
サクセッションプランと人材育成との違いには、「対象者」や「育成内容」「主導者」があります。
人材育成は、対象が全従業員に広がります。新人研修なら新入社員全員が対象となります。人事部が主導となって、従業員への研修を実施し、組織が望むビジョンに向かって従業員の成長を促す施策の全般を指します。
サクセッションプランは、選ばれた後継者候補を対象に行います。経営層が主導となり、後継者候補に経営者視点に立った横断的な育成を行っていくもので、人事の役割は限定的となります。
リプレースメント採用との違い
リプレースメント採用とは社内外からの補充型採用のことです。リプレースメント採用は、ポジションを埋めるために緊急のニーズに対して受動的に対応するプロセスを指しています。
これに対してサクセッションプランはニーズが発生するまえから能動的にニーズを特定して時間をかけて対応していくプロセスです。
リプレースメント採用は、時にはその時点で配置可能な人物のなかから選択しなければならないこともあります。サクセッションプランにおいては、当該ポジションに対して最適な候補者のなかから選択することができます。
企業の取り組み状況
企業はサクセッションプランにどのように取り組んでいるのでしょうか。企業のサクセッションプランの取り組み状況について、経済産業省が2020年9月末時点における東京証券取引所(以下、「東証」という。)第一部上場企業および第二部上場企業 合計2,655社に対して行った「日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査 報告書」から日本企業のサクセッションプランについてどのような取り組みをしているのかをみていきます。
指名委員会等設置する企業の比率について
CGSガイドライン(経済産業省が策定した「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」)によると、社長・CEOの選解任および後継者計画の監督に関して、法定の指名委員会(指名委員会等設置会社の場合)または任意に設置した指名委員会(指名委員会等設置会社、監査役設置会社または監査等委員会設置会社の場合)を利用することを検討すべきであるとされています。
一部上場企業においては2020年では58.0%で、指名委員会の設置は年々増加傾向にあることが分かります。
議題についての調査
「指名委員会が過去一年間に議題にした項目はなにか」を調査したところ、アンケートの回答では、多い順に「社内取締役の候補者の評価・選定」が77%、「株主総会に付議する役員選任議案の審議」が68%、「社外取締役の候補者の評価・選定」が58%でした。社長、CEOの後継について議論した企業は42%にとどまっています。
問「過去一年間に指名委員会で議題にした項目を教えてください」に対する回答状況
引用:経済産業省「日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査 報告書」
また、同アンケート調査で「次期社長・CEOの選定に向けた取り組みの実施状況」について質問したところ、結果は後継者計画のロードマップの立案を実施していないと回答した企業が54%で、特に何もしていないと回答した企業は48%でした。
日本の企業においては、後継者計画のロードマップの立案すら実施できていない企業がまだ多いということが分かります。後継者計画に関する取り組みや議論・共有を行っていない企業が多数である実態が見えます。
問「次期社長・CEOの選定に向けた各項目の取り組み状況を教えてください」に対する回答状況
問「次期社長・CEOの選定に向けた各項目の議論の状況を教えてください」に対する回答状況
引用:経済産業省「日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査 報告書」
サクセッションプランが注目されている背景
サクセッションプランが今注目されていますが、なぜでしょうか。ここではサクセッションプランが注目されている背景について3つ取り上げました。
経営層の交代準備の危機意識の高まり
サクセッションプランに取り組むことで、客観的な視点で後継者候補が経営者としての資質や能力が備わっているかを客観的な視点で、かつ前もって評価できます。
書籍「サクセッションプランの基本」によると、サクセッションプランの必要性と重要性を示す最も悲劇的な例は2001年9月11日の事件があるといいます。
テロによって多くの命が失われました。このなかには172社の幹部が含まれていたといいます。通常でもサクセッションプランはスムーズに進めることが難しいものです。この突然の事件のなかでは、従業員の精神的な負担が大きく、サクセッションプランはより困難なプロセスになります。
いつだれが引退する、転職するなどで職場から居なくなるかわかりません。だからこそ、その空いたポジションにだれがふさわしいのかを事前に判断しておく準備の必要性があるのだ、と書籍に述べられています。
このため企業の持続的な成長と安定経営の実現に向けて、いまサクセッションプランに多くの企業の注目が集まっているのです。
日本の中小企業の後継者不足
現在、日本企業における後継者不足は見過ごすことができない重要課題として捉えられています。
日本国内企業は、その99%が中小企業です。中小企業庁の「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、2025年までに、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者が未定だといいます。
現状を放置すれば、中小企業・小規模事業者廃業が急増し、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われると試算されています。
後継者不在のための廃業を減少させるために、サクセッションプランは積極的に実施されなければいけない段階にあるといえます。
また、自社のことを理解している従業員が紹介するため、採用する人材は企業理念や価値観にズレが少なく適性が合いやすいという利点もあります。人材派遣会社を通して入社する場合に比べると、リファラル採用者の方が定着率が高い傾向が見られます。
東証のコーポレートガバナンス・コードに記載
日本では、2015年に東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを定めました。経営層による後継者育成の重要性が明記されています。
コーポレートガバナンス・コードには、取締役会はサクセッションプランの管理監督を担う組織として、「後継者計画の策定・運用に主体的に関与し、後継者育成について適切に監督を行う」役割があると記載されています。
コーポレートガバナンス・コードは、すべての上場企業に適用されます。上場企業が市場で企業活動を行い、投資家から高い評価を得るためには、サクセッションプランの策定が不可欠となっていることは、サクセッションプランのニーズが高まっている背景の一つとして挙げられています。
「ISO30414」に記載
2018年には国際標準化機構(ISO)が公開した人的資本の情報開示についてのガイドライン「ISO30414」が定められました。
ISO30414とは、人材マネジメントの領域に関わる58の測定基準を示した人的資本情報開示のガイドラインとされています。このガイドラインの11分類における1分類として「Succession planning」という項目が設けられています。
これにより、近年サステナビリティレポート等でサクセッションプランの状況を開示する企業も増えてきました。
米国証券取引委員会(SEC)が人的資本開示をルール化
2020年に米国証券取引委員会(SEC)が人的資本の開示をルール化したことから、日本でも「人的資本開示」が重要視されるようになりました。サクセッション・プランにかかる情報開示指標としては、「後継者の有効率(Succession Effectiveness Rate)」や「後継者カバレッジ率(Successor Coverage Rate)」「後継者準備率(Succession Readiness Rate)」があります。
このように人的資本開示が求められる背景には、ESG経営への評価が高まっていることがあります。ESG経営とは、財務状況以外に「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」も考慮した経営を指しています。
今ではSDGsの認識が浸透してきつつあり、持続可能な方法で安定的に長く経営する企業が高く評価されるようになりました。この流れにおいて、安定的な事業継続に欠かすことができない後継者育成の情報開示が、投資家や社会から求められるようになってきました。
サクセッションプランの目的
企業がサクセッションプランに取り組む目的には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは4つの目的を取り上げました。
企業を継続し成長させ続けるため
サクセッションプランの大きな目的は、企業の将来を担う後継者候補を計画的に育成して、企業の存続リスクを軽減しながら持続的に成長させ続けることです。
後継者が育成されていれば、企業はさらなる成長のために投資をし企業価値の向上を目指します。この動きを通じて、ステークホルダーの満足度を高めることができると期待できます。
従業員の企業存続の不安を払拭
後継者不在が問題となる要因のひとつに会社の存続が危うくなることが挙げられます。後継者が不在のために会社をたたむ、あるいはM&Aによって企業を買収されることで、これまで保ち続けてきた企業の独自性を失うことにもなります。
サクセッションプランへの取り組みが進められていれば、従業員は企業存続のリスクや失職の不安を軽減することができ、安心して業務に従事できるでしょう。
人材ポスト空白期間の防止
書籍「サクセッションプランの基本」によると、サクセッションプランの目的のひとつは、組織にとって必要不可欠な主要ポジションの変化に伴うチャレンジと機会に対して、準備をすることにあるといいます。
あらかじめ幹部候補を選抜しておくことで、経営幹部ポジションに空白期間を作らないといった効果を発揮します。
突然の経営者交代など、主要ポジションが空いてしまうこともあり得ます。このようなときに、候補者の準備をしておくために社員育成が行われていれば、経営環境の変動による混乱を防ぐことができます。企業運営を安定して継続させるためにサクセッションプランへの取り組みは効果的です。
優秀な人材を定着させるため
サクセッションプランは、優秀な人材を企業内で育成・定着させることを目的とした計画です。
組織が目指すべき経営層の育成計画をベースにサクセッションプランを実行することは、経営ポジションの要件が可視化されることで求められる人材像が明確になり、育成対象となる従業員の士気が向上します。
優秀人材の育成と定着や、モチベーション向上に繋がるため、組織全体の活性化が期待できます。社内の活性化も見込まれるため、企業成長に大いに貢献するでしょう。
書籍には、「優秀な人材を維持する最良の方法の1つに成長の機会を社員に提供すること」だとあります。
経営層が主導して経営センスのある人材を発掘し、手厚い教育を実施していくので、幹部候補として選抜された人の従業員エンゲージメントを高める効果が期待できます。
サクセッションプランの具体的な作り方
サクセッションプランは、どのように作成していけば良いのでしょうか。ここでは経済産業省のレポートにあるサクセッションプラン策定の7つのステップを紹介します。
■参考:経済産業省「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画の活用に関する指針 」
引用:経済産業省「指名委員会・報酬委員会及び後継者計画の活用に関する指針 」
ステップ1:後継者計画のロードマップの立案
ステップのひとつ目ではサクセッションプランのおおまかな計画を立案します。
現在の社長・CEO の就任から想定される交代時期に向けて、「いつ頃、誰が、何を行うか」といった大枠の工程やスケジュールを検討し、後継者計画のロードマップを描きます。
その中で、現社長・CEO、その他の社内者、取締役会、指名委員会などが各工程においてどのように関与するのかについても検討します。
ステップ2:「あるべき社長・CEO 像」と評価基準の策定
ステップ2ではあるべき社長・CEO像を明確にして、その評価基準を策定します。
指名委員会において、「あるべき社長・CEO 像」を議論し、できる限り明確化した上で、客観的な評価基準を定め、明文化しておきます。
「あるべき社長・CEO 像」の議論や評価基準の策定に当たっては、自社を取り巻く経営環境や自社の企業文化、経営理念、成長ステージ、中長期的な経営戦略、経営課題、自社における社長・CEO の役割・権限等を踏まえることが不可欠となります。
ステップ3:後継者候補の選出
ステップ3では後継者候補を選出します。「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、後継者候補を選出します。
社長・CEO の交代までに時間的な余裕が見込まれる場合は、例えば役員レベルから数名から数十名程度の候補者を後継者計画の対象として選出し、「あるべき社長・CEO 像」に近づけるべく「最後の仕上げ」としての育成を行っていくことが考えられる。
不測の事態により急遽社長・CEO 交代が必要となる場合に備えて、中長期的な後継者候補だけでなく、短期的な後継者候補もリストアップしておくことが望ましい。
ステップ4:育成計画の策定・実施
ステップ4では、選出された候補者ごとに、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、目標レベルに到達するための育成課題を明確化し、育成方針・計画を策定・実施します。一例としては以下のようなものがあります。
- 後継者候補に全社的視点・グループ全体最適の視点でのマネジメント能力を備えさせるべく、事 業部門を超えた戦略的なローテーションを行う
- 資質・能力(ポテンシャル)を引き上げるべく、社外取締役との 1 対 1での面談や外部専門家に よるコーチング等により気付きを与える
ステップ5:後継者候補の評価、絞込み・入替え
ステップ5では候補者の絞り込みを行います。後継者候補の状況を定期的にモニタリングし、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして評価を行い、必要に応じて後継者候補の絞り込みや入替えを行う。また、育成計画の実施状況(ステップ 4)のモニタリングも併せて行って、必要に応じて育成計画の見直しにつなげることで、育成の実効性を高めることが考えられる。
例として、以下の実施が挙げられます。
- 本人との面談
- 360 度評価(上司、同僚や部下等へのリファレンスチェック)
- 従業員の意識調査(部署ごとに集計してマネジメント課題を把握)
- 心理学的手法を用いた適性テスト
ステップ6:最終候補者に対する評価と後継者の指名
ステップ6では候補者を評価し、その中から自社の経営トップに最も相応しい候補者を後継者として指名します。
経済産業量のレポートにおいて、後継者の指名の際には客観性を担保するという観点から、「あるべき社長・CEO像」や評価基準に照らして、指名した人物が自社の経営トップに相応しい人物かどうかの判断材料を提供しなければなりません。判断材料となるのは客観的な評価情報で、これを提供した上で最終評価を行うことが望ましい、とあります。
ステップ7:指名後のサポート
後継者を指名したら、後継者をサポートします。
新しい社長・CEO は、就任直後から十分にパフォーマンスを発揮できることが望まれます。そのため、例えば、後継者の指名後、実際の交代までに一定の移行期間を設け、その間に、現社長・CEO から後継者への引継ぎや、社内外の関係者への後継者の周知、ネットワーク作りなど、必要な準備を行う必要があります。後継者が万全の態勢で経営に臨めるように環境を整えることも、現社長・CEO の重要な責務といえます。
サクセッションプランを作成して成功した企業事例
サクセッションプランに取り組み成功した企業があります。ここでは3つの企業事例をご紹介します。
花王株式会社
花王の統合レポート2023には、花王のサクセッションプランについて記載されています。
花王は、社長執行役員の後継者を含めた人財戦略を経営における最重点課題のひとつと捉え、取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会で継続的に議論します。社長執行役員の後継者計画については、次世代の経営環境を見据えた人財要件を示した上で、後継者候補のリストを更新しています。また、各候補者の育成にはスキルマトリックスを活用し、今後強化すべき知見や経験を議論しています。
引用:花王総合レポート2023
戦略的タレントマネジメントとして、シニアマネジメント・スペシャリストに当たる重要ポジションの将来の後任候補となる基幹人財をキャリアステージの早い段階から見出し、計画的で積極的な教育・配置任用・課題付与を行い、花王グループをリードする人財を育成しています。
味の素株式会社
味の素株式会社では、各国・地域の多様な人財を横断的に育成・登用し、人財の「適所適財」を実現するための共通基盤として、「グローバル人財マネジメントシステム」を導入し、次世代経営・高度専門人財の育成を加速させました。
味の素株式会社では2016 年ごろより一連のタレントマネジメント施策を海外拠点も含めて実施しています。
- 従来の「適財適所」(=人起点)ではなく、「適所適財」(=戦略・職務起点)の考え方のもと、まずは今後の成長の鍵となるポジションの「見える化」に着手した
- 中期経営計画では「分厚い人財層の形成」が掲げられ、2020 年までに役員層および事業部門長(現在国内で合わせて 120 名程度)の候補者を国内、海外それぞれで 300 名ずつ特定、育成するという目標を設定した
今後は突出した能力や成果のある人財に対してより大胆な抜擢・登用ができるよう、制度整備や施策への理解浸透をさらに進めていきたい、としています。
オムロン株式会社
オムロン株式会社は、サクセッションプランにおいて社長が指名した人材で形成されている委員会「社長指名諮問委員会」を設けています。
社長指名諮問委員会とは、「緊急事態が生じた場合のサクセッションプランについて毎年審議し、取締役会に答申する」ことを目的として、設置された委員会です。
サクセッションプランの透明性を高め、取締役会の監督機能の強化を図る、という点も目的としている委員会で、取締役会は社長指名諮問委員会の答申に基づいて取締役選任議案を決定することになっています。
また、オムロンは「地球視点のビジョンで、新しい価値を創造し続ける企業」を目指しています。
企業の持続的成長の源泉となる「オムロンで働く多様な人財の能力やスキルを引き出す人財マネジメントの進化」を重要課題に掲げて、グローバルや透明性をキーワードにリーダー人材の育成、最適な人材配置、人間関係が良好で働きやすい組織づくりに取り組んでいる企業です。
まとめ
今回は、次期の人材の戦略的な育成としてサクセッションプランについて解説してきました。
サクセッションプランは、事業の後継者を育成する施策であり、長期的な企業存続と組織の活性化に必要不可欠な施策です。
日本の99%を占める中小企業にとっては、後継者不足が経営持続のための喫緊の課題となっています。規模が大きい企業においても、後継者の育成は企業の持続的成長と発展のための重要な経営課題の一つだといえます。
この経営課題に対応するためには、従業員の適性や評価、スキルと経験を適切に管理しなければなりません。経営層の主導で将来の幹部を育成するサクセッションプランは、日本においても大手企業を中心に導入が進んでいます。
サクセッションプランの導入方法については、企業の経営戦略に即した形で、腰を据えて育成に取り組んでいるのがすでに取り組みを始めている企業において共通の特徴となります。自社の戦略や文化に合わせてサクセッションプラン構築を検討してはいかがでしょうか。