日本企業の労働生産性は、1993年以降OECD加盟国の中で20位以下で推移しています。他国に比べて日本の労働生産性が低い結果となる原因のひとつに「労働時間の長さ」があります。
この先、日本の労働人口は減少していくことが予測され、人材の確保がこれまで以上に難しくなります。一方では働き方の多様化がすすみ、職場には正社員のほかに契約社員、パート・アルバイト、外国人、シニア社員などさまざまな人材が混在している状態が当たり前になってきています。
企業は労働力を確保するために人材・働き方の多様性を受け入れながら、フルタイムではない就業時間でもこれまで以上の成果を生み出すように業務改革・改善が求められています。
業務改善を行うために、現状を明らかにするための業務の可視化が重要ですが、「業務の可視化」とはなにか、業務の可視化の目的やメリットとはなにか、実施するポイントについて解説し、企業の取り組み事例をご紹介します。
業務可視化とは、「いつ」「どこで」「誰が」「どのような方法で」仕事をしているか、業務全体の工程や流れを明らかにして、目で見てわかるようにする取り組みのことです。具体的には、業務プロセスや各工程における情報(目標・計画・進捗状況・実績・評価など)を図や表を用いて理解できる形にします。
業務可視化によって職場の業務を俯瞰して見ることができるので、現状の問題点や無駄を抽出することが可能になります。
業務プロセス全体をグラフやフローチャートなどを使って視覚的に「見える化」することで、現場の担当者だけではなく、経営層や事業統括責任者、人事担当者や各業務プロセスの担当者も自分の業務以外の作業内容が把握できるので、部署を横断して問題や課題に対処しやすくなります。
業務改善に取りかかる際に、まずはじめにすることは「業務の棚卸し」です。部門で行われているすべての業務を洗い出して体系的に整理し、業務項目を一覧にします。業務の棚卸しをすることによって、業務一覧表が書き出されて、部門で行っている業務項目が可視化できます。
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可視化とは?流通小売業の人事・教育担当者が行う際のポイントや具体的な方法についてわかりやすく解説!
業務を可視化する目的とはなにか、ここでは業務可視化の目的を3つ取り上げます。
業務可視化の目的でまず挙げられるのは、業務上の問題点を把握しやすくすることです。いまある課題や問題点が明らかになれば、改善の方針が見えてきます。これが業務の可視化の目的です。
業務が可視化できていない状況では、「実際には必要のない工程を踏んでいて無駄な残業時間が増えている」「業務が属人化していて担当者以外が対応できない」などの状況が潜んでいるかもしれません。「プロセスが可視化できていない=ブラックボックス化している」ために業務に無駄が発生し、生産性を低下させている可能性があるのです。
業務プロセス全体を、グラフやフローチャートなどを使って見える化すると、「業務が滞る個所や時期がある」「属人化している業務が多い」「生産性が上がらない」など、職場にある課題が浮かび上がってきます。
部門・企業が業務改善を進めたい場合には、はじめに業務全体においてどの個所にどのような改善すべき課題があるのかを知ることが重要です。
業務やプロセスを可視化して、自社の業務を俯瞰できれば、業務の無駄や問題点が明らかになり、把握することができ、改善へとつなげられるようになります。
たとえば部門内の業務分担を見える化することで各担当者の担当業務が明確になります。担当者間に業務量のばらつきなどがあれば業務量を適切に配分し直すことができるので、生産性を上げることも可能です。また特定の担当者に頼りすぎているようであれば、バックアップできる人材を育成したり、マニュアルを作成するなどの策によって、属人化のリスクを軽減していくこともできます。
内部統制とは、適正に業務を行うために企業がルールを策定し、運用するフレームワークのことです。内部統制がきいていなければ経営目標が達成できない、あるいは企業の統制機能が働かず、重大なクレームにつながる事故が発生するなど社会的信用を失ってしまう恐れがあります。
上場企業などは、内部統制に関する書類提出が義務づけられています。提出する書類には、業務手順をわかりやすく図で表したフローチャートも含まれます。業務可視化をすすめることで作業のプロセスが言語化されていれば、内部統制に関連する書類にも対応することが可能となります。
内部統制において「フローチャート」による業務可視化は重要です。取引発生から会計処理の流れのなかで、いつ、だれが、どのフェーズで関わるのかを可視化することで、ブラックボックスが存在していない状況を明確にします。フローチャートは内部統制上のリスクはないかを判断するために使用され、経営の透明性を高める効果が期待できます。
石川秀人氏の書籍「オフィス業務の生産性改善手法がよ~く分かる本 秀和システム」には、労働災害におけるハインリッヒの法則について記載されています。「ハインリッヒの法則」とは1件の重大事故・災害の背後には29件の軽微な事故があり、その背景には300ものヒヤリ・ハットが存在する、というものです。
1件の重大な事故(顧客情報流出など)のために社内外からの信用を失墜させないためには、29件の顕在化したミスやエラー(自社工程内で他者が気づいたミス)を減らして、さらに背景にある300のヒヤリ・ハット(個人の中に埋もれている手直し・やり直しの事象)を見える化して、減らしていく必要があります。
健全な運営のためにフレームワーク・仕組みを整えていないとミスやトラブルを招く恐れがあります。内部統制の実施においても業務可視化は重要視されているのです。
業務可視化とは、「把握できていない部分を全従業員が見えるようにすること」です。
業務の全体像や工程同士のつながりなど、自分が関わっていない業務など見えづらい部分を確認することができます。業務の可視化によって 全体的なプロセスを見据えた作業を実現させ、全社で業務効率化やコストカットを図る目的で実施されています。
複数の部門にわたる業務の改革を行う場合は、関わる部門の業務機能を可視化します。企業が事業を遂行するために必要な一連の機能という大きな視点で、どの部門がどの機能を担っているかを書き出します。これは部門間で機能の重複などのムダがないか、機能の分担に問題点はないかを見つけることができます。機能重複があれば集中することで効率化や統制強化を進められないか検討します。
また、対象部門ごとに業務機能を定義することで、どの部門が何を担っているのかが見えるようになります。業務上の不明点が生じた場合に、どの部門に確認すればよいのかがわかりやすくなります。
業務を可視化するとどのようなメリットがあるのでしょうか。業務を可視化するメリットについて3つ解説します。
日本能率協会コンサルティング著「業務改善ハンドブック」によると、課題・問題点とは「あるべき姿と現状の姿とのギャップ」を指すとあります。
業務は基本的に一連の流れの中で行われるものなので、その途中で何か問題が発生すると、その後のすべてのプロセスに影響がおよび、業務が停滞してしまったり、生産性が低下したりすることがあります。このとき、その原因となっている箇所を特定することが重要です。
業務工程が単純な場合には、課題点を発見することは難しくありませんが、作業工程が多い、他部署を横断して作業を行うなど、フローの構造が複雑になっている場合には、作業が滞る原因を見つけだすことは簡単ではありません。
このため業務プロセスの可視化が欠かせないものとなります。一つひとつの業務を分解していくことで、停滞の原因となる課題点を特定しやすくなります。
業務可視化によって業務工程が整理されて最適化されると、誰が行っても同じ品質になるため、仕上がりにばらつきがなくなり安定します。これが全体的な品質向上につながります。品質が一定になると、顧客からの信頼度や満足度が向上し、業績を安定させることにつながります。
業務可視化は業務工程を整理しフローチャート化して、視覚的に誰にでもわかりやすくするものです。最適化された業務マニュアルが整備されるなどによって、チーム内でフローやタスクの情報共有ができます。
このためだれでも最適な手順で業務を進めることができるようになり、オペレーションの品質の均一化にもつながります。ミスや漏れに対してチーム内で気づきやすくなり、ミスを防ぐことができます。
業務フローのマニュアル化を徹底することで、工程が複雑な業務でも誰もが同じ手順で進められるため、業務の属人化という課題の改善も期待できます。
業務にかかるコストのなかで、無駄なものを削減することができる点も業務を可視化するメリットのひとつです。
支出原価の多い品目や業務を中心に、業務内容をひとつひとつ正確に書き出すことで、どの業務にコストがかかっているのかを具体的に明らかにすることができます。業務を可視化することによって各業務にかけた工数や人数、時間からコストが明確になります。
必要な業務に適正なコストがかかっていれば問題ありませんが、重要度や優先度の低い業務に必要以上のコストがかかっている場合には、労働力の配分など見直しが必要です。
このように業務の優先順位と、かけるコストを並べて照らし合わせることで、無駄なコストを削減できます。特に業務ごとの人件費を精査しやすくなり、無駄な人件費を削減し、最適な人材リソースの配分ができるようになります。
業務プロセスを可視化することにより、誰がどういう業務をどのように行っているのかを、同じ部署内の上司や同僚はもちろん、他部署の従業員も把握できるようになります。それぞれが担当している業務の内容や領域が明確になることで、相互理解が進みます。
また、プロセスが可視化できたらそれをマニュアル化しておきましょう。言葉だけでは説明が難しい場合には、図や表などを用いて、誰が見ても理解できる資料にします。そうすることで相互理解がより一層進み、担当領域や業務内容に関する認識のズレをなくすことができます。
部署内や部署間での相互理解が進むことで、何か協力を依頼する際にも、問い合わせ先が明確になるほか、コミュニケーションも円滑になります。その結果、作業を効率的に進めることができるのです。
人事評価は、評価基準があいまいだったり、上司や評価担当者の主観で行っていると公平性を欠き、従業員の不満やモチベーション低下を引き起こすおそれがあります。
業務可視化で業務の過程を明確にしておくと、同じ業務を担当している従業員のなかでもAさんは短時間で成果を上げている、Bさんは遂行範囲が広く、安定的に高品質に遂行できているなど、数値では現われにくい評価ポイントを見つけやすくなるでしょう。
業務を可視化すると、業務遂行レベル、つまりスキルの見える化を行うことができ、従業員のがんばりを正当に評価できる環境に改善できるでしょう。適正な評価が得られれば従業員のモチベーションアップへとつながり、生産性の向上や組織活性化が期待できます。
業務の効率化を図るにはデジタル化を進めることが効果的です。
日本の労働市場は人手不足が深刻化しているなかで、多くの企業において単純で簡単な作業はロボットによる業務自動化(RPA:Robotics Process Automation)に置き換えていこうという動きが進められています。
しかしシステムやツールをやみくもに取り入れても、うまく活用できるわけではありません。
RPAを取り入れる前には以下の取り組みを準備しておくことが欠かせません。
これらは業務の可視化によって業務の見直しを経て、業務フローが作成されていれば、ツール導入の準備作業が出来ている状況ですので、RPA化をすすめやすいでしょう。
業務の可視化によって、個人情報や気密上の保護などの内部統制やセキュリティ強化といった安全性の向上につながるメリットが期待できます。
一定規模以上の企業では、不祥事を防ぎ、業務の適正を確保するための社内体制、すなわち「内部統制」が義務付けられています。業務を可視化することは、この内部統制の観点からも有益です。
業務の可視化を行うと、以下のような具体的な対応策を記載した資料を準備することができます。
業務を可視化するには、どのように進めていけば良いのでしょうか。業務可視化の方法を紹介します。
業務可視化の方法のひとつめは、従業員に業務プロセスと、合わせて困っていることや改善してほしい点などについてヒアリングをします。
業務プロセスの整理するとは、業務を体系的に整理することです。部門で行っている業務項目を分類するには「大分類」「中分類」「小分類」と3階層で整理できるようにフォーマットを用意して、業務に従事している人にヒアリングをしながら漏れのないように業務を分類しながら細分化していきます。
書籍「業務改善ハンドブック」には、さらにそれぞれの業務工程がどの程度のの業務量なのかを時間(工数)で測り、定量化する「業務量調査」をすることで、どの業務に負荷がかかるのか、また誰がどの程度の業務を行っているのかが見えるようになる、また、部門内の業務分担がどのようになっているのかを見える化すると、部門内での属人化状況を把握できるようになる、と述べられています。
ヒアリングで聞き取った課題は、業務のカテゴリに分けてリストにして見える化しておくと、改善策の検討がしやすくなります。また可視化したこの課題リストは部内、あるいは社内で共有しておきましょう。会社全体で課題への意識を共有していると、課題解決がしやすくなります。
ヒアリングを行い課題が抽出されたら、つぎに業務のプロセスを整理をして業務の流れを可視化します。プロセスマップを作成して、業務の開始時点から終了時点までの流れが一目でわかるよう、図や記号も使ってチャート化します。
業務の流れをプロセスマップにおいてチャート化することによって、業務が分岐する場面も把握できるようになります。また各業務プロセスにおいて、必要な労力(人数や所要時間など)も記載していけば、課題が見えてきて、解決につながりやすくなります。
プロセスマップは、ウェブサイトからテンプレートをダウンロードして活用することもできますし、Excelなどで作成することもできます。自社内での手作業での作成となるため、作成作業に手間や時間がかかります。作成した後の社内での共有方法や更新方法などについては運用の工夫が必要となります。
プロセスマップ作成にツールを利用すると、修正や更新も簡単にできますし、複数の人数によってクラウド上での共同編集することもできます。
業務プロセスの流れを作る以外にも、各プロセスにおいて「誰が」「どの業務に」「どれほど時間を使っているのか」を自動で集計し分析する業務可視化ツールもあります。
業務可視化を効率的に進めるために、さらに自社において必要な機能が充実しているツールの導入を検討して行くと良いでしょう。
プロセスマップが作成できたら、業務マニュアルを作成・整備します。
業務マニュアルを準備しておくことで、担当者不在の場合でも誰でも対応できるようにしておきます。これによって属人化した業務が滞ってしまうリスクを軽減することができます。
業務マニュアルの作成は、見やすく分かりやすい表現を心がけましょう。業務工程の説明には、操作工程の画像や図表を使うなどの工夫をすると、初めて業務に対応する人にも理解しやすくなります。作業工程や接客対応などのマニュアルは、動画マニュアルにすると、動作を確認できるためより理解が深まります。
マニュアルの作成や社内への共有についても、システムやツールを活用することもひとつです。ツールを利用すればマニュアルの修正や更新も簡単に行え、社内への共有などの運用も手間がかからず行うことができます。
業務可視化を進めていく際にはいくつかポイントがあります。業務可視化を実施するポイントについて3つ取り上げます。
業務の可視化を進めていくポイントのひとつは、従業員の声を聞くことです。
従業員にヒアリングを行う、アンケートを取るなど、直接現場から直接問題点や課題について意見を拾うことがポイントです。実際に業務に携わる人にしか見えていなかった課題が見つかることがあります。
従業員の置かれている労働環境や業務に対する評価方法などの不満、または業務工程に記載はないが、必要なために行っている工程がある、など、見えていなかった作業を最適化して業務工程に組み込んだり、今後改善策を打ち出すことで業務の効率化や従業員のやる気を引き起こすような効果が期待できます。
業務の可視化を実施するポイントのひとつは、自社の改善したい課題や目的に対して合ったツールを選定して活用することです。
業務の可視化として業務フローチャートを作成するには以下のような方法があります。
なかでも自社の課題にを解決するためには、適切なツールを選定して活用することは業務可視化の実施ポイントのひとつに挙げられます。
たとえば「残業時間を削減する」ことを改善目標とした場合、ツールを導入することで、従業員のPC操作のログデータから「誰が・どこで・いつ・どのくらいの時間・どんなPC操作をしたか」を可視化できます。さらにツールの機能を利用して、個々の従業員の勤務状況や業務効率、セキュリティなど様々な面から、業務実態を分析することができます。
残業の多い人がなににどれだけ時間が取られているのかがわかれば、時間のかかる業務を複数人で分担する、また、業務を細分化してひとりに集中させないなど、対策を取ることができます。
業務の可視化は行うべきですが、そこには工数やコスト、期間がかかります。そして課題が浮き上がってきてもすべての課題を一度に解決することは難しいものです。そこで業務を可視化する対象の選定には優先順位をつけて取り組むことが必要になります。
書籍「業務改善ハンドブック」によると、業務視覚化、ひいては改善対象の選定の際には、業務効率化や業務品質向上、コスト削減などの「成果の大きさ」だけではなく、「実現可能性」を考慮する必要があるといいます。
理想をかかげても実現できなければ意味がありません。「実現可能性」は改善にかかるコスト、期間をポイントで算出します。このほかに他部門との調整が必要であればより実現のハードルが高くなるので考慮が必要です。
業務の可視化に取り組んで成果を出している企業事例を3つ紹介します。
有限会社朋友(千葉県流山市、従業員17 名)は、プラスチック製品の製造メーカーです。
リーマンショックによって売上が半減し債務超過に陥ったことで、業務改善に取り組み始めました。業務の可視化によって課題が把握でき、改善へとつながっています。
設備稼働率が低い。外注が多くなり利益が出にくい構造になっている |
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ITを導入し機械の稼働状況を計測・収集するようにし、また各従業員が段取り換えお技術向上に取り組んだ結果、機械の稼働率が60%から90%へと高まり、外注率も9%から4%へ減少したことで、利益率が3.9倍に高まった。 |
株式会社小豆島国際ホテル(香川県土庄町、従業員125名)は、 120 室のリゾートホテルを運営してます。事業運営に必要な人材をどのように確保していけばよいかが大きな課題でしたが、業務を可視化したことで、業務の無駄をなくし業務を効率化することに成功しました。
事業課題として将来にわたって人材確保が課題 |
将来的な労働力減少を見越して、生産性向上と人材確保のための労働条件の整備をすすめることが重要と考え、外部コンサルタントを採用。コンサルタントと従業員でチームを作り、業務を洗い出して客室整備業務など既存業務の無駄の廃止や見直しを行った。たとえば急須使用をスティック茶に変更することで、急須の手入れ時間を削減した。 |
業務の可視化、見直しを進めることによって年間で1800時間もの業務時間の削減効果が得られている。生産性向上によって生まれた利益は福利厚生等で従業員へ還元していることで、島外からの新卒採用も可能となっている。 |
株式会社コープデリバリー(神奈川県座間市 従業員39 名)は、生活協同組合ユーコープの宅配商品の仕分けや品質チェック等を行う倉庫業者です。慢性的なj人材不足に悩んでいました。業務を可視化し、業務を整理してマニュアル化することで、従業員同士で業務をカバーし合える状況を作ることに成功しました。
人材の採用難と、定着率の低さによる人材不足。また従業員の業務負担の増大と残業の常態化が課題。 |
社長が全従業員に向けて業務効率化への取り組みを宣言し、削減できた残業代は従業員に手当として還元するとした。 従業員にアンケート調査をおこなって、残業の原因は業務属人化とコミュニケーション不足によるものと特定し、作業のマニュアル化と多能工化を進めた。また一日の作業フローをホワイトボートに一覧にして張り出し、従業員で共有した。 |
従業員が一日の作業を共有していることで、手が足りていない部門へ手助けできるようになった。また、多能工化を進め、同一作業に複数担当をつけることで、業務過多となっている部門に人数を投入したり、だれかが休暇をとってもカバーできるようにした。 |
今回は、業務の可視化とは何か、業務可視化を行う目的やメリットのほか具体的な業務可視化の方法について解説し、業務可視化によって業務効率化を実現した企業の事例を取り上げました。
私たちの働く環境は労働人口の減少によって人手不足に悩まされることが予測されていて、企業は業務効率化を避けることはできません。
いま、自社の問題点や課題を明らかにし、改善への道を開く業務の可視化は、すべての企業にとって発展や成長を促すものです。目標の達成のために、自社の目指す目的に合わせて業務の可視化をすすめて、業務改善に取り組んでみてください。業務可視化において自社で作成が難しい場合には、ツールの活用も検討してみると良いでしょう。