人事異動や退職など、業務の担当者が変わる際に必ず必要となる、引継ぎ。後任者は、前任者が行なっていたときと同等の成果、質で業務を行うことを求められるものですが、引継がうまくいかないと難しいでしょう。
そこで活躍するのが「業務引継書」です。しかし、業務引継書とは何なのかよくわからない、どのように作成すれば良いのかわからない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそのような悩みを解決するため、業務引継書の概要やメリット、作り方のポイントを解説します。作成手順、スケジュールの目安なども併せてご紹介しますので、業務の引き継ぎに不安を感じている方はぜひ参考にしてください。「早く業務引き継ぎ資料の作成に取り掛かりたい!」という方には以下バナーからDLできる引き継ぎ書と引き継ぎマニュアルのセットがおすすめです。
業務引継書とは、前任者から後任者に業務を引継ぐ際に使う、仕事内容や進捗状況を記した文書のこと。「継続的に日々行う仕事」を意味する業務、「交代すること・代わりに請け負うこと」を意味する引継ぎ、「文書や書類」を意味する”書”の、3つの単語から成り立つ言葉です。
業務引継書は、以下のようなシーンで主に使われています。
このような引継ぎを行う際は、口頭で仕事内容や注意事項、未完了事項などを伝えることが多いでしょう。たしかに、業務引継書を用意するには手間も時間もかかるため、つい口頭のみで引継ぎを終えてしまいがちです。
しかしこの方法では、伝え漏れや聞き間違い、捉え方の間違いなどが起きてしまいます。そして実際に後任者が仕事をするとき、ミスをしてしまう、スムーズに仕事が進まないなどのトラブルが発生してしまうのです。
業務引継書の作成は、このようなミスやトラブルを防ぐのが主な目的。業務内容やスケジュール、進捗状況を”見える化”することで、業務に必要な情報を着実に伝達できるのです。
また、引継ぎが不十分だと、業務の質や成果が落ちる原因に。「人生信頼塾長(2015)『華麗なる業務引継論』」という書籍では、以下のように述べられています。
できあがった成果は、前任者のものよりレベルの低いものになります。なぜなら、前任者はすでにその業務に関しては百戦錬磨のエキスパートであり、経験が違いすぎるからです。後任者がいきなり担当して、前任者をすぐに上回ることは稀です。
引用元:「人生信頼塾長(2015)『華麗なる業務引継論』」
業務引継書を活用することにより、業務の質や成果をキープするための知識を伝えることができます。その結果、前任者と同等レベルまで達しないにしろ、成長を早めることへと繋がるでしょう。
つまり、業務引継書は生産性、および会社の業績に関わる重要なツールと言えます。手間や時間をかけてでも作成すべきものなのです。
業務引継書には「この項目を書かなくてはならない」「これは書いてはならない」といった決まりはないですが、一般的には以下のような項目が記載されます。
「概要」「目的」「業務の流れ」は、特に記載すべき項目。どのような業務内容なのか、何のために行う業務なのか、どのような流れで行うのかを伝えることで、後任者は全体像を把握することができます。
「スケジュール」は、いつからいつまでに行う業務なのか、いつが納期なのかを伝える項目。これを記載することで、後任者は引継ぎ前に準備を整えておくことが可能になります。納期遅延の回避や、準備不足によるミス防止に役立つでしょう。
「業務の進行状況」の記載も非常に重要です。どこまでの仕事が終わっていて何が未完了なのか、どの段階まで進んでいるのかを記載します。正しく明確に記入しないと、他部署やクライアント、顧客に迷惑をかけることとなり、トラブルが発生する恐れもあるので注意しましょう。
「注意点」「イレギュラーへの対応方法」の記載も、重大なミスを防止するため、業務を円滑に進めるために必要です。特に接客業など、臨機応変な対応を多く求められる仕事は、「イレギュラーへの対応方法」を細かく記しておきましょう。
「データ保管場所」を記載しておくとさらに便利。引継ぎ後に「あれはどこ?」「これはどこ?」と何度もやり取りをする必要がなく、お互いの手間が省けます。
また、「関係者の連絡先」も載せられることが多いです。他部署や業者などの連絡先を記載しておくと、どのようなことが起きたときに、どこに連絡すれば良いのかがわかり、後任者はとても助かります。特に、トラブル発生時の連絡先は必ず記載しておきましょう。
後任者が業務をスムーズに進めるためには、引継書に丁寧に細かく記載することが大切。しかし、多くの情報をいっぺんに載せてしまうと、複雑でわかりにくくなってしまいます。
業務引継書の情報量が多すぎる場合は、何種類かに分けて作成すると良いでしょう。さまざまな仕分け方ができますが、なかでもおすすめなのは「期間」で仕分ける方法です。
「年間で行う業務」「月間で行う業務」「週間で行う業務」「突発的に行う業務」というように期間で分けておくと、いつ行う業務なのかわかりやすくなります。また、スケジュールを組みやすくなる、必要なタイミングで情報を見つけやすくなるなどのメリットもあるので、ぜひ取り入れてみましょう。
業務引継書を作成するよりも、口頭で引継ぎを行う方がやはり楽です。手間も時間もかかるのに、なぜ作成すると良いとされているのでしょうか。
業務引継書作成のメリットについて見ていきましょう。
後任者は、初めて携わる業務についてほとんど知識がありません。上司や先輩、同僚に聞くことも可能ですが、前任者ほど業務への理解はないでしょう。「周りに迷惑をかけたくない」と、質問することさえためらってしまい、その結果ミスが発生する恐れもあります。
また、業務の進行状況は前任者にしかわからないことです。どの作業が未完了で、どこまで完了しているのかが把握できていないと、トラブルが起きたり、労力が無駄になったりしてしまいます。トラブルの対処に追われ、業務が余計に進まないといったことにもなりかねません。
引継書を作成しておけば、後任者は正しい情報を着実に得ることができます。業務をスムーズに進められ、周りの手を煩わせることもありません。さらに、未完了の業務も把握でき、やるべきことをきちんと実行できるしょう。
業務の引継ぎを行う際は、どうしても伝える情報量が多くなってしまうもの。しっかりとメモを取ったとしても、忘れたり、聞き漏れたりしてしまう可能性があります。
しかし、業務引継書を活用すれば、正しくかつ漏れなく後任者に情報を伝えることができます。引継ぎ後、前任者と後任者がやりとりをする回数が減り、お互いの手間が省けるのです。前任者が退職した場合や遠方へ移動した場合など、すぐにコミュニケーションが取れないような状況になっても安心です。
後任者に限らず前任者も、新しい部署や勤務先では、仕事を覚えるので精一杯になるもの。そのような忙しいときに、何度もやりとりしなくてはならないようでは、なかなか新しい仕事に集中できません。慣れるのにさらに時間がかかってしまうので、業務引継書を活用し、やりとりを減らすことが大切なのです。
業務について何も知識がないと、誰しもが不安になります。「周りに迷惑をかけないか」「きちんと業務をこなせるか」「成果の質が下がってしまうのではないか」と心配になるものです。
そこで業務引継書を活用し、情報を伝えることで、後任者は安心感を得ることができます。やるべきことがわかると、事前準備も可能になり、さらにホッとするでしょう。このように、業務引継書は後任者の精神面においてもメリットがあるツールなのです。
また、新しい業務への安心感は、仕事に対するモチベーション向上に繋がります。後任者の早い成長、生産性アップといった更なるメリットも期待できるので、企業は業務引継書の作成を重視すべきと言えるでしょう。
業務の引継ぎは、退職・異動する日の3営業日以前に行われることが多いので、引継ぎ当日の1週間前までに引継書を完成させるのが理想的です。そして、十分な準備期間を設けるため、引継ぎが確定した直後から作り始めると良いでしょう。
記入漏れ、記入ミスを防止するには、焦らずにじっくりと作成する時間が必要です。さらに、作成後に何度も確認したり、上司に相談したりすることも考え、余裕を持って作り始めましょう。
また、日々の業務を行いつつ作成すれば、作業の細かい点まで認識しやすく、記入漏れを防止できます。引継ぎ直前にいっぺんに思い出そうとするよりも、効率が良いため、業務交代が決まったらすぐに作り始めるのがおすすめです。
業務引継書は、どのような段階を踏んで作れば良いのでしょうか。計画的に行うため、大まかな流れを確認しておきましょう。
まずは、業務引継書作成の計画を立てます。いつ何を行うのか、いつまでに完成させるのかなど、具体的な日にちを決めておくことで、計画的に作成できます。反対に、計画を立てないと「ギリギリまで完成しない」「引継日に間に合わない」といったことになりかねないので、スケジューリングは非常に大切です。
そして、作成のための準備も欠かせません。業務の流れや内容、注意点など、記載する情報を集めて整理しておくことで、スムーズに作ることができます。
この業務の洗い出しと整理は、特に時間がかかる作業です。かといって、雑にしてしまうと記入漏れやミスが起きてしまうため、早めに取り掛かる必要があります。
もしも引継ぎを行う日までに猶予があるのであれば、2〜3ヶ月前までに準備を終わらせておくと安心です。時間がない場合でも、せめて1ヶ月前までに準備を済ませておくと良いでしょう。
準備ができたら、次に作成段階に移ります。業務引継書のボリュームにもよりますが、作成もなかなかに時間がかかる作業です。記入している途中で、内容を変更することも考えられるので、余裕を持って開始しましょう。
そして、完成後は必ず確認作業を行います。書き間違いがないか、書き漏れがないか、ダブりがないか、見やすいかなど細かくチェックすることで、正確な業務引継書へと仕上がるのです。
のちに詳しく解説しますが、自分のみではなく第三者にも確認してもらうことで、記入ミスが見つかりやすくなります。アドバイスをもらって、さらに良い引継書へと改善できる可能性も考えられるでしょう。
確認後、改善すべき点が見つかった場合は、もちろん書き直す必要があります。そのための時間も考慮すると、少なくとも1ヶ月間、できれば2〜3ヶ月ほどの作業期間を設けるのが良いと言えます。
引継書が完成したら、いよいよ引継ぎを行います。これは自分だけでなく、企業や後任者の都合に合わせて日程を決めますが、退職・異動日の3営業日前までに終わらせるのが一般的です。
引継ぎを行う期間も、相手と自分、会社のスケジュールに合わせて決めます。引継ぎ中に後任者が質問したり、相談したりすることも考え、ある程度の日数を設けておくと安心です。しかし、あまり長すぎると、通常業務に支障をきたす恐れがあるので、注意が必要。後任者や上司とよく相談し、慎重に決めましょう。
業務引継書作成の大まかなスケジュールをご紹介しましたが、ご紹介した日数はあくまで目安です。もっとスピーディーに行わなければならないときもあれば、もっと時間がかかるときもあります。自分と相手、そして会社にとって適切な計画を立てましょう。
業務引継書は、ただ作れば良いというものではありません。では、活用しやすく効果的な引継書を作るためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
引継書を作る際の重要なポイント・注意点は、主に以下の3つです。詳しく見ていきましょう。
MECE(ミーシー)とは、「Mutually(お互いに)Exclusive(重複がない) and Collectively(全体に)Exhaustive(漏れがない)」の略で、「漏れなくダブりなく」という意味です。問題点の洗い出しや、情報の収集・生理・分析において、重要な考え方であり、ロジカルシンキングのベースになっている考え方です。(参考情報:株式会社アンド著 『思考法図鑑』 株式会社翔泳社)
業務引継書を作る際は、このMECEを意識することが大切です。まず、後任者が業務を引き継ぐ上で必要な情報を、漏れなく記入します。記載漏れがあると、作業を進めることができない、ミスが起きるなど、トラブル発生の原因となるので注意が必要です。
そして、記載する内容にダブりがないか確認します。ダブりがあると複雑になり、読み手が混乱してしまうからです。また、情報量が多すぎて、読むのに時間がかかってしまうデメリットも考えられます。漏れなく記載することも大切ですが、ダブりがないように整理して記載することも同じく大切なのです。
MECEを意識して引継書を作成するためには、準備段階で細かく、丁寧に業務の棚卸を行うことが重要。後任者が業務で困らないよう、1つ1つの作業を思い返し書き出します。日々の業務を行いながらメモを取っておくと、より詳細まで鮮明に思い出すことができるでしょう。
業務を洗い出した後は、ダブりがないか確認します。同じような内容はまとめる、無駄な部分を排除するなど、わかりやすさを意識して整理すると良いでしょう。
業務引継書は、自分にとって理解できる内容でも、相手が理解できなければ意味がありません。年齢や経験、持っているスキルに関係なく、誰が見てもわかりやすいように作ることが大切です。
例えば専門用語は、読み手が内容を理解できなくなってしまうため、避けなければなりません。わかりやすい言葉に置き換えるか、注釈を入れると良いでしょう。
また、長々と書くと複雑化するため注意が必要ですが、省略しすぎてもわかりにくくなってしまいます。後任者にはその業務に関する知識やノウハウがないことを踏まえて、作成しましょう。
「きっとわかるだろう」ではなく、読む人の立場に立ち「困るかもしれない」「わからないかもしれない」という考え方を持つことが大切です。
ほとんどの業務は1つで完結していません。多くの場合、他の業務と連携しながら行うものです。
業務の位置付けがわかる引継書を作成すると、より親切です。どのようなタイミングで行うのか、どのようなやりとりで進めるのか、どの部署・業務と関わりがあるのかなどを載せることで、後任者は業務の全体像を把握しやすくなります。イレギュラー発生時でも、臨機応変に行動できるでしょう。
例えば、アパレルの商品管理業務は、「本部から納品情報を受け取り、倉庫から発送された商品を店舗で整理する」という流れで行います。このような、他部署や他業務との関わり方を記すことで、後任者は連携を取りながらスムーズに業務を行うことができます。
また優先度の記載も、わかりやすい引継書における重要なポイントです。優先度は、以下のように決めることができます。上から順に、優先度が高い業務です。
例えばアパレル店長は、接客、売上管理、商品管理、スタッフ指導などの業務を行います。接客やスタッフ指導などの業務は、副店長や他のスタッフでも行うことができるため、重要度が比較的低いと考えられます。一方、売上げ管理や商品管理は、店長に任されている最も重要な仕事です。よって、売上げ管理、商品管理、スタッフ指導、接客と優先順位をつけ、引継書に記載するのが良いと言えるでしょう。
他部署・他業務との連携は、先にご紹介した代表的な項目の中にある「業務の流れ」で表すことができます。もしも引継書に書くスペースがない場合は、「〇〇から××を受け取ったら△△する」と記載するだけでもわかりやすくなるでしょう。優先度は、番号を振ったり、優先度の高い業務から順に書いていったりすることで表現できます。
業務引継書は、以下のような手順で行うとスムーズです。伝わりやすくするためのポイントも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
はじめに計画を立てます。いつ開始するのか、いつまでにどの段階までを終えるのか、いつ完成させるのか、具体的な日にちを決めましょう。
日々の業務に追われると、ついつい引継書の作成を先延ばしにしてしまいがち。「そのうちやらなくては」と思っていたら、気付けば引継ぎの日が迫っていた、ということになりかねません。そのため、スケジュールを立てて期限を設けることが大切です。そして、急用などで遅れてしまった場合はすぐに調整し、スケジュールを立て直しましょう。
業務引継書に記載する内容を決めるため、業務の棚卸を行います。なかでも、業務の流れや注意点、イレギュラーへの対処法などは、記入漏れがあるとトラブルの原因となるので、詳細までメモしておきましょう。
この時点で、周りの人に相談するのがおすすめ。自分だけでは、抜けている部分を発見できないからです。経験者など、業務について知識がある人に一度渡し、抜けがないか確認してもらいましょう。
業務の内容によっては、情報量が膨大になることもあります。その際、引継書に全て載せるとわかりにくくなってしまうでしょう。
そのため、ここでどの情報を載せるべきか、どの情報を省くべきか判断し、整理します。例えば、社員全員が共通で行う業務は、会社の研修などで習うので、わざわざ引継書に記載する必要はありません。そのような項目は省いて良いでしょう。
また、作業の細かい手順はマニュアルに記載するなど、文書を分けるのもひとつの手です。MECEを意識し、記入する範囲を決定しましょう。
そして、迷ったときは業務引継書を作成した経験のある上司や、先輩に相談します。どのような内容にまとめれば良いか、書式はどうすれば良いかなどアドバイスをもらいましょう。
内容が決まったら、いよいよ作成です。わかりやすい業務引継書を作成するには、”見やすさ”を重視する必要があります。
例えば、フォントは初めから終わりまで統一するのが基本です。数種類のフォントを使ってしまうと、読む人が混乱してしまい、理解しにくくなってしまいます。重要なことを正確に伝えるため、同じフォントを使うようにしましょう。
また、引継書に記載する情報量が多く見づらい場合は、箇条書きにする、表を使うなどの工夫も必要です。後ほどテンプレートをご紹介しますので、書き方に迷ったときはぜひ活用してください。
完成したらすぐに後任者に渡すのではなく、ここで必ず相談・確認を行います。上司や先輩、同僚に聞き、「見やすいかどうか」「わかりやすいかどうか」「漏れやダブりがないか」を確認してもらいましょう。上司からの承認が必要という決まりがなくとも、確認してもらった方が着実です。
また、できるだけ多くの人に見てもらうのがポイント。色々な人から意見をもらうことで、より誰が見てもわかりやすい業務引継書へと仕上げることができるからです。後任者が新人の場合は、同じく新人に見てもらい、アドバイスをもらうのも良いでしょう。
隅々まで確認し、問題がなければ完成です。印刷し、引継ぎに備えましょう。引継ぎまでに時間がある場合は、引継書を照らし合わせながら日々の業務を行い、改善すべき点がないか探しましょう(参考書籍:「堤直規(2017)『公務員の「異動」の教科書』学陽書房」)
ノウハウを記載した文書や、業務リスト、ワークフローチャートなどを引継書と一緒に渡すと、より喜ばれます。
自分が率先して行なっていたことや工夫していたこと、つまりノウハウを伝えると、後任者は注意すべきことや意識すべきことを把握できます。より早く業務に慣れることができるでしょう。特に成功談・失敗談は、前任者しかわからない貴重な情報です。「会社で定められているわけではないが、取り組むと良いこと」を伝えるため、ノウハウをまとめて渡してあげましょう。
前任者が行なっていた業務を全て洗い出し、リスト化した「業務リスト」は、後任者が業務の全体像を把握するのに便利。引継書に業務の全てを記載してしまうと、情報量が多すぎてわかりにくくなるため、このように別紙で渡すのがおすすめです。
また、業務の流れを記した「ワークフローチャート」は、業務の進捗をチェックするのに役立ちます。未完了の業務は引継書に記載して伝えることができますが、その業務をどのように進行すれば良いかわかりにくい場合もあるでしょう。その際、業務の流れを詳しく記したワークフローチャートを渡せば、後任者はよりスムーズに取り組むことができます。
ワークフローチャートについては、以下の記事にて解説しています。無料で使えるテンプレートもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
【2023年8月更新】フローチャートとは?書き方のポイント5つや作成手順などについて、わかりやすく解説!(無料テンプレート付き)
業務マニュアルも、引継書と一緒に渡すと喜ばれるもののひとつ。作業手順を記した文書のことで、業務効率の改善や、生産性アップを目的として活用されるツールです。
マニュアルも引継書と一緒に渡すと、後任者は効率の良い作業の進め方や、意識すべきポイントを事前に知ることができます。引継書や口頭では説明しきれなかった細かい部分まで伝えられ、業務の成果・質の向上へと繋がるでしょう。
また、業務マニュアルは、引継後の確認用としても役立ちます。万が一、作業に関することを忘れてしまっても、マニュアルで確認するだけで済み、聞き直したり教え直したりする必要がありません。お互いの手間も省けて非常に便利です。
今回は「引継書と一緒に渡すと喜ばれるもの」として、ノウハウを書き記したもの、業務リスト、ワークフローチャート、業務マニュアルを挙げましたが、これらはあくまで例です。その他にも、何か役立ちそうな物を思いついたときは、ぜひ作成し渡してあげましょう。
ちなみに、業務マニュアルの作り方については、下記の記事で詳しくご紹介しています。興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
業務マニュアルとは?作成するメリット、目的や効果、おすすめツールなどをわかりやすくご紹介!(無料テンプレート付き)
引き継ぎ書のテンプレートを以下にご用意しております。業務の洗い出しに使えるチェックリスト形式の引き継ぎ書(エクセル形式)と詳細な引き継ぎ内容の共有に使えるマニュアルテンプレート(パワーポイント形式)の2つをセットにしたお役立ちコンテンツです。ぜひ業務引き継ぎの際にご活用ください。
どんなにわかりやすい業務引継書でも、後任者が内容の全てを理解できるとは限りません。引継書を渡すだけでなく、業務について丁寧に説明することも大切です。
特に、データの場所や、部屋の場所、備品の取り扱いなどのような覚えにくいことは、実際に目で確認してもらうことで、より記憶に残りやすくなります。その際、わからないところはないか確認し、相談に乗ることで、後任者はさらに安心するはずです。
業務引継書と口頭での説明をうまく活用し、スムーズな引継ぎを実現しましょう。