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接遇における目標設定の重要性とは?マナー5原則ごとの例文もご紹介!

ノウハウ ナレッジ
2021.12.16
松木 謙介

飲食やアパレル、美容、販売などの接客業は、お客さまと直接コミュニケーションを取り、サービスや商品を提供する仕事。接客の良し悪しが売上げに影響するため、多くの企業が従業員の接客力向上に注力しています。

個人および組織全体の接客力や接遇を底上げしていくには、「何をどこまでできるようになるか」や「お客様にどのような体験をしていただくか」という大きな目標設定とそれぞれのオペレーションにおける個別の目標設定を行うことが鍵になります。

しかし「なぜ目標を設定しなくてはならないのか?」と改めて聞かれてもよくわからない、いざ目標を立てようとしても、どうすれば良いかわからず戸惑うという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、接遇における目標設定とはどのようなものなのか、なぜ重要なのかについて解説します。「接遇」についての解説もあるので、わからない人もご安心ください。また、目標の立て方や具体的な例文もご紹介します。接遇を教育する立場にいる方、自分の接客を見直し改善したい方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

 

接遇とは?

先に触れていた「接遇」という言葉。「接客」はよく耳にするものの、「接遇」については知らない、という人も多いのではないでしょうか。

2つの単語の違いを知るため、それぞれの意味を辞書で調べてみましょう。

まず、「接遇」を辞書で調べてみると、以下のように記されています。

もてなすこと。接待。応対。

「引用:『精選版 日本国語大辞典』小学館」

接客業での「接遇」とは、お客さまをもてなすこと、応対することを意味します。

一方、「接客」は辞書で以下のように記されています。

客に接すること。客をもてなすこと。

「引用:『精選版 日本国語大辞典』小学館」

辞書では、どちらも「お客さまをもてなすこと」を意味する言葉であると記されています。しかし実際は、2つの言葉はそれぞれ、少し違うニュアンスで使われることが多いようです。

『ゼロから教えて接客・接遇』という書籍の中で、著者の戸田久実氏は以下のように述べています。

 

接遇:相手(お客さま)を理解し、適切に迎える応対

 相手を「もてなす」「思いやる気持ちをもって応対する」という意味合いが強い

「引用:戸田久実著(2012)『ゼロから教えて接客・接遇』かんき出版」

「接客」も「接遇」も、お客さまをもてなすことに変わりないのですが、「接遇」には「お客さまのことを理解すること」「思いやりをもって接すること」がより強く求められます。つまり「接遇」は、よりハイレベルな接客のことである、と言えるでしょう。

お客さまを不快にさせない、最低限の応対ができていれば問題ない、という職種もあります。しかしアパレルや飲食、介護などは、接客の良し悪しが、売上や企業のイメージに大きく関わる業種。そのためこれら接客業は、「接客」ではなく「接遇」を行うことが重要なのです。

 

接遇に目標設定が大切な理由

それではいよいよ本題です。接客を向上させるためには目標設定が必要、と先に述べましたが、一体何故なのでしょうか。

その理由は主に以下の3つ。

  • 組織全体の接遇を向上、維持させるため
  • 臨機応変に対応できる接遇を行うため
  • 従業員のモチベーションを保つため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

理由1:組織全体の接客力を向上、維持するため

組織に所属している人たちは、年齢もスキルも経歴もバラバラ。そのため、接客の質もばらつきがちです。

しかし、お客さまにとっては皆等しく「従業員」。Aさんの接客は良いのに、Bさんの接客が悪い、というようなことがあってはなりません。誰か一人でも不適切な接客をしてしまうと、会社やブランド全体の印象が悪くなってしまうからです。

そうならないためには、組織全体で目指すべき接遇の姿、つまり接遇の目標を立てる必要があります。”理想の接遇とは何か”を共有することにより、能力や経験に関係なく、従業員全員で同じ方向に向かってスキルアップできるのです。

また接客は、お客さまに「心地よい」と思ってもらうことが重要。従業員が「十分丁寧で適切な接客・接遇ができている。」と思っていても、お客さまにご満足いただけていないのであれば、それは不十分な接遇です。

しかし目標がないと、接遇としてふさわしいかの判断が、個人の感覚に委ねられてしまいます。そこで接遇の目標を設定し、お客さま目線での基準を、従業員全員に周知する必要があるのです。

 

理由2:臨機応変に対応できる接客を行うため

店舗や施設に来店、来場されるお客さまは十人十色。「心地よい」と感じてもらえる接遇は、お客さま一人一人、時と場合によって違います。

しかし接遇の目標がないと、マニュアル通りの接客しかできません。お客さまに満足してもらえるようにと作られたマニュアルであっても、場合によっては不十分、もしくは不適切なことがあります。かえってお客さまを不快にさせてしまい、クレームに発展するケースも少なくありません。

接遇の目標があれば、そういった不測の事態が起きたときでも、従業員は臨機応変に対応することができます。マニュアルにない応対であっても、目標に沿った行動であれば、お客さまに満足してもらえる可能性が高まるでしょう。

接遇には「こうすれば良い」という正解はなく、お客さまのことを理解して適切に行動することが大切。その場での最適解を見つけるために、指標となる目標を設定しておくことが必要なのです。

 

理由3:従業員のモチベーションを保つため

接客の質は、簡単に上げられるものではありません。ただ漠然と「お客さまに満足してもらえる接客をしよう」と促したり、「〇〇に気をつけましょう」と注意したりするだけではなかなか改善できず、ずっと意識し続けるのも難しいでしょう。

目標を設定すれば、どこへ向かって取り組めば良いのか、どのような点を意識すれば良いのかが明確になります。目標達成のための対策や、改善点も把握でき、接客力向上へのモチベーションを保ちやすくなるのです。目標に近づいていると実感できれば、さらにやる気がアップするはず。

接客に対する従業員のモチベーションは、人によって差があるもの。「ある程度の接客ができていればOK」とする従業員が組織に存在する場合もあります。

そのような従業員にも向上心を持たせるため、および意識し続けるよう指導するために、目標設定が欠かせません。特に多くの人員を抱える組織では、必要不可欠でしょう。

 

 

目標設定は接遇マナー5原則ごとに立てる

接遇マナー5原則

接客力を向上させるため、そして維持するためには目標設定が必要。しかし、ただ闇雲に行ってもあまり効果がありません。

具体的な目標を立てることが大切なのですが、その際「接遇マナー5原則」を目安とすると良いでしょう。

「接遇マナー5原則」とは、お客さまの満足度を高めるため、不快感を与えないために守るべき、5つの接客マナーのこと。具体的には、以下の5つの項目を指します。

 

<接遇マナー5原則>

  1. あいさつ
  2. 身だしなみ
  3. 言葉遣い
  4. 表情
  5. 態度

 

「接遇マナー5原則」において注目すべきポイントは、”どれかひとつでも良くないと、「接客が悪い」と見なされる可能性がある”ということ。

例えば「身だしなみ」や「あいさつ」がきちんとしていても、「言葉遣い」が悪ければ、接客の印象は良くないでしょう。また、正しく適切な「言葉遣い」ができていても、笑顔がなければ「冷たい対応をされた」と思われかねません。

よって「接遇」を行うためには、これら5つのマナー全てを身につけ、向上させることが重要。そして、きちんと実行できているかどうか、改善すべき点はないか確認するためには、「接遇マナー5原則」ごとに目標を立てる必要があります。

目標設定が必要なのは、個人も組織も同じ。個人に必要な目標、会社・部署に必要な目標を「接遇マナー5原則」ごとに立てます。

ただし、個人の目標は、所属している組織の目標を元に設定するのがおすすめ。「個人の目標をそれぞれ達成することで、結果的にチームの目標も達成される」という仕組みを作れば、組織全体の接客力を効率よく上げられるでしょう。

では具体的に、どのような目標を設定すれば良いのでしょうか。次に詳しく見ていきましょう。なお、「接遇マナー5原則」について詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

 

■参考記事はこちら

接遇とは?接客との違いや5原則などを業種別事例からわかりやすく紹介!

 

 

接遇マナー5原則と目標の例文

それでは、「接遇マナー5原則」それぞれの解説、および目標の立て方を紹介していきます。続けて、接遇目標の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.「あいさつ」の目標と例文

気持ち良い「あいさつ」ができている店、企業、従業員には、お客さまは良い印象を抱くもの。反対に、商品やサービスの質、接客の質が高くても、あいさつができていなければ、悪いイメージがついてしまうでしょう。

接遇では、適切な声量、声のトーンであいさつができていること、そしてアイコンタクトを取りながらあいさつができていることが求められます。あいさつの目標を立てる際は、これらを意識できるような内容にすると良いでしょう。

 

<例文>

  • 『お客さまの来店時、アイコンタクトをとって「いらっしゃいませ」とあいさつする』
  • 『お客さまの退店時、必ずお客さまの方を見て「ありがとうございました」とあいさつする』
  • 『お客さまとの距離に合わせて、適切な声量であいさつをする』
  • 『ラブレターを届けるようなあいさつを心がける』

 

「あいさつ」の目標は、できるだけ具体的に設定することが重要。漠然としていると、目標達成の判断が個人の感覚に委ねられてしまいます。お客さま目線で「できている」状態にするため、目標は細かく設定しましょう。

また、接遇において最も大切な”おもてなしの心”を意識するには、比喩表現を用いて目標を設定する方法もあります。上記にある「ラブレターを届けるような」と表現することで、お客さまに向ける気持ちをイメージしやすくなり、実際に取り組むときに役立ちます。

ただし、できているかどうかの判断が曖昧になりがちなので、使い所には注意しましょう。

 

2.「身だしなみ」の目標と例文

接客の良し悪しが利益に影響を及ぼす接客業では、従業員の第一印象が何よりも大切。そして、第一印象を決める重要な要素は「身だしなみ」です。

『「ありがとうと言われる」と言われる接客・販売の教科書』という書籍において、著者の川崎真衣氏は以下のように述べています。

 

人は何かを判断する材料として、約8割を視覚情報に頼っていると言われます。

「引用:川崎真衣(2015)『「ありがとう」と言われる接客・販売の教科書』株式会社あさ出版」

つまり、身だしなみが整っていれば、お客さまは「この従業員はきちんとしている」と思うでしょう。反対に身だしなみがだらしないと、「きっと接客もだらしないだろう」と判断されてしまいます。そのため接遇では、好印象を与える身だしなみを心がけることが大切です。

接遇に求められる身だしなみは、清潔感があること、派手すぎず好印象であることがポイント。目標を立てる際は、その点を意識して目指すべき姿を指し示すと良いでしょう

ただし、アパレルや美容系など、従業員の身だしなみでブランドイメージを演出する職業では、落ち着いた雰囲気の服装・ヘアメイクでは不適切なことも。その場合は臨機応変に、ブランドが目指す身だしなみを目標とすると良いでしょう。

 

<例文>

  • 『靴・制服・髪・爪が常に清潔な状態を保つ』
  • 『店頭に出る前・休憩後に必ず鏡を見て、身だしなみを整える』
  • 『トレンドを取り入れた服装、ヘアメイクで店頭に立つ』
  • 『就業開始時に身だしなみチェックシートを確認し、全ての項目で合格する』

 

「あいさつ」の目標と同様、どのような状態の身だしなみが理想的なのか、可能な限り具体的に提示するのがコツです。

どうしても漠然としてしまう場合は、”身だしなみチェックシート”などのようなツールを利用し、その合格点を目標とするのもおすすめです。実行できているかどうかが明確になるので、ぜひ試してみましょう。

 

3.「言葉遣い」の目標と例文

接客する際は、どのようなお客さまが相手であっても、敬語を使うのが基本。とはいえ、無意識に間違った言葉遣いをしている場合もあります。

言葉遣いを正すには、第三者が指摘する方法もありますが、いちいち注意するのが難しいことも。教育者が常に付き添い、一語一句聞き取って確認するわけにもいきません。

そのため、どのような言葉遣いをすべきなのか、事前に目標を提示しておく必要があるのです。そうすることにより、従業員個人で正しい言葉遣いを意識することができます。組織単位で言葉遣いを正すことも、可能になるでしょう。

接遇では、「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種類の敬語を適切に使い分けることが、求められるスキル。また、お客さまに威圧感・不快感を与えないため、「クッション言葉」を使いこなすことも大切です。

これらを踏まえた上で、「言葉遣い」の目標を立てると良いでしょう。

 

<例文>

  • 『丁寧語・尊敬語・謙譲語の使い分けを理解し、正しい言葉遣いで接客する』
  • 『クッション言葉を駆使し、物腰の柔らかい言葉遣いを意識する』
  • 『専門用語を使わず、お客さまにとってわかりやすい言葉で話す』
  • 『1カ月後に、新人スタッフが正しい言葉遣いで接客できるようになる』

 

どのような言葉遣いがふさわしいのか、どのような言葉遣いが不適切なのかを、目標に組み込むのがポイント。意識すべきことが具体的になり、行動に移しやすくなります。

また言葉遣いは、一度癖になるとなかなか直せません。早く正しい言葉遣いを身につけるため、期限を設けて目標を立てるのも良いでしょう。

 

4.「表情」の目標と例文

接客業では、明るい笑顔で接客することが基本です。どのような笑顔であれば合格なのかを明確にし、目標にすると良いでしょう。

また、お客さまの気持ちに寄り添って表情を変化させることも、接遇に必要なスキルです。

例えば、お客さまを出迎えるときや感謝を伝えるときは、笑顔が適切。ですが、真剣な話をするときや謝罪するときは、笑顔は不適切です。お客さまが「バカにされている」「気持ちを無視されている」と感じてしまう恐れがあります。

そのため、笑顔を意識する目標に加えて、TPOに合わせて表情を変化させることも、接遇の目標として掲げると良いでしょう。

 

<例文>

  • 『お客さまの気持ちに合わせて、表情を変えて接客する』
  • 『常にお客さまから見られていることを意識し、待機中の表情に気を配る』
  • 『疲れや余裕のなさが、表情に出ないよう注意する』
  • 『口角が上がっている・目尻が下がっている・アイコンタクトが取れている笑顔をマスターする』

 

魅力的な笑顔で接客するためには、魅力的な笑顔とは何か理解できていること、そして表情を作れることが前提。接客時の表情を改善するための第一ステップとして、まず笑顔の作り方をマスターすることを、目標としてみるのも良いでしょう。特に、初めて接客業に就く新人スタッフへの目標におすすめなので、ぜひ参考にしてください。

 

5.「態度」の目標と例文

丁寧な言葉遣い、感じの良い笑顔で接客できていたとしても、「態度」が悪ければ台無し。接客へのイメージが一気にダウンし、店・ブランド・会社の印象も悪くなってしまうでしょう。

接客における態度とは、主に”所作”や”立ち居振る舞い”のこと。

立ち方や歩き方、物の受け渡しなどの動作が雑だと、お客さまは「雑に対応されている」と感じてしまいます。反対に、丁寧な所作で応対すれば、従業員への印象が良くなるのはもちろん、商品やサービスへの信頼度も高まるものです。

また、接客をしているときだけでなく、待機中もお客さまは従業員の態度をよく見ています。目標を立てる際は、接客時以外の態度にも触れておくと良いでしょう。

 

<例文>

  • 『接客待機中もお客さまに見られていることを意識し、正しい姿勢で立つ
  • 『商品や荷物の受け渡し時、ゆっくりとした動作で行う』
  • 『席にご案内する際、お客様のペースに合わせて歩く』
  • 『”ながら接客”をしない』

 

そのほか「壁にもたれかからない」「だらだらと歩かない」など、接遇で注意すべき立ち居振る舞いは多々あります。下記の参考記事で詳しく解説していますので、どのような目標を設定するか迷ってしまったときは、ぜひ参考にしてみてください。

 

■参考記事

接遇とは?接客との違いや5原則などを業種別事例からわかりやすく紹介!

 

+α:「話の聞き方」の目標と例文

接客業では、お客さまの悩みを聞くときや、情報を聞き出すときなど、お客さまの話を聞く機会が頻繁にあります。そのため、「話の聞き方」も接遇において重視すべき要素です。話を聞く態度が悪ければ、お客さまは話す気をなくしてしまい、接遇に必要な情報を聞き出せなくなってしまうでしょう。「もう接客して欲しくない」と退店されたり、クレームに発展したりする恐れもあります。

「接遇マナー5原則」の目標に加えて、「話の聞き方」に関する目標も設定しておくのことをおすすめします。個人、および組織の接客力をより高めたい場合は、ぜひ取り入れてみましょう。

お客さまが話しやすい環境を作ること、お客さまの気持ちに寄り添って反応することが、接遇の「話の聞き方」において大切です。以上を踏まえて、目標の例文を見ていきましょう。

 

<例文>

  • 『適度に相槌を打ち、お客さまの目を見てきちんと話を聞く』
  • 『お客さまの話を聞くとき、気持ちに寄り添って表情を変え、共感を示す』
  • 『お客さまの話を繰り返し、理解していることを示す』
  • 『お客さまが心地よく話せるよう、適度に質問し、話を深掘りする』

 

「接遇マナー5原則」は、お客さまの話を聞く上でも重視すべきことです。そのため「話の聞き方」の目標を設定する際は、「接遇マナー5原則」の要素を絡めると良いでしょう。

また「話の聞き方」は、できているか否かを把握しにくい項目。適切な応対ができているか確認するためには、次にご紹介する”チェックリスト”を活用するのがおすすめです。

 

(参考書籍:「鈴木比砂江(2017)『販売員の教科書【1THEME×1MINUTE お店シリーズ】』すばる舎」)

 

目標設定後はチェックリストで確認する

目標を設定さえすれば、接客を改善できるというわけではありません。行動に移し、きちんと実行できているか定期的に確認する必要があります。

なぜチェックすることが大切なのでしょうか。ここからは、目標設定後に確認することの重要性について解説します。

 

重要性

接遇の目標設定後にチェックが必要な理由は、主に以下の3つ。

  1. マンネリ化を防止し、目標を再認識するため
  2. モチベーションを保つため
  3. 自己評価ではなく、客観的に見て達成できているか確認するため

 

まず1つ目の理由は、”マンネリ化の防止”

接遇の目標を決めた直後は、誰しも意識して行動するものです。少しでも目標に近づくようにと、細部まで注意を払って接客できるでしょう。

しかし、毎日繰り返し応対していると、次第に意識が薄れてしまいます。日々の常務にとらわれ、目標を忘れてしまうことも。そのようなマンネリ化を防ぎ、再度意識することを強化するため、定期的に行動をチェックする必要があるのです。

 

2つ目の理由としては、”モチベーション維持”が挙げられます。

目標に近づいていると実感できると、モチベーションが上がるもの。チェックリストを見て達成できた項目が増えると、従業員は自分の成長を実感できます。「もっと達成できるように頑張ろう」「次のレベルへステップアップしよう」と、やる気がアップするでしょう。

 

3つ目の理由として挙げられるのは、”客観視するため”です。

接客は、お客さまが心地よいと感じることがゴール。従業員自身が「良い応対をしている」と思っていても、お客さまが不快と感じてしまったら、それは適切な接遇とは言えません。

お客さま目線で良い接客をするためには、客観視が必要です。とはいえ、自分で接客を客観的に評価するのは難しいので、チェックリストの利用が有効と言えるでしょう。

また、第三者が接客を評価する場合も、その人自身の価値観で判断してしまいがち。人によって評価が変わらないよう、チェックリストを使って公平に判断する必要があるのです。

 

作成方法の例

具体的にどのようなチェックリストを作成すれば良いのかわからない、という人のために1つ例をご紹介します。

接遇目標チェックリスト

 

チェックリスト作成のポイントは、主に3つ。

  1. チェック項目は出来るだけ具体的に
  2. 変化を把握できるよう日付を記載
  3. 目標を必ず記載する

 

判断基準にブレが生じることのないよう、チェック項目は可能な限り、具体的に記載するのがコツ。どのような行動・状態であれば合格なのかが明確であれば、改善点も把握しやすくなります。より着実に目標を達成するため、何をどのようにすべきなのか、詳しく記載しましょう。

また、チェックする日付を記入することで、前回と比べて改善されたのか、それとも変わりないのかが明確になります。接客が向上していると実感しやすく、モチベーションに繋がるため、日付の記載もおすすめです。

 

そして、目標を記載しておくことが、接遇のチェックリスト作成において最も大切。目標の記載がないと、何のために行なっているのか、途中でわからなくなってしまうことがあります。すると、チェックリストの項目をクリアすることがゴールになり、「お客さまをもてなすためのスキルを上げる」という、本来の目的を見失ってしまうのです。

基本的なことではありますが、チェックリストを作成する際は、目立つように目標を記載するようにしましょう。

例として今回ご紹介しましたが、これが正解ではありません。目指す目標や、個人・企業の状況に合わせて、最適なチェックリストを作成することが大切です。

(参考書籍:「鈴木比砂江(2017)『販売員の教科書【1THEME×1MINUTE お店シリーズ】』すばる舎」)

 

まとめ

目標を決めて実行することで、効率よく接客力を上げることはできますが、即座に全てを完璧にするのは不可能。特に組織単位で取り組む場合、従業員全員の接客スキルをアップするのは簡単ではありません。

地道ではありますが、何度もトライアンドエラーを繰り返すが大切です。改善方法だけでなく、目標設定自体が適していない可能性もあるので、うまくいかないときは目標も見直してみましょう。

そして、何のために接客を改善したいのか、どうすればお客さまに喜んでもらえるのかを思い返し、会社にとって、そして個人にとって最適な接遇の目標を立てましょう。どうしても迷ってしまったときは、今回ご紹介した例文もぜひ参考にしてみてくださいね。

著者
松木 謙介
2017年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。大手飲食チェーン店のマニュアルデジタル化プロジェクトに携わり、2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」の立ち上げ、現在までプロダクト開発に携わる。「研修をもっとラクラクに」できるよう、試行錯誤を続ける日々。趣味はサッカー観戦、ゲーム、読書、他多数。

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