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ミレニアル世代とは?語源や特徴やZ世代との違いについて、わかりやすく解説!

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2022.10.20
『shouin+ブログ』マーケティング担当

マーケティングや採用、人材育成など、ビジネスではターゲットを世代別で分けて対策を練るのはよくあること。その際「X世代」「Y世代」「Z世代」というような言葉を耳にします。

今回は、そのうちのひとつである「ミレニアル世代」について解説します。その世代の特徴や、Z世代をはじめとする他世代との違い、育成における注意点など幅広く解説しますので、ミレニアル世代との関わり方に悩んでいる方、教育にお悩みの方はぜひお役立てください。

 

ミレニアル世代とは?

「ミレニアム世代」とはどのような世代を指すのでしょうか? まずは基本的な言葉の意味や定義、他世代との違いから見ていきましょう。

言葉の語源と定義

ミレニアル世代とは、1980年〜1995年前後に生まれた世代のこと。2000年以降に社会人になった世代、もしくは成人を迎えた世代を指します。

語源は、英語の「millennial(ミレニアル)」です。ミレニアルを辞書で調べてみると、以下のように記載されています。

千(年)の;至福千年の

引用:「プログレッシブ英和中辞典」小学館

西暦を千年ごとに数えた場合の2回目に該当する”ミレニアル”、つまり「2000年」を基準とし、その頃成人した世代を「ミレニアル世代」と名付けたのがはじまりと言われています。

同じく1980〜1995年前後に生まれた世代を「Y世代」と呼ぶ場合もあります。こちらは、後にご紹介する”「Z世代」の次の世代”という意味合いです。

ニュアンスに違いがあるだけでどちらも同じ世代を指すため、ミレニアル世代とY世代は呼び方が違うだけ、と捉えて問題ありません。

 

Z世代などの他世代との違い

「Y世代」はミレニアル世代とほぼ同意義と解説しましたが、そのほかの世代とは生まれた時期が違います。

「X世代」は1965~1980年前後に生まれた世代のこと。「Z世代」は1995~2012年前後に生まれた世代を指します。ミレニアル世代は、X世代とZ世代の中間にあたる世代なのです。

それぞれの世代は育ってきた環境が異なるため、価値観や物事の考え方にも違いがあります。その差に、特に影響を及ぼしていると言われているのが、デジタル文化の発展です。

主な情報通信機器の普及状況(世帯)第2部 情報通信の現況と政策動向のグラフ

引用:「主な情報通信機器の普及状況(世帯)第2部 情報通信の現況と政策動向」総務省

 

総務省の調査結果によると、コンピューターの保有率は1999年度でわずか37.7%。まだまだパソコンを所持していない家庭が多い時代です。2000年になると50%を超えましたが、その頃X世代は20歳を過ぎています。

対するミレニアル世代は、2000年当時5~20歳。早い人は、幼少期からコンピューターのある家庭で生活してきたことになります。そして高校生や社会人になるころには、スマートフォンやタブレット機器も誕生。X世代よりも、デジタル文化に触れている時期が長い世代なのです。

一方、Z世代の幼少期である2005年頃には、コンピューターの保有率が80.5%にまで上昇しました。スマートフォンが登場した2010年は小中学生、幼稚園生と若く、まだ生まれていない世代もいるほどです。よってZ世代は、ミレニアル世代よりもさらにテクノロジーが発展した環境で育ってきた世代であると言えます。

各世代の比較表

このような時代背景からX世代は「デジタルイミグラント」、ミレニアル世代は「デジタルネイティブ」と呼ばれています。またZ世代は、スマートフォンの普及に伴い利用者が増えたSNSに、幼い頃から触れてきたという意味で「ソーシャルネイティブ」と呼ばれることが多いです。

またX世代は、アナログ文化からデジタル文化へ、時代の大きな変化を経験してきたため「適応力が高い」と言われています。そしてZ世代は、SNSの文化で育ってきた影響を受けて「多様性を重視する」「クリエイティブへの関心が高い」といった特徴を持つ世代です。

その中間にあたるミレニアル世代は、両方の世代と共通点があります。しかし、X世代よりもデジタルリテラシーの高く、Z世代とはメインで使うSNSの種類も、SNSの使い方も違います。

急速に発展したデジタル技術はこのように、各世代間の考え方・行動・価値観に大きな違いを生み出した重要な出来事なのです。

Z世代の基本や特徴に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

■参考記事

Z世代とは何歳から?特徴やこれまでの世代との違い、効果的な研修方法についてわかりやすく解説!

 

ミレニアル世代が育った時代背景

人々に影響を与えてきたのは、テクノロジーの発展だけではありません。経済環境や情勢の変化なども関わっています。

では、ミレニアル世代はどのような時代を過ごしてきたのでしょうか。「デロイトトーマツ」発行の資料をもとに、主な出来事をいくつかピックアップしていきましょう。

ミレニアル・Z世代年次調査2021

引用:『ミレニアル・Z世代年次調査2021』デロイトトーマツグループ


 

背景1:バブル崩壊など経済環境の悪化

1990年頃に起きた出来事として、「バブル崩壊」が挙げられます。賃金低下やリストラ、雇用口の減少などの不況が約10年続き、多くの人々が長い期間生活に苦しみました。

ミレニアル世代は当時、幼少期および青年期を過ごしていた頃。親がお金に困っている姿を見ながら育ってきたのです。明確な記憶は残っていなくとも、家族が不況に苦しむ姿を目にした経験は、成長後の考え方に少なからず影響を及ぼしていると考えられるでしょう。

 

背景2:同時多発テロ、東日本大震災など大規模な事件・災害発生

ミレニアル世代の幼少期、青年期に起きた事件として有名なのは、米国で発生した同時多発テロです。世界中の誰もが知っている大きな事件で、多くの人々が衝撃を受けました。

そして2011年には、東日本大震災が発生。実際に被害にあった人もいるほど、ミレニアル世代にとって他人事ではない出来事です。

「SNSやインターネットで、たまたまニュースを知った」という人も少なくない今とは違い、家庭で常日頃テレビを観るのが当たり前だった当時。ミレニアル世代を含む多くの人々が、これらの大きな事件・災害を映像でハッキリと目にしおり、今でも鮮明に記憶しているのです。

 

背景3:リーマンショックなどによる就職氷河期

ミレニアル世代は、就職難を経験している世代でもあります。就職氷河期と言えば、バブル崩壊直後に起きたことで有名ですが、2008〜2013年にかけて起きた「第二次就職氷河期」も、多くの人々を苦しめた出来事のひとつです。

第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)

(引用元:「第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)」リクルートワークス研究所)

 

原因は、2008年に発生したリーマンショック。米国の不景気が日本にも影響し、非正社員の雇用が抑制されました。

また、2011年に発生した東日本大震災も、就職難を引き起こした要因と言われています。リクルートワークス研究所」の調査結果を見てもわかるように、災害発生翌年の2012年は、求人倍率が1.23%にまで落ち込むほど就職先が減少しました。

バブル崩壊による不景気に苦しめられた親を持ち、自分自身が成人する頃には就職難に。ミレニアル世代はこのような時代背景から、働くことの厳しさと不安定さを身にしみて感じている世代なのです。

 

背景4:SNS・スマートフォンなどデジタルの発展

スマートフォンやタブレット機器の登場も、ミレニアル世代に影響を与えた出来事のひとつとして挙げられます。先ほどのデータにあるように、幼少期・青年期にはコンピューターが既に普及しており、社会人になってからはスマートフォンやタブレット端末が普及するなど、デジタルの発展を目の当たりにしてきた世代です。

また2007年には「YouTube日本語版」が、2008年には「Twitter」「Facebook」が登場し、2010〜2011年には「Instagram」「LINE」が登場するなど、ミレニアル世代の成長と共にSNSも発展してきました。

Z世代ほどではないですが、ミレニアル世代は比較的若いころからハイテクノロジーとSNSに囲まれた生活を送ってきたため、デジタルに精通している世代と言えるのです。

 

ミレニアル世代の特徴

現在働き盛りであるミレニアル世代は、多くの企業に存在します。ゆえに、ミレニアル世代と関わる機会も多くなるものですが、考え方や価値観がわからず、うまく人間関係を築くことができないとお困りの方もいるでしょう。

そこでここからは、ミレニアル世代の特徴について解説していきます。

ミレニアル世代の特徴

 

特徴1:働き方に柔軟性を求める

「安定した収入が得られる」「やりがいのある仕事ができる」など、仕事に対する価値観は人それぞれですが、ミレニアル世代が主に求めるのは「柔軟な勤務体制」です。

『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」』という論文のなかで、著者の中沢潔氏(以下中沢氏)は以下のように述べています。

厳格な就業時間又は勤務場所に縛られない柔軟な勤務体制は、ミレニアル世代の会社への忠誠心(ロイヤリティ)向上につながる重要な要素の一つであり、新世代の標準的な勤務条件となりつつある

引用:中沢潔(2018)『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」

ー米国における世代(Generations)についてー』JETRO)

つまり、残業時間が短くプライベートの時間を確保できる企業、もしくはテレワークが可能な企業は、ミレニアル世代にとって魅力的と言えます。理由は、経済環境悪化への不安を強く抱いていることが関係していると推測されます。

ミレニアル・Z世代年次調査2021

引用:『ミレニアル・Z世代年次調査2021』デロイトトーマツグループ

 

「デロイトトーマツグループ」が行った調査によると、今後12カ月で経済が悪化すると考えているミレニアル世代は、2021年度で半数を超えています。わずかではありますが、Z世代の51%よりも高い数値です。そして、グローバル調査での結果と比較しても高いことから、多くのミレニアル世代が、経済の未来に対する不安を抱えていることがわかります。

収入が不安定と感じた場合、多くの人は副業を検討し、新たな収入を得ようとするものです。また、より好条件の企業に転職するため、資格やスキルを習得したいと考える人もいます。

しかし残業が多かったり、働く場所が限られたりしてしまうと、それらを実現するのが難しくなるのです。よって、決められた時間で働ける企業、もしくはテレワークが可能な企業を求めるのだと推測できます。

 

特徴2:キャリアアップへの関心が高い

ミレニアル世代には「キャリアアップへの関心が高い」という特徴もあります。同論文にて、中沢氏は以下のように述べています。

米国のミレニアル世代が仕事に応募する上で最も重視する点の一つにスキル学習やキャリアアップの機会が挙げられており、組織内外における豊富な従業員育成プログラムやメンタープログラム、ジョブ・ローテーション(定期的な業務異動)といった従業員の能力開発及びキャリア形成のためのプログラムが充実している

引用:中沢潔(2018)『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」

ー米国における世代(Generations)についてー』JETRO

キャリアアップに興味があると聞くと、野心的な印象を受けますが、ミレニアル世代の場合は保身が理由と考えられます。

一般的に企業では、昇格すると給与額が上がるもの。そして収入の増加は、経済的な安心感を与えます。よって、将来の経済に対する不安が強いミレニアル世代は、キャリアアップのチャンスの有無に関心があると推測できるのです。

 

特徴3:デジタルテクノロジーを用いた情報収集

ミレニアル世代は、インターネットを使って情報収集するのが主流。なかでも、インターネット上にある情報をまとめたサイト「アグリゲーター」を利用する人が多いようです。

デジタルメディア利用実態調査

引用:デジタルメディア利用実態調査 デロイトトーマツ

「デロイトトーマツ」が行った調査によると、ミレニアル世代のアグリゲーターの利用率は22%。X世代と同様、2番目に多く利用されている手法です。

一方、Z世代は主にSNSで情報収集する模様。どちらの世代もインターネット、スマートフォンの扱いに慣れていますが、SNSを利用してきた時期の長さが違うため、情報収集のやり方にも差が出ているようです。

とはいえ「SNSで情報収集する」と回答したミレニアル世代は10%と、他世代と比べてやや高い数値に。ここでも、ミレニアル世代はX世代とZ世代、両方の世代と共通点があるのだとわかります。

 

特徴4:集中力の持続時間が短い

ミレニアル世代を含む若い世代は、集中力が長く続きにくいことで知られています。同論文にて中沢氏は、以下のように述べています。

ミレニアル世代の集中力持続時間は平均12秒であるのに対し、ジェネレーションZでは同8秒と、若年層の集中力が低下傾向にあることは一般的に知られている

(引用元:「中沢潔(2018)『次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」ー米国における世代(Generations)についてー』JETRO」)

Z世代と比較するとやや長いものの、持続時間は非常に短いです。

また、ミレニアル世代は「平均3つの端末画面を、同時に操作・閲覧する傾向がある」というデータもあります。日常生活でのシチュエーションを例にすると、テレビをつけたままインターネットで動画を閲覧し、スマートフォンでSNSをチェックする、といった具合です。

これらの特徴は、ミレニアル世代の人材育成の難しさを表しています。研修を行っても集中力が続かないため、吸収量が少なく、身につくまでに時間がかかってしまうのです。

よって企業と教育担当者は、効率よく知識・スキルを習得してもらえるよう、情報の伝え方や教育手法を工夫する必要があります。

 

ミレニアル世代が好むコミュニケーション

キャリアアップに興味を示し、インターネットで情報を収集するミレニアル世代。集中力が長く続かないと言われる彼らと接し、教育するにはどうすれば良いのでしょうか。

ミレニアル世代が好むコミュニケーションについて見ていきましょう。

ミレニアル世代が好むコミュニケーション

 

1:映像や音声を使ったコミュニケーション手法

ミレニアル世代は、映像や音声で情報を得ることに慣れている世代です。

「デロイトトーマツ」が行った調査によると、「ストリーミングビデオ(有料)」を契約していると答えたミレニアル世代は17%、「ストリーミング音楽(有料)」と答えた割合は13%でした。これらはX世代以上の世代と比べて高い数値で、ミレニアル世代は、日常生活で映像を観たり音楽を聴いたりする習慣がある世代とわかります。

デジタルメディア利用実態調査

引用:『デジタルメディア利用実態調査』デロイトトーマツ

そのため、ミレニアル世代とのコミュニケーションには、映像や音声を利用する手法が効果的です。

例えば人材育成では、録画・録音で解説する「動画マニュアル」の活用が挙げられます。動画視聴という、ミレニアル世代に馴染みのある手法をとることで、抵抗なく内容を理解してもらえるのです。

また動画マニュアルは、教育担当者と研修参加者が、直接会うことができない場合にも便利。入社前やテレワーク中のコミュニケーションに、ぜひ取り入れてみましょう。

 

2:1on1ミーティングなど対面での会話

デジタルリテラシーが高いミレニアル世代ですが、デジタルのみのコミュニケーションでは不十分です。他の世代と同様、対面でのコミュニケーションも求めています。

雇用主とストレスについてオープンに話したことがない(COVID-19感染拡大後)

引用:『ミレニアル・Z世代年次調査2021』デロイトトーマツグループ)

 

「デロイトトーマツグループ」発行の資料を見てみると、就業中に不安やストレスを「いつも」「ほとんどいつも」感じているミレニアル世代のうち、「雇用主とストレスについてオープンに話したことがない」と回答した人の割合は、70%にも及びます。

これはストレスに関する調査結果ではありますが、オープンに話したことがないということは、1対1で対話する機会が少ないということ。そして「ストレスを感じているミレニアル世代」が回答していることから、対面でのコミュニケーションを求めている人は少なくないと推測できます。

よって企業は、オープンに話せる環境づくり、および1対1で会話する機会を増やすことに注力すべきなのです。

対策としては、1on1ミーティングを人材教育に組み込むことが挙げられます。1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で面談を行うことです。面と向かって定期的に悩み・不安について話す機会を設けることで、従業員のストレス軽減につながります。

また、本音を隠さず話せるような雰囲気づくりも大切です。それを実現するには、面談する社員のコミュニケーションスキルを高めておく必要があるでしょう。

 

3:短時間・高頻度

ミレニアル世代の多くは集中力が長く続かないことを踏まえて、コミュニケーションをとる際は、短時間で行うのがポイント。長時間話し合いを行うと集中力が途切れ、内容をきちんと理解してもらえない恐れがあるからです。

ただし、短時間でコミュニケーションを取ろうとすると、情報の伝え漏れが発生するもの。話し合いの不足が原因で人間関係が構築できない、といったケースも珍しくありません。

そのため、ミレニアル世代とのコミュニケーションは、短時間かつ高頻度で行うことが重要です。

人材育成を例にすると、「週の初めと終わりに短時間の個人ミーティングを設ける」などの対策が挙げられます。頻繁に面談を行うことで、互いに伝えたいことを伝えきることができ、かつ1回の面談時間を短く済ますことができます。

どうしてもコミュニケーションをとる時間が長くなってしまう場合は、オンラインを活用するのもひとつの手です。動画マニュアルをはじめとするeラーニングを利用することで、効率よく、かつ不足なく教育することができるでしょう。

 

4:目的が理解できる論理的な伝え方

インターネットでの情報取得に慣れているミレニアル世代は、常にさまざまな選択肢が与えられています。以前は「指示された通りに動けば良い」と言われていたのが、今では「自分で調べて自分で考える」という動きに変わってきているのです。

そのため、上司からの指示を受けた際、目的が理解できないと動けないという人も少なくありません。しかし、指示や指摘を無視されてしまうようでは、組織の団結力は失われ、生産性も落ちてしまいます。

よって、ミレニアル世代とコミュニケーションをとる際は、目的を伝えることが非常に大切です。特に教育では「なぜすべきなのか」「なぜすべきではないのか」を伝え、納得してもらうことで、よりスピーディーな成長につながります。

 

ミレニアル世代の育成における注意点とコツ

2022年時点で、27〜42歳を迎えるミレニアル世代。まだまだ働き盛りの彼らを教育する際は、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。

ミレニアル世代の育成における注意点とコツを4つ解説していきます。

ミレニアル世代の育成における注意点とコツ

 

1:価値観・考え方に寄り添う

すべての世代を対象に言えることではありますが、ミレニアル世代を教育する際は、価値観・考え方に寄り添うことが大切です。

世代が違えば、相手の意見に共感できないときもあります。しかし、わからないからといって否定したり、無視したりしてしまうと、人間関係はこじれてしまうものです。部下・後輩の育成に失敗するどころか、職場のチームワークも失われてしまうでしょう。

そのため、相手の考えに寄り添おうとすることが大切なのです。価値観のすべてを理解するのは難しいですが、理解しようとする姿勢や知ろうとする努力が伝われば、信頼関係の構築につながります。

 

2:目的とメリットを伝える

「目的が理解できないと行動しない」という特徴を持つミレニアル世代。教育を行う際は「なぜ」を意識して伝えることが大切です。

業務の目的を伝えるのはもちろんですが、本人の人生に与えるメリットも絡めて伝えるのがポイント。

  • この教育でどのようなスキルアップができるのか
  • キャリアにどのようなメリットをもたらすのか
  • 成長を遂げた先にどのようなビジョンがあるのか

経済の行方に不安を抱え、キャリアアップへの関心を持つミレニアル世代だからこそ、以上のようなことを意識させることで、モチベーションの向上が期待できます。

 

3:成長を可視化して根拠を示す

ミレニアル世代の教育では「なぜ」を理解してもらうことが大切と解説しましたが、それは褒めたり指摘したりするときも同じです。評価点や課題点に根拠がないと、納得してもらえないでしょう。

そこで重要となるのが「成長の可視化」です。いつと比べてどのように変化したのか、目標に対して何が不足しているのかを”見える化”することで、評価点・課題点の説得力が増します。褒められる理由を理解できれば、モチベーションアップにつながりますし、叱られた理由に納得すれば、改善に努めようとするでしょう。つまり、効率よく成長を促すことができるのです。

デジタルテクノロジーに精通しているミレニアル世代を対象とするならば、デジタルを活用するのがスマート。「shouin+」にあるチェック機能、テスト機能などのような、成長を可視化できるツールを利用してみるのも良いでしょう。

 

4:競争を強要しない

チームワークを好むミレニアル世代には、ライバル同士で競争させるような教育方法は向いていません。なかには、他人と比べることでやる気がアップする人もいます。しかし、多くの場合は無理に競争させられると、モチベーションが下がってしまうのです。

「〇〇さんは~だったのに。」「〇〇さんよりも~だ。」など、他と比べるような評価の仕方、指摘の仕方は避けるようにしましょう。

他と比較するのではなく、個人を尊重する教育は、多様性を重視するZ世代にも有効です。伝え方ひとつで、相手のモチベーションおよび成長スピードが変わるので、ぜひ意識しましょう。

 

まとめ

今回はミレニアル世代にフォーカスして解説しましたが、今後Z世代や、そのあとに続くα世代と関わりを持つ可能性も十分にあります。その際は、また違う考え方・働き方をする従業員と接することになりますが、「相手を知ろうとすること」「寄り添おうとすること」が重要なのは変わりません。

世代の違う人々が関わるからこそ、新たな発想が生まれるという見方もできます。そのチャンスを生かすためにも、まずは相手を受け入れる姿勢を意識することが大切です。

著者
『shouin+ブログ』マーケティング担当
人材育成クラウドサービス「shouin+」のマーケティング担当です。人材育成のお役立ち情報やトレンドをはじめ、企業の人事・研修担当の方向けに社内教育や研修のノウハウを発信しています。

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