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新人教育はなぜ疲れる?主な原因や対策、ストレスを溜めないためのマインドを解説

研修 ナレッジ
2023.07.26
『shouin+ブログ』マーケティング担当

新人が入社するたびに負担が増え、疲労を訴える教育担当者が後を絶ちません。新人教育を担当していた社員が、次々に離職する……といったケースもあるでしょう。

そこで今回は、なぜ新人教育は疲れるのか、主な原因とその対策について解説します。

新人とのコミュニケーションに役立つコツや、やる気アップの方法などもご紹介しますので、新人教育にお悩みの教育担当者の方、人事部の方はぜひお役立てください。

 

新人教育で疲れる7つの原因

新人教育を行うと、なぜ疲れるのでしょうか。対策を探るため、まずは主な6つの原因について見ていきましょう。

新人教育で疲れる7つの原因

 

原因1:教育担当者にかかる負担が大きい

新人教育は、配属先の上司・先輩が、通常業務と並行して行うのが一般的。任されている普段の業務をこなしつつ、新人へのサポートや指導、相談、新人のミスのカバーなどを行います。

通常業務に「教育」という新たな仕事が加わるため、自分の仕事との両立など教育担当者の負担は大きくなります。故に、「新人教育は疲れる」と感じてしまうのです。

「企業における採用・人材育成・教育支援に関するアンケート調査結果」東京商工会議所

引用:「企業における採用・人材育成・教育支援に関するアンケート調査結果」東京商工会議所

東京商工会議所」が行った調査でも、人材育成における課題として「多忙で時間の余裕がない」ことが挙げられています。新人は習得すべきことも多いので、新人教育の教育担当者は特に忙しくなりやすいです。

また、OJTを含む新人教育では、担当者がかかりきりで教えることも珍しくありません。その場合、通常業務が後回しになります。新人教育を行うことで自分の仕事を後回してしまい、、日々残業を強いられている……なんてことも。

そのような生活を続けていれば、当然、肉体的にも精神的にも負担がかかるもの。特に責任感が強い人は、新人教育も通常業務も完璧にこなそうとするため、疲れてしまうのです。

 

原因2:新人教育が仕組み化されていない

新人教育が仕組み化されていない環境も、疲れる原因のひとつ。先ほどの調査でも、「計画的・体系的に行っていない」が人材育成の課題として挙げられていました。

教育担当者をサポートする体制が整っていない、新人教育の段取りが不明確、というような環境では担当者への負担が増えるばかり。責任も悩みも1人で背負うこととなり、精神的にも疲れてしまいます。

そのほか、担当者不在時には教育の進行がストップしたり、他の社員が急に指導を任されたりなど、現場の混乱を招きます。職場全体が急な予定変更を強いられることもあり、担当者以外の社員も疲労を溜めることとなってしまうのです。

 

原因3:価値観・認識のズレ

社員は1人1人価値観が違うもの。とはいえ、価値観・認識のズレはコミュニケーションエラーを招き、「教育疲れ」につながります。

「【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2」株式会社日本能率協会マネジメントセンター

引用:「【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2」株式会社日本能率協会マネジメントセンター

特に、新入社員と教育担当者は出会って日が浅いため、意識のズレが生じやすいです。これは「株式会社日本能率協会マネジメントセンター」が行った調査の結果を見てみるとわかります。

例えば、新入社員は「成長意欲を持ち、必要な経験を自ら開拓する」ことを期待されていると思っているのに対し、上司・先輩は「働くことの意味・目的を考えて行動する」ことを最も強く期待しているようです。課題と感じている内容にも、新入社員と先輩社員・上司の間には違いがあります。

「新人が考えていることがわからない」「思っていたような反応が得られない」と悩んで疲れるのには、このような考え方のズレが関係している可能性が高いです。

 

原因4:新人教育に関する知識・スキルの不足

教育担当者の知識・スキル不足も、新人教育で疲れる原因。教え方がわからないと、悩むことが多くなるからです。

また、人材育成スキルがないと、スムーズに成長させることができません。理解しやすい伝え方がわからず何度も教えることとなり、その分、時間と労力が削られます。

反対に、手取り足取り教えすぎて新人がなかなか独り立ちできず、教育期間が伸びることも。長期間にわたる教育により、体力と気力を消耗することとなるでしょう。

 

原因5:コミュニケーションがとりにくい環境

新人教育では、頻繁なコミュニケーションが必須。しかし、環境が整っていないと連絡を取り合うことが難しくなります。

情報共有が疎かになると、擦れ違いが起きるもの。お互いの状況や考えていることを理解できず、ストレスを抱えてしまうのです。「言った・言われてない」「知らなかった」といったトラブルに発展する恐れもあります。

また、新人と教育担当者以外のコミュニケーション不足も、新人教育疲れの原因に。管理者や他の社員からのサポートを得られず、担当者のみが教育のすべてを担うこととなり、負担が大きくなってしまうのです。孤独感から精神的に疲弊してしまう人も出てくるでしょう。

 

原因6:新人が離職する恐怖

教育を担当していた新人が離職したら、「自分のせいなのでは」と考えてしまうこともあるはず。実際に、新人の離職に悩んでいる人は少なくありません。

「2023年度新人研修に関する意識調査」株式会社ベネッセホールディングス

引用:「2023年度新人研修に関する意識調査」株式会社ベネッセホールディングス

株式会社ベネッセホールディングス」が行った調査にて、新入社員研修で課題に感じていること、悩んでいることとして「自社への定着、早期離職を防ぐこと」が挙げられました。全体の34.7%と最も多く、新人の離職を恐れている企業、人材育成担当者は少なくないことを裏付けています。

何が離職のトリガーになるのかわからないまま教育するのはストレスです。「叱って辞められたら困る」と顔色を窺い、注意するのを躊躇ってしまうこともあります。その結果、指導に迷って疲れてしまうのです。

 

原因7:そもそも新人の知識・スキルが不足している

新人を成長させるのは、教育担当者・配属先の管理者の役割。とはいえ、そもそも新人の知識・スキルが低ければ、その分、教育するのが大変になります。

新人の知識・スキル不足の原因は、主に2つ。

  • 入社研修での教育不足
  • 企業が求める人材を採用できていない

入社直後の研修で知識・スキルをきちんと身につけていないと、配属先で教えなければならないことが増えます。また採用した人材に、企業が求めるレベルのスキルやポテンシャルがない場合も、多くの教育が必要になります。

教えることが多ければ多いほど、当然、教育担当者に負担がかかります。新人教育で疲れるのは「教え方が悪いからだ」と思ってしまいがちですが、このようにさまざまな事柄が原因となるのです。

 

「新人教育疲れ」を軽減する6つの対策

新人教育は、簡単にできるものではありません。とはいえ、少しでも疲れるのを防ぎたいところ。そこでここからは「新人教育疲れ」を軽減する6つの対策について解説していきます。

「新人教育疲れ」を軽減する6つの対策

 

対策1:人材育成の体制を見直す

担当者1人で新人教育を背負うのは負担が大きすぎるため、複数人で協力することが大切です。そのためには、協力し合える体制へと整える必要があります。

「誰が」「いつ」「何を教える」のかを明確に決めておくことで、チームでの新人教育が可能になります。「担当者不在時は誰が教えるのか」も明示することにより、イレギュラー発生時も協力して対応できるでしょう。

また、教育担当者へのサポート体制も構築しておくと、負担軽減につながります。新人教育に迷ったとき、悩んだときに相談できる人がいれば、精神的な疲れを減らせるのです。担当者が1人ですべてを抱え込まないよう、職場と企業の人材育成環境を整えましょう。

担当者同士の円滑な情報共有

複数人で新人教育を行う際、情報共有ミスが発生しやすいため注意が必要です。

正しく情報共有できていない場合、教え漏れや教育内容の重複などといったトラブルが発生します。また、うまく連携が取れず、負担が偏る可能性も。

対策するつもりが、かえって新たな「新人教育疲れ」の要因が生まれる恐れがあるため、情報共有を徹底することが大切です。そして、情報共有しやすいよう、連絡手段の整理も行いましょう。

 

対策2:新人教育の仕組み化

教え方に悩んで疲れるのを改善するには、新人教育の「仕組み化」が有効です。

職場全体、企業全体の基本的なサポート体制整備に加え、「教える順番」「判断に迷ったときの対応」などのガイドラインを設けることで、悩む時間を短縮できます。ガイドラインがあれば、担当者以外の社員も教えることが可能になり、チームで取り組む新人教育を実現できます。

また、新人1人1人の綿密な育成計画を立てることも、悩む時間を減らすうえで重要です。

“個人のペースに合わせた教育が大切”とはいえ、すべてを成り行きに任せていては、どうしても迷ってしまうもの。ガイドラインや計画に沿って教育し、状況を見て軌道修正する方が、効率的です。無駄な悩みから来る疲れを軽減するため、指針を定めておきましょう。

 

対策3:オンライン研修・eラーニングを導入する

近年、多くの企業が注目するオンライン研修・eラーニング。教育担当者の負担を軽減するには、これらを活用してみるのもひとつの手です。

例えば、業務の取り組み方やコツなどを動画で学んでもらうことで、担当者が教える時間を短縮できます。予め知識を身につけた状態で実践することになるため、習得スピードも速いです。動画で学習させている最中、担当者は通常業務にあたることができます。

また、動画・オンラインコンテンツを利用した学習スタイルでは、何度も「見返す」ことが可能。新人は、自分のペースで理解できるまで学習でき、担当者は何度も教え直す必要がありません。

さらに、学習進捗を把握できるツールであれば、管理するための労力も減らせます。時間と手間の無駄を省くため、ツールを活用して効率化を図りましょう。

 

対策4:新人教育担当者のスキルアップ

教育担当者が効率の良い教え方を学ぶのも、「新人教育疲れ」の対策になります。

特に、相手が理解しやすい伝え方、自主性を持たせる育成方法の学習は、新人の成長スピードを早めるのに役立ちます。担当者に向けて、コミュニケーションスキルやコーチングスキルを向上させる研修を行いましょう。

また、新人1人1人の適切な育成方法を見つけられるよう、見極めるスキルを磨くことも大切。経験して得られるものでもありますが、知識を身につけることで、より早く教育疲れを解決できます。

 

対策5:新人・担当者・管理者がコミュニケーションしやすい環境の整備

スムーズな新人教育には、スムーズなコミュニケーションが欠かせません。現在のコミュニケーション手段に不便を感じている場合は、見直しが必要です。

例えば、メールでは気軽に発信・受信できないのなら、チャットツールの利用を。ツールもそれぞれ使い勝手が違うので、自分たちに合うものを選びましょう。

選ぶ際は、新人・担当者・管理者の全員が使いやすいものをチョイスすることが大切。担当者がやり取りしやすいと感じていても、新人が「使いにくい」と感じている場合があるので注意が必要です。

また、仕事の割り振りや人材管理を行う管理者も、新人の状況を把握しておきたい人物。職場やチーム全体で新人をバックアップできるようにするためにも、全員がコミュニケーションしやすい環境へと整えましょう。

 

対策6:新人採用の見直し

教育の負担を軽減するには、優秀な人材を採用することも重要です。もちろん簡単なことではないですが、少しでも改善するため、採用方法を見直しておいて損ありません。

採用を行う際は、求める人物像を明確にすることが大切。企業に必要なスキル、企業ビジョンに賛同する人材が見つかれば、入社後、定着しやすく成長スピードも早い可能性が高いからです。

加えて、求める人材を採用できるよう、募集方法も見直しましょう。どれほど教え方・教育体制が良くとも、自社に合わない社員は育てるのに時間がかかります。「新人教育疲れ」の根本を解決するため、採用から再度検討することを推奨します。

 

新人と上手くコミュニケーションをとるコツ

「新人とのコミュニケーションがうまくいかず、疲れる」とお悩みの方も多いはず。解決するには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。

主な3つのコツについて解説していきます。

新人と上手くコミュニケーションをとるコツ

 

価値観の違いを知る

価値観の違いは、コミュニケーションエラーを引き起こす原因。すべてを理解するのは不可能ですが、まずは違いを「知ろう」とすることが、関係を構築する第一歩です。

直接会話して、お互いを知るのが一番ではありますが、できない場合は”情報”が役立ちます。例えば、以下の資料は「Z世代(1990年代後半~2010年代前半生まれの世代)」を対象に行った調査の資料で、これから入社してくる社員を知るのに活用できます。

 

「Z世代の仕事に関する意識調査」株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

引用:「Z世代の仕事に関する意識調査」株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

資料によると、Z世代には「人前で褒められたい」と思う人よりも、「人前で褒められたくない」と思う人の方が多いことがわかります。

もしも知らずに、大勢の前でZ世代の新入社員を褒めた場合、モチベーションが下がる可能性があります。この場合は、人前ではなく個人面談のときに褒める、などの対策ができます。

良かれと思って取った行動が裏目に出てしまい、その理由もわからない……といったコミュニケーションエラーが起きかねないため、情報を得ることは大切です。ただし、担当の新人が、世の中の世代の考え方に当てはまるとは限らないので、あくまで”参考”として捉えましょう。

 

本音の発言を促す話し方・聞き方

新人と円滑にコミュニケーションをとるには、「本音で話しても問題ない」「安心して気兼ねなく話せる」と思ってもらう必要があります。安心して本音を伝えられる状態、いわゆる「心理的安全性の確保」が重要です。

心理的安全性を高めるためには、例として以下のような行動を意識します。

  • 積極的に質問して発言を促す
  • チームメンバー、部下からの意見を頭ごなしに否定するのではなく、受け入れて話し合う
  • チームメンバーや部下が自ら行動・発言・挑戦・提案したことを賞賛、承認する

このように、従業員の行動や発言を認めることで、心理的安全性は高まります。

新人とは付き合いが浅いので、すべてを本音で話してもらうのは難しいです。しかし、「ミスを隠さず報告できる」「疑問を躊躇わずに質問できる」という状態にするだけでも、コミュニケーションの改善が見込めます。

発言することへの恐怖や不安を軽減できるよう、心理的安全性を向上させる行動を意識しましょう。

 

コミュニケーションのPDCAを回す

人はそれぞれ話の受け取り方が違います。そのため、自分が教育を担当する新人には、どのように話すと伝わるのか、色々と方法を試すことが大切です。

会話をしたとき、反応が悪い場合は「表情」「言葉遣い」「話す内容」「話す順番」を変えてみましょう。コミュニケーションのPDCAを回すことで、どのような話し方なら伝わるのか、どのような表情・言葉遣いなら響くのかが発見しやすくなります。

重要なのは、「自分はこういう話し方だから」「自分は話すのが下手だから」と決めつけてしまわないこと。決めつけは、コミュニケーションの改善を妨げ、結果的に教育疲れへとつながります。

まずは試して、上手くいかない場合は方法を変える……という試行錯誤の繰り返しが大切です。

 

 

新人のやる気を上げる教育のコツ

なかなか新人のモチベーションを上げられない、と悩む教育担当者も多いです。そこでここからは、やる気を上げる教育のコツをご紹介します。

アンケート調査などのデータと併せて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

新人のやる気を上げる教育のコツ

 

1on1ミーティングでの評価・支援

「Z世代の仕事に関する意識調査」株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

引用:「Z世代の仕事に関する意識調査」株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント」が行ったZ世代に対する調査によると、「分かりやすい言葉で説明してくれる」「丁寧に教えてくれる」などが理想の上司像との回答が上位を占めました。

このことから、丁寧で細やかなコミュニケーション、寄り添ってくれる姿勢を上司に求める人が多いと推測できます。従業員を引っ張っていく”強いリーダー”よりも、「親近感」を望んでいるのです。

そこで対策として挙げられるのが「1on1ミーティング」。定期的に1対1で話す機会を設けることで、新人が求める”丁寧な指導”を実現できます。

また、1on1ミーティングは新人を評価する場としても活用可能です。新人1人1人に合わせて個人の目標を立てて、目標達成時にはきちんと評価することにより、さらなるモチベーション向上が期待できるでしょう。

 

少し背伸びすれば届く目標設定

引用元:「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

引用:「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

株式会社ラーニングエージェンシー」が2023年に行った調査によると、成長に必要なものは「仕事を通じた成功体験」だと答えた新入社員は64.9%。「仕事を通じた失敗体験」と答えた新入社員は60.9%でした。

自身の成長を実感することは、従業員のモチベーションを高めます。よって、成功体験と失敗体験は、新人のやる気アップにつながると言えます。

成功と失敗を経験させるためには、少し背伸びすれば届くほどの目標を設定するのがポイント。すぐには到達できない目標を設定することにより、失敗しながら苦戦することと、成功したときの達成感を味わうことができます。

先ほどご紹介した1on1ミーティングで新人と話し合いながら、適切な目標レベルを見極めましょう。

 

計画的な教育でプライベート時間を確保

「平成31年度 新入社員働くことの意識調査結果」公益財団法人 日本生産性本部

引用:「平成31年度 新入社員働くことの意識調査結果」公益財団法人 日本生産性本部

公益財団法人 日本生産性本部」発行の資料によると、働く目的に関するアンケートに答えた新入社員のうち、39.6%が「楽しい生活をしたい」と答えています。「経済的に豊かになる」「自分の能力をためす」という回答を大幅に上回る結果に。

「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

引用:「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

また「株式会社ラーニングエージェンシー」が行った調査では、20代の時間の使い方として「プライベート優先」と答えた人が18.4%。2014年時点で4.5%だったのが、2023年には約4倍にまで増えています。

これらの調査結果から言えるのは、プライベートの時間を確保したいと考える人が増加しているということ。そして、新人教育を行う際は「効率化」を重視すべきと言えます。非効率的な教育で残業時間が増えると、新人のモチベーションを損なう恐れがあるのです。

就業時間内で着実に成長させるためには、計画を立てることが大切。そのほか、eラーニングなども活用し、効率アップのための対策を講じましょう。

 

 

ストレスを溜める前に。新人教育担当者が持つべきマインド

新人教育では、担当者の「思い込み」が疲れやストレスを招くことも。以下に解説する3つのマインドを意識し、無駄な疲れを防止しましょう。

教育担当者が持つべきマインドとは

 

指摘することを恐れない

「口うるさく注意する上司は嫌われる」という考えから、新人に注意するのを躊躇ってしまうことがあります。しかし、「注意して欲しい」と思っている人は意外と多いものです。

「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

引用:「2023年 新入社員意識調査」株式会社ラーニングエージェンシー

「株式会社ラーニングエージェンシー」が行った調査でも、キャリアアップにつながる理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる」上司であると答えた人が、約6割を占めています。

このようなデータもあるので、もし注意することを極端に恐れていたり、躊躇っていたりするのであれば、一度マインドリセットを。伝え方への配慮は必要ですが、注意すること自体への過剰な恐怖心は手放しましょう。

 

柔軟な考え方を持つ

それぞれ違う考え方・価値観を持つ新入社員には、それぞれに適した指導方法があります。今まで効果のあった指導方法が、急に通用しなくなることも珍しくありません。

「【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2」株式会社日本能率協会マネジメントセンター

引用:「【イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021】Vol.2」株式会社日本能率協会マネジメントセンター

実際に、「株式会社日本能率協会マネジメントセンター」が行った新入社員の意識調査では、アンケート対象者の入社した年によって、回答結果のランキングが変動しています。例えば2019年時点で第14位だった「上司・先輩と良い関係が築けない」という回答は、2021年時点では第5位にまで昇りつめています。

このように、新入社員が重視することは年々変わるため、それに合わせて指導方法も変える必要があるのです。

1つのやり方にこだわると、上手くいかないときに落ち込みやすくなります。自信喪失から精神的な疲れへと発展するため、柔軟なマインドを持つことが大切です。

 

離職などの責任を1人で背負わない

責任感の強い人ほど、教育を担当していた新人が離職するとショックを受けるもの。しかし、離職理由はさまざまで、必ずしも新人教育が原因とは限りません。

「2020年入社 新入社員の就業実態」株式会社リクルート 就職みらい研究所

引用:「2020年入社 新入社員の就業実態」株式会社リクルート 就職みらい研究所

株式会社リクルート」の調査によると、離職理由として「会社や職場の不土が合わない」「仕事が合わない」など教育指導以外のことも挙げられています。「その他」の回答の中には、「別の会社で挑戦してみたい」「給与面での不満」など会社や個人に関する離職理由も含まれています。

責任感を持つことは大切ですが、新人が離職することの責任を1人で負う必要はありません。教育だけが離職理由ではないので、すべてを抱え込まないようにしましょう。

 

まとめ

人材育成は、会社から大きな責任と役割を担う業務。人を相手に行う時点で難しく、スムーズに進まないことも多いですし、どうしても疲れてしまうものです。

ですが工夫次第、考え方次第で、負担は軽減できます。精神的・身体的な疲れを少しでも減らすため、ツールを使ったオンライン研修など、できることから始めてみましょう。

著者
『shouin+ブログ』マーケティング担当
人材育成クラウドサービス「shouin+」のマーケティング担当です。人材育成のお役立ち情報やトレンドをはじめ、企業の人事・研修担当の方向けに社内教育や研修のノウハウを発信しています。

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