コスト削減のアイデア30選と成功させるポイントを大公開!チェックリストも無料配布
既存企業における10年後の生存率が約70%、20年度の生存率が約50%といわれる世の中で、多くの企業が経営を継続させるための努力を行っていることと思います。
そして、生存確率をあげる方法のなかでも、「コスト削減」は売上アップに並ぶほどの重要項目。地道な取り組みにはなりますが、成功すれば確実に企業の寿命を延ばすことができます。
とはいえ、コスト削減といっても
「具体的に何をしたらいいの?」
「進め方や注意点を知っておきたい」
との想いもあることと思います。そこでこの記事では、コスト削減に関してその進行方法をはじめ、成功のポイントやアイデア、注意点までくわしく解説していきます。最後にはコスト削減の成功事例もご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、コスト削減のアイデアを早く手に入れたい!という方は、ぜひ下記の「コストを削減するための50個のチェックリスト(無料)」をダウンロードください。今すぐコスト削減に繋がるアイデアをご覧いただけます。
コスト削減の方法~4つのステップ~
では始めに、コスト削減の方法(進め方)から見ていきましょう。コスト削減のステップは、大きく次の4つのステップに分かれます。
ステップ1では、まず「現状のコスト整理」をしましょう。現状、会社のなかでかかっているコストを整理し把握することで、コスト削減の余地はどこにあるのかが分かり、コスト削減の具体案を探ることができるようになります。
そしてステップ2では、コスト削減に向けた「計画立て」を行います。ステップ1で整理したデータをもとにコスト削減の具体的なアイデアを出し、アプローチ方法の検討と効果予測まで進めましょう。また、ここで具体案(アイデア)の優先順位も同時に検討できるとさらに良いのですが、この話は次の章で解説いたします。
計画立てが済んだら、ステップ3の「実施・検証」に移っていきましょう。実施にあたっては、定期的な進捗確認と効果測定が重要なポイントとなりますので、忘れずに実施するようにしてください。また、アプローチ方法としては、購入先の見直し・購入条件の見直しなどがありますが、この時に取引先と交渉をする機会もあることと思います。この時は、取引先に失礼にならないよう細心の注意を払いながら進めてください。
そして、コスト削減のステップ4は「定着化」です。企業の生存率向上に貢献するためには、継続的な実施は必要不可欠。実施したコスト削減を長期的に取り組んでいけるよう、実施プロセスの見える化やノウハウの共有などを進めていきましょう。
なお、コスト削減のより具体的な進め方については、下記の記事にてくわしく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
コスト削減とは?種類、メリット、削減方法、事例をわかりやすく解説!(テンプレート付き)
コスト削減を成功させる3つのポイント
コスト削減は、決して「気づいたものから手当たり次第に進めていけば良い」わけではありません。きちんとした準備と戦略が必要です。
そこで、ここでは「コスト削減を成功させる3つのポイント」についてお伝えします。その効率と効果を最大限に高めながらコスト削減を成功させるためにも、ぜひこのポイントを押さえて取り組んでいただければと思います。
1.削減案に優先順位をつける
取り組みに対する労力と効果は、必ずしも比例しません。だからこそ、コスト削減を実施するうえでは、その優先順位をつけることが大切なポイントになります。
そして優先順位のつけ方としては、主に2つの観点から考えていきます。1つは「効果の期待値(金額)」、もう1つは「実行の容易さ」です。
効果の期待値が大きく、かつ実行し易いものは優先順位を高く設定し、反対に、効果の期待値が小さく実行し難いものは優先順位を低く設定しましょう。くわしくは下図をご覧ください。
削減案の優先順位
2.業務効率化を図る
コスト削減を進めるうえでは、業務効率化を図ることもポイントの1つです。
たとえば、以下のような方法で業務効率化を図ることで生産性の向上や品質の向上につながり、実質のコスト削減といえるでしょう。
コスト削減につながる業務効率化の例
- 業務マニュアルを作成する
→業務のスムーズな進行を促進し、生産性が向上する - 業務フローチャートを作成する
→ヒューマンエラーを減らし、クレーム対応の手間を省く - 人材育成システムを導入する
→研修や日報のオンライン化により研修費用の削減や消耗品費の削減になる
このように、コスト削減はその見方を変えることで、あらゆる方面からアプローチができるものです。
また、この他にも「SNSを有効活用する方法」や「AIを活用する方法」など多数のコスト削減へのアプローチ方法がありますので、気になる方はぜひ画面下部の資料(無料)からご覧ください。
3.社内の協力体制をつくる
1人の社員が細々とコスト削減を行っていても、会社規模でみればその効果はほとんどありません。そのため、コスト削減を成功させるためには多くの社員の協力が必要不可欠です。
また、とくに他部署との連携はコスト削減において大きな価値があります。異なる部署の人が複数集まることで、コスト削減のアイデアが出やすくなったり、削減案の質が高まったりと大きなメリットとなるでしょう。
しかし、必ずしも社員全員がコスト削減に協力的なわけではありません。とくにコスト削減は日常業務を改善することが目的ではなく、一時的には担当者の負担が増えてしまうケースも多いことから、人によっては「仕事が増える」「面倒だ」と感じることも。
そのため、このような時は社員のモチベーションを高める意味でも、人事評価に絡めたやり方や、ボーナスに絡めたやり方など、仕組みづくりを工夫する余地があるでしょう。
部門別でご紹介!コスト削減アイデア30選
では、ここからはコスト削減の具体的なアイデアをご紹介していきましょう。部門別に分けてご紹介しますので、ぜひ同じ部署の方々と共有しながらご活用ください。
【事務/総務】で役立つ削減アイデア
- パソコンやコピー機のレンタル/リースの活用
→導入コストが抑えられ、かつ長期利用による値引きでコストを抑える。 - 事務用品のまとめ買い
→一括購入による値引きでコストを抑える。発注業務の手間も削減できる。 - メール一元管理ツールの導入
→業務効率化により人的コストを抑える。また、対応漏れなどのリスクを低減する。 - ペーパーレス化の推進
→紙の使用量/印刷量を削減し、紙の購入/印刷コストを削減する。 - 電話料金プランの見直し/窓口の一本化
→プランの見直しによりコストを削減。また専用窓口を設けることで人的コストを抑える。 - 白熱電球からLED照明への切り替え
→長寿命照明であるLEDへの切り替えによってメンテナンス費の削減が期待できる。
なおペーパーレス化の進め方については、下記の記事でくわしくご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
ペーパーレスとは?コロナ禍で進めるメリットや実現方法をわかりやすく解説!
【人事】で役立つ削減アイデア
- eラーニングの導入
→動画を用いた教育コンテンツ、また時間や場所にとらわれない学習形態により、人材育成の効率化を図る。また教育担当者の人的コストを削減する。 - オンライン化の推進
→オフラインで実施していた採用候補者との面談や教育研修をオンラインで実施することで、交通費や開催にかかるコストを削減する。 - 福利厚生の見直し
→効果の低い福利厚生の廃止を検討、また内製化するものと外注するものを再検討することでコストの最適化を図る。 - ノー残業デーの導入
→残業を行わない日(ノー残業デー)を設けることで、人件費の削減が期待できる。 - シフト作成ツールの導入
→シフトの作成/修正/配布にかかる業務を効率化し、人的コストを抑える。
【営業】で役立つ削減アイデア
- オンライン会議の推進
→出張回数を見直し、(可能な範囲で)会議のオンライン化を推進することで出張費を抑える。 - 割引を活用した予約
→早割りを活用したホテル予約、ホテルおよびレンタカーのセット割などを活用し、コスト削減を図る。 - 中古車・格安レンタカーの活用
→営業車として中古車や格安レンタカー(例:業務レンタカー)を活用することで、コスト削減を図る。 - 外部リソースの活用
→営業代行の活用や、営業に代わるWebコンテンツを外部リソースで制作することで人的コストの削減を図る。 - メール配信ツールの導入
→イベントやキャンペーン告知のメールを顧客に一斉送信できるメール送信ツールを導入し、人的コストの削減を図る。
【経理】で役立つ削減アイデア
- 請求書の電子化
→請求書を紙から電子にすることで、処理作業の業務効率化および保管場所の有効活用につなげ、コスト削減を図る。また入力ミスのリスク低減も期待できる。 - 請求書関連システムの導入
→請求書の作成や受領・オンライン郵送ができるシステムを導入することで業務効率化につなげ、コスト削減を図る。また請求金額の計算ミスなどのリスク低減も期待できる。 - 経費精算システムの導入
→経費精算システムを導入することで、営業担当者の申請作業および経理担当者の承認作業を効率化し、人的コストを削減する。 - 法人カードの発行・活用
→法人カードを活用することで、振込手数料のコスト削減を図る。 - 経理業務の外注化
→請求書処理や経費精算などの経理業務をプロに任せることで、人的コストの削減を図る。
【広報】で役立つ削減アイデア
- SNSの活用
→TwitterやInstagramなどのSNSを用いた情報発信を行い、コストをかけない広報活動を行う。 - 無料広報サイトの活用
→イベント告知や求人情報を無料で発信できるサイト(例:Peatix)を活用し、コストを抑えた広報活動を行う。 - 無料デザインツールの活用
→チラシやリリースなど、無料で広報資料のデザインができるツール(例:Canva)を活用し、業務の効率化を図る。 - ホームページ作成ツールの活用
→導入・運用が比較的簡単なツール(例:WordPress)でホームページを制作することで、内部によるホームページ運用を行う。本来外注しがちなコストの削減を図る。
【店舗運営】で役立つアイデア
- オープン/クローズ作業のマニュアル化
→店舗のオープン/クローズ作業をマニュアル化することで業務効率化を図り、人的コストの削減を図る。 - レイアウトの標準化
→同企業内の他店舗と連携しレイアウトを標準化することで業務効率化を図り、人的コストを削減する。 - セルフレジの導入
→顧客が自分自身で会計を行うセルフレジを導入することで、顧客対応の時間を削減する。 - キャッシュレス決済の導入
→カード系決済やQRコード決済を導入し、スムーズな支払いを促す。会計や売り上げ管理の業務効率化にもつながり、人的コストの削減を図る。 - 伝票・領収書・メニューの電子化
→伝票や領収書、メニューなどを電子化することで、紙の使用量の削減および業務効率化による人的コストの削減を図る。
やってはいけない!コスト削減3つの注意点
上記ではさまざまなコスト削減の方法についてご紹介しましたが、一方で、なるべく避けたいコスト削減もあります。どのようなことに注意して進めたらよいのか、ここでは大きく3つのポイントに分けて解説していきます。
1.従業員のやる気を削ぐ対策は安易に行わない
多くの企業でコストの大部分を占める「人件費」。コスト削減を考えはじめると人件費の対策をしたくなるものです。
しかし、この人件費の削減は、一歩間違えると従業員のモチベーションを下げてしまったり反感を買ってしまったりする可能性がある、とてもセンシティブな方法です。
とくに、以下のような対策方法は安易に行わないよう注意しましょう。
従業員のやる気を削ぐ危険なコスト削減
- 給与カット
- 人員カット
- 福利厚生の極端な削減
2.サービスの品質を落とす対策は安易に行わない
商品・サービスの原価率を下げる方法として、次のような対策方法があります。
サービスの品質を落とすコスト削減
- 商品の内容量を減らす
- 原材料を安価なものに変える
- サービスの質をさげる
これらの方法は、一時的に見れば確かに原価率が下がり、効果的なコスト削減に思えるかもしれません。しかしながら、長い目で見ると顧客の信頼を失う危険性のある、非常にリスクの高いやり方なのです。
3.生産性を落とす対策は安易に行わない
パソコンやシステムなど費用がかさみやすいツールは、コスト削減の対象となりやすいものです。しかし、生産性に大きく関わる部分においては、コスト削減の対象とすることに注意が必要です。
たとえば、次のようなコスト削減方法は生産性が大幅に下がり、広い目でみると企業にとってデメリットの大きい施策となる可能性があります。
生産性を落とすコスト削減
- パソコンのスペックを下げる
- 社用携帯の廃止
- 通信速度の低下(契約形態の見直し)
とくに、パソコンのスペックを下げたり、スペックの低いレンタルPCで代用する会社は少なくありません。
筆者も、これまで多くの知人から「会社のパソコンの動きが遅くて仕事にならない。イライラする」といった話を聞いてきましたが、おそらく多くの経営者が思っている以上に、従業員のやる気が削がれ、退職を考えるきっかけにつながっていることと思います。
コスト削減の成功事例
それでは最後に、コスト削減の成功事例についてご紹介しましょう。
今回は、人材育成クラウドサービス『shouin+』を導入し、人材育成にかかるコスト削減に成功した事例を2件ご紹介します。
情報共有の効率化で、対応コストの削減に成功|株式会社ファクトリージャパングループ様
整体サロン「KA・RA・DA factory」を運営する株式会社ファクトリージャパングループ。直営店とフランチャイズ店を合わせて300店舗を超えるこの会社では、店長の業務過多が課題となっていました。店長も施術を行うプレイングマネージャースタイルを重視しているため、お客様の接客に加え、店舗スタッフへの育成・フォローなど、店長の業務が多岐にわたっていたのです。
そこでファクトリージャパングループでは、店長の業務負担を軽減するため、人材育成クラウドサービス『shouin+』の導入を決定。すると、これまでは店長から現場スタッフに情報を伝達するスタイルだったのが、導入後は『shouin+』のタイムライン機能を活用し、本部からアカウントを持つ全社員に向けて均一に情報発信をすることができるようになりました。
結果として、ファクトリージャパングループでは、本部への問い合わせ件数が約30%減少。対応コストの削減、また店長の業務負担を減らすことに成功しました。
人材育成の効率化で、人件費のコスト削減に成功|ココカラ本厚木店(人の森株式会社)様
不動産事業の活用としてフィットネスクラブ「フィットネス&スパ ココカラ」を展開する人の森株式会社。ココカラ本厚木店では1~3月のスタッフの入れ替わりが激しく、とくにジムトレーナーの育成研修には約80時間を要するなど、人材育成のための業務過多が課題となっていました。
そこで、ココカラ厚木店では、人材育成の業務負担減を目指し、人材育成クラウドサービス『shouin+』の導入を決定。『shouin+』の動画マニュアル機能を活用し、これまではひとり一人対面で実施していたトレーニングマシンの使い方やレッスンの進め方のレクチャーを、動画マニュアルに置き換えることにしました。
すると、トレーナー研修の大幅な業務削減に成功。育成担当者の残業時間を約70%(55時間)削減することができました。また、育成担当者の「何度も同じことを説明しないといけない」というストレスも解放されたようで、思いがけないメリットも感じられたといいます。
まとめ
企業を存続させるために重要な、コスト削減。今回はコスト削減に関して、その進め方をはじめ、成功のポイントやアイデア、注意点までくわしく解説いたしました。
とくに、コスト削減のアイデアは会社全体でご活用いただけるよう、部門別に全30個を公開させていただきましたので、ぜひ貴社のコスト削減にお役立てください。
なお、本文内では、ほかにも「コスト削減を成功させるための重要ポイント」や「やってはいけない危険なコスト削減」をご紹介しております。すべて、コスト削減を成功に導くために必要な内容となっておりますので、ぜひ貴社のコスト削減にご活用いただければと思います。