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離職率の算出方法は?厚生労働省の定義や離職率の低下に向けた具体策をわかりやすく解説!

2021.12.22
松木 謙介

企業の働きやすさを示す指標として、さまざまなシーンで活用されている「離職率」。自社の労働環境に問題はないか、改善すべきところはないかなど、企業の分析に役立てられている数値です。

そんな「離職率」ですが、そもそも計算方法を知らなければ活用することができません。しかし、「やり方がよくわからない」「やり方が合っているかどうか不安」という人も多いはず。

そこで本記事では、離職率の計算方法や定義について解説します。離職率を下げるための解決策、離職防止のための具体策などもご紹介しますので、会社経営をされている方、人事担当の方はぜひ参考にしてください。

 

離職率の定義とは

離職率の定義は、法律上、存在しません。ただし、厚生労働省が定期的に行っている「雇用動向調査」では以下のように定義されており、一般的に言う「離職率の定義」はこのことを指します。

 

常用労働者数に対する離職者数の割合

(引用元:令和2年雇用動向調査結果の概要

 

噛み砕くと、つまり離職率とは、”ある時点で所属していた従業員数のうち、どれだけの割合の人が離職したか”を表す数値のこと。高い離職率は、退職した人数が多かったことを表し、低い離職率は、退職した人数が少なかったことを表します。

いつからいつまでの期間を調査する、というような明確な決まりはありません。ただし、期初から期末までの1年間を対象とすることが多いようです。前述した厚生労働省の調査でも、令和2年1月から令和2年12月までの、1年間を調査期間としています。

また、対象者も「入社後3年以内の就業者」「新卒者」など、調査によってさまざま。目的に合わせて誰を対象とするのか決めることで、知りたい情報をピンポイントに得ることができるでしょう。

 

離職率の算出方法とは

定義と同様、離職率の算出方法にも明確な決まりがありません。こちらも、厚生労働省の「雇用動向調査」で使われている計算方法を、参考にすると良いでしょう。

入(離)職率の計算式

(引用元:厚生労働省『令和2年雇用動向調査結果の概要』)

 

上の画像の様に、「調査対象期間内の離職した人の数÷起算日の従業員数×100」という計算式で、離職率を算出することができます。

例えば、2021年1月1日から2021年12月31日の離職率を調べたい場合。1月1日の在籍人数が200人で、12月31日までに50人退職したとします。この場合の計算は「50(人)÷200(人)×100(%)」となり、離職率は「25%」です。

離職率は一度計算方法を覚えれば、比較的簡単に算出することのできる数値。しかし、計算する時に気をつけておくべき注意点がいくつかあります。詳しく見ていきましょう。

 

計算する時の注意点

離職率を計算するときの注意点は、主に2つ。

  • 調査対象期間内に入社した従業員は含まない
  • 調査対象期間の長さによって離職率は変動する

 

離職率の計算では、「起算日の従業員数」を割る数とするのであって、期間内に入社した従業員数は含みません。

例えば、2021年1月1日から2021年12月31日の離職率を計算する場合は、1月1日時点の従業員数を割る数とします。2021年1月1日から2021年12月31日までの間に、新卒採用や中途採用で入社した人数は、割る数に含まないので注意しましょう。

 

また、いつからいつまでの期間を対象とするのかによって、離職率は変動します。

例えば、2021年1月1日時点での在籍人数が200人、2021年12月31日までの1年間で50人退職した場合の離職率は「25%」です。ですが、2021年1月1日から2021年6月30日までを対象とし、半年間で計10人退職したとすると、離職率は「5%」になります。

調査期間の長さによって退職者数が変動すると、離職率も変わります。つまり離職率は、調整が可能な数値であるということです。

たとえ離職率が低くても、「退職者が少ない働きやすい会社である」とは言い切れません。期間を短くすることで、数字の見栄えも良くすることもできる、ということを覚えておきましょう。

 

 

離職率と早期離職率の違い

早期離職とは、「入社後3年以内の離職」のこと。そして早期離職率は、「入社後3年以内に離職した人数の割合」を指します。

離職した人数の割合を指す「離職率」は、対象者や対象期間に縛りがありません。一方「早期離職率」は、「入社後3年以内に離職した人」が対象です。調べたい離職率の対象者に、条件があるかないかの違いがあります。

また早期離職率は、就職率の高い年は下がり、就職率の低い年は上がる傾向にあるのが特徴。厚生労働省の調査データを見てみましょう。

 

新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率

(引用元:厚生労働省『新規学則就職者の離職状況を公表します』)

 

上記グラフにある通り、新規学卒者の就職率が高い時期は、就職後3年以内の離職率が低くなる傾向にあります。反対に、新卒者の就職率が低い時期は、早期離職率は高くなるという結果に。

離職率が上がる原因としては、低賃金や長時間労働などが挙げられますが、早期就職率アップの原因はそれに加え、就職率の影響もあります。そのため、より人材定着のための対策を強化する必要があるでしょう。

また、新卒研修の見直しや新卒採用の見直しなど、従業員全員を対象とする場合とはまた違った解決策も必要不可欠。適切な離職防止対策を見つけるため、誰を対象とする離職率なのか、それぞれどのような特徴・違いがあるのかを把握しておくことが重要です。

早期離職率についてより詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

■参考記事はこちら

【2021年最新版】新卒の離職率は?業界別の離職理由とその対策について事例を交えてわかりやすく解説!

 

 

産業別・職種別離職率とその理由

離職率は、産業別・職種別で数値に違いがあります。前述した、厚生労働省発行の「令和2年雇用動向調査結果の概要」を例に見てみましょう。

 

産業別入職率・離職率(令和2年(2020年))

(引用元:厚生労働省『令和2年雇用動向調査結果の概要』)

 

上記データによると、2020年特に離職率が高かった産業・職種は以下の5つでした。

  • 宿泊業、飲食サービス業
  • 生活関連サービス業、娯楽業
  • 教育、学習支援業
  • 医療、福祉
  • 卸売業、小売業

なぜこれらの業種は、離職率が比較的高い傾向にあるのでしょうか。それぞれの離職率と理由について詳しく見ていきましょう。

 

 

1.宿泊業、飲食サービス業

ホテルや旅館をはじめとする「宿泊業」、レストランや居酒屋などを指す「飲食サービス業」の2020年離職率は「26.9%」と最も高かったようです。宿泊業・飲食サービス業の離職率が高い理由としては、低賃金であることが挙げられます。

 

産業別常用労働者1人平均月間現金給与額 総数(令和元年)

(総務省統計局『産業別常用労働者1人平均月間現金給与額』をもとに弊社で作成)



総務省のデータによると、宿泊業・飲食サービス業の平均月間現金給与額は「12万5083円」。全業種の平均金額「32万2612円」の約半分以下で、最も低賃金です。

給与が少ないと、従業員は生活に余裕を持てなくなってしまいます。休日に遊びに出かけたり、趣味にお金をかけたりすることができず、気持ちの余裕がなくなることも。そうして仕事に対するモチベーションがどんどん下がり、離職へと繋がってしまうのです。

ホテル業や飲食業は入職率も高く、もともと人の出入りが激しい業種。とはいえ、給与が全業種の中で最も低く、離職率が最も高いことから、低賃金が離職率を上げている一番の原因であると考えられるでしょう。

 

 

2.生活関連サービス業、娯楽業

美容や旅行、冠婚葬祭を含む「生活関連サービス業」、映画や劇場、競馬などの「娯楽業」の離職率は「18.4%」という結果に。当データの中で、2番目に離職率が高い業種です。宿泊業・飲食サービス業と同様、”低賃金”であることが離職率を上げている原因のひとつと考えられます。

先述した総務省のデータによると、生活関連サービス業・娯楽業の平均月間現金給与額は「21万265円」。全業種の平均金額よりも約10万円安く、給与に不満を持つ人が多いと考えられます。

また、生活関連サービス業・娯楽業は、長時間労働や不規則な勤務時間で働くことの多い業種です。精神的、肉体的負担が大きいにも関わらず、十分な給与が与えられないとなると、従業員のモチベーションはダウンするもの。離職を検討する人が増えるのも、必然と言えるでしょう。

 

 

3.教育、学習支援業

幼稚園や高等学校の先生、塾の講師などを含む「教育・学習支援業」の離職率は「15.6%」。データ上、全業種の中で3番目に離職率が高い業種です。平均月間現金給与額は「37万3951円」と、宿泊や生活関連サービスなどの業種と比較すると低くありません。

しかし、教育・学業支援業は、ストレスが原因で離職する人が多いと言われています。文部科学省は「1.教員をめぐる現状」にて、以下のように述べています。

 

“保護者の中には、教員に対して日々の努力にとどまらず、一定の目に見える教育成果を上げることを求める傾向が強まっている。”

(引用元:文部科学省「1.教員をめぐる現状」)

 

そもそも教育・学習支援業は、人を教育する立場にあることから、精神的に負担を抱えやすい職種。それに加え、上記の通り保護者からの期待値が高くなっていることから、ストレスを抱えて離職してしまう人が多いのです。

また学校の教員には、部活動の指導や授業の準備など、通常の授業以外の仕事も山ほどあります。部活動の練習や大会などに毎日付き添い、休みなく働く、なんてことも珍しくありません。

精神的にも肉体的にも疲労を抱えやすい職種なので、給与が高めであっても、離職する人が多いのだろうと推測できます。

 

 

4.医療、福祉

厚生労働省の調査によると、2020年の医療・福祉業の離職率は「14.2%」でした。

医師や看護師、介護士は、特に精神的負担を抱えやすい仕事。人の命を預かるという大きな責任が課せられ、勤務者は「万が一、失敗してしまったら…」と常に緊張状態。日々の不安、ストレスが積み重なり、離職するケースが少なくありません。

急患や担当者不在などによる、急な出勤、労働時間延長もよくあること。体を動かすのが困難な患者のサポートをするなど、重労働も多く、肉体的負担も大きい仕事です。

平均月間現金給与額が「29万8944円」と比較的高いですが、やはりストレスと重労働の影響が大きく、離職へと追い込まれてしまう人が多いと推測されるでしょう。

 

 

5.卸売業、小売業

商品を業者、および消費者に販売する「卸売業」「小売業」の離職率は「13.1%」でした。

平均月間現金給与額は、先述した総務省のデータによると「28万2477円」。高賃金ではありませんが、宿泊業、飲食サービス業と比べるとさほど低賃金ではないようです。

それでも離職率の比較的高いのは、有給取得の難しさが原因のひとつとして挙げられます。

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査 結果」によると、卸売業・小売業における1人あたりの有給休暇取得日数は、平均「8日」。年間平均18日の有給休暇が与えられているにも関わらず、実際は半分以上を無駄にしてしまっているようです。

なぜ有給休暇が十分に取れないのか、その原因は「人員不足問題」にあると考えられます。

 

産業別未充足求人

(参考:厚生労働省「令和2年上半期雇用動向調査結果の概要」を元に弊社で作成)

 

厚生労働省が2020年に行った調査によると、卸売業・小売業の未充足求人(事業所における欠員を補うための求人)は約18万8000人とダントツトップ。

人手が不足していると、休もうと思っても代わりに出勤してくれる人を見つけられません。結果、有給休暇を消化しきれず、「休みが取りにくいのが辛い」「なかなかリフレッシュできずストレスが溜まってしまう」と、離職する人が増えてしまうのです。

 

また、卸売業・小売業は土日勤務や、年末年始勤務が多い業種でもあります。まとまった休みが取りにくく、かつ周りの人と休日の予定を合わせるのが難しいことから、離職を考える人が多いと推測できます。

給与の額が低くない職種・業種でも、このように労働状況が厳しければ、従業員は「労働に対し、対価が見合っていない」と不満を持つもの。そのため、離職防止に給与を見直す場合は、単純に金額だけを見るのではなく、労働に見合っているかどうかが大切です。

本記事では簡単にご説明しましたが、「流通」「小売業界」の離職率についてより詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事をご覧ください。

■参考記事はこちら

小売業の離職率は?業界別比較や高い理由、防止対策の事例までわかりやすく解説!

 

 

離職率を下げるための解決策

雇った従業員を長く定着させるためには、対策が必要です。しかし、なぜ離職してしまうか理由がわかっていないと、的確に対策することができません。見当違いな解決策では、時間も労力も無駄になってしまうでしょう。

そこでここからは、厚生労働省のデータを元に、主な離職理由を5つご紹介。解決策も共に解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

転職入職者が前職を辞めた理由

(参考:厚生労働省『令和2年雇用動向調査結果の概要』を元に弊社で作成)

 

 

理由1:労働条件・労働環境

劣悪な労働条件、労働環境は、離職を引き起こす原因。“労働環境が悪い状態”とは、例えば以下のようなことが挙げられます。

  • 休みが少ない
  • 労働時間が長い
  • 有給休暇が取りにくい
  • サービス残業が多い

 

このような状態で雇用すると、従業員は仕事に対するやる気をなくしてしまい、「この会社を辞めたい」「もっと待遇の良い会社に移りたい」と離職を考えてしまいます。最悪の場合、精神的な病にかかってしまうことも。

そのため、人材の定着には、労働環境を整えることが大切。休みが取りやすい環境を作る、定時退勤を促す施策を行うなど、従業員が「働きやすい」と感じる職場へと整えることで、離職率を抑えることができるでしょう。

 

理由2:低賃金

先述の厚生労働省データによると、男性も女性も「給料等収入が少なかった」と答えた人が多かった様子。また、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業など、給与が低い業種は離職率が高い傾向にあることから、賃金は離職率に大きく影響すると考えられます。

給与を見直すときは、他企業・他業種と比べるのもひとつの方法。しかし、単純に数字のみを見て、「他の業種よりも高いから」と支給額を決めてしまうのはリスキーです。他企業・他業種と比較してそこまで給与が低くない場合でも、労働に見合っていなければ、従業員は不満を抱いてしまいます。

精神的、肉体的負担、責任に見合う、適切な給与であるかが重要です。お金の問題はつい後回しにしてしまいがちですが、低賃金が原因で離職が増える可能性が非常に高いので、一度きちんと見直してみましょう。

 

 

理由3:人間関係・コミュニケーション

人間関係が良くないと、離職したいと考える人が増えるものです。厚生労働省の調査においても、多くの女性が「職場の人間関係が好ましくなかった」ことを離職理由として挙げています。

職場の人間関係が良好で、コミュニケーションが円滑に取れていれば、従業員は仕事で悩んだとき、迷ったときに周りにすぐ相談することができます。多少嫌なことがあったとしても、悩みや不安を共有し合う仲間がいれば、「また頑張ろう」と思えることもあるはず。

そうして、離職の決断に至る前に、問題や悩みを解決できるのです。

また、人間関係を良好に保つことは、会社の利益にも直接繋がります。「離職率ゼロ経営」という書籍の中で、著者の千葉理恵子氏は以下のように述べています。

 

“風通しのいい環境になることで、お互いの意見を闘わせることができて、健全な議論ができるようになります。

そうすると、いろんなアイディアが生まれ、事業も発展していきます。”

(引用元:千葉理恵子著(2018)『離職率ゼロ経営』DNAパブリッシング)

 

上司と部下、先輩と後輩などの立場に関係なく、社員が意見を言い合える環境へと整えることで、多様な考え方を会社経営に取り入れることができます。離職率を下げるだけでなく、会社の発展にも繋がる対策でもあるので、自社従業員同士の人間関係・コミュニケーションにも目を向けてみましょう。

 

 

理由4:会社の将来性

厚生労働省の調査結果「転職入植者が前職を辞めた理由」によると、多くの男性が理由として挙げているのが「会社の将来性」です。

将来的に、会社が経営不振に陥るのではないか、信用を失うことになるのではないか、と少しでも従業員が感じた場合、離職を検討する人は増えます。「このままこの会社に勤めていたら、いつか職を失うかもしれない」と不安になってしまうのです。

 

将来性のない会社とは、具体的に以下のような特徴があると考えられます。

  • 経済の変化に柔軟に対応できない
  • 入社当初から給料が上がらない
  • 赤字が続いている
  • 独裁経営

 

特に最近では、転職することに抵抗のない人が増えてきています。従業員は、少しでも会社の将来性に不安を感じたら、離職を決断してしまうことでしょう。

よって企業は、今現在の福利厚生の良さ、労働環境の良さだけでなく、時代の変化に対応できること、企業としての成長し続けていることも求められます。「この会社で働き続けていても安心だ」「家族を養うため、継続してここで働きたい」と思ってもらうにはどのように対策すれば良いか検討し、実行することが重要です。

 

 

理由5:定年・契約期間の満了

厚生労働省のデータを元に作成したグラフを見てもわかる通り、定年や契約期間の満了で離職する人が、やはり最も多いようです。

定年退職は年齢によるものなので、離職を防ぐことはできません。しかし、定年退職による人員不足問題が起きないよう、「新卒採用を積極的に行う」「若い世代の従業員を増やす」などの対策はできます。

また、ただ新たに従業員を採用するだけでなく、若手社員に長く勤めてもらうためのサポートや教育も必須。そうすることで、定年退職による人員不足を防止できるほか、若手社員・新人社員の離職率ダウンにも繋がるため、重視すべきと言えるでしょう。

 

 

離職を防止する具体策と事例

「社員の離職を防ぐためには、きちんと対策を取る必要がある。」そうわかっていても、実際にどのようなことを行えば良いかわからず、戸惑う人も多いのではないでしょうか。

そこでここからは、離職防止のための具体策を3つ、事例と主にご紹介します。

 

具体策1:株式会社バンダイナムコビジネスアーク

「株式会社バンダイナムコホールディングス」のもと、グループの管理経営や事業の戦略管理を行っている「株式会社バンダイナムコビジネスアーク」。当社では、従業員に働きやすい職場を提供するため、さまざまな制度を取り入れています。

例えば、子供を出産した時に祝い金を支給する「出産お祝い金」や、自宅で職務をこなせるようにするための「テレワーク制度」など。従業員が仕事と家庭を両立できるよう、サポートすることで、人材の定着を図っています。

また、”子育てをしながらバンダイナムコビジネスアークで働く”というコンセプトのもと、従業員の子育てを支援するための「子育てネットワーク部」を設立。

立場に関係なくコミュニケーションが取れるようなシステムを作ることで、社員同士の子育てに関する情報交換をスムーズにしています。さらに、仕事以外で話す機会が増えたことにより、仕事がしやすくなったという、従業員からの声もあるのだそう。

出産や結婚による離職率の上昇を抑えたい方、職場の人間関係に不安がある方は、「株式会社バンダイナムコビジネスアーク」の施策、制度を参考にしてみるのも良いでしょう。

 

 

具体策2:株式会社ユナイテッドアローズ

衣類やファッション雑貨などを販売する、大手セレクトショップの「株式会社ユナイテッドアローズ」。こちらの会社は、2019年4月に人事評価制度の改定を行うなど、従業員が納得して働けるような環境づくりに注力しています。(参照元:株式会社ユナイテッドアローズ公式サイト

例えば、年に一回行なっている「従業員満足度調査」。職場環境や福利厚生、従業員がやりがいを持っているかなどを調査し、改善へと取り組んでいます。2020年には、「従業員満足度調査」にあった「情報発信を積極的に行なって欲しい」という社員の意見に応え、会社幹部からのメッセージ送信強化を行っています。従業員の声や、経済状況に合わせて制度を変え、さまざまな問題に対し柔軟に対応している企業です。

また、2020年度には「タレントマネジメントシステム」を新たに導入。従業員の評価や移動歴、意見などを一括にまとめるシステムのことで、よりきちんと社員のことを把握するために活用されています。

適切、かつ効果的な離職防止対策をとるには、まずは社員のことを知ることから。「離職率を算出したけれど、原因がよくわからない」「対策がわからない」という場合は株式会社ユナイテッドアローズが行うような、コミュニケーションを円滑にするシステム作りから始めてみるのも良いでしょう。

 

 

具体策3:サイボウズ株式会社

インターネットを活用し、グループウェアや業務改善サービスを販売している「サイボウズ株式会社」。こちらの会社は、働き方の改革や評価制度を見直し、過去28%だった離職率を3〜5%へと下げることに成功しました。(参照元:サイボウズ株式会社公式サイト

具体的には、以下の制度を取り入れています。

  • ウルトラワーク(在宅勤務制度)
  • 副業許可
  • 給与評価

 

現在、多くの企業が取り入れている在宅勤務制度(テレワーク)ですが、サイボウズ株式会社は2010年から導入。働く場所、時間を単発で決められる「ウルトラワーク」制度も取り入れており、従業員は、自由度の高い働き方の選択肢を与えられています。

また、副業を許可する、従業員の要望と会社の意見とのすり合わせによって給与を決める「給与評価」制度を導入するなど、社員が金銭的な不安を抱かないよう、さまざまな施策を行なっています。

離職を防止するためには、色々な角度から原因を分析し、対策する必要がありますが、やはり給与面での安心感を与えることは離職防止に大きく貢献してくれそうです。

 

 

まとめ

社員が離職してしまうと、また一から採用し教育しなくてはなりません。時間も労力もかかりますし、そもそも人員不足の状態で業務をこなしつつ、採用・教育を行うのは非常に困難。

そのため、離職率を下げることは企業にとって重要です。そして、どのような対策を取るべきなのか、最も効率の良い方法は何かを見極めるため、離職率の計算方法を知っておいて損ありません。

従業員の離職にお困りの方はもちろん、今後離職者が増えないか不安な方は、ぜひご紹介した企業の具体例などもぜひ参考にし、今記事の情報をお役立てください。

著者
松木 謙介
2017年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。大手飲食チェーン店のマニュアルデジタル化プロジェクトに携わり、2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」の立ち上げ、現在までプロダクト開発に携わる。「研修をもっとラクラクに」できるよう、試行錯誤を続ける日々。趣味はサッカー観戦、ゲーム、読書、他多数。

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