前任者と後任者の業務の引き継ぎはとても重要です。担当者が変わるときに、業務内容に関して十分な引き継ぎがされないと、後任者の業務が滞ってしまい、関係部署ひいては取引先にまで迷惑をかけてしまう恐れがあります。
そして担当者間で業務の引き継ぎをスムーズに進めていくために、欠かせないのが「引き継ぎ書・引き継ぎマニュアル」です。
では、引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルとはなにか、またどのようにして準備すれば良いか丁寧に解説いたします。
引き継ぎに必要な資料として、引継ぎ書・引継ぎマニュアルがあります。引継ぎ書と引継ぎマニュアルは名前こそ似ていますが、内容は異なります。ここではその違いについて、解説していきます。
まず引き継ぎ書ですが、こちらはどの業務をいつから誰に引き継ぐのか、ということを明記した引き継ぎのリストです。引き継ぎ事項に漏れが発生しないように、担当業務に関わる作業項目をくまなく挙げて作成します。後任者が業務の全体像を掴むためや、引き継いでいない業務はないかを確認するために必要な資料です。
引き継ぎ書に記載される代表的な項目には、作業ごとに「概要」「納期」「作業手順」「関連部署や報告先」「取引先」「備考」などがあります。進行中の業務や未解決の業務については、現状や見通しを備考欄などにコメントを残しておきましょう。
職種にもよりますが、年間、月間のスケジュールを作ることで業務の流れがわかり、進行のタイミングを把握しやすくなります。
引き継ぎマニュアルは、引き継ぎ書に記載した項目について、実際に作業する際の手順や注意点、チェック項目ポイントなどを記載した業務マニュアルです。業務を進めるための作業工程を詳細に記載してあるもので、マニュアルを見れば誰でも業務を進めていくことができるように作成する必要があります。
引き継ぎ書、引き継ぎマニュアルのどちらも、業務・作業の基準となるため、見る人にとってわかりやすく作られていることが大事です。
■参考記事はこちら
マニュアルとは?活用されるマニュアルの特徴と作り方をわかりやすく解説!
ここでは、引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルを作成するメリットについて解説していきます。
厚生労働省の雇用動向調査(※1)によると、令和2年の入職者は710万人(労働者全体の13.9%)、離職者は727万人(同14.2%)と、人材の流動性が大きいことがわかります。
引用:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果」
つまり職場で働く人は常に入れ替わっていて、それだけ現場では引き継ぎの機会が発生しています。十分に時間を確保して一から教えられるのなら、スムーズに引き継いでいくことができますが、現実的にはそのように時間的・人事配置に余裕のある職場はそう多くありません。
しかし、引継ぎ書・引継ぎマニュアルがあれば、資料をもとに短期間で引き継ぎを終えることができます。後任者は、マニュアルを見返すことで不明点を解消でき、業務を円滑に進めていくことができます。
企業によっては会社全体を見ることができる人材を育てるために、定期的にジョブローテーションを行って多くの部署の業務を経験させています。営業から経理への配置転換のようにまったくの畑違いの部署へ移る場合もあります。
馴染みのない職種に取り組んでいくときに引継ぎ書・引継ぎマニュアルがない、あるいはマニュアルが不十分な内容であれば、後任者の業務の質や成果が落ちる原因になってしまいます。「人生信頼塾長(2015)『華麗なる業務引継論』」という書籍では、以下のように述べられています。
できあがった成果は、前任者のものよりレベルの低いものになります。なぜなら、前任者はすでにその業務に関しては百戦錬磨のエキスパートであり、経験が違いすぎるからです。後任者がいきなり担当して、前任者をすぐに上回ることは稀です。
引用:人生信頼塾長(2015)「華麗なる業務引継論」
引き継ぎ書や引き継ぎマニュアルを活用することにより、業務の質や成果をキープするための知識を伝えることができます。その結果、前任者と同等レベルまで達しないにしろ、成長を早めることへと繋がるでしょう。
引継ぎ書・引継ぎマニュアルが完成されていて、業務手順が引継ぎ資料に明文化されていれば、口頭での説明で起こる伝え漏れや聞き漏れ、また後任者のあいまいな理解や誤認などを防ぐことができます。作業の不明点は資料で何度も確認できるので、後任者の業務品質は安定し、取引先からの評価を高く保持できるでしょう。
つまり、引き継ぎ書、引き継ぎマニュアルは会社の生産性および業績に関わる重要な資料であると言えます。手間や時間をかけてでも作成すべきものなのです。
業務によっては、マニュアル化が難しいものもあります。「特定の人の経験や知識に頼った業務」は、その人の代わりに同じ仕事が出来る人を探すのが難しいものです。
しかし、このような第一人者が培ったノウハウや特別な技術であっても、かみ砕いて業務を細分化し、手順を記しておくことで、他の人にも同じようにできる業務もあります。
一人の天才料理人が奇跡的に生み出したメニューであっても、その材料や分量、作り方を詳細に書いたレシピを残すことができれば、他の人にも再現が可能になります。レシピによってそのレストランの味を他の人が継承していく、あるいは多店舗展開で広めていくことができます。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルはそのレシピの代わりとなるもので、業務の属人化を解消し、業務の再現性を確保することができます。属人化に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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属人化とは?何が悪いのか、もたらすデメリット、原因、対策方法をわかりやすく解説!
元大学教授で企業コンサルタントの小林隆一氏の著書によると、使えるマニュアルの作成手順について、以下のような記載があります。
マニュアル作成の目的に沿って、調査(洗い出し)→設計(スケジューリングと章立て・記載項目の順番を練る)→制作(詳細説明)→運用(引き継ぐ)
引用:小林隆一著 「仕事力がアップする!マニュアルのつくり方・生かし方」
本記事ではこの5ステップに沿って、引き継ぎ書・引き継ぎマニュアル作成を進めていきます。
まずは、自分の担当業務を洗い出してリストアップします。ここでは小さな作業も含めてもれなくリストアップすることが大切です。
大きな分類で業務を書き出したあとに、大分類を構成する中分類に分解し、中分類を達成するために行う小分類の作業に分解して書き出していくようにすると、小さな作業まで漏れなく洗い出せるでしょう。
例えば、流通小売業が「新商品の告知用のメルマガを発行する」という業務をする場合、作業項目を分解した中分類のひとつとして、文章作成前の作業がいくつか出てきます。
大分類:メルマガ発行
―中分類:メルマガ文章作成前のタスク
続いてメルマガ原稿を作成し、関係各所に確認をとります。
―中分類:メルマガ原稿作成
完成したメルマガ原稿を配信設定します。
―中分類:配信設定
さらに配信後には、開封率やメルマガからの流入などメルマガ配信の効果測定のまとめ、検証の作業が出てくるでしょう。「メルマガを配信する」という一つの業務に付随する作業項目を細かく分類して記載しておきましょう。
次に引き継ぎのスケジュールを作成します。リストアップした業務について、どれを、いつまでに、どのタイミングで引き継ぎを行うのかを決めていきます。
前任者と後任者が引き継ぐ業務について共有できる時間をどれほど取れるのかにもよりますが、重要な事項を優先して説明できるようにスケジュールを立てましょう。すべての業務を一緒に手順を踏みながら引き継ぎができれば良いのですが、現実には難しいものです。限られた時間のなかで後任者の不安が解消できるように、重要度が高い業務、頻度が多い業務に時間を割けるよう、効率の良いスケジュールを立てましょう。
続いて資料に記載する内容を決めていきます。引き継ぎ書によって、担当業務を洗い出して業務ごとに作業項目がリスト化されたら、引き継ぎマニュアルで詳細や手順を記載していきます。
必要な内容として以下のようなものがあります。漏れのないように取り込みましょう。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルに記載する内容が決定したら、資料を作成していきます。
はじめに目次のページを用意する、各ページに見出しを設ける、この2点を行うと全体像や全体量、どのページが何を表しているのかが把握しやすく、後任者の理解が進みやすくなります。業務の手順を一工程ずつ説明していきます。
また、引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルは、大辞典のように紙で1冊完成させるのではなく、複数人が共有できるようにweb上で保管しておきましょう。なぜなら業務はこの先の状況に合わせて改良・改善されていくからです。手順が簡略化されるなどの変更があれば、修正する必要が生じます。紙で作成してしまうと変更するのが難しくなります。
また不明点を調べる際に、web上にあれば検索しやすいという利点がありますので、なるべくデータで残すようにしましょう。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルが完成したら、後任者を渡し、引き継ぎを始めます。
資料を渡すだけではなく、一緒に資料を確認しながら読み合わせの時間をとると良いでしょう。重要な業務や難易度が高い業務については一緒に手を動かして引き継いでいくと、後任者の理解度も高まりますし、引き継ぎへの不安が解消されると思います。
また、引き継ぎ書・引き継ぎマニュアル作成時の抜け漏れのチェック方法については、この後の章で説明いたします。
引継ぎマニュアルの作り方、資料作成の具体的な進め方について解説いたします。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルをまとめるためのフォーマットを準備します。社内に資料作成フォームがあればそれを利用しますが、なければ新しく作成するためのフォーマットを決めます。
つづいて資料の全体構成を練ります。具体的には、引継ぎ項目を並べていき、どの順番で説明するとわかりやすいかを考え並べ替えて、骨子を構築します。ここで作成した構成と項目は、資料の目次として活用していくことができます。引き継ぎ書であればエクセル、引き継ぎマニュアルであればパワーポイントをおすすめします。本記事の上部及び下部のバナーから、エクセルの引き継ぎ書、パワーポイントの引き継ぎマニュアルを無料で配布しておりますので、ぜひご活用くださいませ。
引き継ぎ書、引き継ぎマニュアルには、後任者が「なにをするのか」「引き継ぐ業務はなにか」について、はじめの方で一覧で確認できるようにしておくと効果的です。。論文等の書き方と同じで、先に結論が記載されていると全体を理解しやすくなります。。全体像が把握できるようにしておきましょう。
また、トラブル対応などイレギュラー対応についても、実例をできるだけ多く記載しておきます。担当者の頭を一番悩ませるのはトラブル対応です。慣れている業務でのトラブルなら落ち着いて対応できるかもしれませんが、初めての業務においてはトラブル対応に対しては不安に感じることでしょう。トラブル発生時にだれに報告するか、どのような手順で処理をするか、などなるべくバイネームで具体的に記載しておきましょう。
引き継ぎマニュアルにおいて、業務を一つずつ切り取って手順を詳しく示していく必要がありますが、それぞれの業務がどのように関連しているのか、つながりが分かっていると、業務一つひとつの重要性を理解することができます。
例えば、1〜10までの業務のうち、3では他部署の〇〇さんとのコミュニケーションが必要、8では上長に確認してもらう、などを明記しておくことで、関係者を意識しながら業務を引き継ぐことができます。また、2でこの作業をやっておくことで、6の作業で楽になるなどのコツも伝授できると後任者の不安を取り除くことができるため、良いでしょう。
さらにゴールまでの10の手順のうち、いまは7個目を進めている、と全体のなかでの位置づけを掴んでいることも大切です。ゴールまでの過程の現在地を知ることによって業務の意義と重要性を捉えることができます。
またそれぞれの業務における社内外の関係社の指名・連絡先・連絡方法(あれば連絡のメール例文など)も記載しておきましょう。困ったときに質問できる人がいれば、所属先・連絡先とともに氏名を書き込んでいきます。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルは、その業務に初めて携わる人が後任になることを意識して作成しましょう。経験者など特定の人にしか理解できない内容であれば、引き継ぐために作成したマニュアルとは言えません。読む人の前提知識を必要としないもの、誰にでもわかりやすく伝わることが大切です。
文章が長くなり読みにくい場合には、以下を取り入れて、見やすくなるよう工夫しましょう。
図表にはグラフやイラスト、画像などがあります。システムの操作などの手順を示す場合には、パソコン画面のキャプチャを貼ることも有効です。全体像と流れを示すならフローチャートを入れる、音声、動画を活用するなど適宜効果的な補足資料を入れることで、相手の理解度が高まります。
最後は自社内だけでなく、他者との取引の情報や物品の保管場所の引き継ぎについてです。営業担当の引き継ぎならば、取引先1社ごとの情報を丁寧に引き継ぐ必要があります。顧客情報は社内ツールなどに集約しシステム化を進めている企業もありますが、取引先の担当者と対峙する現場での対処法や情報は前任者の活きたアドバイスが重要になります。
例えば、「この会社へのアプローチはAさんではなくBさんに行う」であったり、前回の商談時にどこまで話が進んでいるかだけでなく、今後何を提案・提供することで商談をまとめることができそう、なども有益でしょう。
また、工夫を重ねて改善してきた方法・策や努力して掴んできた情報もあるかもしれません。苦労して培った情報は人に教えたくないと思うこともあるかもしれません。しかし、全体最適を優先して、引き継ぐべき情報は出し惜しみせずに公開しましょう。
物理的な備品の保管場所やデータで作成されている資料のデジタル上の格納フォルダについても忘れずに引き継ぎをしておきます。後任者が資料を探すのに無駄な時間と労力を費やしてしまうことのないようにしましょう。部内の資料や備品の一覧は部全体で作成しておくことで、都度引き継ぐ必要がなくなるので、効率的です。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアル作成にあたってよくあることですが、「作成する」だけで満足してしまい、成果物が相手にとっての使いやすさを無視したものになるのは、避けなければいけません。
サイボウズチームワーク総研が行った「仕事の引き継ぎに関する意識調査」によると、引き継ぎがスムーズだったと回答した人の約8割が今の職場で働き続けたいとしています。引き継ぎがスムーズではなかったと回答した人は約6割に留まったのに対して、円滑な引き継ぎによって人材の高い定着率が見込めるといえます。定着率に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
■参考記事はこちら
定着率とは?業種別の平均や目安、上げる方法や重要ポイントまでわかりやすく解説!
引用元:サイボウズチームワーク総研「仕事の引き継ぎに関する意識調査」
わかりやすく活用される引き継ぎ書・引継ぎマニュアルを作るためには、欠かせない要素があります。ここではわかりやすい引継ぎ資料のために必要な3つの要素をご紹介します。
1つ目の要素は目的です。その業務の目的を明確にしておくことで、後任者の理解が早まります。
具体的には「その仕事は何のために行われるのか」「なぜ必要か」「どれだけ重要で価値がある業務なのか」という目的を明文化しておきましょう。
目的がわかることで、業務に対する意義が見つかり、目的意識が高まって、「積極的に取り組んでいきたい」と自発的にやる気が生まれることにもつながります。
2つ目の要素は業務のゴールです。これから携わる業務はどうあるべきなのか、達成の状態、業務のゴールを示しましょう。
具体的にはいつまでに、何を、どのような状態にするのかを示します。タスクの頻度や回数も記載しましょう。繁忙期があるなどのイレギュラーな事象についても伝えておきます。経理業務において請求書処理を例にするなら、「月末までに3日間で約1000件の仕訳処理をする」というように、職種によって特徴があります。
引継ぎ書・引継ぎマニュアルによって、ゴールに向かうまでのやるべきことが一望できると後任者も受け入れやすくなります。
3つ目の要素は業務フローです。業務の目的とゴールを示したうえで、詳しい手順を説明します。これは簡単だから説明は要らないだろうと判断し、手順を省く、説明を簡略化しないようにしましょう。特に間違えやすい箇所については別紙に詳細を記載するなど工夫し、注意喚起しましょう。
業務を洗い出して、順序も吟味して作成した引継ぎマニュアルですが、一人で作成するケースが多く、どうしても抜け漏れが発生してしまうことがあります。抜け漏れはどうすれば無くしていけるのでしょうか。抜け漏れをチェックする方法を解説します。
引き継ぎ資料の抜け漏れをチェックする方法として、タスクを違う視点で見てみることが有効だと言われています。例えば、時間軸」で業務を洗い出してみることもひとつの方法です。出社してから退社するまでの流れを追いながら、書き出してみることで漏れを防ぎやすくなります。
企画部署での一日の業務を例に、出社時から時間軸で自分が処理したタスクと引き継ぎ内容を書き出してみます。
タスク |
引き継ぎ内容 |
電話・メール対応 |
電話応対の方法、使い方 |
郵便物や車内便の受け取りと発送 |
社内の発送ルール |
企画会議 |
主催する場合の通知、出欠の取り方、会議室等の調整などの方法 |
議事録作成 |
書類フォーマットや作成後の保管場所、また作成後の回覧ルール(上長に確認後出席者に送信など) |
企画書作成 |
書類の書き方など |
外出時のルール |
スケジュールに外出先と要件、戻り時間を記載するなど |
来客時の対応 |
使用場所、お茶出しのルールなど |
週単位で回す作業項目もあります。「毎週月曜日に週次会議がある」「水曜日にはデータやwebサイトの更新タイミングである」「金曜が他部署への報告の期限だ」など曜日によって締め切りやルールがある場合は、曜日別に一日の業務を洗い出していきます。
経理や営業などの部署であれば、月末・月初には売上や請求・入金などの集計も必要になります。このように時間軸で、日、週、月単位での業務を見ていき、引き継ぎ書、引き継ぎマニュアルに漏れがないかチェックしておきましょう。
作成した資料を他人の目でチェックしてもらうことも、抜け漏れ対策には有効な方法です。上司や関連部署の複数の人に作成した引き継ぎ書や引き継ぎマニュアルを確認してもらい、フィードバックしてもらいましょう。ダブルチェックを行うことで抜け漏れを防ぐ確率が上がり、より充実した資料を作ることができます。
業務内容に無駄が見つかり、見直しのきっかけとなるケースもあるため、業務改善につながることも期待できます。
MECE(ミーシー)とは、「Mutually(お互いに)Exclusive(重複がない) and Collectively(全体に)Exhaustive(漏れがない)」の略で、「漏れなくダブりなく」という意味です。問題点の洗い出しや、情報の収集・生理・分析において、重要な考え方であり、ロジカルシンキングのベースになっている考え方です。(参考情報:株式会社アンド著 『思考法図鑑』 株式会社翔泳社)
目的達成の要因を分解していき、ピラミッド型のように全体を構成するすべての要素をさらっていくものです。
例えば小売店で、売上の拡大を目的においたとします。売上を構成する要素を分解してみると、売上=客数×客単価です。客数を分解すると、既存客と新規客に分かれます。一方客単価は一点単価×点数に分かれます。それぞれはさらに分解していけますが、このようにそれぞれを構成する要素を細かく分解することで、売上アップのための策を練り上げることができます。
引き継ぎマニュアルを作成する場面にも、このMECEの「漏れなくダブりなく」という考え方を適用していくと良いでしょう。
引き継ぎマニュアルの作成に役立つテンプレートと引き継ぎ業務のチェックリストを無料で配布しています。
引き継ぎのたびに業務が滞ってしまっては、後任者や職場は混乱しストレスになりますし、会社としても大きな損失を被ることになります。
引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルは、後任者がスムーズに業務を進めていくためのバイブルになるものです。
「これぐらいはわかるだろう」という意識で作成するのはなく、初めてその業務に携わることになった人にも理解してもらえるように作成することが大切です。「誰にでもわかる」引き継ぎ書・引き継ぎマニュアルを作成し、スムーズな業務引き継ぎを実現させましょう。