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動画マニュアルとは?メリットや効果、作り方のコツについてわかりやすく解説!

研修 マニュアル
2021.11.23
松木 謙介

一般的に「マニュアル」と聞くと、紙ベースの資料をイメージする人が多いのではないでしょうか。ところが近年では「動画マニュアル」が注目を集めています。実際に、厚生労働省では介護現場の生産性向上を目的として、動画マニュアルの作成を勧めているほどなのです。

「参照元(厚生労働省):3-2 動画マニュアル作成 - YouTube

 

しかし、ひと口に動画マニュアルとはいっても、

  • 「動画マニュアルって?紙のマニュアルとは何が違うの?」
  • 「動画マニュアルを自分たちで作るにはどうしたらいい?」

などの疑問を抱く方も少なくありません。

そこで本記事では、「動画マニュアルとは?」という基本から「紙マニュアルとの違い」「効果」「作り方」まで徹底解説していきます。この記事を読めば、動画マニュアルを実際に作りはじめられる状態になれますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

動画マニュアルとは?

動画マニュアルとは、動画のみで作成されたマニュアルのことです。一般的にイメージされる紙やWord、PDFファイルといった形式ではなく、動画で業務手順や製品情報などを示したマニュアルを指します。

動画マニュアルは、紙やWord形式のマニュアルと比べると多くのメリットがあります。まずは、「学習効果」に関してどのような違いがあるのかをみていきましょう。

 

紙マニュアルとの効果の違い

動画マニュアルは、紙マニュアルと比べて「学習効率が良い」といわれています。実際にアメリカの調査会社Forrester ResearchのJames McQuivey博士によると、1分間の動画は一般的なWEBページの3600ページ分の情報量であると報告されており、動画で学習することの効率の高さが科学的に証明されています。(参考情報:A Minute of Video Is Worth 1.8 Million Words, According to Forrester Research

 

また、動画を活用した「反転授業」に関する調査では、一般的な授業形態よりも記憶の定着に貢献する可能性が報告されています。とくに受講生からのコメントでは、以下のような動画活用の効果が期待できる声が挙げられました。

「とてもわかりやすく、何度も見直す事が出来たので理解を深める事ができた」

「難しい内容でも動画を用いて予習する事で理解する事が出来ました」

「引用(理学療法 - 臨床・研究・教育):基礎科目に対する反転授業の効果

 

動画マニュアルのメリット

動画マニュアルのメリット

動画マニュアルには、次の3つのメリットがあります。

 

<動画マニュアル3つのメリット>

  • メリット1:時間や場所に縛られない
  • メリット2:理解がしやすい
  • メリット3:コスト削減になる

くわしくみていきましょう。

 

メリット1:時間や場所に縛られない

動画マニュアルは、オンライン上に動画を保存することで「時間や場所に縛られずに視聴できる」のが大きなメリットです。紙マニュアルでの「マニュアルが置いてある場所でしか見られない」「会社にいるときにしか見られない」といった制限から解消されるでしょう。

また、上司から直接指導を受けながらも

  • 「メモを取るのを忘れてしまった……」
  • 「一度聞いたけど忘れてしまった……」

といった事態が起こるのもよくある話ですよね。とくに新入社員であれば「先輩に何度も同じことを聞くのは気が引ける」という気持ちにもなることでしょう。

そんなときでも動画マニュアルがあれば、いつでも自分のタイミングで手軽に視聴できるため、スムーズに解決できます。

 

メリット2:理解がしやすい

前述したように、動画マニュアルは紙マニュアルに比べて学習効率が高いと考えられています。そしてその理由には、動画マニュアルに「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」の3つが揃っていることが関係しているのです。

医学博士の本田真美氏は自身の著書で、人は何かを記憶するとき、視覚、聴覚、言語のいずれかを手がかりにしているといいます。またアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則においても、人がコミュニケーションをとる時は五感のうち「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」の3つを使用していると示しています。(参考情報:医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~

 

つまり動画マニュアルでは、紙マニュアルの文字や言葉といった「言語情報」が字幕やテロップとして存在する、かつそこにイラストや人物の動きといった「視覚情報」、さらにはナレーションや効果音といった「聴覚情報」が加わるため、3種類の情報を同時に受け取っているため、記憶に残りやすいのです。

なお、オフラインの研修では講師のスキルや教え方によって、習熟度が左右されますが、あらかじめ丁寧に作りこまれた動画マニュアルであれば、研修の質を保ち続けられるといったメリットもあります。

 

メリット3:コスト削減になる

動画マニュアルは、紙マニュアルと比較して次のようなコスト削減効果があります。

時間的コスト削減

研修場所までの移動時間、講師の作業時間・育成時間など

経済的コスト削減

印刷費用、講師報酬、研修場所までの交通費など

 

オンライン視聴可能な動画マニュアルを活用すれば、これまでオフラインで行っていた研修をオンラインで実施可能になります。何度も同じ場所に社員を集める必要がありませんので、時間的コスト(受講生の移動時間)や経済的コスト(移動費用)の削減につながるでしょう。

また、動画マニュアルのなかでは、講師に代わってテロップやナレーションで解説をしていきます。そのため、外部講師に依頼していた企業にとっては、その都度支払っていた報酬も削減することができます。

 

動画マニュアルが向いている業界・業種

ここからは、特に動画マニュアルの活用に向いている業界を3つご紹介していきます。

<動画マニュアルが向いている3つの業種・業態>

  1. 接客・サービス業
  2. 看護・介護職
  3. 流通・小売業

くわしくみていきましょう。

 

1.接客・サービス業

接客・サービス業では、接客や接遇に関するマニュアル作成において動画マニュアルが向いています。笑顔の大きさや接客時の声色など、紙マニュアルでは伝わりづらい部分が動画マニュアルなら問題なく伝わるでしょう。

そのほかにも、「おもてなし」といった接遇の立ち振る舞いなどは、なかなか紙マニュアルでは表現しきれないものです。その場の空気やお客さまの気持ち、従業員の態度や表情などは、動画マニュアルだからこそ伝えられるポイントといえます。

 

2.看護・介護職

看護・介護職は、患者や入居者、またはその家族に対して接する機会が多いため、接遇が重要視される職業です。スタッフに対する接し方や接遇に関する教育が不十分であれば、患者や入居者に不快な思いをさせてしまうことも少なくありません。しかし紙マニュアルだけでは、身体への触れ方や細かな気配りまではなかなか伝わりづらく、接遇を身につけるのは難しいものです。動画マニュアルであれば、講師が細かなニュアンスやロールプレイングを通して実際の対応を見ることができるので、理解度が高まります。接遇に関しては以下の記事をご覧ください。

■参考記事はこちら

接遇とは?接客との違いや5原則などを業種別事例からわかりやすく紹介!

 

また、看護・介護職は離職率が高く、人手不足が深刻な業界ですので、紙マニュアルで不足した部分をOJTで補うのも限界があるでしょう。そのため、効率的な人材育成を目的とした動画マニュアルの活用もおすすめです。離職率に関しては以下の記事が参考になります。

■参考記事はこちら

【2021年最新版】新卒の離職率は?業界別の離職理由とその対策について事例を交えてわかりやすく解説!




3.流通・小売業

社員を多く抱える流通・小売業界。多数の新入社員全員に毎年同じ研修を実施するには、莫大な時間と手間がかかるものです。

その点、動画マニュアルを導入することで、講師にかかる人件費などのコストを大幅に削減することができます。また動画マニュアルであれば、オンラインでの共有が可能なため、入社前研修としても役立ちます。実際にアパレル大手の株式会社ユナイテッドアローズは、入社前の内定者研修をオンライン研修サービス「shouin+」による動画マニュアルを軸にした研修に置き換えたことで、従来の研修よりもより進んだ内容を教えることができるなど、大きなメリットを受容しています。ユナイテッドアローズ様の活用事例は以下をご覧ください。

 

■参考ページはこちら

内定者研修をオンライン化し、内定期間で基礎レベルの底上げが可能に!(株式会社ユナイテッドアローズ)



そのほかにも、例えば商品の梱包作業などイラストだけでは人によって仕上がりがバラつきやすい作業も、動画マニュアルであれば細かなニュアンスまでしっかり伝わるため、従業員のスキルを平準化することができ、お客様に提供する店舗体験価値の均一化、向上にもつながります。

 

動画マニュアルの活用ケース

動画マニュアルの活用ケース

動画マニュアルには多くのメリットがあるものの、実際にはどのように活用していけばよいのでしょうか。ここでは次の3つの活用方法についてご紹介していきます。

  • 業務マニュアル
  • 営業マニュアル
  • 製品マニュアル

くわしくみていきましょう。

 

業務マニュアル

まず、動画マニュアルのもっともメジャーな活用方法が「業務マニュアル」です。業務マニュアルでは、仕事の全体像をはじめ、流れや作業ポイントなどを示します。新人研修など、未経験者に新しく業務を教える場で活躍するマニュアルといえるでしょう。

また、動画マニュアルでの研修はイメージがしやすく学習効果が高いため、業務知識の少ない新入社員にとってはメリットの大きい教育方法といえます。毎年の新入社員研修で動画マニュアルを活用し続けられる点も大きなメリットとなるでしょう。

 

営業マニュアル

次にご紹介するのは、営業活動に関するノウハウを示す「営業マニュアル」です。

対人コミュニケーションが関わる営業活動では、そのポイントやノウハウを言語化するのが難しいこともあるでしょう。その点、動画マニュアルは「細かなニュアンスやイメージ」を伝えるのに非常に向いているといえます。

営業のみに限らず、接客業など対人コミュニケーションが必要とされる場面でも同様に活用しやすいマニュアルといえるでしょう。

 

製品マニュアル

最後にご紹介するのは、「製品マニュアル」です。これは、商品の仕組みや操作方法を示す「動画版の取扱説明書」とイメージしてください。

一般的に、取扱説明書は紙ベースであることがほとんどでしょう。ところが近年では、動画ベースの製品マニュアルを見かけることも増えてきました。実際に象印の公式ホームページでは、動画を活用した製品マニュアルが多数公開されています。

下記には動画マニュアルの例を記載しましたが、見てわかるように動画で解説することにより、視覚で理解しやすく利用者側のメリットが非常に大きいのです。

 

▼製品マニュアルの例)電気ポットの取扱説明書|クエン酸洗浄方法|象印

象印動画マニュアル

 

 

動画マニュアル作成は内製化できる?

動画マニュアル制作について、以下のようにお考えの方も多いのではないでしょうか。

  • 「動画制作は素人にとってハードルが高い...」
  • 「外注すると費用がかかってしまう...」

最近では、動画マニュアル制作を内製化する企業も増えています。

その理由としては、高画質の映像を撮影できるスマートフォンの普及にともない、動画制作がスマートフォン1つでできるようになったことが挙げられます。iPhone、Androidともに高画質カメラが搭載された機種がメジャーになっており、特別な機材を必要としなくなったことが内製化を進めるにあたって、大きな後押しとなっています。

また、動画編集ができる無料のアプリも多数展開されており、YouTubeをはじめインスタグラムやTikTokといった若者向けSNSでも、スマートフォンアプリで編集された動画が多く見受けられます。無料動画編集アプリの例は次のとおりです。

 

▼動画編集ができる無料アプリの例

  • CapCut
  • iMovie(Apple社製品のみ)
  • Videoleap
  • Magisto
  • VivaVideo
  • キネマスター など

アプリを使用した動画編集は、高度な動画編集スキルがなくても直感的に使用できるものがほとんどです。そのため、社員に動画撮影~編集を任せるなど、動画マニュアル制作を内製化することも可能です。

 

クオリティを求める場合は外注も選択肢のひとつ

前述したように、動画マニュアル制作は社内で完結させることも可能です。ところが、素人作業では動画マニュアルの質が低下しやすいのも事実。たとえば、

  • 動画の企画・構成
  • テロップの文面
  • 効果音・BGMの挿入

といった編集ポイントでは、素人とプロの作業では質の違いがはっきりと現れます。

動画マニュアルは、長期的に活用していくことを見据えると「質」を重視したいもの。そのため、できれば動画マニュアル制作は「外注」がおすすめです。近年では、動画マニュアル制作をサポートしてくれる「人材育成クラウドサービス」なども展開されており、動画マニュアル制作から人材育成の評価・管理まで一貫したサポートを依頼することも可能です。

 

動画マニュアルの作り方5ステップ

動画マニュアルの作り方5ステップ

それでは、ここからは実際に動画マニュアル制作を行う場合の進め方をご紹介していきます。動画制作のステップは主に次の5ステップです。

<動画マニュアルの作り方5ステップ>

  • ステップ1:企画・構成を検討する
  • ステップ2:台本作成
  • ステップ3:動画撮影
  • ステップ4:ナレーション収録
  • ステップ5:動画編集

くわしくみていきましょう。

 

ステップ1:企画・構成を設定する

企画・構成は、動画全体の目的と流れが決まる重要なポイントです。企画・構成で動画のクオリティが決まるといっても過言ではありません。そんな企画・構成を設定するうえでの作業ポイントは、次のとおりです。

動画内容の設定

「誰に(Who)」「何を(What)」伝えたいのか

構成設定

動画内容の骨組みをつくる

例:ビジネスマナーマニュアルなら...

  ①心構え ②身だしなみ ③会話 など

伝え方の設定

「どのように(How)」伝えたいか

例:実写orアニメーション、ナレーションorテロップor両方

 

このとき、動画を見終わった後「誰にどうなってほしいか」をイメージしてみると設定がしやすくなります。あわせて、どこで(Where)撮影するのか、誰が(Who)撮影するのかなどを決めておくと、その後の動画撮影もスムーズでしょう。

また、動画の長さは1動画あたり30秒〜2分がおすすめです。長すぎると視聴者の集中力が続かず、動画を最後まで視聴してもらえる可能性が低くなるからです。構成を検討する際は、動画の長さを考慮しましょう。

 

 

ステップ2:台本を作成する

企画・構成ができたら、次に台本を作成していきます。台本を作成することでスムーズな撮影が可能となり、動画の質もよくなります。撮影後の取り直しや修正を未然に防ぐことにも繋がるでしょう。

台本作成はテキストまたはイラストで、動画のコマごとに下記3つのポイントを書き出してください。

  1. 挿入するテロップや図表
  2. 登場する人物の動き
  3. ナレーションのセリフ

ちなみに、ナレーションの速度は、YouTube講演家の鴨頭嘉人氏によると「1分あたり400文字程度が効果的である」とされています。2分の動画なら800文字、5分なら2,000文字を目安に台本を作成してみましょう。(参考情報:日本語での話し方の具体的テクニックを2つお届けします❤️ | YouTube講演家 鴨頭嘉人 | Voicy

 

ステップ3:動画撮影

台本が完成したら、実際に動画撮影を行っていきましょう。撮影は明るい場所で行い、屋外なら天気のよい日中、屋内なら日差しが差し込みやすい時間帯がおすすめです。自身で照明を用意するのもよいでしょう。

動画撮影には、デジタルビデオカメラまたはスマートフォンをご用意ください。場合によっては三脚やマイク、手ぶれ防止のためのスタビライザーなどがあると便利です。

なお、撮影用機材および撮影のテクニックについては、以下の記事でくわしく解説しています。ぜひご覧ください。

 

■参考記事はこちら

初心者でもわかる動画マニュアルの作り方とおすすめツールの紹介

 

ステップ4:ナレーション収録

動画にナレーションを挿入する場合は、このタイミングで台本・撮影映像にそって音声を収録していきます。ナレーション速度としては1分あたり400文字程度が目安ですが、撮影動画に合わせてスピードを調整してもよいでしょう。

 

ステップ5:動画編集

動画撮影と音声収録が完了したら、最後に編集をします。編集ツールはスマートフォンアプリまたはパソコン編集用ソフトを使用してください。

具体的な編集ポイントとしては、次の5つが基本です。

  1. 撮影映像のトリミング
  2. 収録音声の挿入
  3. テロップ挿入
  4. 図表やイラスト挿入
  5. エフェクト追加

 

ここでも、1動画あたり30秒~2分、長くても5分に収まるように編集をしてください。どうしても5分に収まらない場合は動画を2つに分けてもよいでしょう。

 

わかりやすい動画マニュアル制作のコツ

わかりやすい動画マニュアル制作のコツ

ここからは、ワンランク上の動画マニュアルを目指すための「動画マニュアル制作のコツ」をご紹介していきます。ポイントは、次の3つ。

 

<わかりやすい動画マニュアル制作3つのコツ>

  • コツ1:話している内容や重要箇所にテロップを入れる
  • コツ2:重要ポイントでは注目を集める工夫をする
  • コツ3:1つの動画を長くしすぎず、短く区切る

ひとつずつ解説していきます。

 

コツ1:話している内容や重要箇所にテロップを入れる

動画内のナレーションや重要ポイントには「テロップ」を入れましょう。テロップ挿入には次のような効果があります。

<テロップの効果>

  • 内容が伝わりやすくなる
  • ミュート状態でも視聴できる
  • 聴覚に障がいのある方でも内容が理解できる

実際に、2015年に総務省が実施した「字幕付きCMに対する評価、効果等に関する調査研究」では、字幕付きCMを視聴した聴覚障害者の感想として「商品の内容も分かるようになった。しっかりCSRに対応している企業だと思う」との声が多くあがっており、テロップの必要性が示されています。

「参照元(総務省):字幕付き CM に対する評価、効果等に関する調査研究

 

動画内テロップの理想はフルテロップ(ナレーションすべてにテロップを挿入すること)ですが、重要なポイントだけでも構いません。

また動画全体にテロップを入れる場合は、重要なポイントだけ色を変えると効果的です。赤色など目立つ色を使用するとよいでしょう。テロップ挿入は手間がかかりますが動画の質は確実に上がります。ぜひチャレンジしてみてください。

 

コツ2:重要ポイントでは注目を集める工夫をする

動画の中でもとくに重要となるポイントでは、下記のような注目を集めるための工夫をしましょう。

<視聴者の注目を集める工夫>

  • 一時停止
  • 矢印やラインの挿入
  • ハイライト効果の挿入
  • 点滅などエフェクトの挿入

たとえば、動きのあるシーンで特定のポイントについて解説を入れるときは「一時停止」、お辞儀の角度について解説したいときに「ライン挿入」など、シーンに合わせて選んでみてください。



コツ3:1つの動画を長くしすぎず、短く区切る

海外で実施された調査によると、YouTube動画では2分程度の尺がもっともエンゲージメントが高いと報告されています。1動画あたり30秒~2分、長くても5分程度に収めるよう意識しましょう。(参照元:How Long Should Your Videos Be? Ideal Lengths for Facebook, Instagram, Twitter, and YouTube [Infographic]

動画マニュアルは長すぎると視聴者を飽きさせる原因となり、学習効果を低下させてしまう可能性があります。どうしても動画が長くなってしまう場合は、動画を2つに分けるなどの工夫をしてみてください。

 

動画マニュアルを活用した研修オンライン化の事例

では最後に、動画マニュアルを活用して、成功した事例を4つご紹介いたします。ぜひ参考にご覧ください。

事例1:株式会社ユナイテッドアローズ

内定者研修をオンライン化し、内定期間で基礎レベルの底上げに成功!

株式会社ユナイテッドアローズ

アパレル大手の株式会社ユナイテッドアローズでは、新入社員教育において活字のマニュアルでは伝えられない「感覚的」な基本を、店舗でのOJTで補っていました。ところが、閉店後に行うOJTにより膨大な残業が発生するなど、課題を感じていたのです。

そこで、より「感覚的」な内容が理解しやすい動画マニュアルを導入することに。すると、研修が効率化され、内定期間中に具体的な業務内容や知識、接客スキルの学習までしっかりと行えるようになったそうです。

また、トライアルでは動画マニュアル視聴率と課題提出率の目標を75%と置いていましたが、実際は「95%」と期待を大きく上回る結果に。動画に慣れ親しんでいるZ世代へのアプローチとして大成功の結果といえるでしょう。(引用元:導入事例 株式会社ユナイテッドアローズ|クラウド型eラーニングはshouin+

 

事例2:株式会社ミスターマックスホールディングス

ノウハウ動画で社員研修にかかるコストを削減。売上単価は向上!

株式会社ミスターマックスホールディングス

総合ディスカウントストアを全国展開する株式会社ミスターマックス・ホールディングスでは「教育訓練費の効率化」の課題を抱えていました。研修費の約3~4割を交通費が占め、研修時間や内容に制限がかかってしまっていたのです。

そこでミスターマックスでは、オンライン上で人材育成を完結させるため、動画マニュアルを導入することに。すると、次のような効果が得られたそうです。

  • 時間や場所に縛られない効率的な学習が実現できた
  • 従業員の販売力・対応力が向上した
  • 教育コストが削減できた
  • 研修予算や社内スケジュールによる制限がなくなった

結果として、研修コストの削減は大成功。ある店舗では「家電の売り上げ増加に向けて、事前準備に取り組めた」という報告もあり、売上にもつながる成果が得られました。(引用元:導入事例 株式会社ミスターマックス・ホールディングス|クラウド型eラーニングはshouin+

 

事例3:シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社

児童教育のICT化で支援員の研修時間を50%削減!

大新東株式会社

全国の企業の各種サービス、および各自治体の公共施設や学校給食等の受託運営を行うシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社は、運営施設増加に伴う「研修機会の地域格差」に課題を感じていました。シダックスとしての学童保育研修を全支援員に実施したくても実現できていなかったのです。

そこで、体系的な研修が行える仕組みづくりを目指し、動画マニュアルを導入。すると、研修機会の地域格差が解消されるだけでなく、最大で月間約50%ほどの時間が削減され、浮いた時間は保育や業務の時間に充てることができるようになりました。

また、動画コンテンツは児童向けにも制作を実施。子どもたちは防災や食育、職業などについて動画を通して学べるようになりました。学校では学べないことを学べる場として確立されつつあり、動画は子どもたちに大人気だといいます。(引用元:導入事例 シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社|クラウド型eラーニングはshouin+

 

 

事例4:ココカラ本厚木店(人の森株式会社)

研修を動画化、育成担当者の残業時間を70%削減!

ココカラ本厚木店(人の森株式会社)

フィットネスクラブ「フィットネス&スパ ココカラ」を展開する人の森株式会社は、ジムトレーナーの育成にかかる時間的コストを課題に抱えていました。1人のジムトレーナー育成に80時間ほどかかっており、育成担当者の残業時間に繋がっていたのです。

そこで、研修の効率化を目指し動画マニュアルを導入。トレーニングマシンの使い方やレッスンの進め方などを解説する研修内容を動画に置き換えることで、効率化を実現。育成担当者の残業時間55時間の削減に成功しました。導入事例は以下から詳細をご確認ください。(引用元:導入事例 ココカラ本厚木店(人の森株式会社)|クラウド型eラーニングはshouin+

 

■その他の導入事例は以下からご覧ください

導入事例|クラウド型eラーニングはshouin+(ショウインプラス)

 

まとめ

学習効率の高さと社内研修の効率化などメリットの多い「動画マニュアル」。今回は、動画マニュアルについて「紙マニュアルとの違い」をはじめ、「効果」「作り方」などについて、詳しくご紹介しました。

今は、スマートフォンの普及・機能性向上にともない動画制作がスマートフォン1つでできる時代です。スマートフォン用の動画編集アプリも展開されており、内製化しやすい環境が整ってきています。ぜひ本記事を参考に動画マニュアル導入を検討してみてはいかがでしょうか。

著者
松木 謙介
2017年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。大手飲食チェーン店のマニュアルデジタル化プロジェクトに携わり、2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」の立ち上げ、現在までプロダクト開発に携わる。「研修をもっとラクラクに」できるよう、試行錯誤を続ける日々。趣味はサッカー観戦、ゲーム、読書、他多数。

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