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ヒューマンエラーとは? 原因と防止対策を事例を交えて解説!

平準化 ノウハウ ナレッジ
2020.12.04
松木 謙介

職場で起きる大きな事故の原因の一つに、人間によるミス、ヒューマンエラーが挙げられます。そしてメディアで報道されるような大事故、トラブルでなくても、ヒヤッとするような業務上のミスは、意味すら理解されることなく日々起きているのが現実です。

これらは企業の信用に関わったり、時に大きな損害につながったりするため、極力避けたいものですね。そこで本記事ではサービス業で起こりやすいヒューマンエラーの例を紹介しながら、エラーが起きる意味合い、原因と具体的な対策を解説します。

 

 

ヒューマンエラーとは?

厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」によると、ヒューマンエラーとは、「意図しない結果を生じる人間の行為」のことを意味します。ここでいう「意図しない結果」というのは、事故やトラブルなどとお考えください。

ヒューマンエラーと一口に言っても、その原因の80%以上がヒューマンエラーに起因するヘリコプター事故のようなものもあれば、その場で謝罪すれば済むものあり、その意味合いは天と地の差があります。

 

<ヒューマンエラーの例>

  • 広告に記載した電話番号が間違っていて、他のお宅の電話が鳴り続けてしまった
  • レストランでの注文のオーダーを間違え、お客様を激怒させてしまった
  • 賞味期限が切れていることに気づかず食材を使用し、料理を提供した

一般的には、やり間違い、やり忘れなど、人間の過失による行為をヒューマンエラーと呼び、故意にやった場合は「違反」と呼びれ、ヒューマンエラーとは異なります。同じ広告への電話番号の記載間違いであっても、うっかりやってしまったものは「ヒューマンエラー」で、会社に損害を与えようとやったものは「違反」「犯罪」というわけです。

またマニュアル通りにやったにも関わらず、結果的に正しく処理されなかった場合、当事者はマニュアルを遵守していますので、当事者の行為はヒューマンエラーとは意味合いが異なります。

ちなみにヒューマンエラーと似たような意味合いで使われる言葉には、「過失」「過誤」「人為的ミス」「人的要因」などがあり、業界により少しずつ言葉のニュアンスやよく使われる表現が異なります。

 

ヒューマンエラーはなぜ起きる?人間は間違える生き物

人間の知覚認知過程や感性の特性についての研究を行っている千葉大学文学部教授の一川誠氏。同氏は、著書「ヒューマンエラーの心理学(ちくま新書)」の中で、「人間は、他の生物種と比べると、外界や自分の状態の認識において誤ることが圧倒的に多い生物種」だと述べています。

下の図は、「エビングハウス錯視」と呼ばれるもので、中央の円は左右同じ大きさであるにもかかわらず、周辺の円が小さい左のほうが大きく見えます。

 

エビングハウス錯視の例

 

(参照元:ヒューマンエラーの心理学

これぐらい非常に簡単に間違ってしまうのが人間なのです。

また一川氏は同著の中で次のように述べています。

 

人間という生物種は、身体的、精神的な特性及び能力は進化の結果に縛られています。そのため、進化によって適応してきた自然環境においては、致命的な大間違いをすることはほとんどないものの、利便性の追求のために作り出した人工環境や、その中で新たに課されることになった知覚認知課題においては、大間違いをする可能性があるのです。

特筆すべきは、人工的環境や、その中で新たに課されることになった知覚認知課題において、間違いは犯すことは少ないかほとんどないことを前提に、さまざまなシステムが構築されているということです。

日々人間は、記憶情報と認知機能を頼りに、あらゆる出来事に対して反応を起こしています。言い換えれば、知識をインプットする段階や認識をする過程で、些細な思い違いがあると簡単に間違いをしてしまうということです。

しかも「経験や文字による伝達によって得られた知識によっては、なかなか錯覚や錯視は補正できない」と一川氏は言います。

つまりヒューマンエラーが起きることはある意味必然とも言えるのです。一方で、人間は言語表現を用い他者と情報を共有できるという素晴らしい能力を持っていますので、マニュアルなどの形にすることでヒューマンエラーを減らすことは可能です。

 

ヒューマンエラーの分類と7つの原因

ヒューマンエラーは起こしたくないものですが、残念ながら人間が介在している限り、どこでも起こり得ます。そして原因は1つではなく、多くの要因が複雑に絡み合っていることも少なくありません。どのような事柄も正しく全体像を捉えることが対策の始まりであり、ヒューマンエラーも例外ではありません。具体的にヒューマンエラーの対策を行うために、ヒューマンエラーを分類することから始めましょう。

総務省が生衛業向けに制作した「生産性&効率アップ必勝マニュアル」では、ヒューマンエラーには「ついつい・うっかり型」と「あえて型」の2種類に分類しています。

 

ヒューマンエラーの分類

(参考情報:生産性&効率アップ必勝マニュアル

 

例えば、非常に忙しい職場で残業続きの中で起きたうっかりミスという分類。この場合、ミスをした本人だけの問題ではなく、ミスが起きる土壌があったという意味で組織という意味合いを持っています。

ここではよくある原因を7つ、「意図しない行動によるエラー」と「意図された行動によるエラー」の2つに分けて解説しますが、原因は必ずしもひとつではない点を頭の片隅においてお読みください。

 

意図しない行動が中心となる「ついつい・うっかり型」エラー

まずは、当事者は全く意図していないのに結果として失敗してしまうタイプのヒューマンエラーを上記図にあわせて解説します。

記憶エラー:知識不足、スキル不足、技量不足

初めて行う作業で起きやすいヒューマンエラーが、当事者の知識やスキル、技量不足に起因するものです。単純に作業を間違えてミスにつながるものもあれば、知識不足が原因で異常に気付かず大きなトラブルになってしまうものもあります。

例えば、業界に入って日が浅く、業界用語に関する知識が不足しており、指示内容を正確に理解できていなかったために、的外れな作業をしてしまうといったことが挙げられます。また知識不足のために正しい判断ができず「この程度なら問題ないと思った」「影響の範囲がそこまで及ぶと思っていなかった」などもよくある例です。

 

認知エラー:先入観や思い込みによる勘違い

先入観や固定観念、思い込みにとらわれてしまい、無意識に決めつけてしまった結果ヒューマンエラーが発生することがあります。

例えば、「書類提出の期限を来週だと思い込んでいた」といった勘違いや、「常連のAさんは、いつもコロッケを4個購入する」という先入観から、今日もいつも通りだと思い間違った個数を渡してしまうなどがあります。

後から振り返っても「なぜ勘違いしたのか」分からないことがほとんどです。

 

判断エラー:連絡・連携不足

複数の人が関わる業務で発生しやすいのが「コミュニケーションエラー」と呼ばれる連絡・連携不足に起因するヒューマンエラーです。

レストランの予約を受け付けた際に、アレルギー対応の要望があったにも関わらず、申し送りが不十分で、その食材を使用した料理を出してしまったなどの例が挙げられます。

 

行動エラー:判断は正しいが、実行上の誤り

Aという作業をしようと思ったのに、Bという行動をとってしまう「スリップ」。車のブレーキとアクセルを踏み間違ってしまうようなヒューマンエラーを指します。パニックになったときに起こることもあれば、習慣化された行動などが引き金になったり、使い勝手の悪さがあったり、認知ミスがあったりと、背景にある理由はさまざまです。

コールセンター勤務の人が自宅の電話に出る際に「○○サービスの○○です」と名乗ってしまうなんていうのは、習慣化された行動が、別の場所でも出てしまう例ですね。

車のブレーキとアクセルの踏み間違いのように、日々研究が行われ改善されているにも関わらず、一定の割合で発生してしまうものでもあります。

 

全エラー共通:疲労や不注意などによる見落とし、やり忘れ

疲労が蓄積したり、注意が散漫になることで、ルールや業務フローの見落としなど、ヒューマンエラーが起きやすくなります。疲労や不注意イコール集中力不足と思われるかもしれませんが、逆に集中しすぎた結果、周囲に注意を払うことができなくなりミスが起きることも……。

例えば、「チャットやメールに気付かず、顧客からの予定変更の連絡を見逃してしまった」「作業工程のひとつをやり忘れて、安全性に問題のある商品となった」「メールにファイルを添付するのを忘れた」「目先のことに集中しすぎて、会議をすっぽかしてしまった」などがあります。

 

意図された行動が中心となる「あえて型」エラー

次に当事者がある程度の意図を持って行動をした結果、起きるヒューマンエラーについても解説します。

慢心による手抜きや緊張過剰

慣れた作業なので、この程度なら問題はないだろうと慢心し、手を抜くなどが原因でヒューマンエラーが発生します。楽をしたいという気持ちが背景にあることが多いです。また締切に間に合わないなどのプレッシャーが原因となり、短絡的な行動に発展することも。

マニュアルに、レジ打ちが終わったら商品点数が間違っていないかチェックするように指示があるのに、面倒になり省略した結果、お客様から余分にお金をいただいてしまったなどの例があります。

個人レベルでの気の緩み、手抜きなどもあれば、必要な検査や点検を正しく行わず虚偽の報告書を作成するなど組織レベル、違反行為に近いものもあります。

 

自己顕示欲や高いやる気

ベテランが陥りやすいヒューマンエラーが自己顕示欲や、やる気の高さによるもの。恰好つけたり、目標達成への意思が強すぎたりすることで、過剰なパフォーマンスや危ない行為につながり、ヒューマンエラーが発生することがあります。

観客を喜ばせるために、実力以上のアクロバティックなパフォーマンスをして事故を起こしてしまうなどがあります。

 

ヒューマンエラーの事例

アパレルや小売業、飲食業といったサービス業に関わる方が参考になるヒューマンエラーの例をご紹介します。

事例1:価格の1ケタ間違いによる騒動

通販サイトに掲載した商品価格が1ケタ間違っており、騒動に発展。大きくニュースにも取り上げられたので、記憶にある方もいらっしゃることと思います。

2003年10月に起きたのが大手商社「丸紅」が運営する通販サイト「丸紅ダイレクト」での価格の間違い。パソコンの価格を「¥198,000」と記載すべきところを「¥19,800」と表示し、注文が殺到。

2007年6月には、PC量販店「ソフマップ」が運営する通販サイト「ソフマップ・ドットコム」で、「¥198,000」の液晶モニターをゼロがひとつ少ない「¥19,800」と表示し騒動になったことがありました。

結局、丸紅は1ケタ安い価格で販売することになり、多額の損失を出しサイトも閉鎖。ソフマップは誤表記の価格では売らないという決断をしました。

こうした価格間違いの原因としては、次のようなことが考えられます。

  • 商品登録時の入力ミス(不注意)
  • 商品ページ公開前の確認漏れ・確認不足(正しいだろうという思い込みや見落とし、慢心)

 

事例2:顧客情報の漏洩

業種や規模にかかわらず、度々ニュースでも話題になるのが個人情報や機密情報の流出。サービス業も例外ではなく、2019年8月にはダイニング事業を手がける会社の社員が業務用のノートパソコンを帰宅途中に立ち寄った小売店舗で紛失するといったことがありました。

2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書』によると、 個人情報漏洩の原因の第1位は「紛失、置忘れ(26.2%)」、第2位は「誤操作(24.6%)」と、約半数がヒューマンエラーという報告があります。

漏洩原因

 

(参照元:2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書

 

情報流出という面で、他によくあるヒューマンエラーに、メールの誤送信が挙げられます。アイティメディアが同社のメール会員を対象に2021年1月25日~2月5日に実施した調査によると、回答者531人の内「業務においてメールの誤送信を経験したことがある」と答えた割合は56.1%だったとのこと。

これらの考えられる原因としては、次のようなことが挙げられます。

  • 疲労や不注意
  • セキュリティに対する組織の教育不足(知識不足)

 

事例3:賞味期限の誤表記やアレルギー物質表示の欠落

テレビや新聞、Webサイト等で目にする食品の自主回収に関するお知らせ。飲食業に関わっている方にとっては、他人事ではないニュースでしょう。

フーズチャネルによると、食品事故原因の6割超がアレルギー表示の欠落や賞味・消費期限の誤表記といった食品表示に関するものだとのこと。

食品事故の原因

(参照元:フーズチャネル

これらの考えられる原因としては、次のようなことが挙げられます。

  • 表示が必要なアレルギー物質だと知らなかった(知識不足)
  • 間違って表示されていることに気づかなかった(不注意)
  • チェック体制の不備や確認不足(正しいだろうという思い込みや見落とし、慢心)

 

事例4:食中毒や賞味期限切れの原材料の使用

多くの場合、衛生管理上の問題である食中毒は、ヒューマンエラーにより起こります。

2014年1月に浜松市で起きた給食パンが原因の食中毒。事故原因は、「作業者の制服もしくは手袋に付着していたノロウイルスが食パン検品時に食パンに付着した可能性が高い(浜松市保健所発表)」とされています。

従業員の衛生意識に問題があったとのことで、知識不足がヒューマンエラーの原因のひとつです。

食中毒は起こしていない場合でも、賞味期限切れの原材料を使用していたことが分かり問題になるケースもあります。2021年8月にJA高知県が発表した資料によると、「当該原料の使用量が微量であることから、賞味期限が切れた後も製造管理者の指示で継続的に使用していた」とのこと。

故意であるかどうかは不明ですが、コンプライアンス上の意識が欠如していたことは明らかで、知識不足が露呈した形です。

 

事例5:誤出荷や誤発注

物流倉庫で起きるこが多い、数量間違いや商品間違い、発送先間違いといった誤出荷。世間を賑わすことは少ないので大きなニュースにはなりませんが、EC事業をやっている会社では、ある程度の頻度で起きているヒューマンエラーのひとつです。

ほとんどが「1個」の出荷指示であるため、今回も「1個」だと思い込んでしまったり、似たような名称の商品が複数あり間違ったり、送り状を貼り間違えてしまったり……。

2020年9月には、弁当屋が240キロのキムチを誤発注してツイッターで話題になりました。「豚キムチやキムチホルモン炒めなどの材料にしようと、袋に入った業務用のキムチを頼んだつもりだったのですが、個別に瓶詰めされたキムチが届いてしまい…。そこにさらに、個数ミスが重なってしまったというのが現状です」とのこと。

うっかりミスが起きやすいのが誤出荷や誤発注です。

 

ヒューマンエラーの防止対策の方法

ヒューマンエラーはゼロにはできませんが、減らすことは可能です。

中田亨氏は、著書『ヒューマンエラーを防ぐ知恵:ミスはなくなるか』( DOJIN選書)の中で、ヒューマンエラーの抑止対策として次の3つの方針があり、この三段がまえの対策を組み合わせることで、ヒューマンエラーの脅威を減らしていくと述べています。

ヒューマンエラーを防ぐ知恵

(中田亨氏著書『ヒューマンエラーを防ぐ知恵:ミスはなくなるか』( DOJIN選書))

 

  1. 作業を行いやすくする。ヒューマンエラーの発生頻度を抑制する。
  2. 人に異常を気づかせる。損害が出る前に事故を回避できるようにする。
  3. 被害を抑える。小さな事故が大きな事故に発展しないようにする。

こちらの観点から、具体的な対策を3つに関して、同著を参考にご紹介します。

 

対策1:マニュアルを作成する

企業や組織が持つ伝統や、個々の社員の持つ知識やノウハウを共有できるマニュアルは、ヒューマンエラー対策としても有効です。業務フローや手順がひと目で分かるように、ぜひマニュアル化して共有しておきましょう。

マニュアルを用意することで、作業の無駄を減らし、間違えにくくなります。また他の人に作業の指示をする際や業務を引き継ぐ際に、マニュアルがあることで、人による情報のバラつきが発生せず、適切な質かつ情報量を伝えるのにも有効です。

結果として、作業の行いやすさにつながり、ヒューマンエラーの発生頻度の抑制が期待できるでしょう。特に、量販店やアパレルなど本部から物理的な距離がある業態であれば尚更で、社内で効果的なマニュアル作りなどをされるなどすることがヒューマンエラーを防ぐには効果的です。マニュアルの作成に関しては以下の記事が参考になります。

■参考記事はこちら

マニュアルとは?活用されるマニュアルの特徴と作り方をわかりやすく解説!

【パワポで作成】わかりやすいマニュアルの作り方(無料テンプレート付き)

 

対策2:エラーが起きづらい体制を構築する

損害が出る前に異常に気づいたり、被害をできる限り小さく抑えたりするためには、組織の体制作りが欠かせません。ここでは、多くのサービス業で取り入れやすい4つの案をご紹介します。

作業ペースを担当者の裁量で決められる体制の構築

1つめは、作業ペースを担当者の裁量で決められる体制づくり。例えば人手不足などで多忙な職場や過剰な作業ノルマが課された職場はヒューマンエラーが多発します。なので、そうならないよう、適切な人員配置を行ったり、採用をしたり、業務量をコントロールしたりして、担当者が自分の作業を主宰できる環境を構築しましょう。

 

確認体制の構築および強化

2つめは、相互チェックなど確認体制の構築および強化。人間は自分のミスには気づきにくいものですが、他人のものは客観的に見られるものです。ただし権威の強すぎる相手と新入社員などだと、新入社員がミスを発見したときに伝えられない可能性がありますので、どういう組み合わせにするかはよく考えることをおすすめします。

 

大きな事故に発展しないための仕組み作り

3つめは、被害を最小限に抑えるための仕組みつくりです。

例えば、ヒューマンエラーの事例で取り上げた「顧客情報の漏洩」。パソコンの紛失は、完全になくすことはできませんが、被害が大きくならないよう事前に対策を行うことは可能です。

パソコン内にデータを保存しないようにしたり、会社で使用するモバイル端末を一元的に監視・管理するMDMと呼ばれるサービスやソフトウエアを導入したり(遠隔から端末のロックやデータの消去などが可能)、大きな事故に発展しないよう事前に仕組みを整えておくことも重要です。

 

失敗を学びに変える仕組み作り

4つめは、小さなミスから大きなものまで、隠すのではなく、社内で共有し学びに変える仕組みを作ることも有効です。具体的な進め方は、畑村洋太郎氏の著書『失敗学のすすめ』にて、ミスが減るノウハウ、失敗を生かすコツや大きな事故を未然に防ぐ方法について、丁寧に解説されてあり大変参考になります。

また、自社内でヒューマンエラーを防止するためにできることの一つに、自社の作業プロセスや判断プロセスをフローチャートなどに書き出し、どこでエラーが起こる可能性があるのかを可視化することです。フローチャートの作成方法などに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

 

■参考記事はこちら

【2021年12月更新】フローチャートとは?書き方のポイント5つや作成手順などについて、わかりやすく解説!(無料テンプレート付き)

 

対策3:ツールを活用する

ヒューマンエラーが起きるような作業はしない、別の方法で行うことも考えてみるといいでしょう。どんな業種であっても、取り入れやすいのがツールの活用です。

タスク管理・ToDoリストツール

TodoistnotionBacklogなどのタスク管理やToDoリストなどのツールを活用することで、やり忘れや見落としを減らし、ヒューマンエラーのもとを削減できます。

組織全体、部署単位、チーム単位などで各自のタスクを共有できるツールなどもあり、誰かに作業を依頼する際は、締切を添えてツールに登録するといったルールで運用している会社もあります。また共有することで、多忙度を見える化でき、作業を依頼するときの参考にもなりますね。

 

ワークフローツール・プロジェクト管理ツール

業務における一連の流れを「ワークフロー」と呼び、それをサポートする製品やサービスは多数あり、前述したnotionBacklogなどもそれらに該当します。

承認、決裁に特化したワークフローツールは、人事や総務関連のヒューマンエラーを減らし、業務の効率化を図りたい場合に有効です。交通費や経費の精算、休暇申請などに利用している企業が多く、必要な人が承認し、決裁まで行えます。

紙での申請の場合、提出先を間違えたり、書類の紛失があったり、至る所にヒューマンエラーが起きる可能性を含んでいますので、それを解決する手段として電子化するのは有効です。

ワークフローツールの中には、業務プロセスの流れを管理できるものもあります。またプロジェクト管理ツールといってプロジェクト全体の進捗管理、工数・タスク管理、予算管理までできるものもあります。作業のバトンを渡しあえるようなものもありますので、自社に合うツールを無料トライアルなどを通して選ぶといいでしょう。

 

グループウェアの活用

社内での情報共有やコミュニケーションを促進し、業務効率を高めるためのシステムがグループウェアです。日本企業が開発しているグループウェアの代表的なものにkintoneなどが存在し、前述したタスク管理やワークフローなどの機能に加えて、社内SNSやカレンダー共有、伝言板など、さまざまな機能を備えたグループウェアが販売されています。

業務に用いるマニュアルや資料を共有したり、会議室などの設備予約管理に使えたり、全社員へのお知らせを掲示板等で一括通知ができたり、活用の幅は無限大です。ヒヤリハットの共有などにも使えるでしょう。

防止対策に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

■参考記事はこちら

ヒューマンエラーを防止する対策方法とは?分類別のエラー例や具体的な対策方法をわかりやすく解説!

 

人的ミスを減らす!ヒューマンエラー防止対策ブック

 

まとめ

事故やトラブルの原因が、やり間違い、やり忘れなどの人間の過失によるものをヒューマンエラーと呼びます。どれだけ気を付けていても人間は間違う動物なので、ヒューマンエラーをゼロにはできません。正しい判断ができても、判断通りに行動できないことも。知識不足や勘違い、連携不足、不注意、慢心などでヒューマンエラーは起こります。

ヒューマンエラーをできる限り減らし、損害を最小限に抑えるためには、人間が作業しやすい環境を整え、早めに異常に気づき、対処できる体制作りが欠かせません。マニュアルの作成など、今できることから始めましょう。

著者
松木 謙介
2017年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。大手飲食チェーン店のマニュアルデジタル化プロジェクトに携わり、2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」の立ち上げ、現在までプロダクト開発に携わる。「研修をもっとラクラクに」できるよう、試行錯誤を続ける日々。趣味はサッカー観戦、ゲーム、読書、他多数。

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