【2022年1月更新版】コミュニケーションロスとは?テレワーク時代の原因と対策方法をわかりやすく解説!
コロナ禍でテレワークが普及した今。仕事におけるコミュニケーションに関する悩みが増えています。コミュニケーションがうまく図れないことが原因でおきる状況は、「コミュニケーションロス」と呼ばれ、生産性の低下などを招くことから、早急に対策が必要です。
本記事ではコミュニケーションロスについて定義したうえで、何が原因で起きるのか、どういった対策があるのかについて解説し、最後に事例を紹介します。テレワークの場合についても触れていますので、ぜひ参考になさってください。
コミュニケーションロスとは
コミュニケーション不足が原因で起きる、業務に支障が出るようなミスや損失、弊害のことをコミュニケーションロスと呼びます。ここでいうコミュニケーション不足とは、コミュニケーションそのものが少ないといった状況ではなく、意思疎通の欠如や行き違いが起きている状況のことです。
コミュニケーションロスのよくある例としては、次のようなものがあげられます。
- オーダーで伝達漏れがあり、損害が生じた
- 引き継ぎが不十分で顧客を怒らせてしまった
- 期限の勘違いがあり、納期に間に合わなかった
一般社団法人日本テレワーク協会によると、特に近年、注目を集める働き方「テレワーク」は、離れた場所で業務にあたるためコミュニケーションに関する悩みが多いと言います。
仕事におけるコミュニケーションというと、「報告」「連絡」「相談」を思い浮かべる方が多いでしょう。もちろんこれらを適切にできていなければコミュニケーションロスが生じます。一方で、これらを適切にできていても、「期限の勘違い」のようなことは起き、コミュニケーションロスはゼロにはなりません。
ここでポイントになってくるのが「ヒューマンエラー」です。総務省が生活衛生関係営業(生衛業)向けに制作した「生産性&効率アップ必勝マニュアル」によると、ヒューマンエラーには「ついつい・うっかり型」と「あえて型」に分類できるとあります。この「ついつい・うっかり型」とコミュニケーションロスは大きく関係しているのです。
(参照元:生産性&効率アップ必勝マニュアル 2ページ目より抜粋)
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コミュニケーションロスが発生する原因については、追って詳しく解説しますので、ここでは「報連相」だけが原因ではないというところまでご理解ください。
コミュニケーションの目的
業務を円滑に遂行するために欠かせない良好なコミュニケーションは、情報共有や社員同士の交流を促すための手段です。ここでは改めて、仕事におけるコミュニケーションの目的、何のためにコミュニケーションを行うのかについて、定義しておきましょう。
コミュニケーションの目的を理解することが、コミュニケーションロスの理解を助けます。
1.適切な情報共有により業務効率化&生産性の向上につなげる
報連相をはじめとしたコミュニケーションが職場内で円滑に行われると、業務の連携や分担がスムーズになり、情報共有が適切に進みます。その結果、業務効率化や生産性の向上につながるのです。
ここでのコミュニケーションは、個人間にとどまらず、プロジェクト内、部署間でのやり取りも含みます。お互いの業務が見える化されると、この件はAさんに聞くと良さそうとか、手が空いていそうなBさんにサポートに入ってもらおうとか、Cさんの業務の進みが悪そうなので問題が起きていないか声を掛けてみようとか、仕事を進めやすい環境を作れます。
逆にコミュニケーションが不十分だと、役割分担が曖昧になり、同じ作業を複数の人がやってしまうといった無駄が生じます。
つまり業務効率化、生産性の向上に欠かせないのがコミュニケーションというわけです。
2.社員同士の交流を促し、従業員満足度の向上&離職防止につなげる
一人でできる仕事は限られていますので、社員同士の協力が必要不可欠。社員同士の交流を促し信頼関係を築くのに欠かせないのがコミュニケーションです。
例えば残業をして一生懸命に仕上げた仕事に対して、本社からダメだしをされたら……。言い方によっては気分を害しますし面白くないですよね。「現場の苦労も知らないで」と不満も言いたくなるものです。こうなってしまうと負のスパイラルまっしぐら。
でも社員同士の信頼関係が築けていて、心理的安全性が高ければ、自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して話せるため、負のスパイラルを断ち切れるのです。
人間関係は従業員満足度(ES)に大きく影響し、離職理由にもなります。つまり、社員同士の交流を促し良好な関係を構築することで、従業員満足度の向上、離職防止につながるのです。
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従業員満足度(ES)とは?測り方や満足度を高める方法、改善事例を解説!
流通小売業で求められるコミュニケーションとは?
仕事におけるコミュニケーションについて、流通小売業を例に解説します。
メーカーや企業が製造した商品を仕入れ、消費者に届ける役割を担っているのが流通小売業。卸売業からコンビニやスーパー、ドラッグストア、家電量販店、アパレル、その他モノを販売する専門店などまで該当します。
流通小売業におけるコミュニケーションは、本社内、本社と店舗間、店舗内の3つに大きく分類できます。
各店舗に店長とスタッフ数人がいて、店舗で困ったことなどがあったときに相談にのったり対応したりするのがマネージャー、そしてマネージャーの教育を行い、マネージャーの手に余ることが起きたときに対応するのがリーダーといった以下の図のような組織構造をイメージしてお読みください。
1.本社内でのコミュニケーション
企業経営の中枢機能を担う本社。総務や人事、経理といった管理部署と現場の方針を決定し管理する部署などが集まっており、いわば会社の司令塔と言える場所です。中長期的な変化を見据えたうえで方針を決めるなどしています。
その中で現場と本社をつなぐ役割がリーダーやマネージャーといった存在です。把握している現場の実態を本社内で共有します。このときに重要になってくるのがコミュニケーション力。必要な相手に、正確に、適切な粒度で現場の状況を共有できるかがポイントです。本社で方針を決める際には、現場施策の整合性とズレがないかを確認しつつ考えを伝えます。
また組織の体制上、マネージャーは孤立しがちです。そのためリーダーは、マネージャーを集めたミーティングだけでなく一対一での面談の機会を作るなど積極的なコミュニケーションが求められています。
2.本社店舗間でのコミュニケーション
本社と各店舗の間に入りコミュニケーションをとるのがマネージャーです。
本社から各店舗に伝える今後の方針や連絡事項。これらは多くの場合、マネージャーから各店舗の店長に伝えられ、そこからスタッフへ説明が行われます。
こうした流れがあるため、マネージャーと店長の間で良好なコミュニケーションがないと、店舗に反映されません。また方針に対するマネージャーの理解が成否に大きく影響します。そしてマネージャーは、各店舗に現場レベルで指示が伝わっているかの把握も欠かせません。
管理する店舗の数が多いマネージャーは、店に足しげく通い雰囲気を感じたり、スタッフと直接話したりすことが難しくなります。そうした状況の中でコミュニケーションをとり、信頼関係の構築が求められているのです。
各店舗から本社へのコミュニケーション例としては、売上データを含めた店舗の現状に関することやトラブル相談などがあげられます。さらに良好なコミュニケーションがとれていると、店舗での成功事例なども共有してもらえ、その事例を店舗間で共有するといったことも可能になります。
3.店舗内でのコミュニケーション
流通小売業は、シフト勤務の場合が多く、同じ店舗で働いていても全く会えないスタッフ同士もいます。お互いの顔と名前が一致しないケースも珍しくありません。そうした環境下でのコミュニケーションが求められているのが店舗です。
本社からの方針を店長が伝えようとしても、スタッフが週1回の勤務だとその日に会えればいいですが、会えないケースもあり、全体に情報共有できるまでに時間がかかったり、情報が間違って伝わったりといったことが起きがちです。
そうした状況を踏まえたコミュニケーションが必要であり、対面だけでなく掲示板やSNS等を活用した情報共有などの工夫も求められています。
コミュニケーションロスが発生する原因
次にコミュニケーションロスが発生する原因を解説しましょう。原因は複数が絡み合って起きることが多く、今回ご紹介する原因も互いに結びついています。
原因1:報連相(報告・連絡・相談)がうまく機能していない
コミュニケーションロスが発生する原因のひとつに、報連相(報告・連絡・相談)不足があげられます。
もともとのコミュニケーションが少なく、報連相がほとんど行われていないといったケースもあれば、報連相は行われているものの組織にうまく機能していないといったケースもあります。
例えば、お客様からのクレームがあった際に店長への報告が遅れると、対応にも遅れが発生し、被害が拡大するケースも少なくありません。中には、クレームの重大性を理解していない結果、報告がなされないといったことも起こります。また心理的安全性が担保されておらず、怒られるのが怖くて報告できなかったというのもあるでしょう。
他にも顧客との商談が変更になったことをすぐに連絡しなかったため、予定がブッキングしてしまい再度調整が必要になったり、プロジェクトの進め方を相談なしに独断で変更した結果、チーム内に混乱が起きてしまったりというケースもあります。
原因2:「ついつい・うっかり」型のヒューマンエラー
人間は間違える生き物ですから、ヒューマンエラーをゼロにすることはできず、コミュニケーションロスの原因になります。
ヒューマンエラーとは、やり間違いや、やり忘れなど人間の過失による行為のことです。報連相が十分に機能していても、聞き間違えてしまった、忘れてしまったといったことが起きれば、やはりコミュニケーションロスにつながるのです。またこれぐらいなら報連相は不要だと思ったという判断ミスもヒューマンエラーのひとつであり、報連相の不足とヒューマンエラーは密接な関係があります。
原因3:受け取り方の解釈が異なる
コミュニケーションロスの原因のひとつに、人は同じ話を聞いても個々により受け取り方の解釈が異なるからというのがあります。人は受け止め方で、同じことであっても、ポジティブにもネガティブにも変わるのです。
こうした考えをABC理論として1955年に提唱したのがアルバート・エリス氏。A(Activating event)は「出来事」、B(Belief)は「受け取り方」、C(Consequence)は「結果」を意味します。
例えば、上司からのアドバイス一つとっても、「自分は期待されているから、もっと頑張ろう」と受け取る人もいれば、「自分はダメだから注意を受けた。この仕事は向いていなさそうだから辞めようかな」と受け取る人もいるのです。
このような言葉の受け取り方の解釈の違いによってもコミュニケーションロスが起きます。
原因4:対面でのコミュニケーションが難しい
流通小売業のような場合、マネージャーと店長はいつも対面でコミュニケーションがとれるとは限りません。また近年、多くの企業が導入しているテレワークも、対面でのコミュニケーションが難しい働き方です。
対面でのコミュニケーションが難しい場合は、Web会議や電話、チャットなどでやり取りすることになりますが、これもコミュニケーションロスが起きやすい原因の一つになります。
1971年に心理学者アルバート・メラビアンが提唱したのが「メラビアンの法則」です。「7-38-55のルール(3Vの法則)」と呼ばれるもので、コミュニケーションを取る際に、相手が重視するのは何かを導きだしました。
- 会話そのものの内容「言語情報(Verbal)」を重視する人:7%
- 声の大きさや話すスピードなどの「聴覚情報(Vocal)」を重視する人:38%
- 表情などの見た目や仕草などの「視覚情報(Visual)」を重視する人:55%
つまり非言語コミュニケーションが9割以上を占めており、対面以外でのやり取りは非言語コミュニケーションが取りにくくなり、得られる情報が減るわけですから、コミュニケーションロスの要因となります。
コミュニケーションロスを防ぐ対策
コミュニケーションロスを防ぐにはどのような対策があるか、今日から取り組めるものを中心にご紹介します。
対策1:環境作り「心理的安全性の担保」
職場内で意見を言いにくい、相談しにくいといった状況がある場合は、心理的安全性の担保に務めるのがいいでしょう。
心理的安全性とは、誰に何を言っても、拒絶されたり、罰せられたりする不安がない状態のことを指します。例えば、「こんなことを質問したら無能だと思われないかな」「会議で提案をしたら早く終わりたい人の邪魔になるんじゃないかな」といった不安を抱かせないような環境です。
具体的には以下のようなことから始めるといいでしょう。
- メンバー全員が均等に発言できるようにする
- 多数派がひとつに固まり、グループを作らないようにする(例:日本人だけで集まるなど)
- 競争より協力できる仕組みを作る
- スタッフ間の親密性を高める(例:食事会の機会作り、休憩場所の設置、フリーデスクの導入など)
- 対立の兆候を見逃さない
対策2:話し方「雰囲気ではなく具体的に示す」
専門知識の差や経験の有無なども伝達ミスの障害になります。相手に誤解や勘違いが生まれないよう、雰囲気ではなく、できる限り具体的に伝えることが大事です。特に金額や期日、回数、時間などは、具体的な数字を用いて説明する習慣をつけておくことをおすすめします。
また感情ではなく論理的に話し、指示や報告は、結論から話すと伝わりやすさが各段にアップするでしょう。
具体的な話し方については、「コンサル一年目が学こと(著者:大石哲之氏)」の第一章「コンサル流話す技術」が参考になります。
<第一章 コンサル流話す技術>
- 結論から話す
- Talk Straight 端的に話す
- 数字というファクトで語る
- 数字というロジックで語る
- 感情より論理を優先させる
- 相手に理解してもらえるように話す
- 相手のフォーマットに合わせる
- 相手の期待値を把握する
- 上司の期待値を越える
対策3:ヒューマンエラーの回避「マニュアルの作成」
コミュニケーションロスにつながるヒューマンエラーをできる限り回避するためには、マニュアルの作成が有効です。業務フローや手順、社内で主に使用する用語などがひと目で分かるようにマニュアル化しておくと、コミュニケーションを行う際の前提を共有できます。
話の前提が共有されると、誤解を避けやすくなるだけでなく、効率的なコミュニケーションも可能になるでしょう。
■参考記事はこちら
マニュアルとは?活用されるマニュアルの特徴と作り方をわかりやすく解説!
【パワポで作成】わかりやすいマニュアルの作り方(無料テンプレート付き)
テレワークでもコミュニケーションロスを防ぐ方法
新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークを導入する企業が増えました。これまで対面で行っていたコミュニケーションから、Web会議やチャットを使った形に変化したことで、コミュニケーションの量的・質的不足が課題になっています。
「総務省「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方検討タスクフォース(第2回)」の中で示された課題の中で、コミュニケーションロスにつながるのが、コミュニケーションのとりにくさ、雑談の減少です。
(参照元:「総務省資料」より)
テレワークは新しい働き方であり、まだ試行錯誤な面もあります。その中でコミュニケーションロスを防ぐ方法として有効なものを3つ、野口聡一氏の書籍「宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術 「究極のテレワーク」と困難を突破するコミュニケーション力」の内容も紹介しつつ解説します。
方法1:オンライン特有の時差のあるコミュニケーションを理解する
ZoomをはじめとしたWeb会議は一般的になり、多くの方が既に利用されていることでしょう。顔を見て話せるため、非言語コミュニケーションも一部ですが伝わります。
一方で、対面とは違い、話すタイミングをとるのが難しい側面があります。話したタイミングと返事のタイミングに時差が生まれることもありますし、相手の様子が十分うかがえず同じタイミングで話してしまうなど、ストレスがたまることもあるでしょう。
人間はストレスを感じると、集中力が途切れ、ヒューマンエラーが起きやすくなります。このため、いかにストレスなくコミュニケーションをとれるかも重要です。
そこで知っておきたいのが、オンラインの場合特有の対面とは違う話し方やマナー。野口氏の場合は、時差の間を使い自分の話を組み立てているのだそうです。
わたしの方からまず言いたいことを一気に話す。相手の反応が返ってくる5秒ほどの間、相手の反応を予想しながら「次に何を話そうか」頭の中で考えをめぐらせる。
(「宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術 」より)
細かく言葉のキャッチボールをすると、それだけ時差が生まれ、ストレスを感じやすくなりますので、「一気に話す」というのもWeb会議ならではのポイントですね。Web会議だと聞き取りにくいケースもあるので、そういうときに遠慮なく聞き返せる雰囲気作りも大事でしょう。
テレワークでのコミュニケーション手段として日常的に用いられることの多いチャットについても、相手からの返答がなかなか届かず、対面とは違うスピード感に戸惑った方もいることでしょう。時間がかかると、相手が読んだのか、それとも対応を忘れられているのか、単に忙しいだけなのか分からず、ストレスがたまります。
Web会議もチャットも電話も、それぞれに特徴があり良さがあります。その良さを活かすためにも、急ぎの場合は電話、後から読み返したいことや急ぎではない連絡、他の人にも緩く共有しておきたい内容はチャット、顔を見て話したい場合はWeb会議、重要な話は対面でなど、内容によりコミュニケーション手段を使い分けることも重要でしょう。
方法2:「指示」「承認」「責任」を明確にする
対面でのコミュニケーションであれば、場の雰囲気から聞き手が判断することもできますが、テレワークの場合はそれを期待するとヒューマンエラーが起こりやすくなります。このため、テレワークで指示を出す場合は、できるだけ直接的な内容にするのがポイントです。
例えば、日常生活で「ちょっとどいて」と声を掛けることがありますね。これだと、どこに動くかは相手の判断によります。でも「テレビの横に動いて」と伝えると誤解のしようがありません。
他にも「システムを更新したから確認しておいて」よりも「○○と○○を確認して」と具体的に伝えるほうが確認漏れが発生しないですね。
また当記事でも報連相についても触れましたが、野口氏によるとテレワークに欠かせないのは「指示」「承認」「責任」だと言います。
「ホウレンソウ」というのは、上司から見て部下をいかに把握するかという手段を表現しているにすぎない。現代のビジネスシーンでは、「目的に向かって明確な指示をくれ」「現場の考えを承認してくれ」「仕事の成果物を納めたら、後は上司が責任をとってくれ」の三つが問われていると思う。すなわち、「指示」「承認」「責任」の三つ。
(「宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術 」より)
テレワークの場合は特に、コミュニケーションロスを起こさないために、直接的な表現で、「指示」「承認」「責任」を伝えることが大事でしょう。
方法3:動画マニュアルの作成
ヒューマンエラーの回避にマニュアルの用意が効果的だと前述しましたが、テレワークの場合は誤解を生まないよう必要に応じて動画を準備するのがおすすめです。
野口さんは「手順書くらい、宇宙のテレワーカーにとって欠かせないものはない」と言います。そして複雑な手順の場合は、動画も埋め込んで作ってあり、これがありがたいのだとか。
隣にいない相手に対して、テキストやイラストだけで完璧に伝えるのは容易ではなく、かなりのスキルが要求されます。その点、動画は文章にならなかった部分を視覚的に伝えられ、理解を助けるのです。
■参考記事はこちら
動画マニュアルとは?メリットや効果、作り方のコツについてわかりやすく解説!
コミュニケーションを活性化した事例
ここからは具体的な事例を3つご紹介します。
事例1:サイボウズ株式会社
テレワークはもちろんのこと、さまざまな働き方を認めているサイボウズ株式会社。約10年間テレワークを行ってきて、そこで得た経験をWebサイトで公開しています。コミュニケーションについても以下のような工夫をしているそうです。
- 解釈の間違いを防ぐために、ひと言目に「解釈の確認」を入れる
- 良好な関係を築くために、できるだけ肯定表現を使う
- グループウェアで今日のToDoリストを共有し、終業時には日報を書く
- 「あー、疲れたー」「今、行き詰っている」など、その時々の仕事や気分をつぶやき共有する「分報」の活用
参考:「あいつ、家でちゃんと仕事しているのか?」──コミュニケーションが難しい在宅勤務を円滑にする工夫(サイボウズ式)
事例2:株式会社サイバーエージェント
テレワークは受け身の情報が入りにくくなるのが難点です。隣の人が何かに困っていても、その人が発信しないと気付けません。つまり協力しようにもできない状況になりやすいのです。
そこで株式会社サイバーエージェントが行ったのがメンバー同士が協力できるように、高いチーム目標を掲げる取り組みです。
全員でチーム目標を考えるということに、ものすごく意味があります。手順としてはこの1、2、3です。半年に1回、自分たちの組織目標を議論します。その議論をしたうえで、ポスターや冊子にまとめます。それを役員会に提出させて審査し、表彰していく。サイバーエージェントでは、良い目標はどんどん褒めましょうということで、全社員に対して共有しています。
参考:「「隣の人」が見えないリモートワークで、失われる団結力と意欲 サイバー曽山氏が語る、コロナ禍でも強い組織の5要素」
他にも短い言葉で、ストレートに伝えられるよう「言葉の開発」に関するワークショップも行っているそうです。
事例3:株式会社ウィルゲート
社員同士のコミュニケーションをとる機会を増やすためにオンラインイベントを行う企業が増えています。全社員でのオンライン総会や忘年会、運動会をやっている企業もあります。
その中で、部署や年次を越えた、“タテ・ヨコ・ナナメ”の社員同士のコミュニケーションを目的にオンラインランチ会を週1回開催しているのが株式会社ウィルゲートです。ランチを持ち寄り、事前に割り振られた4~6名程度のグループでランチタイム。
「業務でたまに関わるもののそれ以外の話をする機会のなかった人とプライベートな話とかもできたので良かったです!今後仕事で関わる際によりスムーズにコミュニケーションがとれそうです!」などの感想があったそうです。
参考:「オンラインランチ会」はじめました!在宅勤務中におけるタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション機会に
まとめ
コミュニケーションロスは、コミュニケーション不足が原因で起きる、業務に支障が出るようなミスや損失、弊害のことです。報連相の不足のほか、ヒューマンエラーも原因となり、完全になくすことはできません。
しかし限りなく減らすことはできます。心理的安全性の担保や伝え方の工夫、マニュアルの作成などの対策が有効です。特にテレワークの場合は、オンライン特有のコミュニケーションへの理解も重要になってきます。
まずは今できることからコミュニケーションロス対策を始めてみてはいかがでしょうか。