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中途採用とは?意味やメリット、具体的な手法をわかりやすく解説!

ノウハウ ナレッジ
2021.11.09
松木 謙介

中途採用は、企業にとって必要な人材を確保するのに効果的な方法。しかし、「いまいちやり方がわからない」「うまく活用できていない」と頭を抱えている採用担当者も少なくないでしょう。

そこで今回は、新卒採用との違いや得られるメリット、主な手法など、中途採用を行う上で知っておくと良い情報をお伝えします。

採用までの流れや採用後の研修についても詳しく解説しますので、中途採用でお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

中途採用とは?

中途採用とは、新卒採用以外で採用される人材のこと。卒業後に就職し、3年以内に離職した人である「第二新卒」や、学校卒業後に就職・進学していない人である「既卒」、長年ひとつの企業に勤めていた社会人など、新卒以外のあらゆる人材を採用することを指します。

ただし、厚生労働省が定めた「青少年雇用機会確保方針」により、卒業後3年以内であれば既卒も新卒として扱う、という企業もあります。

そのため、新卒採用なのか中途採用なのかが曖昧になることもありますが、基本的には卒業後に3年以上勤めて、離職した人を採用することを「中途採用」といいます。

 

中途採用を行う意味

企業が長く存続していくためには、その時の状況に合わせて経営方針を変え、柔軟に対応していかなくてはなりません。それに伴い、必要な人材も適宜揃えていく必要があります。

従業員を育てていく方法もありますが、それでは時間がかかってしまいます。「新プロジェクト開始のため、今すぐに経験者が欲しい」という時もあるでしょう。

そのようなときに便利なのが、中途採用です。企業の課題や取り組む事業に適した人材、経験豊富な人材を自社に取り入れることができます。

また中途採用は、欠員を埋めるためにも活用されています。新卒採用まで待つことなく、社会人経験のある人材を雇用することで、人員不足の解消に繋がるでしょう。

 

中途採用の現状

中途採用の手法やメリットを知る前に、ここで中途採用の現状についても見ていきましょう。 

求人、休職および求人倍率の推移

 

厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況(令和3年9月分)」を見てみると、平成21年度(2009年)〜30年度(2018年)にかけて、月間有効求人数(前の月から繰越された求人数と、当月に新規で追加された求人数の合計値)は、年を追うごとに増えています。

令和元年(2019年)および令和2年度(2020年)は、新型コロナウイルスなどの影響により、月間有効求人数は一度下がったものの、2020年9月〜2021年9月までの1年間で回復傾向にある模様です。

その時の状況により若干の変化はあるものの、中途採用を行う企業は年々増えており、注目度が上がっている、というのが日本における中途採用の現状です。

 

中途採用の目的と背景

中途採用を行う目的は、企業の経営状況や時期によって異なりますが、以下のような事柄が主な目的としてあげられます。

  • 専門性のある人材を導入するため
  • ダイバーシティ経営のため
  • 退職者による従業員の補充
  • 新卒採用で十分に確保できなかった人員をカバーするため

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

専門性のある人材を導入するため

企業が経営していく上で、新たにプロジェクトを立ち上げたり、経営方針を変えたりするのはよくあること。その際、現在の従業員ではスキルや経験が不十分なこともあります。

そういった運営に必要な能力を持った人材を導入することも、中途採用の主な目的のひとつ。専門の知識・スキル・経験が豊富な人材を取り入れれば、自社の従業員を一から教育するよりも効率よく、かつスピーディーに体制を整えることができます。

また、経営体制に特に変化がない場合でも、専門性のある人材を導入するために中途採用を行うことがあります。新たな知識やノウハウを得ることで企業の成長に繋がる、既存従業員に刺激を与えることでモチベーションアップに繋がる、などの効果が期待できるためです。

優秀な人材を中途採用するのは簡単ではないですが、企業の繁栄、事業の拡大に効果的なので、積極的に行う企業が多いと考えられます。

 

ダイバーシティ経営のため

ダイバーシティとは、宗教や国籍、性別、価値観、障害、ライフスタイルなど、個人の属性・発想を認めて活かすこと。多様な人材が揃うことで、急なビジネス環境の変化にも対応可能な企業へと発展させられる、と近年注目を浴びている経営戦略です。

中途採用は、そんな「ダイバーシティ経営」を実現するための手法のひとつ。うまく活用できれば、既存の従業員にはなかった新たな発想、アイディアを自社に取り入れることができます。また、今まで雇用を控えていた性別、年齢、ライフスタイルの人材を採用する分、人員を増やすことにも繋がるでしょう。

 

退職者の補充

結婚や出産、人間関係などの理由で従業員が退職するのは多々あること。人員が欠けると残された従業員に負担がかかってしまいますし、会社を運営すること自体厳しくなる場合もあるでしょう。

そのような人員不足問題を解消するためにも、中途採用が活用されています。一般的に中途採用は通年行なっているので、順調にいけば、新卒採用のタイミングまで待つことなく人員を確保できます。

従業員数が少ない現場に人材を導入するのはもちろん、管理職の退職者の穴を埋めるためにも、中途採用が活用されています。

 

新卒採用で十分に確保できなかった人員をカバーするため

基本的には新卒採用で従業員を増やしますが、必ずしも毎年十分な人員を確保できるとは限りません。人気企業や大手企業に流れてしまって自社に集まらない、ということも多々あります。

そのような人員不足を解消するためにも、中途採用が取り入れられています。アルバイトやパートではフルタイムで働くことができない場合もありますが、中途採用で正社員を雇用すれば、十分な戦力を確保できるでしょう。

以上のような背景があり、中途採用を積極的に行う企業が増えてきていると考えられます。そして、より効率よく優秀な人材を集めるため、企業はさまざまな工夫を凝らすことが重要です。

 

中途採用と新卒採用の違い

 

 

中途採用

新卒採用

目的

・足りない人材を補充するため

・知識/ノウハウの導入のため

・事業を継続するため

・組織の活性化のため

求める人材

・即戦力となる人材

・知識、経験が豊富な人材

今後の成長が見込める、将来性のある人材

採用時期

・通年または不定期

・数日〜1ヶ月程度

・年1〜2回、定期

・数カ月〜1年程度

採用手法

・転職サイト

・人材紹介

・転職フェア

・ハローワーク

・リファラル

・スカウト

・自社サイト採用ページ

・就職サイト

・合同説明会/イベント

・新卒紹介の会社経由

・インターンシップ

・大学就業課

・採用代行

・自社サイト採用ページ

 

中途採用と新卒採用は、行う目的も時期も、対象となる人材も違います。具体的にどのような違いがあるのか、比較して見ていきましょう。

 

目的

中途採用は、足りない人員や知識、ノウハウを企業に投入するために行うのが主な目的。既存の従業員や新卒採用では不十分な部分を埋めるため、そして企業をより成長させるために行う採用方法です。

対する新卒採用は、事業を継続させるため、組織を活性化させるために行われます。従業員が退職した際に人員不足・戦力不足にならないよう、今後のために次世代の社員を育てていく必要があるからです。また、若くフレッシュな社員の入社は既存社員の刺激になるため、会社の活性化にも効果的です。

 

求める人材

目的がそれぞれ違うため、どのような人を採用するのか、対象となる人材にも違いがあります。

中途採用では、できるだけ早く組織に馴染み、戦力となるような人材を採用するのが理想的。そのため多くの場合、知識や経験が豊富な人材が求められます。

一方新卒採用では、ほとんどの入職者が未経験で、能力に大きな差がありません。よって、入社後成長し、会社に貢献してくれるような、ポテンシャルの高い人材を積極的に採用する傾向があります。

 

採用時期・期間

新卒採用は、年に1〜2回行うのが一般的。政府が定めた採用活動日程によると、採用選考活動は6月1日に始まるので、内定式がある4月まで数カ月〜1年ほどの猶予があります。 

内定を出すまでの平均日数

 

一方、中途採用は数日から1カ月前後と短期間で採用に至ります。株式会社マイナビの「マイナビ中途採用状況調査2020年版」によると、一次面接から内定を出すまでの平均日数が「1週間未満」「1週間以上2週間未満」であると答えた企業が半数を超えており、比較的早く中途採用を行う企業が多いようです。

新卒採用はじっくりと選考するのに対し、中途採用は全体的にスピーディー。その分、他の企業との競争も激しくなるので、効率よく中途採用を行えるよう戦略が必要になるでしょう。 

 

採用手法

 

2022年新卒採用で重視した施策

 

新卒採用の手法は、合同説明会や企業セミナー、インターンシップなどが一般的です。HR総研(ProFuture株式会社)が行なったアンケートによると、オンライン会社説明会やWEB面接など、オンラインを活用した採用活動を行う企業も増えて来ているようです。

 

中途採用で実施した採用手法

 

一方中途採用は、転職サイトや人材紹介会社、ヘッドハンティング、リファラル採用などの手法が一般的。株式会社マイナビの「マイナビ中途採用状況2020年版」によると、転職サイトを利用して中途採用を行っている企業が最も多かった、というデータもあります。

新卒採用は一度に大人数にアプローチできる手法が主流ですが、個人に向けた手法が多い模様。また、既存社員からの紹介で雇用される「リファラル採用」や、人材紹介会社を通す採用など、中途採用ならではの手法も特徴的です。

中途採用の手法については、のちに詳しくご説明します。また、新卒採用については以下の記事を参考にしてください。

 

■参考記事

新卒採用とは?中途採用との違いや行う意味、コロナ渦による影響からスケジュールまで詳しく解説!

 

中途採用のメリット

多くの企業が注目している中途採用ですが、実際にどのような効果が得られるのでしょうか。ここからは、中途採用を行うことによる主なメリットを4つご紹介していきます。

 

メリット1:即戦力のある人材を確保できる

中途採用は、社会人経験のある人材を採用する場合がほとんど。ビジネスマナーなどの初歩的なことを教える必要がない場合が多く、比較的早く戦力になってくれます。

また経験者を雇えば、多少やり方の違いに戸惑うことはあっても飲み込みが早く、教育にかける時間を短縮できます。教える側の負担が少なく済むので、従業員数が少ない職場でも受け入れやすいでしょう。

 

メリット2:新たなノウハウや技術を導入できる

事業拡大や企業の成長のため、新たに技術やノウハウを身につけることは重要。しかし、新しい分野について学び、物にするには時間も労力もかかります。

中途採用で、自社にない知識・技術・ノウハウを持つ人材を取り入れれば、自分たちで学ぶよりも早く成果に繋がります。また、既存の従業員ではなかなか解決できない問題に取り組む際、外部での経験者を雇用することで、新たな解決策が見つかる場合もあるでしょう。 

 

メリット3:必要なタイミングで雇用できる

新卒採用は基本的に年に1回行うもので、4月まで入社を待たなくてはなりません。人員を確保したくともできず、それまでに人員不足に陥ったり、事業の進行が遅れたりすることもあります。

中途採用は、自社にとってベストなタイミングで採用できるのが魅力。「退職者が出たのですぐに人員を確保したい」「新規プロジェクトの開始を早めたい」など、会社の状況に合わせて雇用できます。

ただし、募集をかければすぐに人材を確保できるとも限らないので、計画的に行うことが大切です。

 

メリット4:人数を確保できる

「メリット3」でお伝えした通り、中途採用は企業の都合に合わせて正社員を雇用できるため、新卒採用の前のタイミングでも人員を確保できるメリットがあります。

人員不足には、アルバイトやパートなどの非正社員を採用する方法もありますが、フルタイムで働けない場合も。せっかく雇用しても結局人員不足になってしまうため、正社員の従業員数を増やすのであれば、中途採用を活用してみるのも良いでしょう。

 

中途採用のデメリット

中途採用には多くのメリットがありますが、もちろん良いことばかりではありません。新たな問題を抱えかねないので、中途採用のデメリットも把握しておきましょう。

 

デメリット1:すぐに辞める可能性がある

中途採用で採用された人というのは、ほとんどの場合、すでに転職を経験している人です。そのため転職に対する抵抗があまりなく、入社しても合わないと感じたら辞めてしまう可能性があります。

採用に割いた費用や時間、労力を無駄になる恐れがあるので、中途採用に成功したからといって安心はできません。長く働いてもらえるよう、研修を通してきちんと教育すること、労働環境を整えておく必要があるでしょう。

 

デメリット2:自社のやり方に染まりにくい

中途採用では、既に他社で経験を積んでいるので即戦力になります。その一方で、これまでの経験や価値観に囚われ、自社のやり方に馴染みにくいという問題も。

「前の会社ではこうだったから」と、柔軟に対応できず、教育がスムーズに行かない可能性があります。早く自社のやり方に馴染んでもらえるよう、積極的にコミュニケーションを取る、既存従業員とのチームワークを高めるマネジメントを行うなど、対策が必要不可欠です。

 

デメリット3:若い世代の成長、昇進の妨げになる可能性がある

経験や知識が豊富な人材を取り入れることは、企業の成長、繁栄に繋がります。しかし、経験者ばかりが活躍してしまう職場では、若い世代が成長しにくくなるという懸念点も。

成長が遅れてしまうと、昇進もなかなかできません。結果として、「給料が上がらない」「仕事で活躍できている時間がない」と感じてしまい、離職する人が増える可能性があります。

企業の成長や事業の成功のため、経験者を雇用するのは有効な方法ですが、次世代を育てていくため、中途採用ばかりに頼らないよう注意しましょう。

 

デメリット4:コストがかかる

人材を採用する際は、どうしてもコストがかかるもの。広告を出したり、人材紹介会社に仲介手数料を支払ったりなど、中途採用を行うための出費は避けられません。

就職みらい研究所の「就職白書2020」によると、2019年卒新卒採用1人あたりの平均コストが93.6万円だったのに対し、中途採用は平均103.3万円だったとのこと。

1人中途採用するのにかかるコストが高いため、採用担当者は「どうすれば最小限のコストで、効率よく自社ニーズにマッチする人材を集められるか」を考えながら行う必要があります。

 

中途採用を進めるための4ステップ

中途採用を進めるための4ステップ

中途採用を行う際、何から始めれば良いのかわからないということもあるはず。そこでここからは、大まかな4つのステップをご紹介します。

 

ステップ1:目的を明確にする

中途採用の準備に取り掛かる前に、まずは目的を明確にすることが大切。目的をはっきりと決めずに中途採用を行なってしまうと、求めていた人材ではない人を採用してしまったり、誰を選べば良いかわからず迷ってしまったりする恐れがあり、かえって不利益になります。

 そして目標を決めたら、以下も決めておきます。

  • どのような人材が欲しいか
  • どの部署に配属する予定なのか
  • 何人採用する見込みなのか

詳細に決めておくことで、無駄なくスムーズに採用活動ができるようになるでしょう。

また、目標や採用の詳細を他の担当者に伝えておくことも重要。自分が対応できないときでも他の従業員が代わりに進行できるよう、こまめに連絡し、連携を取りましょう。

 

ステップ2:スケジュールを立てる

目的と採用人数、採用対象の詳細が決まったら、次に中途採用のスケジュールを立てます。いつから募集し始めるのかだけでなく、いつから準備を始めるのか、誰が担当するのかなども明確に決めておくことが大切です。

中途採用のスタートを先延ばしにしてしまうと、良い人材は次々に他の企業へと流れてゆき、自社で確保できる選択肢が狭まってしまいます。さらには人を集めることさえ難しくなり、中途採用ができなくなってしまうことも。

また、面接後のスケジュールも綿密に立てておかないと、内定が遅れたり、入社が遅れたりする可能性があります。せっかく良い人材を見つけても、相手への連絡が遅れれば「いい加減だ」という印象を与えかねません。最悪の場合、内定を取り消されることもあります。

中途採用を効果的に活用するためだけでなく、会社への信頼を得るためにも、スケジューリングに手を抜かないようにしましょう。

 

ステップ3:採用手法を選定し、求人を掲載する

決めたスケジュールに合わせて、いよいよ求人を掲載し始めます。転職サイトや自社ホームページに採用情報を載せたり、人材紹介会社に求人情報を伝えたりなど、各種手続きを行います。

どの採用手法が良いのかは、採用したい人材や採用人数によって違います。出来るだけ多くの人に募集を見てもらいたい、量よりも質を重視したいなど、目的に合わせて最適な採用手法を選択しましょう。

具体的にどのような手法があるのかは、のちに詳しく解説します。

 

ステップ4:振り返り・改善

中途採用は、採用・入社が終われば完了というわけではありません。採用が成功したときも失敗したときも、次回の中途採用に向けて改善すべき点はないか、振り返りを行うことが大切です。

具体的には、

  • 予算
  • 採用手法
  • 時期、スケジュール
  • ターゲット設定
  • 担当者

などが適切であったか見直し、どのように改善すれば良いか考えておくと良いでしょう。また、次回の中途採用も自分が担当するとは限らないので、記録として残しておくのがおすすめです。

 

中途採用のスケジュール

中途採用は、企業にとって最適なタイミングで行うことができ、時期の決まりは特にありません。とはいえ闇雲に行うよりも、効率よく良い人材を集められる時期を狙いたいところ。

 

新規求職申込件数

※厚生労働省「新規求職申込件数(実数、季節調整)」をもとに当社で作成

 

中途採用を行うのに適切な時期を見極めるには、求職者数と求人数がいつ多いか・少ないかを参考にすると良いとされています。 

厚生労働省が作成した「新規求職申込件数(実数、季節調整)」のデータを見てみると、3月、4月、10月に求職者が増える傾向にあります。この時期は人事異動や昇格が多く、職場環境の変化により転職を考える人が増えるためと考えられます。

反対に求職者が比較的少ないのは12月。年末は多忙で転職活動ができない人が多いため、と推測されます。

新規求人数

※厚生労働省「有効求人数(実数、季節調整)」をもとに当社で作成

 

一方、厚生労働省の「有効求人数(実数、季節調整)」を見てみると、中途採用を行う企業が多い月は、10月、1月、2月という結果に。

10月は、3月期決算の企業が上期から下期に変わるタイミング。予算や人事、経営方針の変化に合わせて、新たな人材を取り入れようとするため、求人数が増えることが考えられます。

また、4月になると新卒入社に追われるので、その前の1〜2月に中途採用を行う企業も多いようです。

反対に求人数が少ないのは5月と12月。5月は新卒採用で忙しく中途採用まで手が回らない、12月は年の瀬で企業も忙しい、などの理由で求人数が減ると考察できます。

求職者数が増える時期は応募数が増えるため、人員を集めやすいのがメリット。しかし、同時に他企業との競争も激しくなり、大手企業や待遇の良い会社に優秀な人材が流れてしまうデメリットもあります。

よって、求職者が多く、かつ求人数が少ない時期が狙い目です。上記データを参考にすると6月や9月あたりがおすすめですが、求職者数・求人数の増減はその年の状況によって変わるので、随時確認しながら最適な時期を選ぶと良いでしょう。

 

いつから動き始める?

いつ頃から動き始めるかは、どのような手法・規模で行うかにもよりますが、短期間すぎると準備不十分になる可能性があります。また、募集期間が短いと応募者を集められず、採用できないことも

そのため基本的には、入社の2〜3カ月前から動き始めるのがおすすめです。募集人数が多い場合や、スキル経験が豊富な人材を集めたい場合は、選考に時間がかかるとみて余裕を持たせると良いでしょう。

中途採用のスケジュール

例えば9月入社を目標にするのであれば、6月頃から計画を立て始め、7月までには募集を開始し、7〜8月で選考・面接をするといった流れになります。早めに準備を開始し、満足のいく中途採用ができるよう万全な体制を整えておきましょう。

 

具体的な採用手法

中途採用の手法にはさまざまなものがあり、それぞれにメリットがあります。自社に最適な手法を選べるよう、どのような種類があるのか知っておきましょう。

 

手法1:転職サイト

転職サイトとは、転職を考える人が自ら登録し、応募することで採用へと繋げる手法。採用情報を多くの人に見てもらえるため、人数を集めやすいのが特徴です。

転職サイトは、大きく分けて2つのタイプがあります。ジャンル問わずさまざまな人が訪れる「総合型」と、転職希望者の種類が限定されている「特化型」です。

中途採用の人数が多い場合は、総合型の転職サイトに掲載するのがおすすめ。例えば「マイナビ転職」は会員数635万人と多く、たくさんの人に自社の採用情報を見てもらうことができます。

経験者や知識豊富な人材を採用したい場合は、応募数が少ないがニーズにマッチしやすい、特化型の転職サイトがおすすめです。例えば、「女の転職type」は150万人の登録者のうち99.9%が女性の、女性に向け転職サイト。これらは、専門職の中途採用や、ダイバーシティ化を目的とする中途採用などに向いています。

ただし多くの転職サイトは、採用できない場合でも費用がかかるため、予算に余裕がないと実現しにくいでしょう。

 

手法2:人材紹介

人材紹介会社に求めている人材を伝え、ニーズにマッチする人材を紹介してもらう、という方法もあります。欲しい人材を代わりに探してもらえるので、探す手間が省けるのがメリットです。

費用はやや割高ですが、採用に至るまで料金がかからないのも魅力。例えば、転職エージェント「doda」は初期費用がかからず、採用が決定してから報酬を支払うシステムです。掲載期間中のコストを気にせず、じっくりと人材を選ぶことができるでしょう。

 

手法3:転職フェア

転職フェアは、転職を希望とする人を対象とする合同企業説明会のこと。転職希望者と直接話す機会が設けられているので、書面だけではわからない人柄なども知ることができる、自社の魅力を直接相手に伝えられる、などのメリットがあります。

また転職フェアは、転職を検討中の人や、他の企業に興味がある人なども集う場所。幅広い人に自社をアピールする良い機会であり、自社にない知識や経験を持つ人材と出会うチャンスでもあります。

例えば、株式会社マイナビ主催の「マイナビ転職フェア」は、転職希望者の参加条件や登録、参加費が不要で、フェア来場の特典やセミナーなども設けています。来場者が多いフェアに参加すれば、より多くの人に自社をアピールできるでしょう。

ただし、準備に手間がかかってしまうのが難点。当日、採用担当者をほぼ一日中拘束することにもなるので、人員に余裕がある企業におすすめです。

 

手法4:ハローワーク

ハローワークは、就職希望者に仕事を紹介する国の行政機関。ハローワークに求人情報を登録し、応募があれば面接、そして採用する流れです。

ハローワークは、掲載するための料金がかからないのが何よりも魅力。中途採用にかけられる予算がない企業でも、気軽に利用できるでしょう。

ただし、求人の登録有効期限が原則として翌々月末とされており、期限が切れるたびに登録し直さなくてはなりません。手間がかかることを踏まえた上で利用しましょう。

 

手法5:自社ホームページ

中途採用を行う手法として、自社のホームページに採用情報を載せ、転職希望者を募る方法もあります。文字数や記入スペースなどの制限がなく、自社の魅力を自由に表現し、アピールできるのがメリットです。なかには、採用専用のウェブサイトを設け、他の企業との差別化に注力する会社もあります。

自社ホームページを使った手法は、効果が出るまでに時間がかかるのがデメリット。自社に興味がない限り、採用ページを見てもらうこともできず、募集が集まりにくいのです。

しかし最近は、転職サイトで求人情報を調べ、気になる企業のホームページで詳しく情報収拾する人も多いです。そのため、転職サイトの掲載と併用して取り組むのも良いでしょう。その際、採用ページが魅力的であれば応募してもらえる機会も増えるため、ホームページ作りに力を注いでおいて損ありません。

 

手法6:リファラル採用

リファラル採用とは、既存の従業員から転職希望者を紹介してもらう方法。

転職サイトや自社ホームページ掲載などのやり方では、自社社員と応募者が直接会うことは、面接までありません。面接で直接話しても、職場や社員の雰囲気を伝えるのは難しいでしょう。

リファラル採用であれば、仲介役となる従業員を通して、肌感覚の細かい部分までを伝えることができます。働く前と入社後のギャップが少ないため、離職の防止に繋がるのも魅力です。また、面接では把握しきれない、入社希望者の人柄なども事前に知ることができ、入社後の教育もスムーズに進められるでしょう。

 

採用後の研修について

中途採用は、募集、面接、入社が済めば全て完了というわけではありません。離職してしまい、再び振り出しに戻る恐れもあります。 

中小企業における就業者の就職率(3年目)

 

中小企業庁発行の「2 人材の定着」では、中途採用者における3年以内の離職率が、「中小企業」「中規模企業」「小規模事業者」のいずれも30%を超えるという結果に。せっかく採用しても、すぐに退職してしまう可能性は十分にありえるのです。

 

中途入社者向けの支援策(施策毎の実施率※複数選択可)

 

株式会社リクルートの調査「中途採用後活躍調査」によると、入社後の中途採用研修の実施率は40.9%。歓迎会などオフでのイベントを除き、最も多く実施されている中途入社者定着のための施策です。中途採用の社員が離職しないよう、研修を導入している企業が多いことを示しています。

中途採用への研修では、新卒社員に行う教育と同様、会社理念や業務内容を徹底的に教える必要があります。研修期間が終わっても、専属で教えるバディをつけて定期的に面談を行うなど、いつでも相談できる環境を整えることで、中途採用者の離職を防止できるでしょう。

また最近では、新型コロナウイルスの影響を受けて、オンライン研修も積極的に行われています。パーソル総合研究所が2019年1〜2月に行った調査によると、社内で行うオンライン研修を増やした企業は75.0%で、多くの企業から注目を浴びている研修手法です。

オンライン研修は、大きく分けて主に2種類。コミュニケーションを取りながら教育できる「オンライン集合形式」と、事前に収録した動画で教育する「eラーニング」があります。接客業など、必ず勤務先に出社しなければならない職種は難しいですが、可能であれば、こういったオンライン研修を活用してみるのも良いでしょう。

経験や知識がある中途採用者でも、いきなり仕事を任せて放置してしまうと、「仕事についていけない」と悩んでしまいます。せっかくの貴重な人材を失ってしまわないよう、教育とサポートを怠らないことが重要です。

 

新入社員研修との違い

新卒採用の社員は真っさらな状態で入社してくるのに対し、中途採用の社員は前の職場での経験があります。同じ職種の会社に転職したとしても、やり方が違うことが多く、うまく馴染めないと悩んでしまう人が多いのです。

【異業種/同業種への転職別】入社後に戸惑ったこと

 

株式会社リクルートキャリアが実施したアンケートによると、中途採用者が入社後に戸惑ったこととして、「前職との仕事の進め方ややり方の違い」が一番多く挙げられています。

そのため中途採用社員には、前の会社のやり方が違うことを踏まえて教育しなくてはなりません。「前の会社ではどのようにやっていた?」というように、ヒアリングをしながら自社のやり方を伝えることで、違いに戸惑うことなく馴染めるようになるでしょう。

また、新卒研修は早くて1週間、長くて1ヶ月前後の期間を設けることが多いですが、中途採用の研修は数日〜1週間程度とやや短め。管理職などポジションによっては数ヶ月、半年かかる場合もありますが、早く戦力になれるよう短期間で教育することが多いです。

そのため、中途採用では短い期間で仕事にこなしてもらうために、OJT(On-The-Job Training)を行うのも一つの手です。OJTとは、現場で実務を通して教育する人材育成の方法のことで、個人に合わせた指導ができる、人間関係が構築しやすいなどのメリットがあります。

OJTを導入するなど、工夫次第では仕事をしながらの教育も可能です。「新卒社員と違って経験者だから問題ない」「研修する時間がない」と省略せず、心地よく働いてもらえるようサポート体制を万全にしておきましょう。新入社員研修やOJTに関しては以下の記事で詳しく解説しています。

 

■参考記事

新入社員研修とは?目的や手法、カリキュラム設計の流れを事例からわかりやすく解説!

OJTとは?実施時の注意点や必要な準備についてわかりやすく解説!

 

まとめ

中途採用は、新卒採用と違って取り組む時期も目的も、研修のやり方も違います。会社が求めている人材を見つけられるか、経験がかえって妨げになり自社に馴染めないのではないかと、不安に思うことも多いはず。

しかし、中途採用で優秀な人材が見つかれば、企業の繁栄に繋がります。経験者がいることで他の従業員への刺激にもなりますし、自社にない新たな発想にも巡り会えるでしょう。

人を対象とするためスムーズにいかないことも多いですが、ノウハウや知識を身につけ経験を重ねれば、成功する確率は徐々に上がっていきます。迷ってしまった時はぜひ今記事を参考にし、人材の確保に役立ててみてくださいね。

著者
松木 謙介
2017年にピーシーフェーズ株式会社に新卒で入社。大手飲食チェーン店のマニュアルデジタル化プロジェクトに携わり、2年目から人材育成クラウドサービス「shouin」の立ち上げ、現在までプロダクト開発に携わる。「研修をもっとラクラクに」できるよう、試行錯誤を続ける日々。趣味はサッカー観戦、ゲーム、読書、他多数。

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