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業務標準化の進め方を5つのステップで解説!成功事例も紹介

平準化 ノウハウ ナレッジ
2025.03.11
『shouin+ブログ』マーケティング担当

業務標準化は、企業の効率性と生産性を向上させるための重要な取り組みです。しかし、業務標準化を具体的にどのように進めたらよいのか、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、業務標準化の進め方について、具体的なステップやメリット、注意点を交えながらくわしく解説します。これから業務標準化に取り組もうとしている方や、既に取り組んでいるものの効果が出ていない方も、ぜひ参考にご覧ください。

 

業務標準化とは?その目的と重要性

まずは、業務標準化の定義や目的、そしてその重要性についてくわしく見ていきましょう。

業務標準化の定義

業務標準化とは、企業内で行われるさまざまな業務プロセスを統一し、全従業員が同じ手順で効率的に作業を進められるようにすることを指します。業務の手順やルール、フォーマットを標準化することで、作業の質を保ち、効率を向上させることを目的とするものです。

たとえば、顧客対応を行う場合に「問い合わせ受付」「必要情報の記録」「対応方法の選択」といった手順が標準化されていると、新人社員であってもスムーズに業務を進められるようになるでしょう。また、これにより業務の属人化が解消され、誰が業務を行っても一定の品質を保つことができるようになります。

 

業務標準化が必要とされる背景

近年、多くの企業で業務標準化が求められている背景には、主に以下のような要因があります。

  • デジタル化の加速

デジタル技術の普及により、業務プロセスの標準化が容易になるとともにその重要性も高まっている

  • 人材不足および人材の流動化

限られた人材に対して効率的な人材育成を実施するために、業務の標準化が求められている

  • 働き方改革の推進

効率的な業務遂行や長時間労働の是正のために、業務プロセスの見直しと標準化の重要性が高まっている

  • グローバル化の進展

企業活動がグローバル化する中、世界中で一貫した品質やサービスを提供するためには、業務の標準化が不可欠

 

業務標準化と業務平準化の違い

業務標準化と業務平準化は、似た概念として混同されることがありますが、その目的と適用範囲には少し違いがあります。

業務標準化と業務平準化の違い

項目

業務標準化

業務平準化

目的

業務プロセスを統一し、品質と効率を高める

業務負荷を均等に分散させる

焦点

作業手順やルールの統一

業務量や作業時間の調整

効果

業務品質の均一化、効率の向上など

繁忙期の負担軽減、安定した業務運営など

たとえば、コールセンターの業務を例に考えてみましょう。業務標準化では、顧客対応の手順やスクリプトを統一することで、サービス品質の向上を図ります。一方、業務平準化では、オペレーターの勤務シフトを調整して、繁忙時間帯に適切な人員を配置することで、業務負荷を分散させます。

このように、業務標準化と業務平準化は似ているようで異なる目的を持つ概念です。企業の状況や目標に応じて、これらのアプローチを適切に使い分けることがポイントです。

 

業務標準化の5つのメリット

業務標準化は、組織運営において多くのメリットをもたらします。そこでここからは、業務標準化の具体的な効果について見ていきましょう。5つのポイントに分け、具体例を交えながらくわしく解説していきます。

メリット1.業務効率化による生産性向上

業務標準化の最大のメリットは、業務効率化による生産性の向上です。標準化された手順やプロセスを導入することで、無駄な作業や重複作業を削減し、業務全体のスピードアップを図ることができます。

たとえば、書類処理フローを標準化するケースで考えてみましょう。複数の部署で、それぞれ独自のフォーマットを使用していると、書類の確認や修正は手作業になり、必要以上に時間がかかってしまいます。これが、社内共通のフォーマットを採用することで、承認プロセスをデジタル化でき、処理時間は大幅に短縮できるでしょう。

 

メリット2.属人化の防止とリスク低減

業務の属人化は、多くの企業が抱える課題の一つです。特定の社員にしか分からない業務や、その人がいないと進まない仕事があると、組織全体にとって大きなリスクとなります。その点、業務標準化は、この属人化を防ぐ強力な武器となるでしょう。

たとえば、新人社員が担当者の引継ぎを受ける際、標準化されたマニュアルがあればスムーズに業務を開始できます。また、「代わりがいないから気軽に休めない」「ベテラン従業員がいなくなったら誰も分かる人がいなくなってしまう……」などといった心理的な不安を取り除くこともできるでしょう。

なお、属人化についてくわしく知りたい方は下記記事を参考にご覧ください。属人化を防ぐ方法や店舗運営における具体例などをくわしく解説しております。

■参考記事はこちら

属人化とは?何が悪いのか、もたらすデメリット、原因、対策方法をわかりやすく解説!

 

メリット3.品質の均一化と向上

業務標準化のもう一つの大きなメリットは、品質の均一化と向上です。標準化された手順やプロセスを導入することで、誰が作業を行っても一定の品質を保つことができます。また、品質維持(向上)は、顧客満足度の向上や企業ブランドの強化にもつながるため、とても重要なポイントといえます。

食品製造業を例に考えてみましょう。複数店舗を経営する飲食店では、調理手順や温度管理を標準化することで、すべての店舗で同じ味や品質を提供することが可能になります。これにより、顧客満足度が向上し、企業全体の信頼性も高まっていくでしょう。

 

メリット4.コミュニケーションの円滑化

業務標準化は、社内外のコミュニケーションをスムーズにする役割も果たします。統一された用語や手順を使用することで、部署間の誤解やミスが減少し、業務が円滑に進みやすくなるのです。

たとえば、大規模なプロジェクトを進める場合、異なる部署が共通のフレームワークを使用して報告や調整を行うことで、迅速な意思決定が可能になるでしょう。また、標準化された情報共有ツールを活用すれば、チーム全体で同じ情報をリアルタイムに把握できるため、ミスコミュニケーションの防止にも役立ちます。

 

メリット5.技術力の継承と向上

業務標準化は、経験やスキルの伝承を効率化する手段としても重要です。とくにベテラン社員のノウハウをドキュメント化することで、新人や若手社員がその知識を活用しやすくなります。

たとえば、製造業において、長年の経験から得られたコツや注意点をマニュアル化することで、新しい従業員が短期間で技術を習得できます。さらに、これを継続的に見直すことで、業務の質とスキルレベルをさらに向上させることができ、結果として、組織全体の技術力向上につながるでしょう。

■参考記事はこちら

暗黙知と形式知の違いとは?変換方法やナレッジとしての活用についても解説

 

業務標準化を進める5つのステップ

これまで、業務標準化の必要性やメリットについて解説しましたが、「実際にどうすればいいの?」と疑問が浮かんでいる方もいらっしゃることでしょう。そこでここからは、業務標準化の具体的な進め方について、大きく5つのステップに分けて解説していきます。

業務標準化を進める5つのステップ

ステップ1. 現状の業務フローを把握する

業務標準化の第一歩は、現状の業務フローを正確に把握することです。このステップでは以下の手順に沿って、各部門や従業員の業務内容を詳細に洗い出し、全体像を把握しましょう。

業務フロー把握の手順

  • 業務の洗い出し
    すべての業務をリストアップし、それぞれの内容や手順を明確にする
  • 業務の定量化
    工数、頻度、難易度などを数値化し、客観的に評価する
  • 問題点の洗い出し
    非効率な業務や属人化している業務を特定する
  • 従業員へのヒアリング
    現場の声を聞き、実態に即した分析を行う

たとえば、製造業の生産ラインであれば、組立作業、品質検査、材料供給など、各プロセスを詳細に洗い出し、それぞれにかかる時間や人員を記録します。この段階で問題点を洗い出すことで、次のステップで優先的に標準化すべき業務を選定するための基盤を築くことができます。

なお、業務フローの書き方については下記の記事でくわしく解説しています。今すぐ使える【無料テンプレート】もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

■参考記事はこちら

フローチャート作成の参考例!5種類の書き方をわかりやすくご紹介!

 

ステップ2.標準化すべき業務を選定する

現状把握が完了したら、次に標準化すべき業務を選定します。すべての業務を一度に標準化することは現実的ではありません。そのため、以下の基準を参考に、標準化する業務を選定し、優先順位をつけていきましょう。

優先順位をつける時のポイント

  • 属人化が進んでいるか
  • 品質にばらつきが出やすいか
  • 頻繁に行われる業務か
  • ミスが発生しやすいか
  • 組織の目標達成に直結するか

たとえば、顧客対応業務を標準化する場合、問い合わせの多い内容や対応に時間がかかる業務の優先順位を高めに設定します。また、新製品の開発プロセスを標準化する際は、設計や品質管理など、製品の成否に大きく影響する工程から着手するとよいでしょう。

 

ステップ3.業務フローの整理と設計をする

選定した業務について、フローチャートなどを使って業務の流れを可視化し、整理します。業務効率化を目標に、現状の業務フローを見直しながら整理していきましょう。

業務フロー見直しのポイント

  • 無駄な工程の削除:不必要な作業を無くす(または減らす)
  • プロセスの簡略化:余分な作業を減らしたり、簡略化する
  • ボトルネックの解消:非効率の原因となっているポイントを解消する
  • ITツールの活用:業務効率化につながるITツールの活用を検討する

たとえば、経理部門の請求書処理業務を標準化する場合、従来の紙ベースの処理からデジタル化を進め、請求書のスキャンと自動データ読み取り、会計ソフトへの自動入力といった流れに再設計することで、大幅な効率化が期待できるでしょう。

 

ステップ4.マニュアルや手順書を作成する

業務フローの設計が完了したら、それらをマニュアルや手順書に落とし込んでいきましょう。作成のポイントは、いきなり書き始めるのではなく、しっかりとした「下準備」を行うことです。以下4つのポイントを参考に準備を行うことで、効果的なマニュアルづくりに近づけるはずです。

  • 準備1:目的を明確にする
  • 準備2:対象者を明確にする
  • 準備3:利用環境を明確にする
  • 準備4:ファイル形式を決める

また、実際に作成するときは、誰が見ても同じように業務を遂行できるよう、明確で分かりやすい内容にすることを心がけましょう。ぜひ、以下の「効果的なマニュアル作成のポイント」を参考にしながら進めてください。

  • ポイント1:1ページ1メッセージを徹底する
  • ポイント2:読みやすいフォントを設定する
  • ポイント3:図や表を上手く使う
  • ポイント4:ツールを上手く使う

なお、上記の内容については、下記記事でよりくわしく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。

■参考記事はこちら

見やすいマニュアルの作り方とは?レイアウトなどのコツを7カ条にまとめてわかりやすく解説!

 

ステップ5.運用と改善を繰り返す

マニュアルや手順書が完成したら、実際に運用を開始します。しかし、ここで終わりではありません。定期的に効果を測定し、必要に応じて改善を行うことが、業務標準化を成功させる鍵となります。具体的には、下記のポイントを参考に取り組んでみてください。

  • 定期的な効果測定を実施する
  • フィードバックを収集し、反映させる
  • 新たな課題を見つけ、改善していく

たとえば、製造業の品質管理プロセスを標準化した場合、不良品率の推移や生産効率の変化を定期的に測定し、目標値との乖離がある場合は原因を分析して改善策を講じます。また、現場の作業者からの意見を積極的に取り入れ、より使いやすいマニュアルへと更新していくことも大切です。

 

業務標準化を成功させるためのポイント

上記では業務標準化の手順について紹介しましたが、まだまだイメージが掴みきれていない方も多いことと思います。そこでここからは、業務標準化を成功に導くための3つのポイントについてくわしく解説していきます。

ポイント1.関係者間で目的を共有する

業務標準化を成功させる第一歩は、関係者全員で目的を共有することです。なぜ業務標準化が必要なのか、どのような効果を期待しているのかを明確にし全員で認識を合わせていきましょう。そうすることで、協力体制が構築されプロジェクトがスムーズに進みやすくなります。

たとえば、「業務効率を向上させるため」「品質を安定させるため」といった具体的な目的を設定し、会議や資料を通じて周知します。また、定期的な進捗報告および目的の再確認を実施することで、関係者の理解が得られやすくなり、標準化がよりスムーズに進められるでしょう。

さらには、目的を共有する際には、経営層と現場スタッフの双方の視点を考慮することも大切です。経営層は組織全体の視点から、現場は実務の観点から意見を出し合うことで、現実的かつ実効性のある計画を立てやすくなるとともに、理解や協力を得られやすくなります。

 

ポイント2.標準化の範囲を適切に設定する

標準化は、その対象を明確にし、必要な範囲を適切に設定することが大切です。

標準化を考えるとき、「標準化できるものはすべてやってしまおう」という考えが浮かぶかもしれません。しかし、すべての業務を一律に標準化しようとすると、かえって非効率になったり、従業員の創意工夫を阻害したりする恐れがあるため注意が必要です。そのため、標準化の適切な範囲を設定することも、大切なポイントなのです。

たとえば、頻繁に行われる業務や、ミスが発生しやすい業務を優先的に標準化するのが効果的です。また、業務プロセスの中でとくに時間やコストがかかっている部分に注目することで、改善のインパクトが大きくなります。

一方で、創造性や柔軟性が求められる業務については、標準化を進めすぎないよう注意が必要です。クリエイティブな業務や臨機応変な対応が求められる業務では、ある程度の自由度を確保することで、業務全体のパフォーマンスを維持しやすくなるでしょう。

 

ポイント3.マニュアル運用を目的化しない

業務標準化を進める際、マニュアルの作成や運用に注力するあまり、本来の目的を見失ってしまうケースがあります。マニュアルはあくまでも手段であり、目的ではありません。マニュアルの作成や運用に過度にこだわると、かえって業務の硬直化や効率の低下をまねく恐れがあるため注意が必要です。

そして、目的を見失わずにマニュアルを運用するためには、やはり「現場の意見を積極的に取り入れること」が非常に大切です。従業員に主体性を持たせながら柔軟にマニュアルを修正していくことで、自ずとマニュアルに血が通っていくことでしょう。

 

業務標準化のデメリットと注意点

業務標準化は、業務効率化や品質向上をもたらす一方で、適切に進めなければ思わぬ落とし穴にはまってしまうリスクがあります。

業務の柔軟性が失われる恐れがある

業務標準化を行う際の主なリスクの一つは、業務の柔軟性が失われる恐れがあることです。標準化された手順に従うことで効率が上がる一方、「マニュアル通りにやらなければ」という心理から、状況に応じた柔軟な対応が難しくなってしまう場合があるのです。

そこで、このリスクを回避するためには、従業員が「自分自身で考える」ことを促せるような内容にするのがポイントです。

たとえば、飲食店の接客を例に考えてみましょう。下記の2種類のマニュアルがあるとします。①では手順に従うだけになりがちですが、②では顧客が何を求めているかを考え、臨機応変に対応する余地があると感じるのではないでしょうか。料理の背景や味わい方を説明するなど、顧客の満足度を高める工夫がイメージできると思います。

例:飲食店の接客マニュアル

  1. 注文の取り方や提供手順を示したマニュアル
  2. 提供手順に加え、料理の特徴やサービスの目的まで記載したマニュアル

また、必要に応じて、現場の従業員に対して現場の権限を与えるのも一つの方法です。従業員の主体性を尊重することにより、創意工夫を促すことができるでしょう。

 

マニュアルの定期的な見直しと改善が不可欠

業務標準化を進める際、多くの企業がマニュアルを作成します。しかし、マニュアルは作成して終わりではありません。業務内容や市場環境が変化する中では、マニュアルは次第に腐っていってしまうため、定期的な見直しと改善が不可欠なのです。そして、この手間を最小限に抑えるためにも、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  • 定期的な見直しスケジュールを設定する
  • 現場からのフィードバックを収集する仕組みを作る
  • マニュアルの更新履歴を管理し、変更点を明確にする
  • デジタルツールを活用し、マニュアルの更新と共有を効率化する

なお、マニュアル管理において「マニュアル作成がなかなか進まない…」「マニュアルはあるのに、なかなか社内に定着しない…」といった壁にぶつかった際は、ぜひ下記記事をご覧ください。マニュアル管理の基本から実践的な運用方法、管理ツールの活用と選び方まで、くわしく解説しております。

■参考記事はこちら

マニュアル管理の基本と失敗しないツール選びのポイントを徹底解説

 

業務標準化に役立つツールとリソース

業務標準化を効果的に進めるには、適切なツールやリソースの活用が欠かせません。そこでここからは、業務標準化に役立つ3つの主要ツールについて、その特長と活用方法についてくわしく解説します。

業務フロー作成ツール

業務フロー作成ツールは、業務の流れを視覚的に整理し、効率的な標準化を進めるための基盤を作るツールです。複雑な業務プロセスを分かりやすく図式化することで、問題点や改善点が見つけやすくなります。

目的

業務プロセスを可視化し、効率的なフローを設計すること

特長

・直感的な操作で簡単にフローチャートが作成できる

・テンプレートが豊富で、初心者でも使いやすい

・チーム内での共有や共同編集ができる

活用例

・部署間で異なる業務フローの統一化を図る

・新入社員向けの業務概要資料として活用する

・ボトルネックを特定し、改善計画の立案をする

注意点

作成者には図形や作成ルールへの理解が求められる

代表的なツール名

LucidchartMicrosoft VisioCacooなど

なお、下記記事では、今すぐ使える無料のフローチャートテンプレートを配布しております。「まずは無料で使ってみたい」「気軽に使ってみたい」という方は、ぜひご活用ください。

■参考記事はこちら

【無料テンプレート付き】フローチャート作成の参考例!5種類の書き方をわかりやすくご紹介!

 

マニュアル管理ツール

マニュアル管理ツールは、標準化された業務手順を文書化し、効率的に管理・共有するためのツールです。オンラインストレージとしての役割を担うツールも多く、効果的なマニュアル運用がしやすくなります。

目的

業務マニュアルや手順書を効率的に作成・管理・共有すること

特長

・テンプレートやデザイン機能が豊富

・手軽に高品質なマニュアルが作成できる

・動画マニュアルの機能を備えたツールが多い

・その他の機能(チェックリストなど)を備えたツールが多い

活用例

・新入社員向けの研修資料を作成し、効率的な人材育成に活かす

・文章で伝わりにくい技術を「動画マニュアル」で作成する

・お知らせ機能を用いて、マニュアル更新情報を周知する

注意点

情報が増えすぎると管理が煩雑になるため、定期的な整理とメンテナンスをが求められる

 

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールは、業務標準化を推進するプロジェクト全体の進行状況を管理するためのツールです。タスクの進捗や責任者を明確にすることで、プロジェクトのスムーズな遂行が可能になります。

目的

業務標準化プロジェクトの進行を可視化し、円滑に運営すること

特長

・タスクの割り当てや進捗管理が簡単に行える

・ガントチャートなどでプロジェクトのスケジュールを視覚化できる

・チーム内でのコミュニケーションや情報共有に便利

活用例

・業務標準化プロジェクトの進行状況を管理する

・タスクの優先順位を明確にして、効率的にリソースを配分する

・チームメンバー間でのコミュニケーションに役立てる

注意点

ツールの利用方法を従業員全員が理解する必要がある

代表的なツール名

TrelloAsanaMicrosoft Projectなど

 

業務標準化の成功事例

業務標準化を進めるにあたって、他社の成功事例を参考にすることは非常に有効です。「うちの会社でも同じように成功できるだろうか?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、業種や規模が異なっていても、そのアプローチや考え方は十分に参考になるはずです。

ここでは、業務標準化に成功した2つの企業の事例を紹介しますので、これらの事例から自社に適した業務標準化の進め方のヒントを探ってみてください。

トヨタ自動車の事例

トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、世界的に有名な「トヨタ生産方式」に象徴されるように、業務標準化の先駆者として世界的に知られています。この方式は、効率的かつムダのない生産プロセスを追求し、徹底した業務標準化により高品質な製品を安定的に供給する仕組みです。

  • トヨタ生産方式の基本

トヨタ生産方式は、「ニンベンのついた自働化」と「ジャスト・イン・タイム」という2本柱に基づいています。まず「自働化」は、機械に人間の知恵を組み込み、異常が発生した際には自動的に停止する仕組みです。これにより、品質不良の流出を防ぎ、省力化を実現しようという考え方です。一方、「ジャスト・イン・タイム」は、必要なものを必要な時に必要なだけ生産することを徹底する仕組みで、これにより物の停滞やムダを排除しようという考え方です。

  • 業務標準化の具体的な内容

トヨタでは、生産ラインの手順を細部まで標準化しています。たとえば、「ボルトを締める」というマニュアルでは「音が鳴るまで締める」と具体的に定義することで、個人差を排除し、業務品質を維持することができています。

  • 標準化による成果

このような業務標準化によって、トヨタは長年にわたり世界へ高品質な製品を供給し続けることができています。さらには、標準書を丁寧に教え込んだ結果、やすりさえ使ったことのなかった従業員が、技能五輪の世界大会に出場し見事銀賞を獲得したこともあるそうです。

このようにトヨタの取り組みは、「日々改善」を徹底した業務標準化が、いかに企業成長と社会貢献の両面で重要であるかを示す模範的な事例といえるでしょう。

 

まとめ

企業の生産性向上に不可欠な、業務標準化。今回は、業務標準化の意義や進め方、成功事例、活用できるツールなどについてくわしく解説いたしました。

業務標準化は一度行えば終わりではなく、継続的な改善が必要なプロセスです。日々の業務を通して、常に最適な業務プロセスを追求し続けることが、長期的な成功につながるでしょう。

また、実際に業務標準化に取り組む際は、この記事で紹介したステップやポイントを参考にしながら、自社の状況に合わせた最適なアプローチを探ってみてください。最後にご紹介した企業事例も、大変参考になるかと思います。

業務標準化は決して簡単な作業ではありませんが、本記事で紹介した内容が貴社の業務標準化のお役に立てることを願っております。

著者
『shouin+ブログ』マーケティング担当
人材育成クラウドサービス「shouin+」のマーケティング担当です。人材育成のお役立ち情報やトレンドをはじめ、企業の人事・研修担当の方向けに社内教育や研修のノウハウを発信しています。

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