研修動画の作成で悩んでいる方へ|作り方と運用ノウハウを徹底解説!
「研修動画を作りたいけれど、どこから手を付けていいか分からない」
「効率よく、分かりやすい研修動画を作成したい」
このような悩みをお持ちではありませんか?
研修動画は、テキストだけでは伝わりにくい業務手順や現場の雰囲気も直感的に伝わりやすいため、現場への導入を検討されている方もいらっしゃることでしょう。しかし、効果的な研修動画を作成・運用していくのは、そう簡単なことではありません。
そこでこの記事では、研修動画作成の基本をはじめ、実際の事例や運用のコツまでくわしく解説していきます。今まさに研修動画の導入を検討されている方はもちろん、すでに取り入れているがより効果的な方法を知りたいという方も、ぜひ参考にご覧ください。
研修動画とは
研修動画とは、業務マニュアルや社員教育などの現場で活用される「動画形式の教材」を指します。
従来の紙マニュアルや集合研修では伝えきれなかった、細かな業務手順や現場のリアルな雰囲気も、映像と音声を通じて直感的に伝えられるのが特長です。
最近では、eラーニングやLMS(Learning Management System)と組み合わせることで、受講管理や効果測定までを一括で行う活用法も一般的になってきました。
研修コンテンツをデジタル化することで、企業は
①コスト削減 ②研修運営の効率化 ③社員の学習体験の向上 |
といった、複数の効果を同時に得ることができます。
こうした背景もあり、研修動画は今や一部の先進企業に限らず、中小企業や地方自治体、教育機関など多様な現場に広がっています。
これまで対面研修に頼っていた企業も、「そろそろ動画研修に切り替えたい」と感じはじめているのではないでしょうか。
ただし、研修動画にはメリットばかりではありません。
たとえば、「動画が長すぎて集中力が持たない」「視聴しただけでは理解度を測りづらい」といった課題もあります。
そのため、動画はできる限り短く要点を絞り、セクションごとに分割する、確認テストを挿入するなど、制作や運用においての工夫が欠かせません。
研修に動画を取り入れるメリット
動画を活用した研修は、従来の集合研修や紙マニュアルと比べて、さまざまなメリットがあります。では具体的にどのようなメリットがあるのか、くわしく見ていきましょう。
メリット①視覚的な理解を促せる
研修に動画を取り入れる最大のメリットは、「目で見て学べる」ことです。たとえば文章や口頭だけの説明では伝わりにくい内容も、映像を使えば視覚情報として直感的に伝えることができます。たとえば機械の操作手順や、接客対応のロールプレイングなどは、実際の様子を見せることで理解が一気に深まるものです。
人間の脳は、文字情報よりも視覚情報のほうが記憶に残りやすいと言われています。つまり動画を活用することで、記憶への定着率も高くなるというわけです。「何をどうするのか」が一目で分かるので、視聴者のストレスも少なく済むでしょう。
また実際に、株式会社スタディストが行った「動画マニュアル実態調査」では、動画マニュアルを使用した人のうちの7割が「動画マニュアルで業務理解が進むと感じる(とても感じる:14.8%、感じる:57.4%)」と回答しており、動画を用いた研修には一定の効果があることがうかがえます。
引用:第1回「動画マニュアル実態調査」株式会社スタディスト
メリット②時間や場所に縛られずに視聴できる
研修に動画を取り入れるもう一つの大きなメリットは、「いつでも・どこでも視聴できる」という点です。従来の集合研修では、日時や場所の調整が必要で、遠方からの移動や業務調整の負担も大きくなりがちでした。
しかし、動画ならPCやスマートフォンがあれば、オフィスはもちろん自宅や移動中でも視聴できます。従来のように講師や受講者のスケジュールを合わせる必要もなくなり、研修の柔軟性は大きく広がるでしょう。全国に複数の店舗を持っているような会社でも、従業員全員に平等な学習機会を与えることができます。
メリット③言語の壁を超えて理解を促せる
研修動画は、言語の壁を超える手段にもなります。グローバル化や多様な人材の活用が進む現代において、企業によっては、外国人スタッフに対する研修や海外拠点での研修が求められることもあるでしょう。反対に、多言語に対応できるスタッフがおらず、外国人の従業員を雇いたくても雇えずに困っている方もいらっしゃることと思います。
しかし、そのような場面でも、研修動画が役立ちます。動画なら、実際の映像を通して直感的に内容を伝えられるため、日本語が苦手な外国人スタッフにも理解してもらいやすくなります。また、動画の音声に多言語に対応した字幕をつけたり、ナレーションを挿入したりすることで、さらに伝わりやすい教材をつくることもできるでしょう。
メリット④研修内容を均一化できる
対面式の研修では、講師や担当者の話し方・伝え方によって内容に差が出てしまうことがあります。みなさんの職場でも「あの人はこう言っていたのに」「人によって少しずつ教え方に違いがあって困る」といった事態が発生したことがあるのではないでしょうか。
しかし動画であれば、一度作成した内容を何度でも同じ品質のまま繰り返し使うことができます。そのため、誰がいつ視聴しても「同じ内容」「同じクオリティ」の研修が受けられるのです。
とくに全国に支店・拠点を持つ企業では、この「教育の均一化」が非常に重要になります。「ある店舗ではしっかり教わったのに、別の店舗ではあいまいな説明だった」というようなバラつきを防ぐためにも、研修動画は効果的に働いてくれるでしょう。
メリット⑤研修費用のコスト削減につながる
集合研修を実施するには、会場費や講師費、資料印刷代、交通費など、見えないコストが多くかかります。こうしたコストは一回ごとの負担は小さくても、年単位・全社員対象となると非常に大きな金額になります。
しかしこれも、動画を一度作成してしまえば、その後は何度でも繰り返し使うことができるため、長期的に見れば大幅なコスト削減につながるのです。また、研修担当者の工数も減らせるため、間接的な人件費削減にもつながるでしょう。「導入費用がかかるから……」とためらう企業もありますが、中長期的に見ればむしろ「コスパが高い選択」といえるのです。
なお、動画研修のメリットについてよりくわしく知りたい方は、下記記事をご覧ください。受講者側と教育担当者側の2つの視点に分けて解説しています。
■参考記事はこちら
社内研修を動画で実施するメリットとは?動画の作り方、運用における注意点も解説!
研修動画の作成方法
研修動画の作成というと「カメラで撮って終わり」という印象を持たれるかもしれません。しかし実際は、事前準備から撮影・編集、そして配信後の運用までを含めた全体設計が必要です。
そこでここからは、研修動画を効果的に作成・活用するための6つのステップを、順番に解説していきます。ぜひ、貴社の研修動画づくりにお役立てください。
ステップ①研修の目的とゴールを明確にする
最初のステップは「研修の目的とゴールを明確にする」ことです。これは、たとえば「新入社員に会社の基本ルールを理解してもらう動画」なのか、「営業担当者が商談の組み立て方を学ぶ動画」なのかによって、必要な内容や語り口、長さも大きく変わるためです。
そして目的とゴールを明確にするには、「なぜこの研修を行うのか」「どんな変化を期待しているのか」をよく考え、可視化するとよいでしょう。ゴールが明確であれば、視聴者の行動変容や知識定着を意識した構成にしやすいため、結果的に動画の満足度や実用性が高まります。
反対に、目的があいまいなままでは内容も方向性もブレてしまい、結局「何を伝えたかったのか分からない動画」になってしまうでしょう。動画づくりに直接関わる部分ではないためつい忘れがちなステップですが、必ず丁寧に進めてください。
ステップ②動画のスタイルを決める
次に行うのが「動画のスタイル(形式)」を決めることです。大きく4つのスタイル(セミナー形式・マニュアル形式・ドキュメンタリー形式・クイズ形式)から、伝えたい内容や目的に応じて、もっとも効果的に伝えられるものを選びます。
たとえば講義を録画する「セミナー形式」は、座学などの“言葉で伝えたい”場面で有効です。一方で、作業手順を見せたいなら「マニュアル形式」が適しており、現場の様子をリアルに伝えたい場合は「ドキュメンタリー形式」がおすすめです。また、視聴者の理解度を確認したい場合は「クイズ形式」も有効でしょう。
動画のスタイルは、視聴者の集中力や理解度に大きく関わる部分であるため、伝える相手や内容に合わせて適切に選択をする必要があります。「なんとなく選ぶ」のではなく、「この内容にはこのスタイルが効果的だ」としっかり考え、質の高い動画づくりにつなげていきましょう。
ステップ③絵コンテやシナリオを作成する
動画のスタイルが決まったら、次に「絵コンテ」や「シナリオ」を作っていきましょう。絵コンテは、動画の流れやカット割り、出演者の動きやセリフなどを事前に可視化する“設計図”のようなもので、シナリオは、話す内容やナレーション、セリフなどを文章で構成した“台本”のようなものです。これらを作ることで、動画全体の流れや構成を事前に整理することができます。
たとえば接客マニュアルなら、冒頭にタイトル・接客の目的を提示し、中盤で接客事例を紹介し、最後に復習ポイントをまとめるといった流れにするのもいいですね。文字だけの台本ではイメージが湧きにくいため、可能であれば絵や図で「どの場面で何を映すか」もセットで考えるとよいでしょう。
なお、この設計段階が甘いと、撮影時に「何を撮ればいいか分からない」という事態になったり、編集時に「構成がバラバラでつながらない」といったトラブルにつながってしまいます。反対に、しっかりと構成を練っておけば、撮影も編集もスムーズに進み、無駄な修正も少なくなりますので、手間はかかりますが丁寧に進めていきましょう。
ステップ④撮影・録音する
設計が固まったら、いよいよ「撮影・録音」のステップに進みます。撮影時は、明るさや音声のクリアさに注意し、必要に応じて三脚やマイク、照明などの機材を活用しましょう。また、複数のアングルで撮影しておくと、編集時に映像に変化をつけやすくなります。
とくに、ナレーションの読み上げや現場での実演など、編集でごまかしが効きにくいシーンは、リハーサルをしながら撮影を進めるとスムーズでしょう。撮影と別で録音をするのも一つの方法です。
<撮影・録音時のポイント>
- 明るさを確保する(照明を使うのも◎)
- 三脚を使用する(手ブレ防止)
- スマホ撮影は横向きで行う(横向きの映像は扱いやすい)
- 同じシーンを複数カット撮影する(編集がしやすくなる)
- 編集でごまかせない場面はリハーサルを行う
ステップ⑤編集する
撮影が完了したら、次は素材を編集して1本の動画に仕上げていく工程です。不要な部分をカットしたり、テロップや図解、BGMを加えることで、情報を整理し分かりやすい動画に仕上げていきましょう。映像の切り替えやエフェクトも適切に使うことで、視聴者の集中力を保ちやすくなります。ほかにも、以下のようなポイントを意識しながら進めてください。
<編集で意識すべきポイント>
- 不要な部分をカットしてテンポを整える
- テロップをつけて音声をサポートする
- 図解やアニメーションで理解を促す
- BGMや効果音で雰囲気をつくる
- 章ごとにスライドを入れて区切る
ステップ⑥配信する
最後のステップは、完成した動画を配信して受講者に届ける工程です。社内ポータルサイトやクラウドストレージ、YouTube(限定公開)など、配信方法はさまざまありますが、使いやすさ・アクセス性・セキュリティなどを総合的に考慮して選びましょう。
また、くわしくは後述しますが、eラーニングシステム(LMS)と連携すれば、受講履歴の管理やテストの実施も可能になります。誰がいつ視聴したか、テストの成績はどうだったか、といった情報が可視化されることで、効果測定や研修改善にもつながります。
このように、動画を作っただけで満足せず、「どう届けるか」「どう活用されるか」まで視野に入れることで、研修動画をより効果的なものにできるでしょう。
なお、下記記事では、動画マニュアルの作成で使える無料ツールを紹介しております。ツール選びに迷っている方は、ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
動画マニュアルの作り方とは?手順とポイント、無料のツールも紹介!
研修動画の種類
研修動画の種類は、伝えたい内容や目的によって最適な形式を選ぶことが大切です。ここでは代表的な4つのスタイルについて、それぞれの特徴と活用ポイントをくわしくご紹介します。
言葉で伝えやすい「セミナー形式」
セミナー形式とは、講師や担当者がカメラに向かって話すスタイルのことを指します。講演会や座学のように、話し言葉を中心に構成された研修動画で、最もオーソドックスな形式といえるでしょう。
そしてこの形式は、マナー講習や業務内容説明、企業理念の共有など、幅広いテーマに対応できるのが特徴です。たとえば新入社員向けの企業理念説明や、管理職向けの法令研修などに向いています。スライド資料を使いながら説明すれば、視覚的にも理解を促進できるでしょう。
しかし一方で、話し手の表情や声のトーン、言葉の選び方が視聴者の理解度や印象を左右してしまうのも事実です。講師役の事前準備やトークスキルが求められるのはもちろん、「伝わる話し方」にも意識を向けたいところですね。
体系的に伝えやすい「マニュアル形式」
マニュアル形式とは、手順や操作方法などを画面や実演を通して説明するスタイルです。業務フローやシステムの使い方などを、体系的に解説したいときに活用するとよいでしょう。
そしてこの形式の大きな強みは、視聴者が「実際にどうやるのか」をそのまま視覚的に理解できる点です。たとえば「請求書を発行する方法」といった内容では、口頭で説明するよりも、画面操作を動画で見せるほうが圧倒的に分かりやすいでしょう。
また、マニュアル形式の動画は一度作成してしまえば繰り返し使いやすく、新人教育や定型業務のマニュアルとしても非常に効果的です。手順通りに進められるようにナンバリングやテロップを入れると、さらに実用性が高まるでしょう。
リアルを伝えやすい「ドキュメンタリー形式」
ドキュメンタリー形式は、実際の職場や現場の様子を撮影し、ストーリー仕立てで伝えるスタイルです。業務の流れや働く人々のリアルな姿を映すことで、共感や納得感を生みやすいのが特徴です。
たとえば、製造現場の1日や、お客様対応の流れ、営業の様子などを映像で紹介することで、視聴者に「自分が働く姿」をイメージさせることができます。新入社員や異動者に対して、現場の雰囲気や価値観を伝えることもできるでしょう。
また、実際に働く社員のインタビューや、困難を乗り越えたストーリーなどを盛り込むことで、「この会社で働く意味」や「チームで協力する意義」を感じさせることができる点も魅力の一つです。組織の一体感やモチベーション向上にもつながるでしょう。
理解を深めやすい「クイズ形式」
クイズ形式の研修動画は、動画の合間にクイズや問題を挟むことで視聴者の参加を促し、知識の定着を図るスタイルです。リアルタイムでない動画研修は一方通行になりがちですが、クイズを取り入れることで視聴者が主体的に考えたり、集中力を維持しやすくなります。
たとえば、動画の途中で「〇〇の対応として適切なのはどれでしょう?」という選択問題や、「正しいのはどっち?」と○×形式で答えられる問題を挟むことで、視聴者の理解度を確認しながら進めることができます。とくに、難しい内容や飽きやすいテーマでも、クイズ形式を取り入れることで最後まで興味を持って視聴してもらいやすくなるでしょう。
研修動画を作成する際のポイント
研修動画を作成する際は、ただ情報を詰め込むだけではなく、受講者が「見やすく」「分かりやすく」「最後まで飽きずに」学べる内容設計が求められます。そこでここでは、初めて研修動画を作る方にも意識してほしい、基本かつ重要なポイントを4つご紹介いたします。
ポイント①視聴者目線でシンプルに構成する
質の良い研修動画に共通しているのは、「伝えるべきことが、必要な順序で、分かりやすく整理されている」という点です。そしてそのためには、視聴者が「何を学ぶべきか」迷わないよう、シンプルな構成を心がけましょう。
たとえば、専門用語を多用してしまったり、話の流れが飛び飛びだったりすると、受講者はついていけなくなります。話の展開に迷いがなく、「次は何を学ぶのか」が明確であるほど、受講者は集中して内容を吸収しやすくなります。
具体的には、「一つの動画で伝える内容を1テーマに絞る」ことを意識してください。欲張って情報を詰め込みすぎると、かえって何も伝わらなくなることが多いのです。視聴者にとって“理解しやすい順序”で、“必要な情報だけ”を丁寧に届ける。それが結果的に、印象に残る動画づくりにつながります。
ポイント②5~10分程度の短尺動画に分割する
集中力の持続時間から考えると、動画は「1本5~10分」におさめるのが理想的です。短い動画は移動時間やスキマ時間にも視聴しやすく、学習のハードルをぐっと下げてくれます。1時間分の内容があったとしても、できる限り分割して複数の短編動画にしたほうがよいでしょう。
たとえば、テーマが「社内システムの使い方」なら、ログイン方法/基本操作/応用操作のように3つのパートに分けられます。とくに、スマホやタブレットで視聴することが多ければ多いほど、長時間の動画は「途中で疲れてしまう」「通信量が気になる」などの理由で途中離脱につながりやすくなります。あらかじめ内容を細分化し、1本ずつ完結する構成にすることが、最後まで見てもらうコツです。
ポイント③画質・音質に手を抜かない
研修動画のクオリティを大きく左右するのが、意外にも「画質」と「音質」です。内容が良くても、映像がぼやけていたり、音声が聞き取りづらいと、視聴者はすぐに離脱してしまいます。つまり、技術的な品質が学習の妨げになることがあるということです。
とくに、ナレーションや講師の声がこもっていたり、ノイズが混じっていたりすると、聞き取りにくく内容が頭に入ってきません。これは視聴者の集中力を奪い、結果として学習効果の低下につながります。そのため、撮影に使うカメラやマイクは、できれば最低限の品質を満たしたものを用意しましょう。
また、照明や背景の調整も「見やすさ」に直結します。プロ用の機材が用意できない場合でも、スマホ+簡易マイク+自然光といった工夫で、十分に質の高い映像をつくることができるでしょう。
ポイント④テロップや図解をうまく使う
視覚的な補助として、テロップや図解は非常に効果的です。話している言葉を字幕として表示したり、複雑な内容を図解やアニメーションで見せたりすることで、視聴者の理解を助けることができます。
たとえば、「数値の変化」や「手順の流れ」など、口頭では伝えづらい内容は、図やグラフに置き換えることで一気に分かりやすくなるでしょう。また、専門用語が出てきたときには、その意味をテロップで補足することで、途中でつまずく視聴者を減らすことができます。
動画は、視覚と聴覚の両方を使うメディアです。その特性を活かし、「話す内容+視覚情報」のダブルで伝える工夫を取り入れることで、より記憶に残る研修動画に仕上げることができるでしょう。
動画研修をより効果的に運用するeラーニング
動画研修は、それ単体でも十分に効果のある教育手段ですが、「eラーニング」と組み合わせることで、より大きな成果を生み出すことができます。ここでは、動画研修をeラーニングで運用することで得られる3つのメリットについてご紹介します。
eラーニングを活用して自由な学習スケジュールを実現する
eラーニングを活用する最大のメリットは、時間や場所に縛られずに学習できる点にあります。研修動画をLMS(学習管理システム)に登録すれば、受講者は業務の合間や空き時間、自宅など、自分のペースで研修を受けられるようになります。たとえば、忙しい営業職の社員が移動中にスマートフォンで研修動画を視聴することもできるでしょう。
このように、従来の集合研修のように「決められた時間に一斉に受講させる」という状態から、「自分のタイミングで受講できる」という状態にできるのが、eラーニングの大きな強みです。
eラーニングで学習管理システム(LMS)を使い効率的に運用する
eラーニングを導入する際、多くの企業が利用しているのが「LMS(Learning Management System)」と呼ばれる学習管理システムです。LMSを使うことで、受講状況の把握や教材の配信、進捗管理が一元的に行えるようになります。
たとえば「誰がどの動画を視聴済みか」「理解度テストの正答率はどうか」「完了していない社員は誰か」といった情報を、管理画面から簡単に確認できます。エクセルで一つひとつ手作業で記録する必要がなくなるため、人事担当者や教育担当者の負担も大幅に軽減されるでしょう。
eラーニングを通して成果測定を行う
研修は実施することが目的ではありません。重要なのは「受講した結果、どんな効果が出たか」を把握し、それを次につなげることです。そしてeラーニングは、この「成果の可視化」がしやすいのも一つの強みです。
たとえば、動画を視聴したあとにミニテストを実施したり、受講前後の理解度チェックを設けたりすることで、どのくらい知識が定着したのかを数値で確認することができます。ほかにも、点数が足りない受講者に再テストを受けさせるなど、アイデア次第でさまざまな運用が実現できるでしょう。
なお、動画を活用したeラーニングの有効性についてよりくわしく知りたい方は、下記記事をご覧ください。eラーニングが拡大した背景から、eラーニングで効果的な動画の活用例まで、くわしく解説しております。
■参考記事はこちら
動画を活用したeラーニングは有効?効果的な作成方法や活用事例をわかりやすく解説!
動画研修の成功事例
「動画研修は本当に効果があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、すでに多くの企業が動画研修を導入し、業務の効率化や教育コストの削減、受講者の理解度向上といった具体的な成果を上げています。そこで最後に、実際に動画研修を活用して成果を上げている2社の事例をご紹介します。
教育担当者不足を解決し、OJT時間を50%削減|株式会社きちりホールディングス
全国展開のレストランチェーンを運営する株式会社きちりホールディングスでは、2,000名を超えるスタッフへの教育において、「人材の確保」や「教育内容のばらつき」に課題を抱えていました。従来の紙マニュアルでは教育の質にばらつきが生じやすく、OJTの負担も大きかったといいます。
こうした課題を受け、同社では動画研修を、クラウド型eラーニングプラットフォーム「shouin+」で導入。やる気のある店舗から手を挙げてもらう立候補制を採用するとともに、店長会議でshouin+の特徴と魅力を伝えたところ、「今抱えていた課題がshouin+を使うことでクリアにできる」という前向きな声が上がりました。
結果として、動画を使うことで教育内容が視覚的に分かりやすくなり、これまで曖昧だった手順や間違って覚えていた業務が正しく伝わるようになりました。実際、OJTにかかっていた時間は約40時間から半分に短縮され、大幅なコスト削減に成功しています。
■shouin+導入事例
株式会社きちりホールディングス | 教育担当者不足を解決し、OJT時間を50%削減!
児童教育のICT化で研修時間を50%削減|シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
学校給食や学童保育など、全国各地の公共施設を受託運営するシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社では、施設の増加に伴い、支援員への研修機会に地域格差が生じていることが課題となっていました。会社として学童保育研修を全支援員に実施したくても、移動時間や日程調整の負担が大きく、実現が困難だったのです。
そこで同社は、体系的な人材育成を実現するために、動画研修の導入を決定。動画を活用することで、時間や場所にとらわれずに受講できる体制が整い、結果として支援員一人あたりの研修時間を最大で月50%削減することに成功しました。浮いた時間は保育や業務の時間に充てられ、業務品質の向上にも貢献しています。
さらに動画コンテンツは児童向けにも展開され、防災や食育、職業理解など、学びの幅を広げるツールとしても活用されています。学校では学べないことを学べる場として確立されつつあり、動画は子どもたちに大人気だといいます。
■shouin+導入事例
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社 | 児童教育のICT化で支援員の研修時間を50%削減!
まとめ
研修動画には、「情報を均一に届けられる」「何度でも視聴できる」「視覚と音声で理解が深まる」といった多くのメリットがあります。しかし一方で、企画から撮影・編集・配信にいたるまで、ある程度の手間と時間がかかることも事実です。
そこで本記事では、研修動画づくりに取り組む皆さまが少しでも簡単で効果的に実践できるよう、具体的な制作ステップやポイントをお伝えさせていただきました。近年ではスマートフォン用の動画編集アプリも展開されており内製化しやすい環境が整ってきておりますので、ぜひ本記事を参考に研修動画づくりにチャレンジしてみてください。