バックオフィス効率化とは?よくある課題・業務別施策・おすすめツールを解説
「経理や人事の業務がいつも忙しく、改善に手が回らない」
「バックオフィスを効率化したいが、何から始めればいいかわからない」
このようなお悩みを抱えていませんか?
バックオフィス業務は、企業活動を支える重要な役割を担っています。しかし、直接売上を生む部署ではないため、改善が後回しにされやすく、結果として非効率な状態が長く続いてしまうケースも少なくありません。
そこで本記事では、「バックオフィス業務の効率化」をテーマに、基本的な考え方からよくある課題、業務別の具体策、役立つツール、そして実際に成果を上げている事例まで、くわしく解説します。
バックオフィスの効率化とは?
バックオフィス効率化とは、経理・人事・総務など企業を裏側から支える業務の流れを見直し、無駄や重複を減らしながら、少ないリソースで安定した運営を実現することを指します。
ここでは、まずバックオフィスの役割やフロント業務との違いを整理し、なぜ今この取り組みが重要視されているのかを確認していきましょう。
バックオフィスとは何か
バックオフィスとは、企業活動を円滑に進めるための基盤を支える部門の総称です。代表的な業務には、経理・財務、人事・労務、総務、法務などが含まれます。これらの仕事は、売上を直接生むわけではありませんが、会社のお金や人、ルールを管理する重要な役割を担っています。
たとえば経理であれば、請求書の処理や支払い管理が滞ると、取引先との信頼関係に影響します。人事・労務では、給与計算や社会保険手続きのミスが、従業員の不満やトラブルにつながることもあるでしょう。このようにバックオフィスは、企業の「土台」として安定性を保つ存在なのです。
一方で、業務内容が細かく、正確性が求められるため、作業が煩雑になりやすいという特徴もあります。そのため、効率化の余地が大きく、改善の効果が見えやすい領域だといえるでしょう。
バックオフィスとフロントオフィス・事務との違い
バックオフィスとよく比較されるのが、フロントオフィスや事務職です。フロントオフィスとは、営業や販売、カスタマーサポートなど、顧客と直接接点を持つ部門を指します。売上創出や顧客満足度向上が主な役割で、成果が数字として見えやすい点が特徴です。
一方、事務職はバックオフィス業務の一部を担う役割で、部署横断的に発生する書類作成やデータ入力などを行います。つまり、バックオフィスは「機能の集合体」、事務は「職種の一つ」と考えると理解しやすいでしょう。
なぜ今、バックオフィス効率化が求められているのか
近年、バックオフィスの効率化が強く求められている背景には、いくつかの社会的変化があります。代表的なのが、人手不足の深刻化です。採用が難しくなる中で、限られた人数でも業務を回せる体制づくりが必要になっています。
また、働き方改革やテレワークの普及も大きな要因でしょう。紙書類や対面前提の業務フローでは、柔軟な働き方に対応できません。その結果、業務スピードが落ちたり、ミスが増えたりするリスクが高まります。
さらに、法令対応やガバナンス強化への要求も年々高まっています。インボイス制度や電子帳簿保存法など、新しいルールに対応するためにも、業務のデジタル化と効率化は避けて通れません。このような背景から、バックオフィス効率化は「余裕があればやる施策」ではなく、「今すぐ取り組むべき経営課題」になっているのです。
バックオフィスが抱えるよくある課題
多くの企業でバックオフィス効率化が進まない理由は、共通する課題が存在するからです。ここでは、現場でよく見られる代表的な問題を取り上げ、「何がボトルネックになっているのか」「どこから手を付けると効果が出やすいのか」を確認していきましょう。
業務が属人化して引き継ぎが難しい
バックオフィス業務でとくに多いのが、業務の属人化です。これは、特定の担当者しかやり方を知らず、その人が休んだり異動したりすると業務が止まってしまう状態を指します。
たとえば、長年勤めているベテラン社員が、自分なりのやり方で独自のExcelファイルを使って管理しているケースなどは珍しくありません。このような状況では、ミスに気づきにくいうえに、新しいスタッフへの教育にも膨大な時間がかかってしまうでしょう。
なお、下記の記事では属人化を進めてしまう人々の心理や理由、その背後にあるリスク、そして組織として取るべき防止策を具体例とともに解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
属人化はわざと行われる?意図的な業務集中の理由と防止策をわかりやすく解説
アナログ作業や紙文化が残っている
バックオフィスには、いまだに紙や手作業が多く残っている企業も少なくありません。請求書を印刷して押印・郵送する、申請書を紙で回覧する、といった業務が代表例です。
これらの作業は、一つひとつは小さく見えても、積み重なると大きな時間ロスになります。また、書類の紛失や転記ミスといったリスクも高まるでしょう。テレワーク環境では、出社しなければ処理できない点も大きな課題です。
紙文化が根強い背景には、「昔からこうしている」「変えるのが不安」といった心理的な要因もあるでしょう。しかし、電子化は効率化だけでなく働きやすさなどにも直結するため、小さな業務からでもデジタル化を進める意識が重要です。
人手不足・業務量の偏りが慢性化している
バックオフィスは、月末月初や年度末などに業務が集中しやすく、特定時期の残業が常態化しているケースがよく見られます。これに人手不足が加わると、一人ひとりの負担はさらに深刻なものになるでしょう。
とくに現場では、「忙しすぎて改善策を考える暇がない」という悪循環に陥っていませんか?業務量の偏りは、単なる精神的なストレスだけでなく、疲労による入力ミスやチェック漏れなどのヒューマンエラーを招くリスクもあります。
そのため、特定の人に仕事が集中しないよう、業務を平準化したり、外部のアウトソーシングを活用して負担を分散させたりする工夫が必要です。
なお、下記の記事では業務平準化の基本から進め方、マニュアル整備のポイントまで、実践的に解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
業務平準化とは?取り組みの重要性とマニュアル作成のポイントを徹底解説!
DX・システム導入が現場に定着しない
「新しいシステムを入れたのに、結局Excelと紙に逆戻りしている」という悩みもよく聞かれます。操作が難しい、既存業務と合っていない、導入後の教育やフォローが足りていない、といった理由が主な原因です。
そもそも、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、ツールを導入すること自体が目的ではありません。操作が難しかったり、これまでの手順と大きく違いすぎたりすると、現場のスタッフは「前のやり方のほうが楽だった」と感じてしまうでしょう。
そのため、システムを定着させるには、操作性を重視したツール選定を行うとともに、導入後のフォローが大切です。人と仕組みの両面から考えるとよいでしょう。
なお、下記の記事では「DXとは何か」という基本から、「できるだけ失敗せずに推進するためのコツ」まで、流通・小売業向けに事例を交えて解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?どこよりも詳しく&わかりやすく解説!
バックオフィスを効率化するメリット
バックオフィスの効率化に取り組むことは、単に仕事が「楽になる」だけではありません。会社全体にとって大きな価値をもたらします。そこでここからは、バックオフィス効率化によって得られる6つのメリットを具体的に解説します。
業務時間の短縮
効率化の最大のメリットは、業務時間を短縮できることです。手作業や二重入力を減らすことで、同じ業務でもかかる時間が大きく変わります。
たとえば、請求書処理を電子化すれば、印刷・押印・郵送といった工程が不要になります。その分、確認や分析といった付加価値の高い業務に時間を使えるようになるでしょう。
また定時退社が当たり前になれば、プライベートの時間も充実し、従業員満足度の改善にもつながっていくはずです。
コスト削減
業務効率化は、コスト削減にも直結します。紙代、インク代、郵送費といった目に見えるコストはもちろん、一番大きいのは「人件費」の最適化です。
無駄な残業代が減ることはもちろん、限られた人数でより多くの業務をこなせるようになるため、必要のない採用を抑えることができます。また、クラウドサービスを利用すれば、自社で高価なサーバーを運用するコストも削減できるでしょう。
1つひとつは小さな金額かもしれませんが、年単位で見ると数百万円規模のコストカットに繋がることも珍しくありません。
ミスの防止
手作業には必ず「ヒューマンエラー」がつきものですが、システム化や自動化を進めることで、こうしたミスを物理的に防ぎやすくなります。
とくに経理や労務では、数字の正確性が重要です。転記ミスや計算ミス、書類の紛失といったトラブルは、信頼を損なうだけでなく、その修正のためにも時間を要します。この点、ミスを未然に防げる仕組みは、担当者の心理的負担を軽減する効果もあるでしょう。
従業員満足度の改善
バックオフィス業務の多くは「やって当たり前」と思われがちですが、不便なシステムや古い慣習に縛られた環境では、従業員のモチベーションは低下します。
なぜなら、バックオフィスは成果が見えにくい部署だからこそ、「働きやすさ」が従業員のモチベーションを左右する重要なポイントだからです。
とくに、会社が使いやすいツールを導入し、無駄な作業をなくすことは、従業員への「敬意」の表明ともいえます。働きやすい環境を整えることで、従業員満足度は自ずと改善されていくでしょう。
定着率の改善
働きやすい環境は、離職率の低下、つまり定着率の改善に直結します。人手不足が叫ばれる昨今、せっかく採用した優秀な人材が「この会社のやり方は古すぎる」と去ってしまうのは、企業にとって最大の損失です。
とくにデジタルネイティブな若手世代にとって、アナログで非効率な環境はストレス以外の何物でもありません。効率化を「人を減らす施策」ではなく、「人が長く活躍できる環境を作る施策」だと捉えることが重要です。
ガバナンスの強化
法令遵守や内部統制、情報管理の最前線でもあるバックオフィスは、業務プロセスが属人化していると、チェックが機能しにくく、不正や改ざんのリスクが常につきまといます。
この点、業務プロセスをデジタル化できれば、すべての操作履歴(ログ)がデータとして残るため、「誰が・いつ・何をしたか」を追跡しやすくなり、監査対応や内部統制の強化につながります。
また、契約期限や支払期限の管理をシステムに任せることで、期限失念による契約トラブルや法的なリスク回避にもつながるでしょう。
バックオフィスの効率化を進める3ステップ
バックオフィスの効率化をするには、「とりあえずツールを入れる」のではなく、現状把握から施策の検討、実行とモニタリングまで、段階的に進めることが大切です。ここでは、簡単に3ステップで進め方を紹介します。
ステップ1.業務を可視化・棚卸し
まずは、現在どのような業務があり、それぞれにどれくらいの時間がかかっているのかをすべて書き出しましょう。これを「業務の棚卸し」と呼びます。
具体的には、担当者ごとに1日のスケジュールを細かく記録し、作業内容をリスト化してください。全体像が可視化されることで、どこが効率化の「ボトルネック(流れを止めている場所)」になっているかが明確になります。
また、この段階では、「効率が悪そうかどうか」を判断する必要はありません。まずは事実を洗い出すことが目的です。業務一覧表を作成するだけでも、ムリ・ムダ・ムラが見えやすくなります。
なお、下記の記事では業務の可視化とは何か、なぜ行うべきなのかといった基本的なことから、可視化する方法や具体例まで幅広くご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
可視化とは?流通小売業の人事・教育担当者が行う際のポイントや具体的な方法についてわかりやすく解説!
ステップ2.改善策の検討
業務の全体像が把握できたら、次に具体的な改善策を考えます。ここで有効なのが「ECRS(イクルス)の原則」という考え方です。以下の4つの視点で、それぞれの業務を見直してみましょう。
|
視点 |
内容 |
具体例 |
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Eliminate(排除) |
なくせないか? |
不要な会議、二重チェックの廃止 |
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Combine(結合) |
一緒にできないか? |
複数の申請フォームを1つに統合 |
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Rearrange(入替) |
順番を変えられないか? |
承認ルートの順序を見直し迅速化 |
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Simplify(簡素化) |
簡単にならないか? |
手入力をシステム連携で自動化 |
また、この検討段階では、自社に最適なツールの選定も行います。現場の意見を聞きながら、最も効果が高そうなところから着手するのがポイントです。
なお、下記の記事ではECRSの原則をよりくわしく解説しています。活用のメリットやECRSの原則を取り入れた業務改善のポイントまでご紹介しておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
ECRSの原則とは?フレームワークの内容や業務改善に活用するメリットを解説
ステップ3.実行・モニタリング
改善策が決まったら、いよいよ実行です。いきなり全社で導入するのではなく、まずは特定のチームや小規模な業務から試験的にスタート(スモールスタート)することをおすすめします。
また導入後は、必ず「どれくらい効果があったか」を確認するモニタリングを行ってください。たとえば「作業時間が〇〇時間減った」「ミスが〇件から〇件になった」といった数値で評価しましょう。
もし期待した効果が出ていなければ、運用のルールを調整したり、改めて原因を分析したりして改善を続けます。この「計画・実行・確認・改善」のPDCAサイクルを回し続けることで、組織全体の効率化が着実に進んでいきます。
【業務別】バックオフィスを効率化する具体的施策
ここからは、業務別に具体的な効率化施策を紹介します。自社の課題に近いものからぜひ参考にしてください。
経理・財務の効率化(請求書処理・経費精算の自動化)
経理・財務業務では、請求書処理や経費精算、仕訳入力、月次・年次決算など、定型的でボリュームの多い作業が中心になります。そのため効率化のポイントは、「紙と手入力を減らし、データとして一元管理すること」です。
<経理・財務の施策事例>
- 請求書の電子化
- クラウド会計ソフトの導入
- 経費精算のクラウド化
たとえば、銀行明細やクレジットカード明細をクラウド会計に自動取り込みし、AIによる自動仕訳を活用することで、日々の記帳作業を効率化できます。また、経費精算も、レシートをスマホで撮影し、クラウド上で申請→承認→会計連携まで行えば、紙の精算書を集めて手入力する手間や、金額の転記ミスを減らせるでしょう。
人事・労務の効率化(勤怠管理・社会保険手続きの電子化)
人事・労務領域では、勤怠管理や給与計算、入退社手続き、社会保険・雇用保険の手続きなど、多岐にわたる事務作業があります。そのため効率化のポイントは、「勤怠・給与・人事情報をクラウドで一元管理し、手続きの電子化と自動連携を進めること」です。
<人事・労務の施策事例>
- 勤怠管理システムの導入
- 勤怠データと給与計算ソフトの自動連携
- マイナンバー・従業員情報のクラウド管理
たとえば、RPAと連携した勤怠管理では、「月次勤怠データの集計」「残業時間の法定上限チェック」「未打刻者への通知」といった作業を自動化できます。
また、shouin+のようなオンライン研修ツールを活用すれば、入社時オリエンテーションやコンプライアンス研修を標準化し、研修実施に伴う業務負担を大きく軽減できるでしょう。
総務・法務の効率化(契約書管理・社内申請のワークフロー統一)
総務・法務では、契約書の締結・管理、社内規程の整備、備品やオフィス管理や各種申請の受付など、幅広い業務を担います。そのため効率化のポイントは、「契約書・文書の電子化」と「ワークフローの統一」です。
<総務・法務の施策事例>
- 電子契約サービスの導入
- 稟議・各種申請のワークフローシステム化
- 契約書・規程類のデジタルアーカイブ化
- 申請フォームの標準化(Excelやメール依頼を減らす)
たとえば電子契約を導入すると、印紙代や郵送費、相手先とのやり取りにかかるリードタイムを削減できるだけでなく、契約更新期限の管理や検索性も向上します。また、あわせて社内申請をワークフローシステムに集約すれば、「今、誰のところで承認が止まっているか分からない…」といった現場の混乱を減らすこともできるでしょう。
情報共有・ナレッジ管理の効率化(社内Wiki・チャットツール活用)
質問をする度にメールでやり取りをしたり、同じ質問が何度も来るなど、日々何気なく行っているやり取りのなかにも、小さなムダやストレスがありませんか?
一見小さく思える作業でも、作業が積もれば大きなムダになってしまいます。バックオフィス全体として、以下のような施策で改善できれば、日々の小さなストレスが減り、生産性向上につながるでしょう。
<情報共有・ナレッジ管理の施策事例>
- チャットツールを導入する
- 社内Wiki・ナレッジベースでよくある質問を整理する
- オンライン研修ツールでマニュアルを一元管理する
なお、下記の記事ではナレッジベースの意味や導入メリット、活用方法、社内で使えるおすすめツールまでくわしく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
ナレッジベースとは?活用するメリットや作り方、導入時の注意点など詳しく解説
バックオフィス効率化に役立つ主要ツール一覧
バックオフィス業務の効率化を進めるうえで、ツールの活用は欠かせません。ただし、闇雲に導入するのではなく、目的に合ったものを選ぶことが大切です。そこでここからは、代表的なツールの種類とその特徴を整理していきます。
RPA(定型業務の自動化)
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、人間がパソコン上で行う定型的な操作を、「ロボット」に代行させる技術です。
たとえば、「毎月の勤怠データをダウンロードしてフォーマットを整え、給与システムにインポートする」「残業時間のチェック結果をまとめて担当者にメールする」といった、単純な繰り返し作業を得意とします。24時間365日、文句も言わず働き続けてくれるため、大量のデータ処理が発生する現場では非常に頼れる存在になります。
まずは、下記のチェック項目に当てはめたとき、「はい」が多い業務から適用してみるとよいでしょう。「はい」が多いほどRPA向き、「いいえ」が多いほど人の手で実施すべき業務だと考えてください。
<RPA導入を判断する際のチェック項目>
- 作業手順が明確である
- 例外処理が少ない
- 業務量が継続的に多い
- ルール変更や画面変更が少ない
電子契約・電子帳票システム
電子契約ツールは、契約書の作成・締結・保管をオンラインで完結できるサービスで、印紙代や郵送費のコスト削減、契約締結のリードタイム短縮、ガバナンス強化に役立ちます。
一方で電子帳票システムは、請求書や納品書、給与明細などの帳票を電子データで発行・配信・保管する仕組みで、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応の観点からもメリットの多いシステムです。
どちらのツールも、経理・総務・法務など複数部門で活用できるツールのため、導入時には関係部門を巻き込み、運用ルールや権限設計を丁寧に検討する必要があるでしょう。
<電子契約・電子帳票を活用するメリット>
- 印刷・郵送・保管コストを削減できる
- 契約や請求に関するリードタイムを短縮できる
- 出社の必要がなくテレワークでも作業できる
- 管理体制を整えガバナンスを強化できる
ERP・クラウド会計ツール
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)やクラウド会計ツールは、経理・財務を中心に、業務データを一元管理できる仕組みです。売上や支出の状況をリアルタイムで把握できるようになります。
とくに最近は、安価で始められる「クラウド会計ツール」が人気で、銀行口座やクレジットカードと自動連携し、仕訳(お金の記録)を自動で作成してくれるため、経理の入力負担が劇的に減少します。
クラウド型は場所を選ばず利用できるため、テレワークを推進している企業でも導入しやすく、バックオフィス効率化の中核として検討する価値は十分にあるでしょう。
<ERP・クラウド会計を活用するメリット>
- 経営状況をリアルタイムに把握できる
- 経理業務の入力負担を軽減できる
- 場所を問わずどこからでも業務を行える
- 部門間のデータ連携をスムーズにできる
- 法改正やシステムアップデートに対応しやすい
勤怠・人事管理クラウド
勤怠・人事管理クラウドは、勤怠打刻・シフト管理・休暇申請・人事情報・評価情報などを統合管理できるサービスです。
たとえば人事管理機能では、各社員のスキルや経歴、評価履歴などを一元管理できるため、最適な人材配置や育成計画の策定に役立ちます。また、年末調整の書類回収をオンライン化できる機能があれば、毎年発生する膨大な書類チェックの苦労から解放してくれるでしょう。
<勤怠・人事クラウドを活用するメリット>
- 勤怠や休暇の状況をリアルタイムに集計できる
- データに基づいた最適な人材配置に役立つ
- 年末調整などの書類回収や確認の手間を削減できる
- 複雑なシフト作成や調整の負担を軽減できる
社内チャット・タスク管理ツール
社内チャットやタスク管理ツールは、日常的なコミュニケーションと、仕事の進捗管理を円滑にするための基本ツールです。メールに比べてやり取りが軽く、履歴も残りやすいため、日々の何気ない作業負担を減らしてくれる存在です。
たとえば、「Slack」や「Chatwork」といったチャットツールは、メールよりも素早くコミュニケーションが取れる手段として、今や多くの企業で標準的に使われるようになりました。
一方、「Trello」や「Asana」といったタスク管理ツールは、「誰が、何を、いつまでに行うか」というステータスをチーム全員で共有できるツールです。「仕事が漏れていた!」というエラーを防いだり、「言った・言わない」のトラブルを防ぐ効果も期待できます。
<社内チャット・タスク管理ツール活用のメリット>
- 日常的なコミュニケーションが円滑になる
- 業務の進捗状況をチーム全員で共有しやすい
- タスクの漏れや期限超過などのミスを防ぎやすい
生成AI・チャットボット
最近注目を集めているのが、ChatGPTなどの「生成AI」や、自動応答システムである「チャットボット」の活用です。
たとえば、マニュアルの作成にAIを活用したり、社内のFAQをチャットボットで自動化するなど、アイデア次第であらゆる側面から効率化につなげることができます。
とくに社内ではよく「有給の申請はどうしたらいい?」「交通費の申請はどうすればいい?」「福利厚生の詳細は?」といった質問があるかと思います。これに対し、AIが自動で回答する仕組み(チャットボット)を構築すれば、担当者の負担を大きく減らすことができるでしょう。
<生成AI・チャットボット活用例>
- 社内規定やマニュアルに関する質問に自動で回答させる
- 議事録の要約や報告書のドラフトを自動で作成する
- 複雑な専門文書や契約書の内容を解説させる
- プログラミングのコード生成やExcel関数の作成を依頼する
なお、下記の記事では、AIを活用したマニュアルの作成方法や無料ツール、社内FAQの作成方法・活用のポイントなどをご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
■参考記事はこちら
AI×マニュアル作成で時間もコストも削減!無料ツール・動画活用・プロンプト作成のコツ
バックオフィス効率化の成功事例
それでは最後に、実際にバックオフィスの効率化によって成果を上げた事例を紹介します。
マニュアルの電子化で印刷コストと研修時間を大幅削減

映画館「MOVIX」や「ピカデリー」を全国に展開する株式会社松竹マルチプレックスシアターズでは、アルバイトスタッフ向けの研修に紙のマニュアルを使用しており、改訂のたびに全スタッフ分を印刷・配布する運用になっていました。
とくに入社時には、この研修ノートを使った4時間の対面オリエンテーションを月に数回実施しており、研修担当者の業務負担が大きいこと、担当者のキャリアやスキルによって研修品質にばらつきがあることが課題でした。
そこで同社は、研修ノートやマニュアルを電子化するため、クラウド型eラーニングサービス「shouin+」を導入。電子化に加えて、動画やクイズ、検定を組み合わせたオンライン研修に切り替えました。
その結果、対面で行っていたオリエンテーション研修の時間は大幅に短縮され、劇場によっては研修説明にほとんど時間を割かずに済むようになりました。また、教育内容が標準化されたことで劇場間の教育格差が解消されたこと、さらにはスタッフ自身が主体的に学ぶ姿勢が見られるようになった点も、大きな成果として挙げられています。
■shouin+導入事例
マニュアル電子化で印刷コストと研修時間を大幅削減し、現場の業務効率化を実現!|株式会社松竹マルチプレックスシアターズ
児童教育のICT化で支援員の研修時間を50%削減

シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社では、全国各地で学童保育施設を運営するなかで、2つの課題を抱えていました。「拠点数の増加に伴って支援員研修の機会に地域格差が生じていること」「支援員一人あたりの児童数が多く、業務負荷が大きい」ことが課題となっていたのです。
そこで同社は、この課題を解決するため、クラウド型eラーニングサービス「shouin+」を導入。支援員向け・児童向けの動画コンテンツをつくり、本部から一括配信できる仕組みを構築しました。
具体的には、支援員向けに「発達障害児童への対応」や「アレルギー対応」、「いじめ防止」「感性保育」などの研修動画をテーマ別に配信し、児童向けには「遊びコンテンツ」と「学習コンテンツ」を配信することで、雨の日の室内保育や長時間保育の場面で活用できるコンテンツ制作を行いました。
その結果、支援員研修では研修会場までの移動時間や新人オリエンテーションの時間的コストが最大で月間約50%削減され、空いた時間を保育や業務に充てられるようになりました。また、共通の研修動画を視聴することで地域格差も解消され、児童保育の質が向上した点も、成果として挙げられています。
■shouin+導入事例
児童教育のICT化で支援員の研修時間を50%削減!|シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
まとめ
バックオフィスの効率化は、単なる業務改善ではなく、企業全体の生産性や働きやすさを高める大切な取り組みです。
「忙しくて改善できない」と感じている時こそ、小さな一歩が大きな変化につながる時です。まずは、本記事で紹介した考え方や施策を参考に、自社のバックオフィスでできることを探すことから始めてみませんか?
本記事が、貴社のバックオフィスの効率化につながるきっかけとなれば幸いです。

