業務品質を向上させる方法とは?6つの具体策や進め方を解説!
日々の業務を正確かつ高い質を保って行うことはとても重要ですが、「製品やサービスの品質を向上させたいけど、どうしたらいいの?」「効率よく仕事をして、業務品質を向上させる方法を知りたい」とお悩みの方もいらっしゃるのではにでしょうか。
そこで本記事では、仕事の品質を向上させるためにできる施策についてご紹介します。業務品質向上に向けて押さえるべきことや成功事例についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
品質には「製品・サービス」と「業務」の2つがある
企業にとって品質向上とは、顧客が求める水準の製品やサービス、またそれに関わる業務において質のより高い仕事をすることを意味します。
そしてこの場合の品質には、大きく2つの種類があります。
製品・サービスの品質の向上
「品質向上」というと、車や家電などメーカーの品質についてイメージする方が多いのではないでしょうか。イメージ通り、製造業では不良品を減らし顧客が満足して使える質の高い製品を作ることが品質向上にあたります。
品質向上を実現するためには、品質管理を意味する「QC(クオリティコントロール)」を徹底し、不良品の発生を防ぐことが重要です。大手自動車メーカーのトヨタ自動車では、トップが品質管理の方針を決定し、製造現場ではその方針に従ってQCを行っているといいます。
レベルの高いQCを行い不良品の発生を防ぐことは、お客様にとって魅力的な製品を提供することにつながり、結果としてお客様の満足度も高くなるでしょう。
一方でサービス業では、接客などのサービス提供を介して顧客に満足してもらうことが大切です。仕事を正確かつ迅速に行うことはもちろん、顧客満足度をいかに高められるかがサービス品質レベルに大きく関わってくるでしょう
業務の品質の向上
品質向上のもうひとつの視点として、業務そのものの品質向上があります。具体的には仕事でのミスや抜け漏れを減らして生産性を向上させることで、業務を正確かつ効率的に行うことを意味します。また、業務品質向上に向けて業務を改善することで、結果的に顧客満足度のアップも期待できるでしょう。
業務の品質向上を実現するには、たとえば以下の方法があります。
- 業務の無理と無駄をなくす
- 業務フローをシンプル化する
- 属人化しやすい業務をなくす
これらを実施して、社員一人ひとりにかかる負担を減らし業務の標準化を目指すことが大切です。
2種類の品質は相互関係にあり、業務品質を向上させることでよりよい製品・サービスを提供できるようになります。
そこでここからは、業務品質向上の取り組みにおける課題とその解決策についてご紹介していきたいと思います。
業務品質の向上の取り組みに対する課題
業務品質向上の取り組みが上手くいかない場合、その原因(課題)を知ることが解決への近道です。そこで、ここでは品質向上に取り組む際の課題に触れていきます。
コスト削減との両立
品質の向上を目指す際に、忘れてはならないのがコストです。コストはできるだけ抑えたいところですが、品質を改善するなかでそのハードルは決して低くありません。「安かろう悪かろう」ということわざがあるように、コストが安い製品やサービスは品質がどうしても落ちやすいからです。
たとえば小売店の場合、コストを削減するには商品の仕入れ価格を抑えたり、同時間帯のシフトに入ってもらうスタッフの数を減らしたりといった方法を検討する必要がありますが、その反面「安く仕入れたために商品の質が保てない」「人員削減によって従業員の負担が増える」といった別の課題を生みかねません。
このように、業務品質の向上とコストの削減を両立するのは至難の業といえるでしょう。品質を高めながらも、コストをかける部分とかけない部分の見極めとバランスが大切です。
不十分な管理体制
仕事の品質向上を実現するためには、その関連業務の管理体制が非常に重要です。不十分な管理体制では、情報共有が行き届かずスタッフが迷い、確認が必要になることもあるため、正確かつ迅速な対応がしにくくなってしまいます。
具体例から考えてみましょう。とある飲食店では、接客マニュアルはあるもののホールスタッフの役割がそれぞれ明確に決められていませんでした。役割としては主に注文を受ける人やウェイティング客に案内をする人、また料理の配膳をする人がいますが、それぞれが複数の役割を兼任していたのです。
このような環境では、とくに新人スタッフの場合は個別に管理をしなければ幅広いホール業務をこなすのは難しくなる可能性が高いのではないでしょうか。ミスが乱発し、業務効率化どころか過度な業務プレッシャーに耐えられず、結果的に退職という事態になることもあります。
労働環境の改善
業務品質向上を行う際に、労働環境の改善が課題になることがあります。
たとえばある小売店では、種類の多い商品の在庫管理が課題でした。規則どおりに目視で在庫確認をしていましたが、数えなければならない商品の数が膨大なため時間がかかり、個人の業務負担を重くしていたのです。
しかし、当然ながらこのような働きにくい労働環境では、目の前の課題が多く業務の質を極めることは二の次になってしまいます。
そこで大切なのが、労働環境の改善です。上記の小売店では、在庫管理システムを導入し、在庫および販売数をシステムで管理したところ、スタッフの業務負担の大幅な軽減に成功しました。ヒューマンエラーの低減にもつながったといいます。
このように、業務品質の向上を図るうえでは、労働環境の改善が重要になることもあるのです。
人手不足に伴う属人化
職場における人手不足も、業務品質向上を考えるうえで課題となります。これは、製造業を始めサービス業などさまざまな業界で共通していることです。
業務品質の向上は最終的に顧客満足度につながる大切な概念です。しかし、人手が不足している中、今いるスタッフに業務が集中していると目の前の仕事に手一杯になりやすく、業務品質向上を追求するのが難しくなってしまいます。
また、人手不足の環境下では、特定の業務を特定のスタッフしか把握していないという状況に陥ることも(属人化)。特定のスタッフに依存してしまうと、その人材が退職した際に代わりになる人がいないという事態に発展してしまうため注意が必要です。
人手不足に伴う属人化は、仕事の品質向上を目指すことを妨げかねない深刻な課題といえるでしょう。なお、業務の属人化を解消する方法について知りたい方は、くわしく解説した以下の記事もご一読ください。
■参考記事はこちら
業務の属人化を解消する方法とは?属人化が起こる原因から課題、解消するメリット、企業事例までご紹介
業務品質向上に向けた【6つの施策】
業務品質向上に取り組むときの課題について見てきましたが「解決を図るにはどうすればいいの?」と思った方もいるのではないでしょうか?そこで、ここでは押さえるべき施策についてご紹介します。
これらは、実際に対策を考えて計画をたてる際に役立ちます。それではひとつずつ見ていきましょう。
1.目標に対する「課題化」
まずは、今の業務にどのような課題があるか洗い出すことから始めます。そこから目標として目指すゴールを明確化し、課題解決に向けた施策を練る流れです。
具体例から考えてみましょう。とあるアパレルショップでは、スタッフによって販売スキルの差が大きいことが課題でした。スタッフの接客に統一したルールがなく、個人のセールススキルによるところが大きかったためです。
そこで、接客業の業務品質向上を目指すために顧客に対する接客ルールを作り、人材育成によるセールススキルの差を縮めることを目標に設定しました。
このように、まずは課題を洗い出し目標を明確化したうえで、具体的に何をどのように改善していくかといった施策を検討します。
例:セールススキルの平準化案
施策 |
具体的な実施内容 |
接客マナー、接遇スキルの習得 |
・接客マナー研修により接客の基本を学ぶ(服装、言葉遣い、お辞儀の仕方など) ・接遇研修により接遇スキルの向上を図る(おもてなしの方法など) |
商品知識の習得 |
・業務研修の実施を通して、自社商品・自社サービスについての知識を養う |
顧客ニーズ理解へのスキル習得 |
・ベテラン社員が顧客ニーズを聞き出す方法や商品提案のコツを伝授する |
セールストークの習得 |
・複数のシナリオを作成し、ロールプレイング形式での演習と実践を繰り返し行う |
スキル評価 |
・各従業員のセールストークを評価し、フィードバックを行う |
このように目標とゴールを明確化し、そこにたどり着くまでの課題をそれぞれクリアしていきましょう。
2.業務の「可視化」
業務を可視化することも重要な施策の一つです。具体的には、日々のルーティーン業務をマニュアルなどに落とし込み、誰が見ても理解しやすくまとめることなどが挙げられます。
たとえば、前述のアパレルショップでは接客ルールを作ってスタッフに教育していますが、その際に使用される接客ルールを業務マニュアルとして体系化すれば、業務を可視化することが可能です。丁寧に可視化されたマニュアルは誰が見てもわかりやすく、品質向上につながるメリットがあります。
なお、詳しい課題の可視化についてより深く理解し、実務に取り入れたい方は以下の参考記事をご覧ください。
■参考記事はこちら
可視化とは?流通小売業の人事・教育担当者が行う際のポイントや具体的な方法についてわかりやすく解説!
また、動画マニュアルはテキストベースのマニュアルよりも理解しやすい特長があります。動画マニュアルで業務を可視化する方法が知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
■参考記事はこちら
動画マニュアルとは?メリットや効果、作り方のコツについてわかりやすく解説!
3.業務の「効率化」
業務の効率化を実施することも、業務品質向上につながる施策の一つです。前述のとおり、仕事が一人に集中すると負担増となり、効率化するどころかヒューマンエラーを招きやすくなります。
また業務の属人化は、急な退職や欠勤の際に業務が回らなくなるリスクもあります。それらの観点からも、前もって業務を効率化することは品質向上につながる施策といえるでしょう。
一方で、効率化を行う方法はさまざまで、マニュアルを取り入れて業務の標準化を図るのはもちろん、業務フローを見直して無駄な部分を削る方法もあります。
ほかにも、ツールによる管理もひとつの手段です。たとえば動画プラットフォーム「shouin+」なら、マニュアル作成から社員への共有、また日報管理など、業務状況を報告する際に役立つ機能が満載です。
スタッフは必要に応じてスマートフォンアプリで動画マニュアルを確認できるので、空いた時間で業務知識を深めることも可能です。ぜひ業務品質向上の一つの手段としてご検討ください。
4.スキルの「定量化」
社員の業務スキルを定期的にチェックし、目指すべき水準を数値化して人材評価に活かすのがスキルの定量化です。定量化とは、コトバンクによると「質的にしか表わせないと考えられている物事を数値で表わすこと」と示されています。
またスキルの定量化は、職場の課題をそれぞれ数値化したうえで社員のスキルと比較し足りない部分を向上させるという意味でも、人材育成に役立てることができるでしょう。
たとえばサービス業での品質向上では、指標となる定量化基準として以下のような項目を設定することができます。
定量化基準となる項目の例
- 顧客からのクレーム処理の削減率
- 問い合わせ対応にかかる時間の短縮率
- 顧客満足度指標による変化率
- サービスの不具合発生の減少率
なお、定量化基準の項目や内容は業種や業態、扱うアイテムなどによって変化するものです。実践する際は、自社に適した基準づくりをご検討ください。
5.課題解決に向けた「実践化」
スキルの向上や業務改善の実現を目指すうえで重要なのは、前章で触れたように「スキルの定量化を利用しながら、課題解決に向け計画をたてて実践していくこと」です。たとえば人的スキルを測る場合には、判断基準となる業務を洗い出し、定量化されたデータから従業員を評価します。
具体例から考えてみましょう。コールセンターにおける「顧客からのクレーム処理の削減率」という一つの項目から従業員の電話対応について評価します。
まずは、データから全体のクレーム処理率を参考にしながら、録音記録や対応履歴をもとに従業員一人ひとりのクレーム対応の所要時間と件数を確認していきます。そして、それらの結果を踏まえて10段階で評価を付与し、フィードバックと解決策を伝えるのです。
そして、以下のように解決策を実践するための計画を練ります。
・【1週間目】クレーム電話の基本の流れを周知する 例)事情を確認するために一度保留にする ・【2週間目】クレーム対応に役立つフレーズを伝える 例)相手に配慮した言葉遣いを覚える ・【3週間目】ロールプレイングで演習する 例)実際の状況を想定したトレーニングを行う ・【4週間目】再評価を行う 例)実際の通話をモニタリングして評価する |
より具体的な解決策としては、顧客に何かを伝える際にクッションとなる言葉の使用をマニュアル化したり、受電した人が一人で対応しないようにクレーム対応の流れを体系化したりする方法もあります。結果としてクレーム対応が円滑になり、サービスの質の向上を目指した業務改善につながるのです。
また、このとき多くの従業員がつまづいている箇所があった場合、それは業務そのものに原因があると考えられます。従業員に問題があると決めつけることなく、問題の原因はどこにあるのかを常に見極めていきましょう。
6.PDCAを基本とした「定着化」
決定した施策をひととおり実施したら、振り返りながら定着化を図ります。それぞれの進み具合を見て、適宜計画を変更するなど調整してもよいでしょう。その後も、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:測定・評価、Action:対策・改善)を繰り返して定着化を図っていきます。
ただし、計画通りに実施したからといってすぐに業務品質が向上するとは限りません。施策の実施は業務環境の変化にも影響を受けるため、「Aがうまくいかない場合はBを試す」といったように臨機応変に変える必要があります。その繰り返しによって、最適解となる方法を見つけ出しましょう。
また、PDCAを実践する際は、各手順が抜け落ちないように注意することも大切です。Plan(計画)をせずに進めたり、Do(実行)のあとのCheck(反省)およびAction(対策・改善)が疎かになったりしないように努めてください。計画通りにいかない時は、改めて改善策を練り直してもよいでしょう。
業務品質向上のための4ステップ
業務品質向上に向けた施策について押さえたところで、その手順が知りたいという方もいるのではないでしょうか。そこで、業務品質向上に取り組むためのステップをご紹介します。
ステップ1.チームの設立
まずは、プロジェクトを実施するチームを設置します。現場のリーダーや品質管理者、管理部門の社員がチームに入ると、知見を活かして業務フローと管理者の視点を踏まえた計画が立てやすくなるため、優先的に取り入れるとよいでしょう。また、社員に周知していくためにも、研修を行う教育部門のメンバーを取り入れるのもおすすめです。
参考:株式会社日本能率協会コンサルティング「優良社員言動の見える化による業務効率・業務品質向上」
ステップ2.リーダーの決定
チームには、プロジェクトを進めるうえでの責任者となるリーダーが必要となります。人材の資質を踏まえながら、慎重に決定するとよいでしょう。また、リーダーシップにはさまざまな形があります。下記にPM理論というリーダーシップに関する一例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
PM理論
PM理論とは、社会心理学者三隅二不二(みすみじゅうじ)氏が提唱した理論です。リーダーに必要な行動をP(目標達成機能:パフォーマンス)とM(集団維持機能:メンテナンス)の2軸で表したリーダーシップ論です。
・PM型:目標達成に向けて成果を出しながらも、チームにも配慮したリーダー ・pM型:目標達成よりチームの人間関係を重視したリーダー ・Pm型:目標達成を重視し、チームの人間関係は二の次になっているリーダー ・pm型:目標達成もチームの調整にも消極的なリーダー |
ご覧の通り、両方とも大文字のPM型は理想的なリーダーとなります。適切な人選が困難な状況でも、このPM理論を参考に資質について把握しておくと判断しやすくなるでしょう。
なお、リーダーの素質や決定に関する基準についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご参照下さい。
■参考記事はこちら
リーダーシップの具体例を紹介!サーバントリーダーシップについてもわかりやすく解説!
ステップ3.スケジュール設定
続いてスケジュールを設定します。下記にスケジュールモデルを記載しますが、これはあくまで一例です。自社の取り組み内容によって柔軟に調整するとよいでしょう。
たとえば飲食店でのプロジェクトのスケジュールは、以下のように計画することも可能です。
- 改善すべき課題の絞り込み:3日~
- 業務手順と品質向上に役立つポイントの可視化:10日~
- 改善マニュアルの作成や既存ルールの改定:10日~
- スキルの定量化:5日~
- 改善策の実践と強化:5日~
上記は、スモールステップで小さいプロジェクトを計画した例です。最初から大々的な品質向上を求めて改善プロジェクトを計画すると、失敗したときのリスクが大きいため注意が必要です。期間を要するだけでなく周囲の混乱を招く可能性を考えて、まずは小さく始めることをおすすめします。
ステップ4.社内への発信と周知
プロジェクト計画が決定したら、職場の社員に向けて取り組みの目的と内容を周知してください。小中規模店舗や企業の場合はとくに、経営者など影響力のある立場の人によるアナウンスで従業員の理解を仰ぐことが大切です。
また、実施には社員一人ひとりの協力が必要不可欠だからこそ対象者全員に伝わるように工夫をするとよいでしょう。メールや社内報、社内説明会などの機会を設けて積極的に発信してみてください。
ここまで、業務品質向上に向けた施策や手順についてご紹介してきました。大切なのは、課題ありきの品質向上たるもの、課題解決のための施策を正しい手順で行うことです。今回ご紹介した6つのステップを、ぜひ実践してみてください。
業務品質の向上に成功した企業事例
それでは最後に、業務品質の向上の成功事例として「株式会社ユナイテッドアローズ」および「シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社」の2つの事例をご紹介したいと思います。
株式会社ユナイテッドアローズ
ファッションアイテムのセレクトショップを展開するユナイテッドアローズでは、店舗サービスの品質向上につながる研修の実施方法に課題を持っていました。
各店舗から、インプット重視の研修ではなくアウトプットも本部がフォローして欲しいという要望があったのです。同社では新入社員に向けてインプット式の研修を行ってきましたが、店舗配属になると「学んだことを実践化できていない」という声がありました。
そこで、本社は全店舗で共有できる動画マニュアルプラットフォーム「shouin+」の導入を決定。ツールを使用することで動画マニュアルの閲覧だけでなく、教育担当者とのやりとりもスムーズになったそうです。
また、マニュアルを見ても分からないことがあれば、ツールを通して教育担当者に聞けるようになったと言います。他にも、学んだことを復習するタスクなどもあるので理解が深まりやすく、顧客の反応を受けてフィードバックももらえるようになりました。
こうしてユナイテッドアローズは、研修でのインプットと実践でのアウトプットをバランスよく行えるようになり、業務品質及びサービスの品質向上を実現しました。事前に設定した接客レベルの目標値を達成できた社員の割合は、例年よりも約2.5倍アップしています。
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
学童保育サービスを行うシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社では、保育サービスの品質向上と本部と施設間の情報共有のしかたに課題を持っていました。リソース不足により全支援員へ均一の教育を行うことが難しいうえ、本部から各施設に向けた情報も行き届いていなかったのです。
また研修自体が施設の担当者に任されており、属人化も招いていました。ほかにも児童向けのプログラムに関してもできる内容が施設によって異なっていたため、業務品質もサービス品質も保つのが難しい状況でした。
そこで「shouin+」を導入したところ、大きな変化が訪れました。主に発達障害児童対応やいじめ防止など、多岐に渡る研修動画が全施設に向けて配信できるようになったことで施設による情報格差がなくなり、研修の均一化が実現できたのです。
また、児童向けには多種多様な学習コンテンツを配信し、動画視聴によって学びを深めることにも成功しました。その結果、施設間格差をなくすことに成功し、業務及びサービス品質の向上を一石二鳥で実現することができています。
まとめ
業務品質向上を目指すには、目標を設定するための「課題化」からその課題を「可視化」することで業務の「効率化」を図り、人的スキルを「定量化」しながら具体的な施策に落とし込んでいくことが大切です。また、施策を「実践」しPDCAを繰り返しながら「定着化」を図りましょう。
そしてこの計6つの施策をそれぞれ実施するには、計画性を持ってプロジェクトを進行させることが何より大切です。プロジェクトチームを結成し、リーダーを中心に綿密な計画を立てたうえで実践に移していくとよいでしょう。
さらに、プロジェクト進行のポイントとしては、「まずは小さく始めること」です。最初から大きなプロジェクトを組むと、組織に大きな改革をもたらすことになり実践しにくくなるでしょう。一つひとつの手順を、まずはスモールステップで確実に進めてみてください。